conversations
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337
| speakers
sequencelengths 2
3
| product_name
stringclasses 10
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stringlengths 19
26
|
---|---|---|---|
[
{
"utterance": "おじゃましまーす",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "皇女の方から俺の部屋に来るとか珍しいな。何かあったのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん。久しぶりにね、張り切ってみようかな、って思いまして",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "何かいつもよりも楽しげに、俺の部屋へと入ってくる皇女。けれど、その笑顔に、どこか恥ずかしそうなものが混じって見えるのはなんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "張り切る?何かするつもりなのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この世界、結構温かいけどさ、夜はやっぱり肌寒くもなるし。姫にぃだって、カーディガンくらい持っててもいいよね",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ああ、確かにそうだな。夕方とか、軽く外出るのに便利だし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい、ばんざーい",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "……えーと、何をなさるおつもりですか、皇女さん",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたしの趣味、忘れた?編み物\nまあその……ちょっと作ってあげてもいいかな、って思ってね……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ああ、そういえばそうだったな。マフラーとか手袋、作ってもらってたっけ、思い出した\nでも、カーディガンとか難しくないのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちゃんと上達してるもん。そもそも、あたしが今着てるこれ、自分で作ったやつだよ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そうなのか!?てっきり買ったものだと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こうして見ても、市販のものとしか思えない。昔作ってたのは、まだ結構不揃いだったりほころびだったり目立ったもんだけどなあ。\nいや、本当に凄い上達だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、そういうことだから、はい、ばんざーい!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "は、はい!ばんざーい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んしょ、っと",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "両手をあげた俺に抱きつくようにして、皇女が自分の両手を俺の身体に回す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おい、皇女?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちょっとジッとしててね、サイズ測るから……ん\nな、なんか姫にぃ、着やせするタイプ?思ってたより逞しいんですけど……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "いや、サイズ測るのはいいんだけど、その、この体勢だと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "皇女の胸が、思い切り俺の身体に押し当てられる形になってるんですが。\n正直、ちょっとやばくないか、これ?\nダメだ俺……いくらなんでも相手は実の妹。それも、あくまで好意によるサイズ測定だ。変な気になるな。さすがにそこまで俺も堕ちてはいないはずっ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……やっぱり姫にぃ、男の子だよね……こんなにおっきいんだ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ま、まだか、皇女……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あっ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "見下ろす俺と、見上げた皇女の目とが思い切り合う。瞬間、皇女の顔がぼん、と真っ赤になって固まった。\n元々、あまり男との付き合いとかなかったし免疫ないとはいえ、この反応はさすがにちょっと弱すぎないか?\n兄として少し心配だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫にぃ……\nあ、あの、えーと、これってつまり……\nあ、あはは……そうだよね、抱き合っちゃってるんだ、あたしたち……うん、なんだか……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "俺を真っ直ぐに見つめ続ける皇女。その顔に恥じらいが浮かび、そしてそっと目を閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫にぃになら……い、いいよ……\nん……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "赤らんだ頬に、その小さな唇をわずかに突き出し、俺を待つ皇女。\nその唇は瑞々しく、そして柔らかそうで、俺の視線を否応なしに引き寄せる。\n思わずこのまま重ねてしまいそうになるその欲求を、俺は懸命にはね除けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、いいよじゃないだろっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いたいっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その脳天に、俺は少し強めのチョップを落とす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫にぃ、ひどいーっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "当たり前だ。正気に返れ\n俺達は兄妹。いいか?思い出せ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "分かってるけど、でも叩くことはないと思うのっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そうじゃなきゃ、そのまま戻ってこなかっただろうお前は",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "むう……雰囲気的にはありかなーって思ったんだもん……\n少しくらいいいじゃない……あたしだって女の子なんだし、そういうのに憧れたって……\nそりゃさ、ここのみんなと比べれば全然だけど、あたしだって、そこまで悪くはないと思うの……少しくらいは、その気になってくれても……自信なくしちゃう……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "拗ねたように視線を逸らしながら、何かをぶつぶつと言い続ける皇女。\nああでもしないと、俺もやばかったんだ。緊急事態だったんだし許せ。皇女だって、こんな形で、よりにもよって兄妹相手にキスとか嫌だろうに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……それで、サイズの方はどうなんだ?もういいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とりあえず、大体分かったからもう平気",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "まだ怒っているのか、皇女は視線を逸らしたまま俺から離れると、ムスっとした口調で言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、そんなにはかからないと思うけど、出来たら持ってくるから",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ああ、楽しみに待ってるから、頼むな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうして、皇女はソソクサと部屋から出ていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ほんと危なかった……皇女のやつ、自分が結構美人だってこと分かってるのか?\nいや、分かってないな、あれは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の方でハッキリと教えてやった方がいいのかもしれない。\n俺は、疲れきった身体を、ベッドの上へと投げ出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……残念だったなあ、とか思っちゃってるあたしがいる……ほんと、どうしよう……\nあたし、もしかして本気だったりするのかなあ……",
"speaker": "皇女"
}
] | [
"皇女",
"姫"
] | 07_Endless Dungeon | 031603_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "さあ、どこからでもかかってきなさい!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "身の丈より巨大な漆黒の鎌を構えるヴェル。それに相対するは、同じくその身を超える魔力剣を振りかぶるリンセ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでは遠慮無く!最初から全力全開で!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "並大抵の相手であれば、その刃を無造作に振り下ろすだけで決着がつく。全力で闘えば地形だって変えられるだろう。\nそんな二つの力がぶつかった時、一体何が起こるのか。そんな恐怖と期待が入り交じった空気の中、先に動いたのはリンセの方だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空間割砕!せいやあああ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "対象がいる場所を、空間ごと割り砕きあらゆるモノを破壊するリンセの切り札。いきなりの大技だ。\nかつてニコに放った力割りとは違って、離れた箇所を叩き割る遠距離型空間破壊。\nこの攻撃の前に、あらゆる防御は無意味となり、回避しても空間が元に戻るときに発生する爆発に巻き込まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に最初から全力ね!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いきなりのその技を、ヴェルはすかさず横にかわす。だがその後の爆発が、その小柄な身体を呑み込んだ。\n文字通り必殺、いや必滅の一撃。出せば大抵の相手はその一撃で終了する、そんな技だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは自分の母親の強さを、恐ろしさを知っている。たとえ十翼を開いていなかったとしても、油断も容赦もしない。最初から殺すつもりで闘っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで、終わってくれるなら……どんなに楽でしょうね",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "相手が翼を出さないでいてくれるなら好都合、本気を出される前に潰すぐらいの覚悟がなければ、ヴェルには太刀打ち出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その思い切りの良さ、私好きよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "やっぱり!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "爆発で発生した黒煙を切り裂くように、放たれた魔力の波動が一直線に迫る。リンセはそれを回避して、すぐさまこちらも魔力刃を飛ばそうとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "反応が鈍いわよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "しかし、リンセが気がついた時には、ヴェルはすぐ目の前まで迫ってきていた。\n既にヴェルの鎌はこちらを間合いに捉えている、防がなければやられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そう判断してリンセは攻撃を中止、魔力剣を使ってヴェルの鎌を受け止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "思い切りはいいけど、ちょっと行き当たりばったりすぎるわね。空間攻撃はあなたが思ってるほど使い勝手のいいものじゃないわよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "至近距離で言われて冷や汗が流れる。さっきの一撃で終わるとは思ってなかったが、一体どうやって無傷で防いだのかリンセには見当もつかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はああ!せいっ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "相変わらずの馬鹿力、これで神族並の制御能力と魔族並みの魔力を持ってるんだから本当に反則よね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "とにかくこのままペースを握られるのはまずいと、リンセは竜族の力を使って強引にヴェルの黒鎌を弾き、そのまま羽の力も使って大きく背後へと飛び退いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一体どうやって、あの空間割砕を無傷で!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "一応私も使えるしね、弱点も対処法も知ってるわよ。例えば、単純に空間を割り砕くだけの攻撃は、威力は高い分命中精度が悪いとかね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言いながら、再び鎌を振るうヴェル。今度は範囲攻撃では無く、刃状に圧縮した魔力刃を飛ばしてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでも、あの爆発範囲を無傷でなんて!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "魔力剣でヴェルの魔力刃を弾きつつの問いかけに、ヴェルはこともなげに答えを返してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "簡単。空間割砕による爆発に合わせて魔力を放って相殺しただけ。自分が使うからどれぐらいの魔力を込めれば相殺できるか知ってるもの",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そのヴェルの言葉にリンセは背筋が寒くなるのを感じた。\n今ヴェルが言った事が事実なら、ヴェルへの空間割砕は直撃させなければその効力を充分に発揮出来ないということだ。\nかといってヴェルが言った通り、空間割砕は命中精度が悪く、止まっている標的ならともかく動いている敵に直撃させるのは困難を極める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、接近戦で!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは気持ちを入れ換えると、一気に前に出た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたを見てると昔の自分を見てるみたいね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "神族としての力を生かし、自身に強化魔法を施し倍加した竜族の力を、ヴェルに向かって叩きつける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "力はあるのに、それを制御出来ずに振り回すだけ。昔の私がそうだったけど、それじゃダメ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "振り下ろされた刃はヴェルに紙一重でかわされるが、それは想定済みだ。すぐさま二の太刀を放つ。\n魔力剣には普段以上の魔力を込めている。たとえ防がれても押し込めるだけの力は込めた、まともに当てることができればヴェルの鎌だって砕けるかもしれない。\nけれど、そんな状況でもヴェルは余裕を崩さない。わずかに動いてかわしてみせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "魔力に物を言わせた身体強化、でたらめに魔力をつぎ込んで威力を上げた魔力の剣、確かに強力よ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "たあああ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "限界まで高めた身体能力を前に、いつまでも避け続ける事はいくらヴェルでも無理だ。だから半ば強引な攻めをリンセは続ける。\nしかし、幾度目かの攻撃をかわされた直後。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "けど、それだけじゃ勝てない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "どんなに強力な力を持っていても、ただそれに頼るだけじゃ、より強い力を持つ相手に負けるだけよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルが無造作に振った鎌の一撃がリンセの魔力剣の腹を打つ。\nたったそれだけの事で、あっさりと魔力の刀身は半ばから折れ、砕け散った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、そ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "絶対に折れる筈のない刃、むしろ相手の鎌を砕くつもりで魔力をつぎ込んでいた刃があっさりとへし折れた。\nその事実は自身が思っている以上にリンセを動揺させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あ、しまっ――きゃあっ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そして、その一瞬とはいえ呆然としてしまった隙をつかれた。\n下から跳ね上げられるように振られた鎌から発生した魔力の波動に、リンセは大きく吹き飛ばされ地面を転がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、お父さまの怒り!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それでも、何とかギリギリ防御魔法の発動が間に合ったため、致命傷は防げた。\nだからリンセは転がりながらも、ヴェルに向かい攻撃魔法を放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄よ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、その魔法も、ヴェルが鎌を一振りするだけで、魔力の波に飲まれて消滅する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なん……で?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "行き当たりばったりの攻撃、思いつきの魔法、その場しのぎの戦術。それが通用するのは格下と闘ってる時だけよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言いながら放たれる魔力の波動、リンセは慌てて起き上がりその場から離脱した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、本当にどうやって!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "剣を砕いた事?簡単よ。魔力の圧縮が甘かったから、内側に私の魔力を流し込んだだけ\nあの手の剣って内側から攻められるのに、意外と弱いのよね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そ、そんなことが……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "できるわけ無いとは続ける事が出来なかった。どんなに言葉で否定しようと目の前で起こった事実は消えない。\nここまでくれば認めざるを得ない、自分とヴェルとの間にある深い溝を。\nヴェルはまだ十翼すら開いていないのだ、この調子で勝てる訳が無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでも、それでも私は負ける訳にはいかないんです!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "だから自分も覚悟を決めよう、いまここにある深い溝を埋める為に。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあああああ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "気合だけで勝てるほど私は甘くはないわよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "分かってます!だから!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "魔力剣の刀身を再構成、そこにありったけの魔力を込める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空間割砕!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そしてそのまま剣を振り抜き、ヴェルがいる空間を割り砕く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一度失敗した技を……やけでも起こしたの?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、この技はヴェルには通用しない、今回もあっさり避けられる。だが、構わない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、半分!正解です!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "砕け!砕け!砕けえええ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "二の太刀、三の太刀と、避けられても構わないとばかり、力任せにリンセは周囲の空間を割り砕いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、何て無茶を!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さすがのヴェルも、リンセのこの行動に冷や汗を流す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが私の覚悟です!ヴェル母さまを倒すには自分の命をかけてもまだ釣り合いませんから!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセ、あなた……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "本来この技は連続で行うような技ではない。なにしろ空間を破壊するほどの威力の一撃だ、一回打つだけで並の魔導師なら失神する程の魔力を消費する。\nそれに消耗するのは魔力だけじゃない、精神力や体力も一撃毎に大量に消費する。しかし、それを理解しながらもリンセは剣を振るのをやめない。\n接近戦の技量ではどうにもならないことは、たった今思い知らされた。なら、接近戦用の力割りは使えない。\n遠距離用の、割砕で倒すしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうです、最初から力の差は歴然なんです。それなのにヴェル母さまを殺すつもりで闘う、なんて思ってた私が馬鹿でした!\nあのヴェル母さまですよ?死ぬ気で闘ってようやく相手になるかどうかの相手です!母さまを殺すつもりで挑むなら、最初から私も命をかけて闘うべきだったんです!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "空間を割り砕くという荒技の連発に肉体が悲鳴を上げるが、それを竜族特有の強靱な肉体で押さえ込み、魔族の力で全身から絞り出すように魔力を集める。\nそして神族並の制御力を駆使して、危ういながらも何とか連続空間割砕を行使。そして儀式兵器の翼で周囲の魔力を体内に供給し続ける。\nその強引な力の使い方に、身体は明らかに悲鳴を上げていた。全身の筋肉が悲鳴を上げ、引き千切れるかのような痛みが走り続ける。\nだが、それでもリンセは止めるわけにいかなかった。\nあの少女の、自分に対する覚悟を知ったから。だから自分も、その覚悟に見合う必要がある。\n肉体が内側から壊れ、血反吐を吐きながらも、ただ力を振るう、勝つために。\nヴェルと自分の間にある溝を、自分の命を消費してでも埋めるために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあああ!まだ、まだあああ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "くっ、あああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さすがにこれだけの空間割砕の連発には、ヴェルも完全には対応しきれない。その爆風に煽られて、地面に叩きつけられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、れ、でえええ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そこに更に迫る空間の割砕。ヴェルは地面を転がるようにして回避するが、直後に起こった爆発に再び吹き飛ばされる。\nもはや、魔力で相殺する余裕すら与えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐ、ううう……ああっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "痛みに腕が止まりかける。急激な魔力の消耗に気が遠くなる。周囲から強引に取り込んだ魔力が肉体を内側から傷つけ、さっきから吐き気がとまらない。\nそれでもリンセの腕は止まらない。ヴェルが動けなくなるその瞬間まで絶対に攻撃をやめない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分が未熟なんて百も承知です!私じゃヴェル母さまに逆立ちしたって勝てないことぐらい痛いほどわかってます!それでも、それでも……!\nそれでも私にだって負けられない理由が!意地があるんです!だ、から!絶対に負けません!絶対に!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "負けず嫌いな所まで、そっくりね……あ、これは私に限らないか",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "爆風に煽られながらも立ち上がるヴェルに、リンセが再び剣を振りかぶる。それを見てヴェルは優しく笑った。\n娘を優しく抱き止める母親のように、ただ優しく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "見せて貰ったわあなたの覚悟と全力。だからそれに応えてあげるわ、私の全力で!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "割り、砕けええええ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "立ち上がったヴェルの、その背中に十枚の翼が出現する。しかし、リンセは構うもんかと再び空間割砕を放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せいっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "えっ!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "しかしリンセは、次の瞬間驚きに目を見開いていた。\n自分の一撃をかわしたヴェルが、リンセによって割砕されたはずの空間を、更に大きな割砕で上から破壊する。\n当然、空間の回復が次の爆破を発生させようとするが、ヴェルはその爆破すらをも操り、指向性を持たせてしまった。まったく無関係の方向へと爆風が飛ぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動きを止めない!死ぬわよ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ヴェルの言葉にはっとした直後、今度はヴェルの空間割砕が襲ってくる。リンセは慌ててかわすが、指向性を持った爆風がリンセの身体を吹き飛ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐ、ううう!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは、なんとか羽を動かし、どうにか姿勢を保ち地面に着地する。そして、再びヴェルに向かって空間割砕を放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄よ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、それをかわしたヴェルが、再び割砕を重ねると、そこから自分に向かって爆炎が放たれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "割砕の上書き……そ、そんな事までできるなんて",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "割砕の恐ろしさは、その破壊力もだが、空間回復時の爆発範囲にある。なら、回復前に自らの割砕で再破壊し、その爆発の方向を操作してしまえばもう意味はない。\nそしてヴェルには、その爆発の操作が可能だった。自らの技を磨き上げているからこそ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなのまだ序の口。鍛錬を積んでちゃんと技の特性を学んで鍛えれば、こんな事だって出来るわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルが無造作に鎌を振った瞬間、リンセの目の前に一本の線が引かれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセが慌てて距離を取ると、空間に走った一本の線を境に、景色がスライドするようにずれ動いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そしてそれが、時間を戻すように元の位置に戻った瞬間、リンセを巻き込んで爆発が起こる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあああ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "今のは割砕じゃなくて割断。割砕より威力は落ちるけど精度は高いし消耗も少ない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "くっ、まだ……まけ、ない!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは思い知る。能力だけじゃなく、空間を制御するという技術の知識においても、自分はまだヴェルには遠く及ばなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、リンセも使えるようになるわ。ただ、それは今じゃないだけ。今のリンセじゃ鍛錬が足りないわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ぐっ、うう!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "何度空間を割砕しても返される。何処に逃げても割断の力が追ってくる。\nそれでもリンセは諦めない、絶対に自分から戦いをやめない。\nこの覚悟だけが、唯一ヴェルに勝っていると信じているから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ、まだ……まだぁ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "だからこれからの貴方の為にも、この技を見せるわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言って、ヴェルは鎌を振りながら踊るように空間に何かを描いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "次の一撃は掛け値なしの全力よ。今の私が出来る最高最大の一撃を見せてあげる!全力で避けなさい、じゃないと死ぬわよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセはヴェルが何をしているのか気がついたその瞬間、全身の力が抜けるのを感じた。\nあれは無理だ、あんなこと絶対に出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空間を削って魔法陣を……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そう。本来割り、砕き、断つ事そのものを攻撃手段とするはずの空間攻撃。しかしヴェルはその技術を使い、空間の断層によって巨大な魔法陣を形作っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "断層陣……試作一号……起動!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そしてその魔法陣を目にした瞬間、耐えようのない恐怖がリンセを貫いた。この場にいたら死ぬと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが空間制御魔法の到達点よ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言ってヴェルは自分が描いた魔法陣へと鎌を振り上げると、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しっかりとその目に焼き付けなさい",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "躊躇わずに、その巨大な魔法陣を斬りつけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ヴェルの一撃により魔法陣は中央から斜めに割断され、今までと同じように景色がずれる。\nそれが元に戻った瞬間、凄まじい音と共に魔法陣が砕け、周囲が光に包まれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか、そんな……空間が戻る時のエネルギーを、全部魔力に転化して……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "空間は破壊されると凄まじい力で元に戻ろうとする。その際にその力は爆発という形で現れる。\nしかし、あの魔法陣はその爆発力を全て魔力に転化しているのだ。\n単純な爆発現象であの威力だ、あれを束ねて指向性を持たせて解放したらどうなるか……答えは単純。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひっ、きゃああああ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "巨大な魔力の奔流となり、飲み込んだあらゆるものを消滅させる威力となる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ、作ったはいいけど、威力高すぎて使いどころなかったのよね。良かったわ、試す機会ができて",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ノートとの戦いでも、使いどころを狙ってはいた。これなら、ノートの防御魔法すらも間違いなく粉砕できると。\nけれども、さすがノートと言うべきだろう。最後まで、使う隙すら与えてもらえなかった。\nだから、これが本当の初お披露目。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃああああああああああ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは命からがらこの一撃を回避したものの、その余波だけでボロ切れのように宙を舞った。\nちなみに余談だが、この一撃はその後も威力を全く失わずに直進を続け、あやうく世界の壁を突き破りそうになったという。\n以後、この技の使用の一切が禁止になったのは言うまでもない。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"リンセ",
"ヴェル"
] | 07_Endless Dungeon | 031801_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "んっ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "想像以上に細かったその身体を抱きしめながら、俺は右手でそっと胸を揉む。同時に、リンセの口から小さな喘ぎがこぼれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、これ以上だと本当に止められないから……いいんだな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ。お父さまのお好きに、ど、どうぞ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "本当に最後の確認。俺も男として、これ以上進んだらもう抑えることはできそうにない。けれどリンセは、俺を拒むことなく、ただその身体を差し出し続ける。\n緊張と不安とで全身を強ばらせながら、それでも拒否の意思だけは、絶対に見せようとしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうぞって言うわりには、リンセ、緊張でガチガチだけどな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "イ、イヤなわけじゃあ絶対にありませんからっ。た、ただその……どうしたらいいのか、わ、分からなくて……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "真っ赤になりながら、ただ必死なリンセ。そんな姿がたまらなく可愛く感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "素直に感じてくれればいいよ。たとえば、この胸とか……どうだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はできるだけ優しく囁くと、もう一度、その胸を揉んだ。今度はさっきよりも優しく、そっとまさぐるように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……な、なんだか電気みたいな……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "俺の手の動きに合わせるように、リンセは身じろぎ、気持ちよさそうに小さな声をこぼした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……ふ、不思議な感じが、して……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "決して小さくはない柔らかな感触が、服の布地越しに俺の手に伝わってくる。ゆっくりと動かす手に合わせて、それは自在に形を変えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。リンセの身体が俺を感じてくれてるんだよ。だから、もっと力を抜いて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "む、難しいですけど、やってみます……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それでも、中々緊張はほぐれない。まあ当然だろう。女の子にとって、一生に一度しかない初めて。それを、ここで捧げようとしているんだから。\nけれど、そういう時だからこそ、出来るだけ気持ち良くなってほしいと思う。俺はリンセの心を解きほぐすように、その胸の膨らみを愛撫し続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、ああ……な、なんだか気持ちいい、です……んっ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それじゃあ、これ、脱がせるよ。そのために、せっかく直してくれたんだしな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、少し力が緩み始めた頃を見計らい、あえて言葉にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、ど、どうぞ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉への返答を待ってから、俺はそっとリンセの戦闘服を脱がせていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "脱がされた服の下から、やはり白一色のインナーが姿を見せる。\n思った以上に飾り気の少ない質素な下着。戦闘服の下だったことを考えれば当然なのかもしれない。\nけれど、そんな下着を月明かりの下にさらけ出し、リンセは羞恥に顔をより赤く染めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんだか、これはとっても危険です……脱がされるっていう行為が、こんなに恥ずかしいだなんて……\nやっぱり、もう少し勝負的な下着をつけてくるべきでした……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "この状況で出てきたその感想に、俺は思わず苦笑する。これはこれで、リンセの清楚さを表してていいんじゃないだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうか?リンセらしくて可愛いけどなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう言って俺は、リンセの首筋へと顔を埋めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……リンセ、いい匂いする……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "リンセは、化粧のようなものはほとんどしていない。だからそういった不快なものじゃない、リンセの香り。髪から漂う淡い柑橘系の香りと、リンセの身体の甘い匂い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃっ……あ、あの、私ヴェル母さまと戦った後なので、その、汗臭いかとぉ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そんな俺の行為に、リンセは身体を身じろがせる。けれど俺は、構うことなくその首筋を堪能し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "全然平気だよ。むしろ甘い匂いだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうして、胸をまさぐっていた手で、今度は下着の上から固い先端を探すと、きゅっとつまみ上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ……お、お父さま……指が……あ……\nきゅうっ!あ、乳首は、弱くて……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "胸からの刺激に、リンセのその身体が小さく震える。そして可愛らしい喘ぎをこぼし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "直接、いいか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お望みでしたら……ど、どうぞ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "俺の質問に、恥ずかしそうに答えるリンセ。ここからが行為の本番だということを察しているんだろう。\n俺は、下着の胸を覆っているその部分をズリ下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、は……んんっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "綺麗な形の胸が二つ、そのすべてをさらけ出す。直接震える乳房は温かく、そして柔らかい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お父さまの、指、あ、あったかいです……ん、ああっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "優しく、けれど大きく手を動かして、その柔らかさと張りのある弾力を堪能する。さっき摘まんだ時に分かったけれど、その乳首はすでにツンと固く尖っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "リンセの身体こそ……あったかくて、柔らかい……ここは固いけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だから、乳房を揉みしだきながら、その尖塔を指の股で挟み、ちょっと強く刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ、ん、ああんっ!乳首、ほ、ほんとに弱く、て……!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "びくっ、と身体を震わせて、リンセが喘ぐ。甘さの含まれ始めたその声に、俺も興奮し始めていた。\n指を押し返してくる弾力を存分に楽しみながら、揉みしだき続ける。その声は大きさを増し、リンセは俺へと身体を預けてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "胸だけで、こ、こんな……はぁ……ん、んんっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それじゃあ、他の場所でも感じてみるか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ……お願い、します……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "充分に感じ始めているリンセを促してみれば、リンセは少し苦しげに頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こんな格好で、ですか……?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "森の入り口にある樹へと両手をつかせ、足を開かせる。このまま脱がせればすべて見える格好。それに、リンセは首筋まで顔を真っ赤に染めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺だって、リンセの恥ずかしいところ、じっくり見せてほしいからな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ショーツは既に濡れて、小さなシミができている。このまま、そのすべてを見たい。そんな期待を持ってとらせた格好だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやかな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすがに、初めての子にはちょっと辛いポーズかとも思ったが、リンセは懸命に羞恥をこらえ首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それだけは絶対にないですっ\nなので、ど、どうぞ好きに蹂躙を……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "恥ずかしさに声を震わせるリンセ。俺は、少しでも気持ち良くなってもらうために、その身体をそっと愛撫し始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ……そ、そこ、ぞくぞく、きて……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "湿ったショーツの上から、リンセの秘裂の部分をそっとなぞった。同時に、心地よさげな喘ぎがこぼれてくる。\n女の子にとって一番恥ずかしい場所の愛撫。けれどリンセは、それを当然のように受け入れていた。\n快感と恥じらいとに歪むその表情に、俺も更に興奮していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ、もう濡れてシミができてる……本当に胸、感じやすかったんだな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "言いながら、秘裂の上部へと指を動かし、一番敏感だろうその突起の部分の上でゆっくり回転させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そ、そこも、気持ちいい、です……\nう、あ……ああ……や、身体が震えてきちゃって……ち、力抜けて……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "甘い嬌声と共に、その身体を震わせるリンセ。奥から蜜が湧き出し、ショーツのシミをより広げていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いな……軽くいじってるだけでどんどん濡れてくる……もうこんなに",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それは、ショーツ越しでも指に絡んでくるほどの量だった。気持ちよさげに喘ぎつつ、俺の指を受け入れ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、い、言わないで下さい……わたし、へ、変なんです……\nふぁ……ああんっ……こ、こんな風に、なっちゃう……んんっ……ですね……\n恥ずかしい、のに……あ……も、もっと触ってほし、い……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "その身体を上気させながら、更に俺を求めてくるリンセ。俺も、もっとリンセの恥ずかしい姿を見たい。もっとこの子で興奮したい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった……下着もこんなになっちゃってるし、そろそろ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそんな自分の気持ちを受け入れ、リンセのショーツをズリ下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃあぁっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "誰にも見せたことのない、見られたことのないリンセの性器。それが今、ハッキリと俺の目の前にあった。\n淡い銀色の草原で守られたその秘裂は、本当に綺麗な縦筋になっている。\n俺はそれを、そっと左右に開いた。中から蜜がトロッと垂れ、そして淡いピンク色の肉壁が姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……リンセの、凄い綺麗だ。薄桃色で……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、やあ!やあああ!説明は無しでお願いしますっ。こ、これ、思ってた以上に恥ずかしくて!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "悲鳴のように大慌てになるリンセ。女の子にとっての一番恥ずかしい場所だ、ある程度心の準備をしていても、それは恥ずかしくて当然だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お父さまにならいつでもって思ってたのに、あ、あううっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そんなリンセの姿に愛らしさを感じながら、俺はその秘裂からそっと手を離した。その唇が再び閉じ、リンセの奥を綺麗に隠す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも本当に綺麗だぞ……ヘアも薄いし、口もピッタリと閉じてて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こ、言葉責めはダメです、お父さまっ。は、恥ずかしすぎますっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そんなリンセの反応が可愛くて、どうしても少しいじめてしまいたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、感じてるみたいだな。凄い濡れてきてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそう囁きながら、秘裂の中へと指を埋めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んああっ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "同時に、リンセが今まで以上に大きく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ひ、んんっ!ぞ、ぞくぞくが、とまりません!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そこは既に熱く火照り、リンセからこぼれた蜜で濡れそぼっていた。その中を、指で前後にしごいてやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……どんどん溢れてきてて……ほら、くちゅくちゅって音するくらいに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃと淫靡な水音と共に、蜜が足を伝って垂れていく。そして、俺の指の動きに応えるように、リンセも可愛く鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んきゅっ、あ、あふ……い、いやらしい音、しますっ。あ、あ、ああっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そうして、再びそこを左右に大きく開く。リンセの恥ずかしい穴がすべて丸見えだった。\nその中の一つ、俺がこれから自分を挿入させようとしているそこは、純血の証でしっかりと守られていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……リンセの初めての証がよく見える……キュッて閉じてて……自分でしたことも?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そこはお父さま専用ですっ……さ、触ったことも……んああ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "尋ねながら、その周辺を焦らすように撫でれば、リンセは背を仰け反らせて嬌声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せっかくだしな、リンセの綺麗な身体、全部見せて欲しい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この身体を見せてもらうのに、邪魔なものはいらない。俺はそう判断すると、リンセの答えも聞かず、一気に剥ぎ取った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……本当に綺麗な肌だな……白くて、透き通ってるみたいだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "銀色の月明かりに映える白い肌。それは滑らかで、まるで白磁の陶器を思い出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だって、お父さまに見せるもの、ですから……ずっと綺麗に磨いて……\nケガしても、すぐに治癒魔法とケアを……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "その努力が、あくまでも俺のためだということに本心から嬉しくなる。\nこの綺麗な身体が俺だけのものだということ。それを喜ばない男はいないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……その努力の成果がちゃんと出てる。こうして撫でても滑らかで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それに感謝するように、俺はそっと背中を撫でる。そのまま腕からお腹、そして太ももと全身を味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあぁっ……あ。あふ……身体が震え、て……\nや、あ、な、何か変な気持ちが……上ってきちゃう……っ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それだけでも、リンセは気持ちよさげに喘いだ。その身体を震わせながら、全身で俺を受け入れるように、ただ甘く喘いでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もっと……お父さま、もっとお願い、します……ひゃうっ!\nた、多分ですけど……わたし、ひ、あう……きもち、いいです……んああっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "すっかり興奮した様子のリンセに、俺も自分を抑えられない。この身体をもっともっと攻めたくてたまらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった……それじゃあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、その秘所へと、そっと口を近づけていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあっ!そ、そこはちがっ!き、きたない、です!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "蜜まみれになっているその場所を、舌で嘗め回す。甘いリンセの蜜を存分に楽しみながら、その秘肉を徹底的に刺激していく。\nそして、すっかり膨張したその豆のような部分を、指できゅっと摘まんでみた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぐ、ん、んああっ!そ、それ摘ままないでっ!あああっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "その身体を仰け反らせ、大きく喘ぐリンセ。秘所からこぼれる蜜はその量を増し、ポタポタと舌へと落ちてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "綺麗な突起だなぁ……こんなにぷっくりして……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ、あぐ……それ、だめ……感じすぎ、て……ああん!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それを包皮の中から取りだし、優しく撫でてやれば、リンセはただ激しく声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "奥の方からポタポタ垂れてきてる……リンセ、濡れやすいのかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "わ、わかりま、せん……でも、あ、あぐ……きゅうっ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "人差し指で、初めてのその穴を撫で回す。リンセは切なげに鳴きながら、ただ蜜を溢れさせていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、ひぐ……んああっ……お、お父さまの指……だ、だめ、わたしもう……\nお、おねがいします……お父さまを……ください……!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "もう耐えきれない。そんなリンセの言葉に俺も頷く。俺ももう限界だ。ズボンの中のそれは、はち切れそうなくらいに怒張している。\n俺は、リンセを奪うために、それを取り出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……ついに、です。ついに、お父さまに……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "すっかり準備の出来たそこを俺にさらけ出しながら、リンセが期待に満ちた笑顔を俺へと向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、本当にいいんだな?まあ、ここでやっぱりダメって言われても、もう無理だけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もし、やっぱり怖いです、と今言われたとしても、俺は自分を抑えられる自信がない。恐らくは、このまま最後まで行ってしまうだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい……お父さまが来てくれる……そう思うだけで、その……もっとたくさん濡れてきちゃってます……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そしてリンセも、俺を拒否することはなかった。むしろ早くしてほしいとお尻を振って俺を待つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、本当に凄いな……ポタポタ垂れてきて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ですから、お願いします。一気に私の中に……\nいつかきっとって、ずっと願ってました……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "未来の娘、という関係を忘れて、今だけは男と女の関係になろう。俺はそんな覚悟のもと、自分をそっとあてがった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いくぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、リンセの中へと腰を突き出していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、くうっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ぶつ、ぶつ、といった感触と共に、リンセの中へと入っていく。そこは既にできあがっており、熱くキツイ。\nこうして少しずつでも前へと進んでいく度に、電流のような刺激が俺の脳髄へと届く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うく……やっぱり、きつい……っ。大丈夫か、リンセ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "へ、平気、です。痛いのは覚悟してましたから……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そしてリンセは、そんな俺を辛そうに、けれど嫌がることなく受け入れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、お父さまの固いものが……お腹の中、入ってきて……\nうぐ……んっ……お父さまのが、分かります……ど、どうですか、私の中……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "みちみち、っと、閉じていた秘肉を強引に押し広げながら埋もれていく俺。熱いリンセのヒダが、俺を迎え入れるように包み込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いあったかくて……気持ちいいよ……\nギュウギュウ締め付けてきて……搾り取られそうだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やがて、俺のすべてがリンセに包み込まれる。動いてもいないのに、リンセの身体が勝手に蠢き、俺からすべてを搾りだそうとしていた。\n処女特有の固さはあるものの、この締め付けは気持ちよすぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "リンセの方は辛いんじゃないのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の分かりきった質問に、けれどリンセは笑ってくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ……もちろん大丈夫ですよ……こんなのへっちゃら、です……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "まるで痛みなんかないかのように、本当に嬉しそうに笑ってくれる。ここまで俺を慕ってくれていた。その事実が、本心から嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お父さまが、奪ってくれたんですよ……それを痛がってなんて、いられません……\nむしろ、喜びでいっぱい、です\nどうぞ、お父さま。動かないのも、辛いですよね……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そうして、俺を笑顔で促してくれる。俺はその笑顔を受け入れると、そっと腰を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……それじゃあ、ゆっくり……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん、くうっ……あ、ああっ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "喜びと痛みと快感と、そのすべてが含まれたような声で、リンセが喘ぐ。\nできるだけゆっくりと動かし、リンセの負担を軽くしようとはするものの、正直まずい。リンセの体内のすべてが俺を刺激し、とてもじゃないけれど長持ちしそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふ、不思議です……痛い、のに……気持ちよくて……\nお父さまがくれる、す、すべての刺激が……きゃうっ……ん、んああ!き、気持ちよくってっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "けれど、そんな俺の動きにリンセは素直に感じてくれていた。お腹の中を俺に肉棒で蹂躙されながら、ただ喘ぎ、蜜をこぼしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうですか、おとうさまっ……き、気持ち良くなってくれて、ますかっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "あ、ああ……本当に凄い締め付けで……気を抜いたら、まずいくらいだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その気持ちよさから自然と速まりそうになる腰の動きを必死に抑える。けれど、とてもじゃないけれど抑えきれない。\n無数のヒダが俺を別々に刺激し、快感に浸らせていく。ゾクゾクとした刺激が、背中を通って頭を痺れさせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、く……ちょっと動かすだけ、で、キュウキュウ締め付けてくるっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その気持ちよさを味わっていたくて、俺はとにかくリンセの中を動いた。ただ腰を動かして、この快感に浸っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よ、よかった……ん!あ、はあっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そして、そんな俺の動きに、リンセも高く鳴く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、あ、そ、そこ……感じ過ぎちゃ、う……!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "結合部から蜜を溢れさせながら、リンセが喘ぐ。甘い嬌声とぐちゅぐちゅといやらしい水音とが響き合い、俺達をより興奮させていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぐ、あ、ああ……ぞ、ゾクゾクきて……や、やあっ\nだ、だめ、ですお父さま!そ、そこコツコツって……ひ、んああ!こ、声出ちゃう!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "奥の壁を強く叩くように肉棒で打ち付け、その刺激を楽しむ。その度にリンセが背中を反らせ、大きく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹の奥、響いて!んきゅうっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "くっ……奥の方挿すと、蜜が凄い溢れて……あぐ……う……気持ちよくて、腰が自然と速まってく……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "固かったリンセの秘洞が少しずつほぐれ、俺に吸い付いてくる。それが腰の動きに合わせて俺をより痺れさせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……少しずつだけどほぐれてきてて……吸い付いてくるみたい、だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、その快感が欲しくて、更に速く腰を動かす。限界はもう目の前に見えていた。頭の奥が痺れて、もう何も考えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああ!そこ、コシコシされちゃう、と……んああ!\nい、いいです、おとうさま……は、初めてなのに、こんなに気持ち良くて……あ、あふっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ただパンパンと腰を打ち付ける音と、くちゅくちゅとこぼれる水音、そして何よりも高く響くリンセの嬌声。それだけを感じて、腰を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹のおく、から……ぞくぞくってきて……な、なにかが上ってきそうで……\nひ、ぐ、んああああっ……あ、は、はぐ……んん!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "あ、ああ……俺も、もう……根元にまできてて……っ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう無理だ。既に根元まできているその欲望を、俺はこらえられそうにない。\nリンセのこの熱い身体の中に、全力で解き放ちたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はいっ……なか、中に、一番奥におねがい、します!\nおとうさまの、を……おとうさまを、注いで、下さいっ……!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そんなリンセの声に、ラストスパートとばかりに俺は腰を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぐ、あ、ふああっ!ひ、あ、ああん!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "い、いくぞ、リンセ……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……ん、ふあぁ……お、奥、つついて……んあ、あ、ああっ!\nあ!ああ!んあああ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そして、その一番深いところへと自分を突き出すと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ!で、出る!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一気に放出させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ああああああああ!!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "同時に、リンセの体内がきゅうっ、と締まり、リンセが達する。その刺激の前に、俺はただドクドクと自分を注ぎ込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く、うっ……し、締まって……うああっ!\n搾り取られる、みたいだ……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "痙攣し、俺から限界まで搾り取ろうとするリンセの身体。それが心地よくて、俺は抜くことすら忘れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……お父さまの、熱いのが……お、奥にたくさん……\nや、あ……きもちい、い……すごい……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そうして放たれ続ける俺の精液を、リンセは心地よさげに受け止め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……お父さまの、あったかいです……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それからしばらくして、ようやく俺の放出は収まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "リンセの中こそ……最後、こんなに締まるとか……凄い、出たぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "よかった……いっぱい、もらえました……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "驚くくらいに出たそれを、ただ笑顔で受け止めるリンセ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなに気持ち良くしてもらえて……とっても素敵、です……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そんな嬉しそうな声に、俺はただ笑顔で応えるしかできなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"リンセ"
] | 07_Endless Dungeon | 031803h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ん~、風が気持ちいいです♪",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "こら、裸で何やってる。風邪引くぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへっ。ちょっとの間、この余韻を味わっていたかったんです\nだって、お父さまったら、一度どころかあんなに……うふふ、素敵でしたあ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "さっきまでのことを思い出してか、顔を赤らめながらもニコニコと笑うリンセ。なんていうか、改まって言われると恥ずかしいものがあるな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ中にお父さまがいて下さる……そんな感じが残ってるんですよ。ずっと残ってくれてたらいいのになあ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "いいから、服を着なさい。いくらなんでも全裸でこんな風に当たってたら、間違いなく風邪引くぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はーい",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "少し風に当たって満足したのか、リンセは素直に服を拾った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お待たせしました。寮に戻ったらお風呂入らないとですね。お父さまの証を洗い流さないといけないのは残念ですけど\nあ、お待たせするのもなんですし、どうせなら一緒に入っちゃいませんか。ここまでいってしまったら、お風呂の二回や三回どんとこい、です",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "匂いとか残っちゃってるだろうしなあ……まあ、ここまできたら確かに今さら、か",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どうせリンセとは、既に一回一緒に入ってるんだし。\nでもまあ、その前にこれだけは聞いておかないとな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なあリンセ。お前は未来の剪定者なのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はにゃっ!?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "その反応だけで充分分かる。俺の考えは間違ってなかったらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えっとそのぉ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "俺は、ニコの生い立ちだとか反応だとかから、ニコが可能性の世界の住人なんじゃないかって思ってた\n否定する材料も多かったんだけどな、とりあえずはそう決めつけることにしたんだよ。その場合、リンセがどの立ち位置になるのか……\n同じ時代からやってきたんだ。可能性の世界の住人。そのペア。対戦相手となる剪定者しかないよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "リンセは、しばし視線を空中にさまよわせ、けれど決心したのか俺と正面から向き直った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがお父さま、大正解です\n私とニコは、お互いの存在を賭けて、未来で争ってました",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それは、どういう争いだったんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "第五種族の未来、ですね。ニコが言うには、私、魔法によって母さまたちに宿った四人の命を合わせた結果生まれたんですけど、それってつまり試作品なんです\nバラバラな種族の生命。それを一つに結びつけた生命はあまりに強くて安定していません。生命そのものの繋がりが弱いらしいんですよね\nそこに子供を作ろうと他の人の遺伝子を受け入れると、繋がりが解けて子供の命と引き替えに死んじゃうんだそうです\nけれど、第五種族という存在はその子にちゃんと受け継がれて続いていく……そのちょっと先に、ニコがいるんです",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "子供を産まずにリンセが生き残るか、子供を産んで、リンセが死ぬ代わりにニコへと未来を繋ぐか……そういうことなのか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ニコって、バカなんですよ。本当なら、素直に私が子供を産む未来へ導いて、自分の存在を守ればいいのに……ちょっと仲良くなりすぎちゃいまして\n気がついたらあの子、私が生き残る未来を守ろうとしてたんです。子供なんか産まなくていいって\nおかしな話ですよね。私を守ろうとするニコと、ニコを守ろうとする私。立場が逆転しちゃったんです\n私はニコを守りたかった。だけどニコはそれを許してくれなくて……だったらもう二人で生き残るしかないじゃないですか。なんといっても、お父さまの娘なんですから!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "だけど、その扉は見つからず……それで過去に飛んできた、そういうわけか。その扉を見つけ出す方法を求めて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。第四の扉を作り出してすべてを守ってみせたお父さま。そんなお父さまと一緒にいることで、その方法に少しでも近づけたらって",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "相談しろ、って言っても無理だな。過去を変えることになってしまう。俺が未来を変えるしかない……\nでも、だからといってなんでこんな強引な……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……ニコが、私を守ろうとしてくれてます",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ニコが?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。あの子は、私を守るために、未来をねじ曲げようとしてる……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "甲冑騎士、か。\nなぜかは分からないけれど、皇女の対戦相手である可能性の世界の住人……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、私が、私の力で未来を変える必要があったんです。あの子に、大丈夫だって言ってあげる必要が",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それが、なんで俺とその……肉体関係を結ぶ必要が……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "カミシアちゃんとミヤちゃんと相談したんです。どうすれば私は、死ぬことなくニコに命を繋げるかって\n私は、四つの命をお父さまの遺伝子で安定させてます。つまり、既に持っているお父さまの遺伝子なら……\nお父さまとの間に生まれる子供なら、私の命も問題なく大丈夫なはず!という結論に達しました。そのシミュレートも済んでます",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そういうことか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今やっと分かった。だからこそリンセは俺を求めたし、俺にその理由付けをさせるために、ヴェルに挑む必要があった。\nこの子は、この子なりにずっと、大団円の扉を探し続けていたわけだ。その方法はともかくとして。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど……このガムシャラに突き進むところ……やっと実感が湧いたよ。まさしく俺の娘だな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへ♪はい、お父さまの生き方、戦い方は、ぜ~んぶ母さまたちから聞いてますから",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "その屈託のない笑顔に、俺も苦笑を浮かべるしかできない。未来の俺とみんなは、本当にいい子を育てたらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、良かったのか?結局お前は、自分を犠牲にしたんだぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえいえ、全然まったく犠牲になんてしてませんよ?むしろこんな私得な方法、どこのボーナスタイムだとびっくりしました\nだって私、元々お父さま以外の男の人とする気なんてなかったんですから。他の人とだなんて気持ち悪い\nいいですか、父親は、娘の初めてを奪う義務があるんですよ♪",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "いや、ないぞ!ないからなそんな義務!絶対にない!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その屈託のない笑顔に、俺は恐怖を感じるしかできない。未来の俺とみんなは、本当にとんでもない子を育てたらしい……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで……皇女の対戦相手も、ニコなのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "尋ねる俺に、けれどリンセは首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かりません。だけどあの子は、前に言ってました。私がこの時代に来たことで、世界が動いたって……\nだから、多分……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセを守るために、裏で何かを企んでる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんだろう、激しく嫌な予感がする。前にも一度抱いたことのある感じだ。あれは、いったいいつの……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "戻ろう。それでニコと話す必要があるな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それから寮へと戻った俺達は、けれどニコと会えなかった。\nニコは既に姿を消してしまっていたから……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"リンセ"
] | 07_Endless Dungeon | 031804_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "闇の帳の中に浮かぶ、巨大な城。眼前にそびえるその建物を、ニコは黙って見つめていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……今夜、でしょうね……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "誰にでもなく、ただ呟く。あえていうならそれは、自分に対する覚悟の確認。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……可能性の扉が、もう開きます。そうなれば、妹さまはもう選ぶだけ……\nだから、選ばせません。絶対にっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その拳を強く握り、ニコは言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そのためならニコは……なんにでもなります\nそれが、他の誰の命と引き替えになっても……どれだけ恨まれても……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そしてニコは、トリニティへと背中を向けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうかしたの、ニコ?こんな時間に外で待ち合わせとか\n姫にぃが探してたみたいだけど……まあ、内緒で、っていう話だったから、このことは言わないでおいたけど",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "既に寮生も全員が寝入ってるだろう時間。\n寮の前で待っていたニコに会うために、皇女は外へと出ていた。\n話があるからと姫がニコを探していたのは知っている。そして見つからなかったことも。リンセが心配していたことも。\nだからこそ、今ここにニコがいることへの疑問はあった。とはいえ、友人を裏切りたくはない、というのも本心だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとうございます。妹さまには、どうしても見てもらわないといけないものがあったので",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "あたしに?姫にぃにじゃないんだ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "はい。主さまも関係はあるのですが、ここでは妹さまだけでお願いします",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そう言って、ニコはそっと右手を挙げた。\n瞬間、世界からすべての音が消える。いや、ありとあらゆる生命の気配が消える。\n風も、匂いも、色すらも、二人の周囲から消え去っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?こ、これって……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その風景に、皇女は見覚えがあった。それはあの日、あの甲冑騎士に初めて襲われた日、自分があの世界へと紛れ込んだ時に見たもの。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか……やっぱり、ニコ、なの?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ニコが可能性の世界の住人じゃないか、という予想は姫から聞いていた。けれど、ニコが自分を襲う理由は見つからない。なによりも、友人だ。\nだからこそ、あえて外していた、違う、と決めつけていた可能性。\nけれども、今目の前の光景は、決定的な真実だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これから、未来の剪定が始まります\n今回の扉は二つ。あなたは、その可能性を見て、経験し、選ばないといけません……本来ならば",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "未来の扉。その中には、これから進む未来がある。剪定者は、その未来を自ら体験し、そしてその中から現実となる未来を選ばなければならない。\nいうなれば、未来の扉とは、未来の選択肢。そして、剪定者とその対戦相手は、この未来に対するある程度の干渉を許される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですが……今回は選ばせない\nまずは見てきて下さい。一つ目の未来を。あなたが、何かを失う世界です",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ま、待ってよ。結局、何が目的なの?ニコはいったいどうしたいわけ?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "……ニコは守りたいだけです。この、世界という名の凶悪な運命から、あの子を……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その言葉と共に、皇女の背後に二枚の扉が浮かび上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "妹さまが、この可能性の世界でニコと会っていたことは、またこの場所に戻ってくるまで忘れます\nだから、安心していつも通りの生活を続けて下さい",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そして、そのうちの一つがゆっくりと開いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……みなさんが、あの子を大切にしてくれることを願ってます",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "な、何よそれ!いったい何なの……!?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "白く変わっていく視界の中で、ニコは確かに笑っていた。ただ優しげに、笑っていた……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"皇女",
"ニコ"
] | 07_Endless Dungeon | 031805_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ニコは疲労で、リンセは泣き疲れてどっちも爆睡、か。また、らしいといえばらしいけれども",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一緒のベッドで、抱き合うみたいに眠ってたよ。ほんと、家族なんだね、二人は\nだけど、本当に良かった。そんな二人が、別れたりしないですんで……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "夜。昼間の騒ぎが嘘のように、今日の夜は静かだった。\n俺と皇女の二人しかいない室内。これからのある用事のため、紅には部屋を空けてもらっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なあ、本気なのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん、何が?って、まあ一つしかないよね、この状況でその質問\n姫にぃはさ、あの二人の仲を引き裂きたいの?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そんなわけあるか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だったら、悩む必要もないじゃない\nあたしが姫にぃと関係を持って、そっちの可能性への扉を開く。そしたら、その扉を選んで終了、でしょ。この剪定者ゲーム",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "確かにそうなんだけれども、その、やっぱりな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "リンセが生まれる道を作るにはそれしかないとはいえ、兄妹という関係で、本当にいいのかと何度でも考えてしまう。\n特に、男と違って女には失うものがあるだけに。\nけれど、そんな俺の不安なんて問題外、というように皇女は笑っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それにね、あたしのお兄ちゃんが姫にぃじゃなかったら、絶対に無理だったと思う\n姫にぃだから、なんだよ。姫にぃに、もらってほしいから……それとも、あたしじゃ不服?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "不服じゃないから悩んでるんだよ……その、身内の贔屓目を差し引いても、お前は結構美人だと思うし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "よし、だったらいいじゃない\n言っておきますが、恥ずかしいのはあたしの方だからね。姫にぃに、その……全部見せたげるんだから",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そう言う表情には、確かに後悔なんて微塵もない。これ以上は、皇女を悩ませるだけか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだ。一応聞いておくけど、姫にぃ、そこそこ経験あるんだよね……?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "あー、まあ、一応はな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたし、ちゃんと初めてだから、優しくお願いね",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ちょっと恥ずかしそうに笑って、皇女はベッドの上へと横になった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"皇女",
"姫"
] | 07_Endless Dungeon | 040007_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あは……な、なんだか変な感じだね……まさか姫にぃとこんな……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "皇女はただまっすぐに俺を見上げながら、ちょっと照れくさそうに微笑んだ。\n今まで、妹としてしか見ていなかった少女。けれど、初めて女として見る表情に、俺は思わずドギマギしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは俺のセリフだぞ。その……本当にいいんだな?間違いなく俺達は血の繋がった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい、そこまで。言ったよね、あたしのブラコンなめんな、って",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "本当に最後の抵抗。尋ねる俺に、けれど皇女はあっさりと、それが当たり前というように最後まで言わせてもくれず返答する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、二人の愛を燃え上がらせるスパイスみたいなもの……でいいんじゃない?その背徳、って言葉",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "リンセといい皇女といい、俺の周囲の女性達は、なんでこんなにもサッパリしてるんだろうなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからまあ……うん、お願いします\nお兄ちゃんとなら、絶対後悔しないから",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "あくまでも笑顔のままで、そう言い切る皇女。これはもう認めるしかない。俺の負けだ。\n確かに、本来ならあってはいけないことなんだろうけれど……だけどそれが必要で、そしてそれを心から望んでくれるというなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……分かったよ。お前がそう言うなら、俺も覚悟を決める",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんといってもこれは、皇女とリンセとニコの、未来を背負う行為なんだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いかがでしょうか",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "大きく左右に開いたチュニックの下から、下着姿の皇女が姿を見せる。それほど派手さのない下着は皇女らしく、その身体によく似合っていた。\n皇女は恥ずかしそうに微笑んだままで尋ねてくるが、一言で言えば、綺麗、だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんね……その、あんまりすごい下着持ってなくって。できるだけ頑張って選んだんだけど、やっぱり子供っぽいかなあ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "細身の、けれど確かに女の子をした身体。そして、それを包み込む清楚な下着。その姿に文句なんて言えるはずがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むしろこれくらいのがお前には似合ってるよ\nこれでとんでもない大人な下着が出てきた方が驚いて萎える",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんか、子供っぽいって言われたような気もするけど……まあいいかな。少なくとも気に入ってもらえたってことだもんね",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "本心からの俺の言葉に皇女は楽しげに笑って答える。そして、その全身から力を抜いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんまりスタイルよくないけど、いいよ、触っても……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お言葉に甘えて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな皇女の想いを受け止めながら、俺は眼下の身体へとそっと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その胸の膨らみへと手が触れた瞬間、皇女はその身体をぴくん、と反応させ、小さく声をこぼした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、ビリッてきた。ちょっとだけど……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "初々しいその反応。恐らくは自分で触れたこともほとんどないだろう。だからこそ、その感覚に少し驚いている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "強かったか?なんならもう少し弱く……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "へ、平気ですっ。そのまま、どうぞ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ちょっと不安げながらもそう言ってくる皇女に、俺はそっと手を動かし始める。\n大きい、とは言えないもののちゃんと膨らんでいる二つの丘。それを優しく撫でるように揉んでいく。\n手のひらいっぱいに広がる柔らかさ。その感触を味わいながら、胸全体を揉みしだく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……う、く……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "恥ずかしいのか、懸命に声を押し殺す皇女。無理に抑え込むなんて、正直勿体ない。俺は下着越しの胸の感触を楽しみながら、促してやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "声に出してもいいぞ……そんなに一生懸命ガマンしなくても……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "が、ガマンなんてしてません……んうっ!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "本当に強がりだな、お前は。でもまあ、俺としてはぜひとも感じてもらいたいので……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それでも必死に強がる皇女に呆れつつ、ちょっと強引にそのブラへと手を持っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、きゃあっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そして、一気にズリ上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう姫にぃ……こんな無理やり……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "滑らかな膨らみが取り出され、皇女の身体の上で小さく揺れる。その柔らかそうな質感は、見ているだけでまた触れたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪い。どうしても見たかったんでさ……綺麗な胸してるな、お前",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え、えへへ……その、あんまおっきくないけど……\n紅さんとか、ノートさんとかと比べるのはナシだからねっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "さすがに、ノートも紅も関係なく、これを他の誰かと比べる気はない。あくまでも皇女の胸として、俺はこの膨らみを楽しんでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "誰とも比べないよ。比べるとしたら、子供の頃のお前とだな\n一緒に風呂入ってた時は、あんなにぺたんこだったのに……いつの間にか、ちゃんと女になってるんだからなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "二年前に家を出た時も、まだぺたんこだったイメージなんだけども……本当に、女になっちゃったんだな。俺の妹としてでなく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫にぃだって、そうなんでしょ。昔はその……かわいかったよね、ゾウさんみたいで",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "さあ、どうだかなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな皇女の追求を俺はごまかしながら、再び胸へと手を伸ばす。今度はブラ越しなんかじゃなく、直接触るために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあっ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "この感覚にも少しは慣れただろう。俺はさっきよりもちょっとだけ強く、そして激しく胸を揉みしだく。\n柔らかさと弾力とがバランスを取り合い、俺の手に心地よい圧力を返してきた。俺はその感触を味わい続けるために、その膨らみを攻め続ける。\nそして、その動きに耐えきれなくなったのか、その唇から甘い鳴き声が漏れ始めた。もうガマンもできないらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ず、ずるい、よ……こんなごまかし……ふあぁっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "やっぱり、直接の方がいいな……さっきより全然柔らかい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "膨らみの中へと指がめり込んでいく感触。直接伝わる快感と体温を存分に楽しみながら、その中央に色づいている乳首を指先でいじる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……や、乳首、だめ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その身体が小さく震え、気持ちよさげな声で喘ぐ皇女。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……さっきより、き、気持ちいい、よ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "甘い声と共に、その乳首がツン、と立ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、先端もこんなに尖ってきて……んむ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それを軽く唇で噛んでやると、皇女が大きく天井を仰いだ。そのまま舌で愛撫すれば、ただ感じている嬌声が響く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃうっ、や、あ、な、嘗めちゃ、だめぇっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その声を心地よく聞きながら、皇女の胸を攻め続ける。指と舌とでいじる度に、その嬌声は甘さを増し、やがてショーツにシミを浮かべていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゃんと感じてるんだな……濡れてきてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "濡れ始めたその場所に視線を送りながら、そっと指で触れてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、だめ……それは生理的なもので……んあぁっ!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "じっとりと湿ったその場所に指を押し付けながら、ゆっくりと前後に動かした。それだけで皇女は身体を震わせ、大きく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あたしがいやらしいわけじゃ、ない……はぁ、んだから……ああんっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "分かってるよ。俺だってその……もうなってきてるしな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こういう行為をすれば、互いに感じるのは当然だ。俺だって、ズボンの中はしっかりと興奮してしまっている。\nだからこそ、ここまでなった皇女をもっと感じさせたい。もっと感じたいと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ……や、き、気持ちいい、のかなこれ……んく、あ、ああんっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "秘裂に沿って指を動かし続ければ、いつしかその蜜は、下着越しに俺の指にまで絡んでいた。\nその身体は熱く火照り、女としての快感を得始めているのがよく分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめ、だ……あ、あ……こ、声、でちゃっ……ん、ああっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "皇女はただ素直に俺の指を感じて、その蜜を増やしていった。自然とシミが広がり、下着を汚していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いな、どんどん広がってくる……脱がすぞ、皇女……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その光景に、俺もすっかりと興奮していた。この下着の下にある光景、皇女の恥ずかしいその場所に対する興味が止められない。\n俺はショーツに手をかけると、ゆっくりとズラしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その両目をぎゅっと閉じたまま、女の子としての自分を見られる羞恥に耐える皇女。\nギリギリのところで止めてはいるけれど、あと少しでも下ろせば、皇女の一番恥ずかしい、見せてはいけない場所がさらけ出される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、すごい罪悪感だな……妹の下着脱がすとか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのギリギリの光景に、俺は更に興奮を憶えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばかぁ……そんな風に焦らされる方が恥ずかしいんだからっ\nひ、一思いにやってよぉ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そう抗議する皇女に、可愛さを感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、でもこうやって必死に恥じらいと戦ってる皇女も、ちょっと可愛いなあ、なんて思ってしまってるわけだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫にぃのえっち……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "恥じらいに満ちたその声に俺は満足すると、今度こそ一気に、ショーツをズリ下ろした。\n淡い恥毛に守られるようにしながら、綺麗な縦筋がそこにはあった。濡れた恥毛が肌へと貼り付き、凄くいやらしい光景だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……皇女の、綺麗だな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自然に出てしまったその言葉に、皇女は恥ずかしそうに笑ってごまかす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あはは……見られちゃってるね……あたしの一番えっちな場所……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "……見られてるだけで感じてるのか?なんかどんどん蜜が増してるんだけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ピッチリと閉じたその場所から、透明な蜜が滲みでてくる。皇女のその恥ずかしいはずの姿を、俺は凝視してしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……姫にぃがね、あたしの見てるって思ったら、なんだかドキドキが凄い激しくなって……\nちょっとこれ、やばいかも……うん、ここにきて確信しちゃった\nあたし、やっぱり姫にぃのこと、好きなんだって。男の人としてね、大好きだって……・",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "耳まで真っ赤になりながらの皇女の告白。こんな状況で言うのは少しルール違反だろう。俺の中にある皇女への気持ちから、完全にたがが外れてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、ねえ……これから、もちろんもっと凄いことしちゃうわけなんだけど……その前に、一ついいかな……\nあたしもその……姫にぃの、見たい……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そんな皇女の希望に俺は頷くと、ベッドの上に腰を下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これがあの、ぞうさんですか……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ズボンの中から、すっかり怒張した俺のものを取りだして、皇女が固まる。\n子供の頃に見せ合っていた頃とはまったく別ものになってしまったそれ。こんな状態のものを見るのは、当然初めてだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、すっごい物体に……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "それを、そっと握りしめながら、皇女が怯えるように凝視する。うん、さすがにこうも見られると少し恥ずかしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、俺もその、興奮状態だからな……通常はもうちょっと違うんだけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すっごい熱くて……固い、ね……こんなの、あたしに入るのかなあ……\nえっと、とりあえずこうすればいいんだっけ……?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "皇女はしばし俺を眺めたのち、唐突に舌先で嘗め始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、む……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "んあっ、み、皇女?お前……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "濡れた舌先で嘗め上げられ、ゾクリとした快感が背筋を走る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、男の人ってこうされるの気持ちいいんでしょ……?\nあたしだけ気持ちいいのは、フェアじゃないし……で、でもなんか変な味だね……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "亀頭の部分を味わうかのように、ゆっくりと嘗め回していく皇女。そのたどたどしい動きが、今はかえって気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "む、無理にそんなしなくても……う、ああっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その快感に、俺の下半身は如実に反応していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんかまたちょっとおっきくなった……?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "皇女は驚きつつも、そのまま俺への愛撫を続けていく。俺のすべてを知ろうとしてるみたいにジックリと、円を描くみたいに舌を動かしていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……ん、んく……うう……やっぱり変な味する……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ちょっと眉根を寄せつつも、舌の動きは止まらない。その熱い快感に、俺は確実に昂ぶっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、はぁ……無理、しないでいいからな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "でも、なんか負けたみたいで……ん、んん……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その舌先が、俺の鈴口をチロチロと攻め始める。ゾクゾクと痺れるような刺激に、俺の中から先走りがこぼれ出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んはぁ……い、いっぱい出てきてる、ね……これが男の人の……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "皇女はそれすらも、嫌な顔せず嘗め取っていく。その舌の刺激に次々と滲み出す先走りの液と皇女の唾液とで、俺の肉棒はベタベタになっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ、ん、んむ……も、もうべったべたに……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その舌が、やがて先端から裏側の方へと回っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うぐっ!や、やばい、これ……凄い、きてる……っ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "裏筋に沿って蠢く舌に、俺は自然と声を荒らげていた。身体の奥底から大きな快感がこみ上げ、根元の方に何かが集まっていくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そう……そこのところを、下から……んああっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん……今気持ちよさそうな声、した……こう、だね……はむ……んん……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そんな俺の反応が嬉しいのか、皇女は更に大きく動いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……ん、んん……あたしも、なんか変な感じになってきちゃった……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "いつしかその行為に皇女自身が興奮してしまっていたのか、その顔は赤く上気していた。\nそうして、熱い吐息をこぼしながら、俺をそのまま味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……んちゅ……こんな変な味なのに……姫にぃの味って思ったら……ん、あふ……\nも、もっと欲しい、かも……ん、むぅ……あ、あん……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "休むことなく与えられるその快感に、俺ももう限界だった。必死になって抑えてるこれを少しでも緩めれば、その瞬間、一気に吐き出されるだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "み、皇女っ……も、もう俺……無理だから、はなれ、て……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすがにもう抑えられそうにない。一生懸命に俺を愛撫し続ける皇女へと言うが、その舌の動きは少しも緩まらなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あぐ……う、ああっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "根元へと集まったそれは、もう決壊寸前だ。俺はどうにか堪えようとするものの、脳髄へと響く快感がそれを邪魔してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あむ……んむ……ちゅ……んく……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そうして、再び鈴口へと差し入れられた舌の熱さに、俺の身体がびく、っと震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ああああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "次の瞬間、溜まりに溜まっていたその欲望が、凄まじい勢いで放たれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ!!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "抑えのなくなった精液は、そのまま皇女の顔へと噴き出していく。いきなりの熱い液体を顔にかけられ、皇女は驚きに顔をしかめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、な、なに?いきなり、こんなたくさん……\nあ、もしかしてこれが……うわ、あったかい……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そしてそれの正体に思い至ったのか、感心するかのような声で、呟いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うふ……なんか、いっぱいかかっちゃったね……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その顔にかかった精液を拭いもせずに、皇女は笑っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな風にでちゃうんだ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "自分が俺をイかせたということが嬉しくてたまらない、そんな笑顔で、まだ固いままのそれを愛おしそうに眺めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……\nお前、本当に初めてか……?凄い、気持ち良くて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう、当たり前じゃない。見せるのも、見るのも初めて……全部、お兄ちゃんが持ってっちゃうんだからね。あたしの初めて",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "それで、あの気持ちよさとか、将来的に有望すぎて怖いな、ほんと……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、すごいね……なんか、全然ちっちゃくならないよ?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "つんつんと、興味深げに俺をつつきながら尋ねてくる皇女。それもまあ仕方ないだろう。これから皇女の中へと入っていく、その期待感が俺をずっと興奮させている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、皇女の中に入るのを期待しちゃってるから、かなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そっかぁ……うん、いいよ。それじゃあ、お迎えしてあげるね",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そんな俺の回答に、不安と期待、その両方が入り交じったような声で皇女は言った。\nカーディガンも脱ぎ身軽になると、皇女は再びベッドに横になった。\nその足を大きく開き、その恥ずかしい場所を俺へと見せつけてきている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまり見ないでね……やっぱり恥ずかしい……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "覚悟は決めていても初めてなんだ、やっぱり平気なはずもない。皇女は恥ずかしそうに俺を見上げていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、見るなっていうのもちょっと拷問かなあ……皇女の綺麗だし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "濡れそぼったそこは少しのくすみもなく、ジッと見ていたくなるほどに綺麗でいやらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分で、とかは?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ない、です……だって、初めてのが破れちゃったりしたら怖いし……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "やっぱりそうか。さっきまでの反応から恐らくそうだとは思っていたけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、正真正銘、俺が初めてなんだな……ここに入るの",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "誰一人、見ることも触れることもしていない皇女にとっての秘密の場所。そこを、俺がこれから汚す。\nたった一人の妹を女にするんだという事実に、俺は背徳感と期待感と、その両方を抱いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきのあれ、が入るんだよね……大丈夫、かな……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "不安げに、そう呟く皇女。俺はその頭を撫でながら、できるだけ優しく言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少し痛いかもしれないけど……ガマンしてくれな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん……どうぞ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その顔に不安を浮かべたまま、けれど拒否することなく皇女は俺を求めた。俺は皇女に怒張したままの自分をあてがうと、そっと中へと埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……ぐ……ううっ!\nす、少しじゃない、よぉ、これ!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "思った以上に皇女の入り口は固くて狭かった。みぢ、みぢ、と皇女の身体を強引に押し広げながら、少しずつ俺を進めていく。\n赤い純血の証が流れ、皇女は必死に痛みを堪えるが、その顔は苦痛に満ちていた。\nこのキツさ。ゆっくりいくよりも、一気に押し込んでしまった方がいいかもしれない。皇女も、痛みが長く続くよりは一瞬の方がいいだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……思ったより、狭くて……い、一気にいくから……悪いっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそう判断すると、皇女の下半身をしっかりと押さえた。\nそして、強引に皇女の中へと肉棒を突き入れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぃっ!あ、あう……姫にぃの、ばかぁ……あ、あとで甘えるからねっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "一際大きな苦痛が、皇女の口から響き渡る。それでも皇女はその痛みを必死に耐えて、どうにか俺を受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……好きなだけこい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "初めての証を引き裂いて、俺は皇女に包まれている。充分に濡れたそこは熱く、ジッとしているだけでも俺をゾクゾクさせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皇女の中……もうトロトロだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は皇女の中へと埋もれたまま動かずに、その快感をじっくりと楽しむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……あ……だ、だめ、うごか、ないで……うあ、ああ……お腹の奥から、な、なにかきてる……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "が、皇女が呼吸をする度に秘洞がわずかに蠢き、俺を刺激した。同時に皇女も、俺に内側から刺激され、切なげに喘ぎ出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛いのに……や、あ、なんか気持ち、いいよ……あ、あう……\nやん……む、むずむずってきて……ふあ、あ、ああっ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "自然に蠢く皇女のヒダ。ただでさえ狭い秘洞に攻められているのに、この攻撃は厳しすぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おい、俺は動いてないのに、なんだ、これ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "常に擦り続けられているような快感が、肉棒から脳天へと送られていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皇女のヒダがか、勝手に動いて……くうっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んぐ……あ、ああ……ひ、姫にぃ……いいよ動いて……気持ち良くて……も、もっと欲しい、の……っ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そして、皇女もその快感を堪えきれないのか、ただ俺を求め始める。\n痛さよりも気持ちよさが勝ってしまったのか、その声は切なげだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった……けど、こんなきっついの、俺もそんなもたないからな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "このままでいても多分長くはもたない。俺は、皇女の中をゆっくりと動き始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぐ、あ、ああっ!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "同時に、強い刺激が走ったのか、皇女が背中を反らすようにして大きく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ひぐ、ん、ああっ……お、お腹の中、すごい、よぉ!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "蜜に濡れたその中を、俺は欲望のままに動いていく。熱く火照った無数のヒダが俺を締め上げ、動く度に俺を震えさせる。\n同時に皇女も、その体内を俺にこすられ、震えながら甘く喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごりごり、ってこすられて……ひぃ、あ、ああんっ!\nやあっ!お、奥は、だめ!し、痺れちゃうっ!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ぐちゅ、ぐちゅ、と溢れる蜜がこぼれ、俺の動きをよりスムーズにし、速めていく。徐々にほぐれ始めたヒダは吸い付くように俺に絡み、快感が俺の意思を支配していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くう!とろとろの皇女の肉が……か、絡みついてくるみたいで……\nやばい……凄い、気持ちいいっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その気持ちよさ以外にはもう何も考えられない。ただ皇女の中を動き、シビれる快感に身を任せる。再びの射精感が奥底から湧き上がり、その根元を熱くする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃ、あ、ああ!あ、あたしも、気持ちいいよ、あ、姫にぃ!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "俺の腰の動きに合わせ、喘ぎ、震える皇女。その胸が目の前で揺れ、俺の視界をも興奮させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あぐ……な、なんかね、き、きそう、なの!もう、きちゃってるの!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "同時に、全身を包む快感を堪えきれないのか、ただ激しく喘ぎ続ける。その嬌声に刺激され、俺は更に腰の動きを強めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああ!こ、こんなの知らない、よお!やだ、だめ、む、無理!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "こつ、こつ、と奥の壁へとあたる度、皇女の嬌声が高くなる。下半身から湧き上がる快感に身を任せ、皇女は絶頂へと突き進んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、もう!皇女!だ、出す、ぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして俺も、もう何も考えられない。ただ皇女の中で解き放ちたい。達して、皇女を俺の欲望で汚したい。そんなことしか思い浮かばない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい、どうぞ!な、中で!\nあ、や、あぐ、んあ、あ、あ、ああっ、すごい……い、いいよ……あたし、もう!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "俺を求める皇女の言葉を受けて、俺は一番奥まで腰を突き出す。同時に皇女の秘洞がぎゅう、っと締まり、その刺激を耐えることもできず、俺は自分を爆発させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ああああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分の先端から、熱いものが一気に皇女へと流れ込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふああああああああぁぁぁぁっ!!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そして、同時に皇女も達する。背中を大きく弓なりに反らし、嬌声と共に全身を痙攣させていた。\nそれと共に、結合部の上にある小さな穴から、温かな液体が噴き出す。皇女の中から流れるそれは、俺の身体を濡らし、シーツまでも汚していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お兄ちゃんのが、な、中に……あ……い、いっぱい……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "けれど、自分がそんなことをしてしまっている、という自覚がないのか、分からないほどに感じてしまっているのか、皇女は体内に放たれる俺を、ただ呆然と感じ続けている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "み、皇女?う、く……あの、な、お前今……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え……?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "俺に声をかけられ、皇女はぼんやりと俺を見る。\nそして、今自分がしてしまっている粗相に気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……これは、だから……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "耳まで真っ赤に染めながら、泣きそうな顔で俺を見る皇女。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やぁ……力、はいらなくて……と、とめらんない、よぉ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "イってしまった反動か、全身に力が入らず、どうにも止められないらしい。温かいその液体が、皇女から俺へと浴びせられ続けている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんで姫にぃにはこんなのばっかり見られちゃうの……\nお、お願い、見ないでください……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "これ以上ないほどの羞恥の表情。けれど、目で見るのをやめたとしても、その温かさとか音とかは消せないわけで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、見ないのはいいんだけど……温かいのがかけられ続けてて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたし、緩くなんてないよ……ほ、本当に今が特別で……\n姫にぃが、あんなに突くからあっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "なんていうか、必死な皇女が本当に可愛いと思えてしまった……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……申し訳ありません……すべて台無しにしまして……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "それから少しして、ようやく出し切ったのか、粗相はどうにか止まってくれた。皇女は俺と目を合わせないように、その視線を逸らしている。\nま、まあ、それも仕方ないか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、気持ち良かったってことでいいんじゃないかなあ……\nその……そういうことやっちゃった子、他にもいるし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うう……あたしの初体験がぁ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "どうにかフォローしようと奮闘する俺の言葉が聞こえているのかいないのか、皇女はただ羞恥に埋もれてしまっていた……。\n……決して忘れない初体験、ということでどうにか……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"皇女",
"姫"
] | 07_Endless Dungeon | 040008h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……ん~",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はベッドからもぞもぞと這い出ると、思い切り伸びをする。うん、実にいい朝だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っても、もう昼すぎだけどねぇ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "時計を見ながら自分自身にツッコミを入れる。俺の言葉通り、部屋の時計は既に十二時半を過ぎていた。\nいや、昨日うかつにヤリ込み色の強いRPGを始めたのがまずかった。あれもこれもとクエストをクリアしている内に、気がつけば夜が明けかけていたのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ~……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし、起きたのが昼過ぎといっても焦る必要はまったくない。これが平日だったりしたのなら絶望に膝をつくところだが、幸い今日は日曜日だ。\nその上、明日の月曜は祝日なので、明日も休みだ。まあ、だからこそこれだけの無茶ができたわけだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……トイレ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はもう一度伸びをすると、回らない頭でそう呟いてトイレへと向かう。\nさすがにここで二度寝なぞしようものなら貴重な休日を寝て過ごすことになりそうなので、俺はトイレ後に顔を洗おうと決めて、のそのそと廊下を歩きトイレに向かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……は?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "目の前に広がる光景を、俺が正しく認識するのには相応の時間を要した。当然と言えば当然だろう。何せ完全に予想外の光景が眼前に広がっていたのだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、静音?なんでここに?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、あれ?か、和登……?な、なんで?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "体と脳みそがフリーズした状態のまま、間の抜けた質問を投げかけてしまう。静音も静音で俺と似たような状態なのか、同じような質問を返して来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、なんでも何も、ここ俺んち、そして俺んちのトイレ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "何か大事な行為を置き去りにしたまま、求められるまま静音の質問に答える。そう、ここは紛れもない俺の家だ。そして、今日は一日俺しか家にいないはずである。\nだから、トイレに入る前にノックという行為を省略して開けてしまった事を、責められるいわれは無いと思うのだがどうだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うん、でも……鍵、かけたのに……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "昨日鍵壊れた",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "再びの質問に簡素に答える。そう、家のトイレの鍵は昨日ものの見事にお亡くなりになり、現在は鍵をかけてもちゃんと閉まってくれないのだ。\nちなみに、今日業者を呼び、直して貰うつもりだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そうなんだ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うん、そうなんだよ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音の質問に機械的に答えるのもそろそろ限界だ。いくら寝起きといってもこんな光景を見させられれば目も覚める。\nそしてそれは。\n相手だって同様だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はうぅ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あかん……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "互いにほぼ同じタイミングで我に返る。そしてそれと同時に訪れたのは、同じタイミングでのパニックだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や!ちょっ!!み、みないでぇ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、いや!すまん!まさか入ってると思わなくて!つか、俺ってばなにやってんだ超ねぼけてた!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "言い訳とかいいからぁ!早くしめてぇ!!うっ、とまんないよぉ……!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "は、はい!申し訳ありませんでしたあああ!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "悲鳴にも似た静音の言葉に、慌てて扉を閉める。というか、寝ぼけてたにしてもボケすぎだろ俺。常識的に考えて、すぐさまこの行動をとるのが最善手だったはずなのに。\n俺は自分のうかつさを呪いながら、全速力でその場から待避した。もはや眠気も尿意もどこかに吹き飛んでしまった。それがいい事かどうかは判断が分かれるところだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いい事かな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "一瞬、先ほどのシーンが鮮明に蘇りそうになり、俺は慌てて頭を振って邪念を振り払うと、そのまま洗面所に飛び込んだ。\nやっぱり、顔を洗った方がよさそうだ……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"静音",
"和登"
] | 08_Impury | 0250_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "家にいつものメンバーで集まった翌日。今日は祝日なので、前々から雅に頼まれていたある約束を果たす為に、俺は雅の家へとやって来ていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、開けるよ……?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "い、いい?本当に開けちゃうよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "…………………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いくよ!いくよ!よーし開けちゃうよ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "………………………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "やっぱり、今度に……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "えーいじれったい!さっさとあけんかーい!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "きゃーっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "今日買ってきたある物の箱の前で正座しながら、無意味やたらに気合を入れている雅に全力でツッコミをいれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、携帯電話の箱開けるだけに、どれぐらい時間かける気なんだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう。今日は以前から雅に密かに頼まれていた、携帯電話の相談を受けるために伊吹邸にやって来たわけだ。\n雅は知っての通り、超がつく機械音痴だ。当然、携帯電話にも苦手意識を持っていて今まで所持していなかった。\nしかし今のご時世、携帯を持たないのは流石に不便だと学園に通っていて痛感したのか、雅自ら携帯電話を買いたいので選ぶのを手伝ってくれと相談してきたのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうっ……だって、初めてだから緊張しちゃって",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "まったくこの子は。今日び小学生だってスマートフォンとガラケーを二台持ちする時代ですよ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "すまーとふぉん……から、けー?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うん、難しい言葉使って悪かった。とりあえず電源入れてがんばろうか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、はーい!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "本気で分からないと首を傾げる雅に頭を抱えつつ、俺は一つ一つ丁寧に操作方法を説明していった。\nのだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もうだめだー",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "はっや!まだ十分ちょっとしか経ってないぞ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "早くも頭から煙を吹き出して倒れる雅に、俺は全力でツッコミをいれることになった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だってボタンが多すぎてどれがどれだかわからないよ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いや、それボタンめっさ少ない方だから、らくらく携帯だから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅にどの携帯がいいのか相談された時、俺は当然ボタン数が少なく、ほとんど通話とメールの機能しかついてない機種を選んだ。\n正直な話、年頃の女の子に老人や子供向けの携帯を持たせるのは抵抗があったが、雅が最新携帯など使いこなせるわけがないのも分かっていたので、結局らくらく携帯となった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むう、ボタンなんて三つか四つでいいのに",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あらこの子、普段どうやって電話かけてるのかしら",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今主流のスマートフォンなら、ある意味でボタンは三つか四つですむかもしれないが、間違い無く雅が言いたいのはそういうことではないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へ?だってダイヤル回せばいいから、ボタンなんていらないよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しまった。そういえば、この子ん家まだ骨董品級の黒電話使ってたー!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "この家は、今や完全に絶滅種となり果てたダイヤル式の黒電話を保有している数少ない家庭の一つだ。\nおやっさん曰く、何度も買い換えようとしたらしいが、雅と茨木姐さんにこれでいいと押し切られ、結局今も使い続けているらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少し休憩したらまたがんばるよ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "このペースで休憩挟んだら、まともに使えるようになるにはいったい何日かかるやら……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それじゃあ、もっとがんばれるように、気合入れて休憩しなきゃ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "なんだか逆に疲れそうだな、それ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "むんと可愛らしく両拳を握り、無意味に気合を入れる雅に思わず苦笑する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいの!とにかく、休憩!\nえいっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うおっ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "何をするのかと思ったら、油断していた俺の膝にコロンと、いわゆる膝枕状態で寝転がった。\n雅の奴、相変わらずスキンシップが直接的というか、こちらの予想を軽く上回る行動を取ってくるな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ……こうやってかずくんを補給することで、私のやる気は十倍になるのだ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちょっと待て、これって俺がまったく休まらないんだが……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "というか補給って……。\nこの子は一体俺から何を吸収しようというのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えー……だめ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちっくしょうあざといなー!いいに決まってるだろー!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "上目使いでこちらにお願いしてくる雅に、ほとんど無意識で返答してから、はっとなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう、かずくん♪",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "本当に嬉しそうにお礼を言う雅を見て、甘え上手な奴だなと思う。\nまあ、こうして女の子を膝枕して悪くないと思ってしまう俺も、相当駄目な奴だと思うけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、その代わり休憩終わったらちゃんとがんばれよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "結局俺は雅の可愛さに心折られ、休憩の間、膝を貸すことを約束してしまった。\nまあ、これで雅のやる気が出てくれるならいいかと、自分に言い訳をして。\nしかし、十分後。その判断が間違いであったことを思い知らされる事になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……すぅ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "えへへ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……おい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "すぅ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……おいこら",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……かずく~ん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "確かに休憩するとは言ってたが、まさかガチで熟睡モードに入るとは予想外です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "膝の上でまったりした雅は、いつの間にかぐっすりと寝入ってしまい、俺は雅を膝に乗せた体勢のまま、動きを封じられてしまった。\n当然ながら、俺は雅を起こそうとするが、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……だめぇ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "この子寝言まであざといわ!?いいですとも!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "これである。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……えへへ~",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "こいつ、本当に寝てんだろうな……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あまりにも気持ちよさそうに眠る雅を起こす事を、俺の中の良心が邪魔をする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すぅ……すぅ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "結局俺は、雅を起こす事を諦めて、自立的に起きるのを待つ事にした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……まあ時間はまだあるし、ゆっくりでいいか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "どうせゆっくり教えないと覚えられそうにないしな。\nその代わり、起きたら地獄の特訓で、絶対に涙目にさせてやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でへへ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ゆっくりした結果がこれだよ!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "気がつけば、状況が何一つ改善しないまま、空は茜色に染まっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……すぅ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "熟睡モードはともかく、まさか数時間ガチで目を覚まさないとは予想外だった……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "一体どんだけ眠かったんだこの子は。さすがの俺もこれ以上は黙っていられないぞ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっそ……今度こそ、叩き起こしてやる!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう思って、雅の肩を揺すり強引に起こそうと手を伸ばした瞬間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずく~ん、だいすきぃ~",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あざとすぎる!でも悔しい、めっちゃかわいい!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "結局俺はこの日、ほぼ一日中雅の膝枕になるという、役得だが罰ゲームだか分からない状況のまま一日を終える事になった。\nちなみに携帯電話に関しては、翌日俺が召喚した鬼教官(静音)によるスパルタ授業によって、なんとか電話とメールの使い方を覚えさせる事に成功したことを補足しておく。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"雅",
"和登"
] | 08_Impury | 0253_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "そうして始まった、美琴さんからの調査依頼から数日後。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん~……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は一人屋上で、スマホ内のメモを見ながら渋い顔をしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんに安請け合いしたはいいけど……思った以上に厄介な事件だな、これ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "渋い顔をしている理由は単純で、少々例の事件の調査が難航しているからだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "正直ちょっと舐めてたな……思いの外複雑だぞ、この事件",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "最初は噂の広がり方から見て、ある程度本腰を入れて調査をすれば、すぐに犯人の当たりぐらいはつくと思っていた。\nしかし、世の中そう上手くはいかないもので、すでにかなりの範囲に広がってしまった噂を遡って発信源を特定するのは、予想以上の労力を要した。\nそれでも苦労して噂を遡るうちに、俺達はある可能性にたどり着いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "多分ネット内のどこかが発信源だとは思うんだけど……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は改めて作成したメモを眺める。そこにはいくつかの証言から、発信源がネット内のあるHPの可能性があるというまとめが書かれていた。\nしかし、いくら探してもそのHPが見つからず、俺達の調査はそこで暗礁に乗り上げてしまったのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん~、何か前提条件が間違ってるのかな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "おや、先客がいたか",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あれ?美琴さん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "屋上に誰もいないことをいい事に、独り言を呟きながら状況整理していた俺に、思わぬ人物から声がかかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、君も気分転換かな?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まあ、そんな所です、ちょっと例の調査が行き詰まっちゃって",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なるほどな。それで頭を冷やしにきたわけか",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "君も、って事は美琴さんもですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、そろそろ資料とにらめっこするのも飽きたのでな。少し外の空気を吸いに来た",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺の言葉に、美琴さんは苦笑しながら肩をすくめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは、なるほど。お疲れ様です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "調査依頼の後、美琴さんは部室にもあまり顔を見せなかったが、どうやら生徒会の方が忙しいからだったようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすっ、それじゃあ行き詰まってる君に少しアドバイスだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "どうやら、俺はだいぶ辛気くさい顔をしていたらしい。美琴さんが軽く笑いながら俺にアドバイスをしてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "問題は一つの方向からではなく、多角的に見ると解決にたどり着きやすいぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "多角的に?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ。君達パト部の最大の武器はフットワークの軽さだ。学園組織でありながら、学園のルールにがっちりと縛られてはいない\n我々生徒会や教師達は、あくまでも学園組織としてしか動けないからな。見え辛いものもある\nだが、君達なら学園という規律に縛られすぎず自由な活動が可能なはずだ。それを忘れてはいけないぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "真剣にアドバイスしてくれる美琴さんの言葉を、俺は胸中で反芻しながらよく考える。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | 0256_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "かずくん……起きてる?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅?どうしたんだ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "おやっさんと静音が帰り、俺が部屋でうとうとし始めた頃、雅が俺の部屋に顔を出した。\nてっきりおやっさんと一緒に帰ったと思ってたのだが、どうやら一人残っていたらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ごめんなさい!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅はしばらく言葉に迷うように黙っていたが、突如頭を下げて謝ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?なんで雅が謝るんだ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "私の……せいだから……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "謝られる理由に心当りがなく困惑する俺に、雅は自分のせいだと呟くが、俺はやっぱり理由が分からず首を傾げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、今回の事は雅のせいじゃないだろう?多分瘴気の影響で体内の妖力が活性化したせいで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……でも、多分それだけじゃない……最後にかずくんを抱きしめた時に感じたの……私の力がかずくんの体に影響を与えてるって",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "影響?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "多分、血を与えた本人が近くにいるせいで、かずくんの中にある狭間の者の血が活性化してるんだと思う……\nだから、あんなに簡単に暴走状態に陥った……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "なるほど、そういうことか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、ごめんなさいか……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "自分が近くにいたせいで、俺の覚醒が早まった。俺を守るつもりが、自分のせいで逆に迷惑をかけてしまったと。\n恐らく雅はそう言いたいんだと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに……私、覚悟してきたつもりだったのに……いざ暴走したかずくんを前にしたら、何も出来なかった……\nちゃんと狭間の者について勉強して、知識を身につけて。戦う事が出来るように訓練して、覚悟だって決めてきたはずなのに。いざって時に動けなかった",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "でも、最後は俺を助けてくれたじゃないか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あれは、正気に戻ったかずくんを見て、がんばれただけだよ……最初の時はパニックになって、頭の中が真っ白だった",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "再会してからずっと安定してたし、この前暴走した時もしずちゃんが鎮めてくれた後は平気だったから、私根拠もないのに安心しちゃってたんだ……\nかずくんなら、このままずっと覚醒しないで、妖力を暴走させることもなく過ごせるんじゃないかって\n馬鹿だよね……無責任だよね……私の勝手でかずくんを狭間の者にしちゃったのに……\nこんな私じゃ……かずくんの側にいる資格、ないよね……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅の瞳からぽろぽろと涙がこぼれる。それを見て俺は心の底から思った、この子を守りたいと。そして、そのためにずっと一緒にいたいと。\nだから俺は雅に向かい、笑顔で言い放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ばーか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅、お前は馬鹿だよ。そんな事で悩むなんてさ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そんなことって!わ、私は真剣に!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そんな事さ。雅は、俺の側にいる資格ないなんて言ったけど、俺の側にいるのに資格なんているわけないじゃん\nなにせ、俺にとって雅はずっと側にいて欲しい人なんだから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え……ええ!?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "それにさ、もう何度も言ってるけど、俺は自分が狭間の者であることを疎ましく思った事は一度もないよ。それどころか感謝してるぐらいだ\nそれを勝手に決めつけて、側にいられないとか言うのは、ちょっとだけ傲慢だぞ。相手の事を考えてないんだからな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "でも、私は!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "それでも納得出来ないのか、雅が少し声を荒らげる。\nしかし、逆に俺はそんな雅をまっすぐ見つめながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、納得出来ないかもしれないな。けどな、本当なんだ。俺は狭間の者になれた事を、この血を雅から貰った事を誇りに思ってる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それだけじゃない。雅は俺の命以外も救っているんだ。俺はそれを、軽く微笑みながら指摘する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに雅は俺の命を救ってくれると同時に、静音だって救ってるんだぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しずちゃん……?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ。もしあの時俺が死んでたら、あいつのことだ、自分のせいで俺が死んだって一生後悔しただろうな。だから、雅は静音の心も救ってるんだよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう、雅が救ったのは俺の命だけじゃない。今俺を支えてくれている、静音や俺の両親の心だって救ってるんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに狭間の者になった後、雅はずっと俺を信じてくれただろ?さっき根拠のない安心って言ったけど、それってつまり俺を信頼してたからこそだろ?\n一人の女の子にそこまで信頼されてるんだ、こんなに嬉しい事はないぞ。まあ、つまるところ俺が雅の信頼を裏切っちまった形になるんだが……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ち、違うよ!かずくんは悪くないよ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の言葉を慌てて否定する雅に、俺は笑顔で即答する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっか、雅がそう言うなら、間違いないな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……あ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちなみに、雅も悪くないぞ。俺が言うんだから間違いない。つまり誰も悪くないって事だ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……くすっ\n何それ、めちゃくちゃだよかずくん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いいんだよ、当事者同士が互いを悪くないって言ってるんだから。少なくとも俺達の間じゃどっちも悪くないってことで",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "本当に……昔からかずくんは……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そこで雅も根負けして、落ち込むのが馬鹿らしくなったのか、その顔に微笑みが戻る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも、ありがとう",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うん、やっぱり雅は笑顔が一番似合うな。泣き顔なんかよりずっといい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そうかな……?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ。でも、泣き顔ってのもそれはそれで、興奮するけど",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あぅ……もう、こんな時まで……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "はは、ごめんごめん。でも、今はともかく昔はよく静音に振り回されて涙目になってたよな。初めて会ったときも迷子になって泣いてたし……覚えてるか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふと昔の事を思い出して尋ねると、雅はこくりと頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、もちろん覚えてる。お父さんに連れられて人里に初めて下りてきた時の事は、本当によく覚えてるよ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "懐かしいなと思いながら過去を回想する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、確か夏祭りの夜だったな。道ばたで泣いてるお前を静音が見つけて、おやっさんを探すって口実でお前を連れ回して遊んだっけ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あの日ね、人里に話し合いに来てたお父さんに、私ねだったの。お祭りに行きたいって。でも、お父さんもお母さんも話し合いに忙しくて、私は一人で夏祭りに行ったんだ\nけど、鬼の私を珍しがる人達の視線に耐えきれなくて、その視線から逃げる様に走ってるうちに迷子になっちゃって……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あの時の雅は人見知りだったからな。今じゃあすっかり、くそ度胸が身についてるけど",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あの頃は何かっていうと、すぐ涙目になって俺や静音の後ろに隠れてたのに。本当によく成長したもんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "子供の頃は立場のせいで、あんまりお友達もいなかったし、みんなして私のこと特別扱いするんだもん。人見知りにもなっちゃうよ\nけど……そんな、私を変えてくれたのも、かずくんとしずちゃんだよ?私の事を普通の女の子として扱ってくれて、みんなと変わらず遊んでくれた、二人のおかげ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あの時の静音はやんちゃだったからな~",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "当時の静音のお転婆っぷりは凄かったからな。男顔負けのやんちゃさで、俺達を西へ東へと振り回していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それもあるけど。やっぱり、一番の理由は……会うためにがんばったからかな\nあの夏祭りの夜。寂しくて悲しくて泣くことしか出来なかった私に手を差し伸べてくれた男の子に会いに行くには、人見知りなんて気にしてられなかったんだ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それがね、私の初恋……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "照れ笑いをしながらも、まっすぐにこっちを見て雅は言い、俺もその視線を正面から受止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その初恋は……今でも続いてる、のか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "…………うん、まだ続いてるよ。あの時の気持ちは離れてからもずっと衰えなくて、再会したらもっと強くなって、今この瞬間もずっと、続いてる",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ありがとう……雅がそう思ってくれてることが、凄く嬉しい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅がここまで言ってくれてるんだ、ここで俺が応えなければ男じゃないな。\nそう思い、俺はしっかり雅を見つめながら言葉を紡ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう何度も言ってる通り、雅は俺にとって命の恩人だし、俺は自分の中に流れてる血を誇りに思って生きてる\nけどな、そんな事とは関係なしに、最近は雅が隣にいてくれることに安らぎを覚えてたんだ\nこんな日々がずっと続けばいい、雅とずっと一緒にいたいってな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "けど、だからこそ傷つけたくないとも思ってる。このままお前と一緒にいれば、いずれ雅に取り返しのつかない事をしてしまう可能性だってある\nというより、今回だって一歩間違えばそうなってたんだ\nけど、それでも一緒にいてくれる覚悟があるのなら……俺も覚悟を決めるよ、雅。一緒に、行けるところまで行こう",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "かずくん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺達は見つめ合い、どちらともなく抱き合うと、そのまま口づけを交わす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それは唇同士が触れ合うだけの、弱々しく、まだ相手の拒絶を恐れるかのように震えが残るキス。\nそれでも、互いの気持ちを理解するには十分な触れ合い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうして、互いに唇を離して見つめ合う。俺は潤んだ雅の瞳を見つめながらはっきりと告げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前の事が好きだ。雅",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はい、私もずっと前から貴方が大好きです!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の言葉に笑顔のまま再び抱きついてきた雅を、俺はしっかりと抱きとめた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"雅",
"和登"
] | 08_Impury | a310_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "雅、大丈夫か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん、平気だよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いや、明らかに緊張してるだろ、がっちがちじゃないか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "気丈に振る舞う雅だが、体が密着しているだけに緊張が丸わかりだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そそそ、そんな、こと、ない……よ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いや、落ち着けって……やっぱり、急すぎたか?怖いなら今度に",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、ううん!大丈夫!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "本当か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、嬉しいのは本当だし、今日ちゃんと結ばれたっていう確かな証拠が欲しいの……だからお願い、かずくん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……わかったよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "で、でもあの……一応勉強はしてきたけど、その……は、初めてだから何か間違っちゃったらごめんね……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "べ、勉強!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "不安そうな瞳とは裏腹な、聞き捨てならない単語に、俺は思わず聞き返してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……お母さんが、必ず必要になるからしておけって……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あの人は本当に……\nまあ、でもそこまで覚悟が決まってるならもう何も言わないよ。俺も出来る限り優しくするから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……そ、それじゃあ、よろしくお願いします……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう言って目を閉じた雅に、俺はそっと唇を近づける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んむ……んん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "心なしか先ほどより深く、そして長いキスに、雅の緊張が少しずつ緩和していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んむ!?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺はそんな隙を見計らって、雅の着物の襟から中に手を入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん!……む、ぁ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "不意打ち気味の行為に、雅が驚いたように目を見開く。俺はそれを見て、そっと唇から口を離した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……はぁ、はぁ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "やっぱり、着物の時は下着、つけてないんだな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "襟から手を入れて、手に感じた素肌の感触に思わず呟くと、雅は恥ずかしそうにこくりと頷いた。\nそれを見て可愛いなと感じた時には、ほとんど意識せずに手を動かしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あ、やん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "慣れない感覚なのだろう、雅の体がぴくんと動き、小さく声を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "柔らかいな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んや……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺はすべすべで柔らかい雅の肌の感覚を楽しむ様に服の中で手を動かしながら、雅に尋ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……見て、いいか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "瞳を見ながら告げる俺に、雅は再びこくりと頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "おお……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺がそっと着物をはだけさせると、形の綺麗な乳房と、その頂点で小さく自己主張する桃色の突起が顔を出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やっぱり、ちょっと恥ずかしいね……\nその、変じゃないかな?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いや、とんでもない。凄く綺麗で、かわいいよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なるべく微笑みながらそう呟いて、俺は意識して優しく愛撫を始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……あ、ありがとう",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うわ、やっぱり、超柔らかい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "思わず呟いてしまった言葉に雅が顔を紅くする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や……あん……\nお、おっぱい……あんまり大きくなくて、ごめんね……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ん?いや、別にそんなこと全く気にしてないから大丈夫だよ。俺にとっては今こうして触ってるおっぱいが最高のおっぱいだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅の胸は丁度揉みやすい大きさなので、手のひらで全体を包み込むように揉むと非常に具合がいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃうん!ち、乳首、つまんじゃやぁ……あんっ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "っと、ごめん強すぎたか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "丁度いい具合だったので、つい手のひらに感じた突起を指と指の間でつまんでしまったわけだけど、少し強すぎたか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ううん……大丈夫。ちょっとびっくりしただけ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ごめんごめん。なんだか触って欲しそうにしてたから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "中に手を入れた時から分かっていたが、雅の乳首は俺の掌の中で、既に小さくもハッキリと自己主張していた。\n俺がそれを指の腹で優しく転がしながら指摘すると、雅は視線をそらしながら小さく呟く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、やあ……も、もう……えっち",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そ、その台詞、破壊力高いな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "本当に、この子は自覚なしに爆弾を落として、こちらの理性を吹き飛ばしにくるのだから侮れない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、ともかく、胸の事は気にしなくていいよ。俺は胸の大きさとか気にしないし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "でも……あん、ひゃうん……だ、だからぁ、ち、乳首コリコリしちゃ……やあ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うん、やっぱり雅の胸が一番だ、手触りもいいしね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "実際この感触は非常にくせになりそうで、雅さえ許してくれるなら、何時間だって触っていられそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……かずくんなんだか、手慣れてる……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "まさか。ぶっちゃけ緊張でがちがちだよ……雅の前だから強がってるだけ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "実際こういう場面で男がリード出来ないのは、なんだか寂しいものがある。爆発しそうな心臓を必死に押さえつけて、無理やりに平静を保っているのが現状だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そうなんだ……ひゃん!か、かずくん、もう胸はいいよぉ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そうか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それより……その……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅が恥ずかしそうに視線をそらしたのを見て、俺は皆まで言わさずに小さく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうぞ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅が着物の帯を外して、ベッドに寝転がる。俺はその姿を純粋に美しいと感じ、動きを止めてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "かずくん?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あ、ああ。悪い、見とれてたよ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅の体に思わず見とれていたものの、その言葉に我に返る。\nそして、そんな気恥ずかしさをごまかすために、俺は雅と再び口づけする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ちゅぱ……かず、くん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ぷはっ……雅……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "互いに慣れてきたおかげか、キスは回を増す事に濃厚になっていく。今回は互いの体温を混ぜ合わせる様に唾液を交換する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゅぱ……む……んん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そんな行為の最中に、俺は雅の着物を左右にはだけさせる。そこには月並みな表現だが、染み一つない肌が広がっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゅ……んむ……ぷはぁ……\nはぁ……はぁ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "互いに呼吸が続くギリギリまで求め合い、そして唇を離すと、唾液が俺と雅の唇を繋いで細い線となって伸びていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "雅……触っていいか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "律儀に聞いてしまった俺に、雅はくすりと笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすっ……いまさらだよ、かずくん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "っと、言われてみればそうだな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅に言われて、俺もやっぱり緊張してるなと改めて自覚する。俺は、そんな照れ隠しに愛撫を再開する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、遠慮無く",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふぁ!あ、やん……ま、また、おっぱい?んぁ……かずくん、おっぱい好きすぎ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "先ほどより気持ち強めに胸を揉むと、柔らかさの中にも確かな弾力があるのが分かる。その感触に、俺は相変わらず揉むことに夢中になってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "違うぞ、雅。おっぱいが嫌いな男なんていないぞ、それが好きな女の子のならなおさらな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ……そ、そうな、ん……ひゃん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "先ほどより強いせいか、俺が指を動かすたびに、雅がぴくりと反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうなんです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "で、でも……おっぱいだけじゃ、やだ、よ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の言葉に、顔を羞恥いっぱいに染めて、涙目になりつつもそう聞いてくる。\n俺はその台詞に、無意識につばを飲み込んでしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……分かってる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "瞳を潤ませた雅と視線を合わせたまま、俺は胸への愛撫を続け、そのままゆっくりともう片方の手を雅の下腹部へと下ろしていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "下着の上から触れてみると、指先に僅かに湿り気を感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "雅、濡れてる?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だ、だって……大好きな人に、触って貰ってるんだよ……?こう、なっちゃうよ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "相変わらず瞳を潤ませたまま、恥ずかしそうに喋る雅に心臓が高鳴る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お前はいちいち、破壊力が高いなぁ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いや、何でもない……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は苦笑しながら、なるべく優しくと自分に言い聞かせて、下着の上から雅の秘所を愛撫し始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ‥‥ふぁ……あ、やん\nん、あ……ふあ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "指を動かす度に少しずつ下着のシミが広がり、雅もそれが分かるのか、恥ずかしそうにしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いな、どんどんあふれてくるみたいだ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "や……はず……か、しい……あ、ひゃうん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の指が、下着の上から雅の敏感な所をこする。すると、雅は驚いた様に声を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ、硬くなってる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ひや……そ、そこ、だめぇ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そこを軽く撫でるだけで可愛らしい反応を示す雅に、俺は小さく問いかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛い?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "い、痛くは――ひゃ、あ、ああん……んん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の指で感じる雅を見て、俺は思わずゴクリとつばを飲み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "雅、直接……見ていいか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……いいよ\n私の全部……見て、かずくん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう言って微笑む雅に頷き、俺はそっと下着を下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……おお",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "や、やっぱり恥ずかしいよ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "基本的に他人、特に異性には絶対に見せない部分をさらされ、雅は恥ずかしそうに手で顔を覆う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、すっごく綺麗だから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、あう……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あと、すっごい濡れてる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "下着を下ろした時に、愛液が少しだけ糸を引いたのを思い出して、興奮する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やー!い、いわないでぇ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "さすがに雅もそれは恥ずかしいのか、嫌々と首を振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、続けるぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし、そんな雅に笑顔を見せつつ、俺はゆっくりと指を雅の秘所に近づけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ちょっと、ま――\nひゃんっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "パンツの上から触ったときと同じように、注意して優しく触ると、雅は先ほどより感じたらしく、体をぴくんとはねさせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、やん、きゃ……な、なんか……やんっ……で、電気がは、はしるみ、みたい……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "下着の上から触ったときとは段違いの反応に、俺は意識して先ほどより優しく触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃ、あ、んん、ふあっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "すごく熱くなってるな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は露わになった雅の割れ目に、少しだけ指を沈みこませて、そう呟く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……やっ、あん!ふあぁ……ふにゃ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして、俺は雅の意識が下に向いているのをいい事に、そっと顔を雅の胸に近づけると。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、かず、くん……ちょ、ちょっと、まっ……きゃうん!ち、ちくび、なっ舐めちゃ……やんっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しっかりと立った乳首をぺろりと舐め、更に唇ではむっと咥えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、下だけじゃ寂しいかなって思って……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふぁ!そ、そのままで、しゃ、しゃべら、やあん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "んむ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "す、すっちゃ、らめっ。あ、やあん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "声を上げる雅に、俺は気持ち秘所を愛撫する指を強くして、口で行なう乳首への愛撫にも力を入れ始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、あっ、きゃう!いやらぁ、そ、そこ、いじっちゃ……きゃうん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "大丈夫、力抜いて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "クリトリス周辺を重点的に攻めながら、俺は小声で雅にそう話しかけるが、雅は感じすぎているのか、いやいやと首を振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんなことぉ。あ、うんん、い、いわれてもぉ、ふぁああ!\nあっ、きゃう、あ……ぴ、ぴりぴりするっ!あ、やあん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "もしかして、いっちゃいそう?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今までに無い強い反応に、俺は更に動きを強める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん、わ、わかんなっ、きゃうっ!ま、まって!まってぇえ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺は声を上げ続ける雅に、その大きく膨らんだクリトリスをそっとつまんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "その刺激に、ぴくりと雅がのけぞり、その秘所から小さく愛液が吹き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んくっんんんん!!\nん……はぁ……はぁ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ひとしきり痙攣したあと、雅は脱力して荒い呼吸を繰り返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……で、でも、こんなの、初めてだから……びっくり、した……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "わ、悪い。ちょっと調子に乗りすぎた",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "もう、酷いよぉ、待ってって、言ったのに……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "い、いや、あまりにも雅がかわいかったから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふん……だ、そんな言葉に騙されないん、だから……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "どうやら機嫌を損ねてしまったようで、ぷいっと可愛らしく拗ねる雅に、俺は謝り倒そうと頭を下げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に申し訳ない",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だーめ、許してあげない。だから……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しかし、雅はこちらの謝罪を見てくすりと笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "えいっ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "のわっ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "次の瞬間、俺はあっという間に雅に押し倒され、そのまま馬乗りされてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度は私の番、なんだから……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちょ!?み、雅さん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "かずくんばっかりずるいよ。私だってかずくんに、してあげたいんだから!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "い、いや、でも。なんていうか、初めては男らしくしっかりとリードしてだな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "さすがというべきか、鬼の力で押さえられると身動きがとれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすっ。だーめ。言ったでしょ、許してあげないって……今度は私がかずくんを攻めちゃうんだから",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いたずらっぽく笑う雅だが、その表情からはやはり羞恥の色が見え隠れしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、雅、初めてだろ……いきなりは",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "大丈夫、かずくんがやさしくいじわるしてくれたから……もう、準備できてる……よ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう言うと、雅は俺の心配を余所に、ゆっくりと腰を下ろしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……うぅ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うっ……み、みやび……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "流石に痛みがあるのか、雅の顔に苦痛が浮かぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぅ……は、入ってくる……かず、くんが……\nふぁ、あ、あっつい……や、やけどしちゃいそう……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "熱いのはこちらも同じだ。雅の中に進入する為にペニスが強い圧迫感を覚え、雅の熱が俺自身へと伝わり頭がぼうっとなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、雅。無理はするなよ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "くすっ……無理なんてしてないよ……あぅ……だって、かんじる……もん、かずくんが、私の……なかに",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "どう見ても無理をしているようにしか見えないが、雅本人がああ言っている以上任せるしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、んく……も、もうちょ、っと……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅が汗の滲んだ顔でそう呟いた瞬間、俺のペニスが雅の中で何かに触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたってる……かずくん、わか、る?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ、お前がずっと守ってきたものだな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その問いかけに言葉を返すと、雅はこくりと頷いて、嬉しそうに微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、かずくんに捧げる、ために、大切にとっておいたよ。受け取って",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ほんとうに……いや、愚問だよな\nああ、貰うよ、雅の純潔",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうして腰を下ろした雅に合わせて、俺も少しだけ腰を浮かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……あうっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "直後、何かを突き破る感触と共に、いままで進入を阻んでいた壁が消滅する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はい、った……よ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ……大丈夫か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "えへへ……さ、さすがにちょっと、痛いよ。で、でも、それ以上にかずくんを、受け入れる事が出来て、しあわせ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……んぐっ、さ、さすがにきつい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "きついとは言っても、苦痛に感じるわけじゃない。締め付ける感触と温かさは、ずっと感じていたいぐらいだ。\nしかし、それゆえに、少しでも気を抜けばそれだけで射精してしまいそうで、俺は必死に耐える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあっ……あはっ、かずくんのが、中でぴくんって動いたのが……わかる",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "き、気を抜いたら、出ちゃいそうだからな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "きもち……いいんだね、かおみれば……わかるよ、えへへ、嬉しいな……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "お、おい、本当に無理はするなよ……?お前が痛がってるんじゃ、俺の嬉しさも、半減だからな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、だい、じょうぶ……まだ、ちょっと痛いけど、それいじょうに。あったかい……から",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう言ってお腹をさする雅の顔は、苦痛こそ未だ多少残っているものの、本当に幸せそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、もっとあったかく……なろ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅は熱っぽい声でそう言うと、ゆっくりと腰を浮かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あっ、ん\nんく……あぁ……ん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして、その後に再びゆっくりと腰を落としていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うおっ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "たった一度その動きをしただけで、俺のペニスはその気持ち良さにぴくりと動き、それに合わせ雅もぴくりと反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ……ふぁ、な、にこれぇ……な、なかぁ、こすれて……い、痛いのに、あんっ、それだけじゃ、ない",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "こ、これは、マジで油断したら……すぐに",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、やっ、かず、くん……きもちいい?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅に聞かれるが、こちらにそれを答える余裕はない。なにしろ、俺は既にこみ上げてくる射精感に堪えているのに精一杯だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ、す、すごい……ふぁ!かずくん、がわたしの、なかで動いてる……かんじ、ちゃう",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅も痛みが徐々に別のものに変わってきたのか、少しずつ腰を上下するストロークが速くなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん、ふあ!んあ!んくっ、やあ……こ、こし、と、とまらな、く。きゃうん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅っ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふあああ!か、かずくん!?そ、そんなに動いたら!んきゃ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして、そんな状況で、俺もただされるがままになってることに我慢が出来なかった。俺は自ら腰を持ち上げると、雅を攻め始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んにゃ!あぁん!ふああああ!す、すごい、わ、わたしはじ、めてなのに……ふぁああ!か、かんじ、ちゃうぅ!\nあんっ、ふぁああ!きゃうん!ら、らめぇ\nかずくん!ふあぁ。かずくぅん!ふあああ!ああんっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅!くっ!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふああああ!も、もうっ、もうわたしっ!んああっ!!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "もはや互いに動かす事以外考えられず、ただ夢中で動かしているため、その時はあっという間に訪れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、俺も、そろそろげんか――",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んあ、ああん、きゃうん、ふあん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "腰の動きは速くなり、俺と雅は互いに絶頂へと向かっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、ちょ、ちょっとまて、雅!こ、このままじゃ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかしそこで、俺はこのままではぎりぎりに抜くという選択肢がとれない事に気がついた。慌てて雅に伝えるが、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ、い、いいよっ!ちょうだい!ふあああああ\nわ、わたしの、な、なかに、ひゃうん、あんっ、んん……な、なかに",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう言って雅は、更に膣の圧力を強めてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "み、雅!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んく!ふ、ふああああ!かずくん!かずくんっ!!かずくぅんっ!!!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺が限界を迎えるのとほぼ同時に、雅の声も高くなる。\nどうやら力をいれたせいで、より強く膣内の内壁がこすられて締まったらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もっ、もう、私っ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そうして俺と雅の二人は、そのまま絶頂へと押し上げられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ああああああああああん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "んぐっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅の絶頂と同時に、俺は抗う事もできず、その中へと出してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……んん、で、でてる……か、かずくんのが、私のなかに……\nあ、あつ……い……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "膣中で飛び出る精液を感じているのか、雅が幸せそうな顔でお腹を押さえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "み、雅……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はぁ、はぁ……え、えへへ……うれしいなぁ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いや、すまん、中に……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ううん、平気……今日大丈夫な日だし、それに……かずくんの全部を、うけとめたかったから",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "かずくん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そうして、俺達は自然と互いを抱き寄せ、再び唇を重ねた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"雅",
"和登"
] | 08_Impury | a311h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "モンスターキングダム。妖怪と人間が共存するこの島で、あえて西洋妖怪をモチーフに建造された、白夜島最大のテーマパークだ。\n白夜島の一大観光産業であり、ここを目当てに白夜島を訪れる人々も多い。\nただし、規模が大きく観光地になることが前提の為、少々入場料が高く、学生の身分である俺達にとってはおいそれと遊びに来られる場所ではない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし休日の今日、俺と雅はここに遊びに来ていた。ある筋からペアチケットを譲り受け、それでデートして来いと尻を叩かれたからだ。\nもちろん俺も雅も小躍りしそうな勢いで喜び、地面に頭をこすりつけんばかりに礼を言ってチケットを受け取った。\n何故ならこのモンスターキングダムは、観光地としてはもちろんだが、それ以上にデートスポットとしても有名で、カップルになった以上は一度は足を運んでおきたい場所なのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お待たせ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "おお、メイドさん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな休日のテーマパーク内でそわそわしながら待つ俺の前に、ようやく雅が姿を現す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ、可愛い?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "くるりと回りスカートを翻す雅に、俺は両手を使ってサムズアップする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "グッド、とにかくグッドだ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、ありがとう♪",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺に褒められて嬉しかったのか、雅はまぶしいと感じるほど満面の笑顔を浮かべる。\nもはや、それだけでここに来た意味が……いや、ここまで生きてきた甲斐があるというものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、それなんの仮装なんだ?一応西洋妖怪がモチーフなんだろう?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ちなみに何で雅がこんな格好しているかというと、これもアトラクションの一つで、西洋妖怪の衣装を着て一日遊ぶ事が出来るのだ。\nなので、雅の衣装も何かしらの西洋妖怪がモチーフのはずだが、正直メイドの格好をした西洋妖怪が思い至らない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと、女性版フランケンシュタインの怪物だって",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……え?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅からもたらされた意外な回答に、俺は思わず聞き返してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "女性版フランケンシュタインの怪物",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "一瞬何かの聞き間違いかと思ったが、どうやら本当にそれで間違いないらしい。\nフランケンシュタインの怪物って確かあれだよな、マッドサイエンティストが作った人造人間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それが、なんでメイド?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "メイド型ロボット的な?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "う~ん、謎だ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "謎だね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あ、でもあれか。怪力って意味じゃ雅にぴったりか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "テーマパーク側の意図は分からないが、そう考えればある意味で雅にぴったりなコスプレかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんな女の子っぽくない肩書きが被るのはやだよ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "鬼にとって!女子力とは、せんとうりょくと読む!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "読まないよ!?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "でも、俺達の知り合いって女子力=戦闘力な子多くないか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな事言ってると、しずちゃんに怒られるよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "確かに、どこから伝わるか分からないから、この辺にしておこう",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "もし本当に聞かれたりしたら、間違いなく安綱で三枚に下ろされてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それにしても、本当にそれもらっちゃっていいのか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、貸衣装の使用者が今日で七のゾロ目なんだって",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "本来は、レンタル品であるこれらの衣装は帰るときには返さなければならない。\nしかし今回はなんと、雅が言った通り、利用者が七のゾロ目だった為に新作の貸衣装を一つプレゼントしてもらえたのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "考えてみればすっごい確率だよな。これも兄貴と蓮華ちゃんのおかげかな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、多分そうかも",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちなみに、先ほど言ったさる筋というのは黒部兄弟と大樹だ。\n商店街の福引の中にここのペアチケットがあったので、黒部兄弟によって幸運補正を限界までブーストした大樹が、ゲーム運体質を使って引き当てたらしい。\n確かに広義の意味では福引きもゲームなので、大樹のゲーム運体質が反映されるのはわかるが、正直反則すれすれの方法だ。\nそして恐らく、今日入場する時に使ったチケットにも、黒部兄弟の幸運補正のブーストがかかっていたため、このような幸運が起こったのだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度感謝しないとな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "とりあえず、お土産を期待していると言っていたので、雅と二人でパト部のみんなにお土産を買って帰るつもりだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ幸先良かったし、このまま今日は遊び倒そうな!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん♪",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "笑顔で俺の腕に抱きついてくる雅に笑顔を返し、俺達は最高の一日にするために歩き出した。\n西洋妖怪をテーマにしたテーマパークであるモンスターキングダムの中央には、このパークの象徴でもあるドラキュラ城が建てられている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そのシンボルは実はただの飾りではなく、内部に入る事が出来る。\nそして、その内部は日本でも最大級のホラーハウスになっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、怖いならやめようって言ったじゃないか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だ、だってモンスターキングダムに来たら、これだけは絶対入らないと損するって……みんなが",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "まあ、確かにここのメインアトラクションだしな……俺も興味あったし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だ、だよね?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "けど、雅が怖いなら無理しなくてよかったのに",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直、どんなに有名なアトラクションでも、本人が楽しめなければ意味がない。\nだから子供の頃から少々恐がりな雅に、俺は入る前から何度も大丈夫なのかと聞いたのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、馬鹿にしないで!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しかし、雅はそんな俺の言葉に、気丈に振る舞う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "私はこれでも鬼にゃんだよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "噛んでる噛んでる!やっぱり、めっちゃびびってるじゃん!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "震えを強引に抑えようとしたためか、雅が肝心な台詞を盛大に噛む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、怖くないよ!最強の鬼の娘として、西洋妖怪に負ける訳にはいかないの!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しかし、それでも往生際悪く強がろうとする雅だが、いまさら何を言っても無駄である。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、たかがホラーハウスに、そんな戦争に赴くような覚悟しなくても……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "と、とにかく全然こわ―\nひゃあああああ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "はい、お約束頂きました~",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "案の定びっくりギミックによって、雅が盛大に悲鳴を上げる。\n最強の鬼の娘とは、一体何だったんだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こっちにこないでぇ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "い、いや、落ち着いてみや――うぐっ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "わりとガチでびびりまくっている雅を、何とかなだめようとするが、直後雅の腕に力がこもる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやああああ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちょっ、み、雅さん!?腕!腕が!!めちゃ――いてててててててて!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "かずくん助けて!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "どうやら恐怖のあまり力が入ってしまっているらしく、鬼の腕力によって俺の腕が絞め上げられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むしろ俺がたすけっ、ぎゃあああ血が、血が止まるぅ、ほ、骨が軋むぅ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "きゃあああ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いやあああ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "結果、俺と雅は二人仲良くドラキュラ城内に悲鳴を轟かせる事になった。\nまあ、俺と雅では、悲鳴の種類が違うのだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ!?\nお、お恥ずかしい所を……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そうして、ひとしきり叫んだ雅は、ようやく我に返ったのか、体の力を抜いた。\n大見得切った手前、恥ずかしかったのか、雅の顔が赤くなっているが、正直今の俺にはそれを気にする余裕などない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "で、でも不意打ちは卑怯だよ。あんな風にされたら驚かない人なんていないもん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、それにかずくんだって、結構大きい悲鳴あげてたよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふふ、平気そうな顔して、かずくんだって実は……あれ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……………………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そこでようやく雅は俺の様子がおかしい事に気がつき、視線をすっと上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あれ?か、かずくん!?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "腕が……腕がもげるぅ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "きゃあ!かずくんごめんなさい私つい!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして、俺の顔が真っ青になっているのに気がつき、そこで再び悲鳴を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふっ、愛する者の手で逝く……男のロマンだぜ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いやあ!かずくん死んじゃだめー!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うん、雅が一番怖かった",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うう、ほんとにごめんね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "まあ、別に怪我したわけじゃないからいいけどさ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "けど死ぬほど痛かったのは本当だ。正直な話、気絶して倒れなかった事を褒めて欲しいぐらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、次からは強がらずにちゃんと言いなさい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はーい……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そういや、再会した時も雅には絞め殺されかけたな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しょんぼりする雅を見て、再会した時のことを思い出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、今ここでそれを思い出すの!?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いえ、強烈に脳内に刻まれておりまして……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "むしろ、あれを忘れろと言うのが無理な話だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、あの時は不安と期待でいっぱいいっぱいで……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "はは、分かってるって。冗談だよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "もう、いじわるだよ、かずくん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しゅんとなったり頬をふくらませてみたり、ころころと表情が変わる雅を本当に可愛いと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、雅がかわいいからつい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?ほんと?えへへ、嬉しいな",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちょろいっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ちょろいとか言わないで!かずくん限定だけど、ちゃんと自覚してるから!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "本当にころころと表情が変わって面白いし、可愛いな雅は。\nそう思いながら、俺は雅に尋ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは、それで雅、今日は楽しかったか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、すっごく楽しかった!誘ってくれてありがとうかずくん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "満面の笑みに満足して、俺は思わず雅を抱き寄せると、間近に迫った雅の顔に笑顔で告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、俺もだ雅",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "かずくん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……ん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして俺と雅は、そのままの流れで優しく口づけを交わす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "また、かならず来ようね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう約束し合い、俺はもう一度雅を抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そういえば、そのメイド服持って帰っていいんだよな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、そうだよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "つまり……でへへ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だ、台無しだよかずくん!!",
"speaker": "雅"
}
] | [
"雅",
"和登"
] | 08_Impury | A314_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "おーい、雅。来たぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ある日の休日、俺は雅から呼び出されて、雅邸へやってきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?こっちにいないって事は、部屋の方か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今日はおやっさんも用事があって帰ってこないらしく、閉店の文字と共に閉まっていた扉から中に入る。\nちなみに鍵はというと、先日雅自身から合い鍵を一つ渡されている。\nなんでも、恋人同士になったら、互いの自宅の合い鍵ぐらいは持っているもんだと、おやっさんに言われたらしい。\nなんというか、おやっさんは一体どういう恋愛を経て茨木姐さんと結ばれたのか、非常に興味のある言い回しだ。\nなお、おやっさんの方針にならい、俺の家の合い鍵も雅に渡してある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "雅、いるか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "一階にいなかったので恐らく部屋の方だろうとあたりをつけ、階段を上って雅の部屋の前に行くと、軽くノックしながら問いかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うん。開けていいよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "やっぱ、こっちにいたのか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "すると、予想通り中から雅の声が聞こえてきたので、俺は躊躇わずに襖を開けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっす~",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "お帰りなさいませ、ご主人様",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "間違えました",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、まってよかずくん!!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "なんの脈略もなく出現したメイドさんに、思わず帰ろうとした所で、雅がこちらの腕を掴む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なにやってるんだ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "えっと、ほら……この前のデートの時にかずくん言ってたから……その、こういうの好きなのかなーって……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ、そういえばこの前のデートの時、帰り際にそんなことを言った気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、確かにそうだけど……あれは半分以上冗談で",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そうなの?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いえ、嘘です。めっちゃ好きです!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なんとかごまかそうとしたが、上目遣いになった雅の視線に耐えきれず、俺は頭を下げながら、大好きだと宣言する。\n実際破壊力高いよね、メイド服って。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よ、良かった!この前のデートのこと話したら、あーちゃんが“これはもうご奉仕しかない!”って言うから",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あの人はもう……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "一体雅にどんな事を吹き込んだんだ、あの人は。非常に嫌な予感しかしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……だめかな?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "全然問題ありません!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "顔を赤くした雅の上目遣いに、俺は再び、ほとんど無意識のうちに即答する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "それを見て嬉しそうに笑う雅に、俺はきっとこの子には、色々な意味で今後も勝てないなと、自覚した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"雅",
"和登"
] | 08_Impury | A315_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "じゃ、じゃあ、どうぞ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう言ってスカートをめくり上げる雅だが、いきなりの事で正直戸惑ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうぞ、って言われても……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、その、お好きなようにご主人様",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……どこで覚えてきたんだ、そんな言葉",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?あーちゃんとみこちゃんとしずちゃんでご奉仕について調べた時に……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "小首を傾げながら答える雅に、俺は思わず頭を抱えてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、ものすごい偏った知識埋め込まれてそうだけど、怖いからソースは聞かないでおくよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "とりあえず、ご主人様は勘弁して。いつも通りでいいよ、なんか調子狂うしね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう言いながら俺は雅の股間に指を当て、愛撫を始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う、うん……\nじゃ、じゃあ……いつも、どおりかずくんで……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うん、やっぱり、雅にはそう呼んでもらわないとしっくりこないな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は下着の上から雅の秘所を触りながら、笑顔で答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん……か、かずくん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅、もう濡れてきてるよ、もしかして期待してる?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "特殊な格好でのプレイ故か、雅の下着には既に小さく染みが出来ている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や……は、はずかしいよ……や、ん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに目をつぶって、俺の指に合わせてもじもじと足を動かす雅に、俺はすこしだけ意地悪な事を言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "雅って以外とえっちだよな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んん、か、かずくんのほうがえっちだよぉ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の言葉に、今度は羞恥に頬を染めながら、視線で抗議してくる雅。\n表情がころころ変わる様はやっぱり可愛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、男だしね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう言って、俺は少しだけ指に力を入れる。ぴくんと雅の体が震え、声が漏れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっ……んん。で、でもぉ、えっちなかずくんも、私は、すき",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "……うん、相変わらず不意打ちで爆弾を投げてくるな雅は",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅の反撃がカウンター気味に入り、逆に俺の方が赤面して悶絶する。これを完全に計算抜きでやってくるのが、この子の恐ろしい所だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、でも少なくとも、今の状況じゃ、雅の方がえっちだよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あっ、やん……こ、こすれ、ちゃうぅ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして俺はさらに反撃とばかりに、今度は雅の敏感な所を中心に愛撫する。\n息が荒くなり、さらに広がってくる下着の染み。それを見て、俺はそっと雅の下着に手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "脱がすぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅は、そんな俺に小さくこくりと頷いた。\n既に十分濡れた雅の秘所が、空気にさらされる。俺は、今度は直接愛撫を開始する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しかし、その途中で雅がじっとこちらを見つめているの気がつき首を傾げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?どうした?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "か、かずくんだけ、あ、ん……ずるい",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そ、そう言われてもなぁ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いきなりそんな事を言われたので、少し動揺して指に力が入ってしまう。\nくちっ、と水音が鳴り、雅が恥ずかしそうに顔を伏せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっ、はうっ……わ、わたしも、かずくんにしたい……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "一瞬雅が何を言っているのか分からず、首を傾げてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、い、一緒に……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "が、すぐになんとなく分かり、俺も赤面する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうっ、や、やっぱり私、えっちかも",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "自分から言いだした事がよほど恥ずかしかったのか、顔から湯気でも出さんばかりの雅に、俺は笑顔で答えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺はえっちな雅も大歓迎だよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ん、ありがとう……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そうして雅に具体的にどうしたいのか聞いてみたのだが……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まさかこうなるとは。雅は俺が思ってた以上にえっちだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その答えは、完全に俺の予想を裏切るものだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だってぇ、お互いにするにはこうするしか……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "しかも、知識があるわけじゃなくて、天然でこの体勢になるあたり、恐ろしい子だ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな俺の感想を余所に、雅は俺のペニスをズボンから取り出すと、目が離せないとばかりに凝視している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それにしても……か、かずくんの、す、すごい",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "さすがに、まじまじと凝視されると、照れるな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "息遣いすら感じられる距離で見られている為、さすがに照れる。\nというか、雅さん。いきなり予告なしに、つんつんするのは勘弁して頂けませんかね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こんなのが、私の中に入っちゃうんだ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ただでさえ雅の大事な場所が目の前にあるのだ。ちょっとでも油断すれば暴発しかねない。\nだから、出来ることなら不意打ち気味に触ったりつついたりは、本気で遠慮して頂きたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、この前だって見ただろ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……で、でもあの時は、緊張してて、それどころじゃなかったし……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "緊張してそれどころではない娘さんに、俺は馬乗りになられた訳か。\nなどと突っ込むと十中八九雅がパニクるので、俺は言葉を飲み込み雅に問いかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうか……っていうか雅、お前これからどうすればいいのか、わかるのか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫!ちゃんと練習してきたから!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "何を見て、どう練習してきたのかは、聞かないでおいてやるよ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今度は一体誰の入れ知恵だ。茨木姐さんか、それともパト部の女性陣の誰かか。\nそんな事を考えている間に、雅がむんっと気合いを入れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃ、じゃあ……い、いきます\n……ん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "先ほど入れた気合とは裏腹に、始まりはひどく優しいものだった。\n舌先で亀頭の周りをぺろぺろと舐める、それだけの簡単な行為。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うっ、お……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし、それだけにも関わらず襲ってくる、充分以上な刺激に、俺の脳みそはとろけそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、大丈夫?な、なにか変だった?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の声に舐めるのをやめて尋ねてくる雅に、俺はどうにか大丈夫だと返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、大丈夫。恥ずかしながら、慣れてないもんでびっくりしただけっす",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ほ……良かった、じゃ、じゃあ続けるね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺の言葉にほっとしたのか、雅が行為を再開する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ちゅ……ぺろっ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "こ、これは想像以上に……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅が一舐めするごとに、頭が痺れる。よく電気が走ると表現されるが、正直それがすごく理解出来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすっ、気持ち……いいんだ。反応みてれば、わかるよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あ、ああ、すっげぇ、気持ちいい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "嬉しそうに言う雅に、隠していてもしょうがないと素直な感想を告げると、ほっとした声が聞こえてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よかった……ん、ちゅ……はむ、ぺろ\nぺろ、んちゅ、ぺろ、ちゅ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "雅の舌に這われる度に、恥ずかしながら気持ちよさに腰が動く。そんな反応を見て、雅が楽しそうに笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぺろっ、えへ、かずくんのここ、ぴくぴくしてる、かわいい",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ん~、女の子にそこをかわいいって呼ばれるのは男として、複雑な気分",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "まあ、雅が何か深い意味をもって言っているのではないと分かっているので、あえて何も言わないが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぺろ、ちゅ、はむ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "こ、このままじゃ……よしっ、ならこっちも",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "一生懸命続けてくれている雅には悪いが、正直このまま続けられたら、間違いなくやばい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "だから俺は意識をそらすためにも、目の前の秘所に舌を這わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、やっ、んん、やん……か、かずくんっ……あぁ、そ、そんな、やん。急に……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "表面に舌を這わせ、さらに口づけしたりして、雅の秘所を攻め続ける。\n雅は今までの愛撫とは違った感覚に、フェラを中断して感じている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やられっぱなしも面白くないからな。反撃だ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふぁ、で、でも、そ、そんなとこ、やんっ!な、なめたらぁ、だめぇ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そっちだって、俺の大事なもの舐め回してるんだから、おあいこだよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はうっ!くっ、口つけたまま、しゃっ、しゃべらないでぇ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺はあえて雅の秘所に口をつけたまま、返答する。\nすると、雅はぴくんぴくんと何度も反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっん、やん、ふぁ、んん……あ、あん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ほらほらっ、俺ばっかりじゃくて、雅もがんばって……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はあえて挑発するような言葉を用いつつ、強めに舐めたり吸ったりして、雅を攻める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だってぇ……やっ、あん、ひゃう!\nこ、こんなんじゃ、ひゃん!で、できな、きゃんっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "完全に攻守が逆転した形になり、雅が俺の行為に全身を震わせる。\nしかし、さすがの雅もこのままではダメだと思ったのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "今度は思い切り俺のペニスを口に含んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うっ、おお!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "突然温かい口内に含まれ、俺は思わず声を上げてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……あむっ、ぺろ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "先ほど俺がしたように、行為に集中することで気を紛らわそうというのだろうが、先ほどよりも攻め方が濃厚になっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!ま、まけないぞ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな雅に俺も少しだけ対抗意識を出すと、雅への愛撫を再開する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんー!んむ、はむっ……ぺろっ……ちゅっ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ん!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んむ、あむ、かふくん……れろ、んちゅ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "互いに貪るようにして大事な所を攻め続ける。その結果、俺達は一気に絶頂へと近づいていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "み、雅!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んん、あうっ、んむっ!んん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ぐっ、や、やばい……も、もう俺……!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ひひよっ、んむっ、ひょうらい……んん!あ、あらしも!も、もう!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "互いにもう限界が近づき、より攻め方が濃厚になった次の瞬間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うおっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んむんん、んん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺達はほぼ同時に、絶頂に達した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむうっ!!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ギリギリまで我慢していたためか、かなりの量が雅の口内に放出されるが、雅は口を離さなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "み、雅……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ひくひくと痙攣する雅の秘所を眺めながら、放心状態のまま雅へと問いかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あむ……う、うむ……んんっ\nんく、こくん、んむ……\nこ、れが……かず、くん……の",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺が出してしまったものを飲み込み、俺と同じように放心状態のままで雅が呟く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理して飲まなくてよかったのに……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だってぇ……かずくんの、味……ぜんぶ、しりたかったんだもん……\nむしろ、のみこみ、きれなくて、ごめん、ねぇ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "その言葉に、俺はお手上げだと言わんばかりに、苦笑した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あーだめだ、やっぱ、雅には勝てないや",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "相変わらず自覚がない雅だが、すぐにあることに気がつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あ、かずくんの、また",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ、いまの雅の言動で、また我慢出来なくなっちゃったよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "えへ……うれしい、な",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう笑顔になる雅に、やっぱり勝てないなと俺は改めて実感した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、この体勢で、するの?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あ、ああ。やっぱ不安か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今日は前回と違った体位を試してみたくて雅に提案したのだが、雅が少しだけ不安そうなのを見て、改めて大丈夫かと尋ねてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっとだけ……かずくんを抱きしめられないのがちょっとだけ\nでも、大丈夫だよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう答えてくれた雅にありがとうと礼を言って、ちゃんと気持ち良くさせてあげようと胸中で誓った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかった、ちゃんと優しくゆっくりするからな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、ありがとう",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "それじゃあ、いくぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は雅が驚かないように、そう声をかけてから挿入を開始する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ\nふあっ、か、かずくんのが、は、はいって……ひゃん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "先ほどまでの行為もあったおかげか、雅の秘所は十分過ぎるほどに濡れていて、俺のモノをすぐに受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、結構濡れてるから、前より、すんなり入ったな……それじゃあ、このまま動くぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ……ん、やあんっ!か、かずくんのが、……深く、まで……あ、やん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "俺は、初めはゆっくりとを心がけて、腰を前後させる。というか、相変わらず雅の中が気持ち良すぎて、初めから勢いよくやると、間違いなくすぐに出てしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ん、やぁ!お、ぴっぴくぴくしちゃ、ああん!\nひ、あ、やあ……あ、や、やん、くっ、くせに、なっちゃい……そう!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "一度絶頂を迎えた後だからだろうか、雅の反応が以前より素直で激しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、こ、これは、すっごいな!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして雅の反応がいいため、雅が声を上げる度に膣内がきゅきゅっと締まり、俺のモノを刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、ず、くん!あっ、やぁ!ふぁっ!ひゃあ!\nす、しゅご、いい……こ、これぇ、あつくって、んん、すご、いっ\nあっ!やあ、こ、これぇ。すっ、すぐに、きっ!ああ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "後ろから攻められ快感に声を上げる雅が、急に何かに気がついた様に顔をはっと上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ!か、かず、くんっ!ちょ、ちょっとまっ、やあんっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "す、すまん、み、雅、待ってと言われて待てるほど、冷静じゃない!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "実際俺も、少しでも気を抜けばすぐに出てしまいそうなのだが、かといって腰を止めることはもはやできなくなっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だっ、だめぇ。こ、このまま、じゃぁ。んあっ!やぁん!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "何かに耐えるように必死でこちらに訴えかける雅だが、もはや答えてる余裕すら今の俺にはない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、無理だ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あっ、やっ!だっだめぇ!いっ、いまぁああ、んん!いっちゃったなら、でっ!んんっ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "どうやら雅も絶頂が近いらしく、それならばタイミングを合わせようと、俺は更に腰の動きを激しくし、強くなった快感に酔いしれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、やぁ、も、私もっ。んん!むっ、むりぃ!\nやっ、やっ、やぁん!も、む、むりぃ!でっ、でちゃうぅう!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅っ!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして俺と雅は、ほぼ同時に絶頂に達した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっあああああああああああ!!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "二人とも派手に絶頂を迎えるが、その直後に俺の下半身に生温かいものがかかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?おおっ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "何事かと思って下を見て、俺は思わず声を上げてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁんっ、やっやっ!み、みないでぇ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "み、雅……お前",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふぇええ!と、とまらっ、とまらないよぉ!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "どうやら、終盤に待ってくれと繰り返した理由は、これを我慢していたからみたいだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううっ、やぁ……は、はずかしいぃ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして、ひとしきり恥ずかしがった後、雅のお漏らしはそこでようやく止まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから、待ってっていったのに……かずくんの、ばかぁ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あー、いや……なんといったら言いか……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ううっ、みられたぁ、お漏らししちゃったの、みられたぁ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "よほど恥ずかしかったのか、羞恥全開で涙目になっている雅を、俺はなんとかフォローしようと無い知恵を回す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫だ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "な、なにが?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "その結果出来てきた言葉は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お漏らししてる雅もばっちり可愛かったから、個人的には全然問題ない!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "などという、非常に頭の悪い台詞だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もっ、もんだいだよぉ!か、かずくんのばかぁ!!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "はい、馬鹿ですみません。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"雅",
"和登"
] | 08_Impury | A316h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "おやっさんが本土に行ってしまってから丁度一週間、俺は研究所でいつも通りに検査を受けていた。\n短期間に二度も覚醒しかけたことで、ここ最近は週末に検査を受ける事がお決まりのようになってしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れさまです赤城君。具合はどうですか?",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "はい、大丈夫です。体調なら、前よりいいくらいですよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "診察台から起き上がり、笑顔で敬吾さんに答える。\n前回の検査の時もそうだったが、ここ最近は本当に体調がいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうですか。検査結果も非常に安定しています。もうそろそろ、検査のペースを元に戻してもいいかもしれませんね",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "あ、本当ですか。だったら助かります",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はは。本音を言ってしまえば、最近の赤城君の肉体的変化を研究するために、毎日通って欲しいぐらいなんですが",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "彼女持ちの俺にそれは拷問なんで、マジ勘弁してください",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "実際のところ、この検査のおかげで週末にデートに行けない為、前の様に月1~2回のペースに戻して欲しいのが本音だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しかし勿体ない。先日も言った通り、より詳しく研究し解析すれば、より高度な生命体への道が開けるかもしれないというのに",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "敬吾さんの目つきが変わるのを見て、俺は失礼だと思いつつも、内心でまたかとため息をついてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "前も言いましたけど、俺そういうの興味ないんで",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうですか、残念です……人類をより高みへと押し上げるきっかけになるかもしれないのですが……",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "人類を、より高みにですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そういえば前回も超越者がどうこう言ってたが、敬吾さんは具体的にはどういうものを目指しているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、私の夢であり目標です。進化の袋小路にいると言われる人間、そして妖怪をより高いステージに導くことが",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "へぇ、そんな目標があったんですね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ええ、長年の夢です……人類は今こそ進化すべきだと私は思っています。そして、そのきっかけとなるものこそ、狭間の者であると私は考えています",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "狭間の者が?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ええ。妖怪という踏み台を超えて人間を超越し、新たな生命へと進化するステップだと",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "いつもよりテンションが高く、身振り手振りまで交えて語る敬吾さんだが、その言葉に俺の心は動かず、むしろ冷え切っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "妖怪を踏み台……あんまり好きじゃないですね、そういう表現",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし、完全覚醒した狭間の者は、血を与えた妖怪を凌駕する能力を持っています。これこそが、人間が潜在的に妖怪をも超える存在になれるという証明になりませんか?",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "でも、最終的には制御出来ずに己を滅ぼすじゃないですか。俺には分不相応な力に振り回されてるだけにしか思えませんけどね。俺なんか実際そうですし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直な話、覚醒による暴走の恐怖に常に怯えている俺にとっては、敬吾さんの言葉を理解することは出来なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは未だ我々人類が力の制御方法を知らないだけです。いずれその制御方法を身につければ、確実に人間と妖怪を超越した高みへたどり着けると信じています\nそして全ての者が同じ領域に立てば、今のように人だ妖怪だ狭間の者だと不毛な争いをする必要もなくなるでしょう",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "……ん~、言いたいことは分からなくはないですけど、やっぱり俺は共感できませんね\nそれにその理論だと、そこにたどり着くまでには結構な脱落者が出るんじゃないですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "実際、妖怪から血を受け取った全ての人間が狭間の者になるわけではない。中には血を取り込んだ時点で拒絶反応を起こして死んでしまう場合もある。\nそんな危険で不安定な存在である狭間の者に、全ての人類が進化するまでどれほどの犠牲者がでるか、正直想像も出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、選民とまではいきませんが、進化について行く事が出来ない者は淘汰されるでしょう。しかし、私はそれは必要なことだと思います\n弱者ほど上にいる者達を妬み蔑み、足を引っ張り、群れをなして強者を引きずり下ろそうとするものですから。進化の過程でそれらが淘汰されるのは当然のことです\n赤城君、貴方だって狭間の者という力あるものとして、力なき者達の理不尽な仕打ちを受けてきたのでしょう?だったら私の考えも理解できるはずです",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "先ほどより熱の籠もった言葉だったが、俺はその言葉に今度こそあからさまに顔をしかめてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー、無理っす。さっきも言ったように確かに言いたい事はわからなくはありませんけど、俺は賛同できません。特に弱者云々の辺りは正直どん引きもいいところです\n別に犠牲の果てに進化があることを否定する程偽善者じゃありませんけど、犠牲を顧みずに弱者と切り捨てる理論は嫌いです\nなにしろ、俺自身が強くも何ともない弱者ですからね。俺は一人じゃ絶対に生きていけない事を理解してる人間なんで",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "事実、俺は今でも沢山の人に迷惑をかけながらも、それに向き合って生きている。そして、それは俺だけではなく、生きている以上大なり小なり全ての者に言える事だ。\nそんな中で弱者だとか強者だとかの理論は、個人的には滑稽でしかないと思っている。\nどんな強者だって、最強の妖怪だって、一人では生きていけないのだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そうか、残念だ。君ならば賛同してくれると思ったのだが",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "別に否定はしませんよ。実際人類を高みにとか、平等な存在にとかは凄いことだと思いますし。ただ、そこに至る過程と理論辺りが、俺が純粋に嫌いです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうか、残念だよ……本当に残念だ",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "今日はもう帰りますね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "本当に残念そうに呟く敬吾さんに、俺は帰る事を伝える。\n敬吾さんは凄い人だと思うが、やはり研究者モードに入ると、どうにも苦手だな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、それではまた",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "いつも通りの表情に戻った敬吾さんに一礼して、俺は研究室を後にした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やれやれ、彼ならば私の同士として、良き理解者になってくれると思ったのだがな……所詮は俗世に染まった者か\nまあ、いい。ならば当初の予定通り、実験の生け贄になってもらう",
"speaker": "敬吾"
}
] | [
"敬吾",
"和登"
] | 08_Impury | A402_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "う……ううん……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "お目覚めですか?",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "意識を取り戻した雅が、ゆっくりと瞳を開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そして自分が置かれている状況に、絶句する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お目覚めは快適ですか、お姫様",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "け、敬吾さん……?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "拘束され動く事が出来ない状態で、状況が飲み込めず動揺する雅に、敬吾は芝居がかった動作で一礼する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "手荒なご招待になってしまって、申し訳ありません",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "これは……一体……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ふふ、あなたには、赤城君を呼び寄せる為の餌になってもらいますよ",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "え、さ……?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "言葉の意味が分からないと首を傾げた雅だが、すぐに敬吾の言葉の中に聞き捨てられない名前が含まれている事に気がつき声を荒らげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくんに何をする気!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "殺気すら篭めて放った言葉を、敬吾はさらりと受け流すと、あっさりと目的を話す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "彼には、私の実験の生け贄になってもらいたいんですよ",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "じ、実験?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ええ。この島全てを舞台にした、実験の生け贄にね",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "敬吾が具体的にどんな目的をもって動いているか雅には分からなかったが、それが良くない事で、それによって和登に危害が及ぶという事だけははっきり理解できた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なにをする気か知らないけど、そんな事させない!!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "だからすぐさま敬吾を止める為、この拘束を外そうと体に力を込める。鬼である雅には、普通の鎖ならば少し力を入れるだけで引きちぎる事が出来るはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄ですよ、その鎖は特殊な合金製の物を私が妖術で強化したもの。いくらあなたでも引きちぎる事は不可能です",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "しかし、敬吾の言う通り鎖は強固にして頑丈で、雅の力を持ってしても引きちぎる事は出来なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "理解できましたか?",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう尋ねてくる敬吾を、力無く見返すことしか出来ない雅。それを見て満足したのか、敬吾は寒気のする笑顔で続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "理解できたら、おとなしく待っていてください。彼のことですから、この研究所に必ず現れるでしょうからね",
"speaker": "敬吾"
},
{
"utterance": "そう言い残して、敬吾は雅に背を向けて扉へ向かう。\nそんな敬吾に、雅は片目を開けて、小さく舌を出した。さっきは、あえて本気を出さなかった。確実に脱出をするために。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"敬吾",
"雅"
] | 08_Impury | A404_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "事件が終わってから数日。あれ以降は特に大きな事件も起きず、俺達はいつも通りの日常を過ごしていた。\n狭間の者として覚醒しかけた事によって研究所に通う日こそ増えたが、それ以外は特に変わったことはなかった。\nこの日までは。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一年の赤城です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、入ってくれ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "失礼します",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その日の昼休み、俺は美琴さんに呼び出され、昼食もそこそこに生徒会室にやってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "正直、美琴さんに生徒会室に呼び出されたってだけで嫌な予感しかしません",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "入ってくるなり失礼だな君は……まあ、あながち間違ってはいないのが悲しい所だが",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ああ、やっぱりなんかトラブルですか。しかも俺一人だけ呼び出した時点でかなり最悪な部類のトラブルですよね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "君の察しの良さはさすがだな。まさにその通りだよ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺はやっぱりかと思わず嘆息しそうになるのを飲み込み、美琴さんに勧められるまま席についた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、一体何が起こったんですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、実は先日の事件の続報が入ってきた",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "!\n犯人が目を覚ましたんですか!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だとしたら朗報とも言える。犯人の意識が戻る事によって、あの事件に関する謎が少しでも解けるならばそれに越したことはない。\nしかし、事態は俺の想像を越えて動いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、それより悪い",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今回、わたしたちの学園で起きたことと同様の事件が別の場所でも発生したのだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "未だ学生達には伏せられているが、数日中には学園から注意喚起の指示が出るだろう",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっと待ってください。同様の事件って、具体的にはどんな事が起こったんですか?そもそもどこで!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "想定外の事態に、俺は混乱しつつも美琴さんに説明を求めると、とりあえず落ち着けとばかりに紅茶を差し出されてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その辺りは順を追って話そう",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "はい、お願いします……でも、間が悪いですね。ようやく例の噂も収束しかけてたのに",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、まったくだ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "生徒会のがんばりもあり、例の噂はただの都市伝説として風化しかけていた。そこに同じような事件が起これば、どうしたって注目を集めてしまうだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "事件が起こったのは一昨日の夜だ。道で挙動不審の男を見かけた警察官が職務質問を行った所、突如男が暴れ出し逃亡。その後の流れはほぼわたしたちの時と同じだ\n追ってくる警官を妖力で攻撃し、通常ではあり得ないほどの身体能力で暴れ回ったそうだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして捕まえた後、意識不明に?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ。男は散々暴れた後に、糸が切れた人形の様に意識を失い、今も目を覚ましていないそうだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "確かに流れは俺達が追った事件と同じだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "幸い今回の加害者は学園とはなんら関係のない者ではあったが、今回の事件によって違法薬物の存在がさらに濃厚になった",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "今度は犯人から、何か検出されたんですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、今回は決定的だ。違法薬物でも使わない限り、絶対にあり得ない現象が確認されている",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "どういうことですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "意味が分からずに首をかしげる俺に、美琴さんは自身も信じられないといった風に口を開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今回捕まったのは“人間”なんだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "は?……はあ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "美琴さんの言葉の意味が一瞬分からず、間の抜けた声を上げてしまう。だがすぐにその意味を悟って、俺は思わず大声を上げていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっと待ってくださいよ。さっき美琴さん、犯人は妖力で反撃しながら逃げたって……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "わたしも酒呑童子さまから直接話を聞いた時には耳を疑ったよ……しかし、事実だ。病院に搬送されて検査を受けた男性は正真正銘、純粋な人間だったそうだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "わざわざ純粋という言葉を強調したということは、その男の血縁者の中にも妖怪はいなかったのだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、納得しました。確かにそれならば、違法薬物かなにかでも使わない限り不可能な現象ですね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、今は警察の方でも大混乱だ。妖怪、人間に関わらず、服用することで妖力と高い身体能力を得て暴走するような代物が本当にあるのだとしたら大変な事になるとな",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "確かに美琴さんの言う通りだ。そんな物が本当に実在するとすれば、必ず力を欲する輩がその薬を求め始めるだろう。\nだから俺は神妙な面持ちで美琴さんに尋ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで……俺達はどうすればいいんですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "恐らく俺だけを呼びつけたのも、パト部の依頼を通じて俺達が今回の件に深く関わっているからだろう。\n俺は黙って美琴さんの返答を待つが、美琴さんは言いづらそうに口を開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、なにもしなくていい……というより、今回の事件はわたしたちにはどうすることも出来ない",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "……学園側からの指示ですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ。今回の件に関して、生徒不干渉の指示を出した。君を呼んだのも、パト部のメンバーが暴走しないように抑えて欲しいからだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まあ、確かに話が大きすぎますし、そもそも違法薬物、もしくはそれに類するものが関わっている事件に生徒を関わらせたくはないでしょうしね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "君が冷静で助かったよ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まあ、なんとなく予想はしてたんで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "苦笑しながらそう話す俺に、同じく美琴さんも苦笑しながらそうかと返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "実際生徒会も、しばらくの間は持ち物検査や見回りで風紀の取り締まりを強化する形で、前回の事件のようなことを未然に防ぐ事を目的に活動するだろう\n和登くんの方は、今までと変わらずにパト部の活動を続けてくれ……ただ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "今回の事件に関する情報があったらすぐに“美琴さん”に報告します。それで大丈夫ですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "くすっ。本当に君は察しが良くて手間が省ける",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そう褒めてくれた美琴さんに俺も笑顔を返す。\nそれにしても、思った以上に大事になってしまったな。これはもはや学園だけの問題じゃなくて、この研究都市全体の問題になりつつあるぞ。\nまあ、だからこそ、美琴さんはしばらくの間、様子を見ることに決めたんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "話は以上だ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "はい。それじゃあ、また放課後に部室に集まるんで、その時にでも遊びに来てください",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、そうさせてもらうよ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それじゃあ、失礼します",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は小さく頭を下げると、生徒会室から出て歩き出す。今し方聞かされた話は、俺にとってもかなりショッキングなニュースだった。\n俺は廊下を歩きながら、今の話を整理しつつ呟いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "人間が妖力を持つ……か",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "自分のように禁忌に触れる以外の方法でそんな事が可能なのだろうか。そんな事を考えながら、俺は教室へと足を速めた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | b306_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "おい、どうしたんじゃ、静音。帰って来るなり部屋に閉じこもって",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "安綱、あんたは知ってたんでしょ?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "なんじゃ、藪から棒に?一体なんの話じゃ?",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "今回の事件が過去の事件に似てるって……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "それに、お母さんが行方不明になった土砂崩れは単なる事故じゃないって",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "…………誰に聞いたんじゃ?",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "おやじさん……今回の事件が、昔お母さんが消えた事件に似てるって。それで過去の事件についても聞いたわ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あの馬鹿鬼が!静音に話をするときは、我か静雄に相談せいとあれほど言っておいたじゃろうが!",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "……何で言ってくれなかったの?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……はぁ\n黙っていたのは悪かった、我もそろそろ話すべきだと思っていたんじゃが……踏ん切りがつかなくてのう",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "正直な話な、怖かったんじゃよ……過去を話して、おぬしに責められるのがな……",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "別にそんなことしないわよ。話を聞く限り、あんたは悪くないみたいだし",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "だがの、後悔せずにはいられぬよ。我はあの場にいて、初音に握られておったのじゃぞ?にもかかわらず、守る事ができんかった\n我にもっと力があれば!初音がいなくなる事も!お前が悲しむ事もなかった!そう思わずいられんのじゃ……\nじゃから、静音……おぬしに真実を話す事が怖かった。責められ……嫌われるのが恐ろしかった",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "そうね。今はともかく、子供の頃だったら、あんたの気持ちを考えずにわめきちらしてたかもしれないわ\nけど、今はもう違う。あたしだって成長するのよ?むしろ話されずにいた方がショックだわ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ああ、そうじゃな。おぬしの成長を信じる事が出来なかったのも我の弱さじゃ。許してくれ",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "だから、許すも何も別に怒ってないわよ。あんたは、お母さんがいなくなっちゃった後も、ずっとあたしの側にいて支えてくれたんだもの。怒れるわけないじゃない\nあたしに話さなかったのも、あたしを思っての事だって、理解してる",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうか……それを聞いて肩の荷がおりた気分じゃ\nしかし、なら何を考えておるのじゃ?こんな風に部屋に籠もって",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "おやじさんに言われたのよ。これ以上今回の事件にかかわるなって",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そういうことか……おぬし、今回の事件とかつての災害、その二つの背後にいたであろう黒幕の事を考えておるな",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "別に復讐しようなんて大それた事を考えてるわけじゃないわ。ただ、このまま自分の知らないところで、全てが終わっちゃうのが嫌なだけ\n事件の黒幕には必ず法の裁きを受けて欲しいと思ってる。だから、その為に出来ることをあたしはしたいの",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そのことは、和登たちには相談したのか?",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "してないわ。言えば和登たちは絶対に手伝ってくれる……けど、それはあたしのわがままに和登たちを巻き込むことになるわ。迷惑をかけたくないのよ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "まあ、おぬしならそう言うじゃろうな。ならばどうする、我らだけで事件を調べるか?",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "なんじゃ、その意外そうな顔は。まさかおぬし、我にまで迷惑かけたくないから関わるなというつもりじゃないじゃろうな?",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "あ、ううん。もとから、安綱には手伝って貰うつもりだったけど。その、止めないの?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "なんじゃ、止めたらやめるのか?",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "安綱の言葉に、静音は首を横に振る。それを見て安綱はやっぱりなと苦笑した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おぬしの頑固さは初音ゆずりじゃからな、我の言葉程度で止められるとは思っておらん\nそれに、黒幕に思うところがあるのは我も同じじゃ",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "安綱……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "安心せい。何があろうと我だけは静音、お前の味方じゃ",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "ありがとう……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "とりあえず、情報集めじゃな。和登達を頼れないとなると、我らだけで地道に足で探すしかないの",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "分かってるわ、さっそく明日から始めましょ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうじゃな、善は急げじゃ",
"speaker": "安綱"
},
{
"utterance": "絶対に引きずり出してやるわ……待ってなさい",
"speaker": "静音"
}
] | [
"静音",
"安綱"
] | 08_Impury | B308_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "つ、疲れたぁ……\n確かに関わるなって言われてたけどさぁ……お説教たらい回しはきついぜ、おやっさん……\nああ、もう駄目だ。頭はたらかねぇ……一眠りしよっ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登~いないの~?\nって、なによ……いるじゃない\nあ、寝てるのか……\nお~い、か・ず・と~",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "駄目だ、熟睡してる\nなによもう、人がせっかくお詫びとかお礼とか謝罪とか、色々と覚悟決めてきたってのにも~……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まあ、でも寝てるうちにお詫びとかお礼とか謝罪とか……その他もろもろやっちゃおうかな~",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ここまでやって、まだ起きないのか……どんだけ熟睡してんのよ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まさか、狸寝入りしてるんじゃないでしょうね?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "本当に、寝てるかどうか、キスでもして確かめてやろうかしら\nって、まずい。思考が変な方向に飛びそうになった……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……ふがっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "っ!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……すぅ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "こいつ、やっぱり起きてるんじゃないでしょうね!\nもういいわ、そっちがその気なら本当にあんたが寝てる間に、お礼とお詫びとかすませちゃうんだから……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "この前の夜の事も、今日の事も色々含めて、その……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ん~しずね?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "な、なななななな!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "んん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "何でこのタイミングで起きるのよ馬鹿ー!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ふぉっ!?\nな、急になんだよ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それはこっちの台詞よ!やっぱ、あんた狸寝入りしてたでしょ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、何のことだよ……というか、お前こそいつの間に?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ほ、本当に寝てたの?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、意識戻ったのはたった今だけど……はっ!?まさかお前俺が寝ている間にいやらしいことを!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "す、するわけないでしょ!馬鹿!ばかばかばかぁ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ばかばか言うな!自覚してるんだから!そんなにばかばか言われて、なんかプラシーボとかそんな効果でこれ以上馬鹿になったらどうする気!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しるかぁ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "その後、十分以上にわたって言い合いを続けた俺達は、互いの息が上がった所でようやく落ち着いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……で、結局なんの用なんだ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……そ、そうね、いい加減本題に入りましょ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "おう",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今日はね……その、お礼を言いたかったのと、謝りに来たの",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "昨日和登に注意されたばかりなのに、単独行動したあげくにみんなに迷惑かけて……ごめんなさい",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺が言ったこと、わかってくれたか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……本当は昨日和登に言われた時点で分かってはいたの……けど、どうしても、受け入れられなかった\nだって、それを受け入れたら、今までの自分の生き方を否定しちゃうような気がして……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "けど、今日分かっただろ?一人でいようとみんなでいようと、本人が望むと望まざるとに関わらず、迷惑っていうのはかけちゃうもんだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ええ、思い知ったわ。童子切の巫女だ天城の巫女だなんて言われても、所詮はあたしなんて単なる小娘にすぎないんだって、今日嫌って程思い知らされた\nもしあの時、和登達が来てくれなかったらと思うと、本気でゾッとする。今でも震えが止まらなくなるもの\nあたしは、一人じゃ何も出来ない。けど、それを補ってくれる仲間がいる。迷惑をかけても受け入れてくれる、背負ってくる仲間がいるって、今日ちゃんと認識した",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "取り返しがつかない事になる前に、間に合って本当に良かったよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……うん。ありがとう\nそれと、勝手な行動して、ごめんなさい",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "分かってくれたなら謝る必要なんてないし、仲間として当たり前の事をしただけだから、お礼も必要ないよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……仲間",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ねえ、和登……あんたにとって、あたしってただの仲間?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "は?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ううん、仲間なのは分かってる。あたしが知りたいのはもっと深い関係。和登とあたしって、どんな関係?\n友達……幼なじみ、それとも親友?あんたにとって、あたしって……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "し、静音?どうしたんだいきなり?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、ごめん……急にこんな事聞いて。変だよね……でも、なんだか急に知りたくなっちゃって……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "えーと、やっぱ、答えなくていいや!今の質問は忘れて!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺にとって静音は……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "親友で……幼なじみで……俺にとって生きる希望で……そして",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "大切な、ひと……かな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "っ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うん、静音には色々な言葉が当てはまるけど、これが一番しっくりくる。俺が絶対に失いたくない、失っちゃいけない大切な人だ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なん……で?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "なんでもなにも、静音がいなかったら俺は今ここにいないからだよ。言っただろ、生きる希望でもあるって\nあの日、周囲の奴らの悪意と敵意に屈して、死ねば全部終わって誰にも迷惑かけないですむなんて、ガキの浅知恵で馬鹿な事考えた俺を……叱咤激励してくれた\n死ぬなんて言うな馬鹿って言って、俺が周りにかけるであろう迷惑を、全部自分が背負うって言って、生きる希望をくれたのはお前だろ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ……だから昨日、あんなに怒って……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そういうこと。お前にだけは誰かに迷惑をかけることを、否定して欲しくなかったんだ\n誰かに迷惑をかけ続けなければ、生きている事すら許されなかった俺に、生きていていいって気づかせてくれた大切な人には",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、あう……え、えーと……ご、ごめんなさい!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "って、おい!!\n行っちまった……たくっ、あいつは本当に……妙な所で弱いなぁ\nで、でも俺……勢いに任せて言っちまったけど、すげえ恥ずかしい事を語ってたような……\nていうかあれって、もしかしなくても……俺、静音に……\n告白してね?",
"speaker": "和登"
}
] | [
"静音",
"和登"
] | 08_Impury | B313_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ど、どうしよう……な、なんか顔見てられなくて飛び出しちゃったけど……\nああ、駄目だ……あたし、やっぱり、和登のことが……\nす……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うふふふふふ~♪",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "きゃあ!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "もう、駄目だよしずちゃん、あそこで逃げ出しちゃ。あれはどう考えても告白する流れだったよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "な!?み、雅!あ、あんた見てたの!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "見てたというか、見ちゃったというか……かずくんの様子見に来たら、先にしずちゃんがいたというか",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ど、どこから見てたの?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "しずちゃんが寝ているかずくんにキスしようとしてたところ辺りからかな?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ほとんど最初からじゃない!!って、キスはしてないわよ!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うん、それは見てたから知ってる。もう、後ろから応援してたのに、しずちゃんてば本当にここぞって時にへたれるんだから",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うっ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "しずちゃん、かずくんのこと好きなんでしょ?だったら、ガツンとぶつからなくちゃ。かずくんって優しいんだから、そんなんじゃいつまで経っても今と変わらないよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "それは、そうなんだけど……\nと、いうか雅!あんたはそれでいいの?あんただってその……和登の事……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うん、大好きだよ!もちろんLIKEじゃなくて、LOVEの方だよ?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "だったら!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "でも気にしないで。私は別に側室でも構わないから♪",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そくっ!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "まあ、側室は冗談にしても、私はね、かずくんの近くにいられるだけで幸せなの。かずくんが少しでも私を想ってくれるだけでいいの\nだから、誰かのLOVEを奪ってまで、かずくんに愛されたいなんて思わないよ。その子がかずくんが選んだ相手で相思相愛なら文句なんて一つもない\nそれが、親友のしずちゃんなら、なおさらだよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "雅……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "確かに悔しくないって言われたら、ちょっぴりだけ嘘になるけど。それでもこの気持ちは本当だよ\nだからしずちゃん、私の事は気にしないで。むしろ、私の事を気にして身を引いたりしたら怒るからね!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ありがとう雅……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "お礼はなしだよ、しずちゃん。私はむしろ、しずちゃんを応援してるんだから",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "うん、うん!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "よしっ!それじゃあ、今から私の家で作戦会議だね!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "へ?作戦会議?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そ。かずくんにどうやってロマンチックな告白を決めるかのね!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "えええええ!?いきなりそこまで話がとぶの!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "全然とんでないよ。さっきの会話の続きをもっとロマンチックな所でするだけだもん。あれはもう、かずくんの方は準備OKって感じだもんね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "か、和登が!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うん、あれはもう半分告白しちゃったようなもんだもん。きっと今頃かずくん、部屋の中でもだえてるよ\nだから、その熱が冷めないうちに決着をつけちゃおう。鉄は熱いうちに打てって言うしね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちょっ、だ、だからって!きゃあ!ちょっと引っ張らないで!わっかった!逃げないから!逃げないから。はーなーしーてー!",
"speaker": "静音"
}
] | [
"静音",
"雅"
] | 08_Impury | B314_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "き、来たわね……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "おう、こんな時間にいきなり神社に呼び出されたぞ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うっ……ごめんなさい。話し合いが予想以上に長引いちゃって……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "話し合い?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、ううん。何でもない",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それで、どのような用件でしょうか?というか、なんで巫女服?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、それはその……雅に勝負服でいけって言われて……なんだかんだで一番気合入るのってこの服だし……それで……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うん、とりあえず雅が裏で絡んでるって事は分かった",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ぎくり",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "はは、本当に静音はわかりやすいなあ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うるさいわね。これでも一応自覚してるんだから!いちいち突っ込まないで!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ごめん、ごめん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あーもう!調子狂う、せっかく覚悟決めて来たのに!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "変に気合入れるより、そっちの方が静音らしくて俺はいいと思うぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "むう、でも……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そんな事より、本題本題",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……えーとね、きょ、今日は月が……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "早い早い早い!それ言うの早すぎる!いくら本題っていってもそれ核心だから!いきなり言っちゃ駄目だから!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "どうやら相当テンパってるらしく、いきなり核心に触れようとした静音を慌てて止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうううう!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "はあ……だから静音、変に気合入れなくいいから、いつも通り、いつも通りでいこう!ほら、なんかボケとツッコミがいつもと逆転しちゃってるし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "というか、今時「月が綺麗ですね」なんて、伝わらない相手にはまったく伝わらないぞ。\n夏目漱石の逸話なんて、今どれくらい知られているのやら。\n恐らく雅からの入れ知恵なんだろうけれど、なんにせよ使うタイミングが早すぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、まず深呼吸から始めよう!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……すーはーすーはー",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "落ち着いたか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ちょっとは……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "よし、それじゃあもう一度聞くけど、なんで俺は呼ばれたの?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、それは……その、あ、あたし……あたし!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あたし!あなたの事が好きです!!付き合ってください!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "OK",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "い、いきなりで、こんな事言ってもびっくりするかもしれないけど……\nえ?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "い、今なんて?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、だからOKって。俺も静音のこと大好きだから、むしろ恋人になりたいって思ってたし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "な、なんでそんな落ち着いてるの!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "え?い、いやだって……呼び出された時点で何となく状況察してたし……というか、この状況で告白以外のことを想定することの方が難しいし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?ええ!?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あとほら……今日の夕方、俺、なんか勢いで告白じみたことしちゃったし……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、ちなみに勢いとは言っても、嘘偽りは一切ないからな!むしろ本音も本音だし!お前が好きな事も全部本当だからな!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "じゃ、じゃあ……い、いいの?あたしが和登の恋人になっても……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "断る理由が一ミリもない。むしろ、俺の方からお願いしたいくらいだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……\n和登!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "おっと!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は胸に飛び込んできた静音をしっかりと抱きとめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "良かった!本当に良かった!不安だったの……いくら雅に言われても!和登を信じてても!本当に和登があたしを受け入れてくれるか!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "焦ったのは俺の方だぞ。なにせ告白まがいのこと口走った直後に、お前が逃げ出しちまうんだから。こちとら振られたんじゃないかと、気が気じゃなかったんだぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、それはその……ごめんなさい。なんかあの時あたし、パニクっちゃって……あんたの顔見てられなくなっちゃって",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "まあ、いきなりあんな事口走った俺も悪いんだから、おあいこだよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ありがとう……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それにしても、ずいぶんと電撃的な告白作戦だな。雅の入れ知恵か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……雅は少しでも早いほうがいいって、じゃないと和登に先を越されるからって",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "げっ、完全に行動を読まれてる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?じゃあ、本当に?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ああ、明日告白するつもりだったんだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、あははは……なんだぁ、だったらやっぱりこんな緊張することなかったじゃない……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "だから、最初からそう言ってるのに",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "くすっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "はは",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "緊張も解けたのか、腕の中で静音がそっと目を閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "互いの名前を呼び合い、俺達はそっと唇を重ね合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それは唇と唇が触れあうだけの浅い口づけだったけれど、キスをしている間は、まるで脳が溶けてしまいそうな程濃密な時間に感じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "大丈夫か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "唇を離した後も、どこか放心状態な静音に俺は問いかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うん……大丈夫。なんか、幸せすぎてぽーっとしてた",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そ、そうか……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ね、ねぇ、和登……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "知ってるかもしれないけど……今日、家に誰もいないの……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "え?あ、ああ……確か、静雄さん昨日から本土だっけ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だから……その……ね?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "その言葉の意味が分からないほど、俺も子供じゃない。俺は静音の目を見て確認を取る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいのか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、お願い……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "その瞳に迷いがない事を感じ取り、俺はしっかりと頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかった",
"speaker": "和登"
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{
"utterance": "そうして、俺達はもう一度だけ月夜で互いの唇を重ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
}
] | [
"静音",
"和登"
] | 08_Impury | B315_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ベッドに寝転がって、不安そうにこちらを見上げる静音に、俺は首を傾げながら聞いてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "緊張してる?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "べ、べつに、き、緊張なんか……してないわよ",
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},
{
"utterance": "本人はそう言っているが、瞳は不安そうに揺れているし、よく見れば小さく震えてもいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "めっちゃ緊張してんじゃん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うるさいわね!だって、しょうがないじゃない!初めてなんだから!",
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},
{
"utterance": "俺の追求に静音はやけくそ気味に言葉を返してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺だって初めてだよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな静音に苦笑しながら告げると、静音はジト目になってこちらを見返してきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そのわりにはずいぶん落ち着いてるじゃない……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、ほら。自分より緊張してる奴がいると、なんか冷静になれるみたいな感じ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "実際俺も、心臓が痛いぐらいに高鳴っているし、失敗しないか不安で仕方がない。\nけれど、目の前で自分以上に緊張している静音を見ると、俺ががんばらなきゃなと思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むう、なんかずるい……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ずるいと言われましても。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、とにかく!こういう時はまず、キスだよな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は、ともかく空気を変えようとそう言うと、そんな気持ちを察してくれたのか、静音はこくりと小さく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "多分……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "よしっ!それじゃあ、いくぞ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん!ば、ばっちこーい!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "互いに何故か無駄に気合いの入ったかけ声と共に、キスを慣行しようとした結果。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あくっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あいたっ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺達は思いきり互いの歯をぶつけ合ってしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すまん!勢いがつきすぎた",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いはい!あがこつんて……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "互いに口を押さえて、痛みに苦しむ俺達だが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぷっ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "くすっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "どちらともなく吹き出し、笑顔になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なんだか無駄に緊張しちゃって……馬鹿みたいね",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうだな、全然俺達らしくなかったな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺達はひとしきり互いに笑い合う。すると、いつの間にか緊張も解けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、恥ずかしいし緊張もするけど……相手は和登なんだし、いつも通りでいいわよね",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ああ、俺もいつも通りでいくよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "互いに自然体が一番、そう結論付けて、俺と静音は肩の力を抜く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、まず仕切り直しから……ん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そう言って、静音がすっと目を閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、そこからだな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んん……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "互いに唇を重ね、ゆっくりと気持ちを落ち着けていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん!\nぷはっ……はぁ、はぁ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "先ほどより長く濃厚なキスの隙に、俺は静音の巫女服をはだけさせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "露わになった白い肌に、俺は思わず言葉を失ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、何よ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、綺麗だなって思ってさ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ばか……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "純粋な感想を言ったのに、真っ赤になってそっぽを向かれてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ありがと",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "が、その後でぼそりと呟かれた言葉に、俺の頭はくらくらしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっばい……お前可愛いな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "きゅ、急にそんなこと言うなぁ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "どうやらストレートな言い回しに弱いらしく、恥ずかしそうに声を荒らげる静音に和みながら、俺は静かに告げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……触るぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え、あ……!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いきなりの言葉に静音は一瞬戸惑うが、俺はその了承を待たずに、そのままブラの上から静音の胸を揉んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっ、んんっ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、ごめん、痛かったか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "想像以上のボリュームと弾力に、思わず力が入りすぎたのかと、俺は慌てて手を離す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ううん、大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから\nつ、続けて、いいよ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、ああ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音の了承に俺は頷くと、今度は優しさを意識しながら胸へと触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……んん、ぁっ……あぁ、ん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "さっき少しだけ触った時も思ったけれど、やっぱり予想以上のボリュームだ。手の平に収まりきらない胸を、俺はなるべく優しく愛撫する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んん、あっ……やっ、ん……んん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "胸を触る楽しさに、無言のまま愛撫を繰り返してしまったが、しばらくして静音の様子が少しおかしい事に気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかして声我慢してる?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?そ、そんなことないわよ?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "目を見て言いなさい、そういう台詞は",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺の台詞にわかりやすく視線をそらす静音。本当にわかりやすい奴だな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むぅ……だ、だって、は、恥ずかしいじゃない……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "でも、えっちな静音の声、もっと聞きたいな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "な、なんか、すごくえっちな台詞だね、それ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "た、確かに……!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "特に意識せずに言った台詞だが、確かに非常にエロスだ。\nなどと一人で感動している俺に、静音が小声で突っ込んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ばか",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "い、いいから!続けるぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その静音の台詞を可愛いと思ってしまい、このままでは理性のタガが外れそうだったので、俺は慌てて話題をそらす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うん……\nあっ、んん、やぁ……ん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうしてしばらくブラの上から愛撫を続けていたのだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "やはり、これだけは物足りないと思ってしまうのは、男の悲しい性だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "だから俺は静音が脱力して油断している間に、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ブラをずりあげて、その豊満な胸を解放した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり綺麗だ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ブラの圧力から解放された胸が、その柔らかさを誇示するように小さく震える。その頂点には、今までの愛撫によって出来たピンク色の突起が自己主張していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっやっ、んん……やんっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そんな静音の胸と頂点の突起を、手のひら全体で転がすように愛撫する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふ、不意打ちは、ひっ、きゃうん……ひ、卑怯よ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うわ、凄い……超なめらか、めっちゃ柔らかい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は静音の言葉もろくに耳に入らず、思わずそう呟いてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、やん、んん、ふぁ……や、んん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "な、なによ……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "今度は何をする気だとこちらを見つめる瞳に、ちょっといたずらっぽく告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "乳首、たってるよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、きゃんっ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そしてそのまま不意打ち気味に乳首をつまみ、指で転がす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからぁ……不意打ちは、や、やめ……あんっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音の体が、俺の指に合わせてぴくん、ぴくんと小さく震える。それに合わせるようにして、豊かな膨らみが形を変える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、つい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そう……きゃうん、いい、つつ……あ、あんっ。こり、こり、するなぁ!ひゃうん、つ、つまむなぁ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音の反応に、俺の中にある理性も決壊しそうになるが、必死でこらえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だが、正直これだけではやはりまだ物足りない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺に執拗に乳首を攻められて脱力する静音に、俺は静かに告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "下も……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その言葉と同時に袴に手を伸ばそうとするが、静音がその手をそっと止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、まって……そっちは、その……自分で脱ぐから",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺が何で?と首を傾げると、静音は恥ずかしそうにうつむいて答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だって……恥ずかしいし……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、ああ、わかったよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直、自分で脱がしてみたいというのもあったが、上目遣いで見つめてくる静音に、俺は気がついたら頷いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "袴を脱ぎ、再びベッドの上にぺたんと座り込む静音。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おう……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、あの……何度も言うようだけど、は、初めてだから……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "未だ不安そうな静音を安心させるように、俺はしっかり頷いて言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かってる、出来る限り優しくするよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……お願い",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そう小さく微笑んだ静音に近づくと、俺はそっと秘所に指を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、濡れてる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "指に触れた感触に俺が思わず呟くと、静音は下を向いてうつむいてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ、恥ずかしい、から……あ、んん……言わ、ないで……あっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "これぐらいで大丈夫?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は静音に確認を取りながら、ゆっくりと指を上下に動かした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ……やっ、ん……ふぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "大丈夫かと見つめる俺に、静音は身をゆだねるように脱力していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫そうだな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……あ、んんっ。やっ、あっ……ん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "また、声我慢してる……気にしなくていいのに",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし、やはり声を聞かれるのは恥ずかしいらしく、必死で我慢しているのがわかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっ、ん……だ、から、んん……はずかしい、ふぁ……の",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "これはいくら言っても無駄だと思い、俺はあることを思いつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、そっちがその気なら……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺は下着をずらすと、静音の秘所を直接愛撫し始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ!やっ……ふぁ!やっあっんん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ぴちゃ、と水音が聞こえ、静音が今まで以上にはっきりと反応を示す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その反応に大丈夫かと聞くが、静音はしっかりと頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……あっ!やっあん、ふあっ、ああっ、んん\nあっ、やっあっあっ、やん……あはっ……やっ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "すごいな……どんどんあふれてくる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ぴちゃ、ぴちゃ、と水音をわざと響かせるように指を動かし、その度にぴくんと動く静音の反応を楽しむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、やっん!い、いうなぁ、ば、ばかぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それに、すっごく熱い……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あっ、やっ。んんん……あっん、やっ……ふぁっ\nやぁっあん……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺は静音の声に浮かされるようにして、静音の秘所を攻め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、ふっあ……あっああっんんん、やぁっあんっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そして、静音は一際大きく反応すると、そのまま脱力してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "平気か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "どうやら軽くイってしまったらしい。俺の問いかけに、静音は小さく頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うん……へいき……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "熱に浮かされたようにぽおっとしている静音を見て、俺はそろそろ自分の理性が限界であることを悟る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "その……いいかな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そっと静音に尋ねる俺に、静音も意味が分かったのか一瞬だけ驚いたが、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!\nう、うん……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "最後にはしっかり頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまり、見ないで……\nは、恥ずかしい……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ベッドに横たわり足を開いた静音を見て、俺は一瞬だが思考を停止させてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その……へ、変じゃない、かな?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "不安そうにこちらを見上げて聞いてくる静音に、俺は慌てて首を振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、全然変じゃない!むしろ綺麗だ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そっか……なら、良かった",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それを聞いて静音が安心したように笑顔になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、準備は出来てるから……きて",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "本当にいいんだな……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その言葉に、俺は最後の確認として尋ねるが、静音は苦笑しながら答えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いまさらすぎ……いいに、きまってるし……その、かずとじゃないとやだ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "確かに愚問だったなと笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかった、なるべくゆっくり挿れるな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は自分のモノを静音の秘所に押しつけ、最後にもう一度静音を見て、静音が小さく頷いたのを確認してから、ゆっくり腰を前進させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……いたっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "挿入時の痛みに静音が僅かに顔を歪める。\n当たり前だ。十分に濡れているとはいえ、静音は初めてなんだ、痛くないわけがない。\n逆に俺の方はといえば、まだ先っぽの方しか入っていないのに凄い快楽だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はともすれば、一気に腰を動かしてしまいそうなのを必死に自制しながら、ゆっくり腰を前に突き出していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……あっ、やっ、んん……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ここだ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして、俺はかなりの時間をかけて、静音の純潔を守る場所へとたどり着いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うん……和登の当たってるの、わかるよ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それじゃあ、行くぞ……力抜いて",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ここからが本番だと、俺は静音に力を抜くように言う。静音は恥ずかしそうに、けれど意識して力を抜いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そして俺は、それを確認してから、そのまま腰を前に突き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あっ!やっんんん!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "途中で何かを破る感覚が伝わり、静音の秘所から鮮血が流れてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……す、ごい……はいってる……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ああ、全部入ったぞ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……わかる、お、おなかの中に、和登がいる……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "大丈夫か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音は痛みに涙を浮かべながらも、笑顔になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ、じんじんするけど……けど、大丈夫。痛いより、嬉しいの方が、大きい、から……\nで、でも……動くのは、もう、ちょっと、まって……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音の言葉に、俺は安心させるように笑顔を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、大丈夫……静音が落ち着くタイミングでいいぞ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直に言うと、入れているだけでも相当気持ちよく、今うかつに動くとすぐに出てしまいそうだったので、個人的にもありがたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……あり、がとう",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺達はしばらく繋がったまま抱き合い、互いの体温を混じり合わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして、互いに呼吸が収まるぐらいまで待った頃。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、今ぴくんって動いた……やっぱり動きたいんだ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ぎ、ぎくり",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音に今の気持ちを看破されて、俺は思わず視線をそらした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすっ、もう動いてもいいよ……痛み、だいぶ落ち着いたから",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "本当に平気か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、平気……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "じゃあ、ゆっくり動くな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の確認にこくりと頷いた静音に頷き返し、俺はゆっくりと腰を動かし始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……っ、やっ、あん……やっあん\nあ、ああ……う、ご、いてる……な、なか、で",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "やっばいな……気持ち、良すぎて、気を抜いたらすぐにでちゃい、そうだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "動き出してすぐに感じた射精感を我慢し、小声で呟く。\n静音の中は初めてというだけに、かなりの圧迫感がある。けれどそこに不快感はなく、むしろ動く度に俺のペニスを刺激してくるので、射精を堪えるだけでもう必死だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん……よ、かった、和登がきもち、よさそう、で",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、ああ。静音は、平気、か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……まだ、ちょっと、い、いたい、けど、大丈夫……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "確かに、まだ少しきつそうだが、静音の言葉に甘い響きが混ざり始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、んんっやっあ……ふぁあ\nも、うちょっと、速くても、大丈夫……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "見ると、静音の秘所は先ほどより濡れ、滑りも良くなっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうか……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は静音の言葉に頷くと、静かに腰の速度を速めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、やっ……んん、きゃっあん",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それによって甘い声を上げ始めた静音の声と一緒に、俺自身も高まっていく。\nすでに射精感を抑えるのも限界だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっ、ふぁ、あっ……す、すごい、あ、ああん!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "し、ずね!お、おれ、そろそろ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん、だ、大丈夫っ!きっ、きて……!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音の言葉に、俺は最後に強く腰を静音に打ち付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、しずね!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして、ギリギリのタイミングで静音の中から引き抜いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、ああっ!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あっ!あっんん……あっつい……はぁ、はぁ!\nうわぁ……和登まみれになってる……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "本当にギリギリだったため、静音に盛大にぶっかけてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめんっ。その、抜くのが精一杯で……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "別に、抜かないでもよかったんだけどな……和登なら……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、でもさ、静音、結構痛そうだったし……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ええ、すっごい痛かった。もう、体を引き裂かれちゃうかと思った。あ、実際引き裂いたのよね\nだけどね、それ以上に、すっっっごい、幸せだった",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そう言って、静音は満足そうにお腹を撫でる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登……あたしに傷をつけてくれて、ありがとうね",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そして、俺を見ながらにっこりと笑ってくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"静音",
"和登"
] | 08_Impury | B316h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ん~、遅いな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は駅前の定番待ち合わせスポットで、何度も時計を確認しながら静音の到着を待っていた。なぜなら今日は念願の、恋人になってから初めてのデートだからだ。\n少し早く出過ぎた事もあって、まだ十分程度しか待ち合わせ時間を過ぎていないにも関わらず、相当な時間待っているような気がする。\nそんな事を考えて、俺もちょっとわくわくしすぎだろう、と苦笑していた所に声がかかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お待たせ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ああ、来た……おおっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "振り向き、静音を見た瞬間に声を上げてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、デートなんだから、おしゃれしてけって、みんなが……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そこにいたのはいつもとは違う雰囲気の服装に身を包んだ静音で、俺は思わず見とれてしまいそうになるのをこらえて親指を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいじゃん。似合ってるよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ほ、本当……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ああ、いつもの格好より女の子してて、新鮮で可愛いぞ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そっかな。えへ、ありがとう",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そういえばこの前、女性陣に静音が拉致られたが、あれの目的はこの服を買うためだったのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、じゃあ、さっそく行くか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう言って俺はさりげなく腕を差し出すと、静音は嬉しそうに笑った後、自然に腕を絡めてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、今日はどこに行く予定なの?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それはついてからのお楽しみ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の言葉に首を傾げる静音に笑顔を向けつつ、必ず気に入るはずだと告げて、俺達は目的地行きのバスに乗り込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ、一度行ってみたいって言ってただろ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうしてついた場所がここ、白夜島最大のテーマパーク、モンスターキングダムだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "モンスターキングダム……覚えてて、くれたんだ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "モンスターキングダム。妖怪と人間が共存するこの島で、あえて西洋妖怪をモチーフに建造された、白夜島最大のテーマパークだ。\n白夜島の一大観光産業であり、ここを目当てに白夜島を訪れる人々も多い。\nただし、規模が大きく観光地になることが前提の為、少々入場料が高く、学生の身分である俺達にとっては、おいそれと遊びに来られる場所ではない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然!って、まあ、半分は俺が行きたくて覚えてたんだけどな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だから、初デートでは必ずここに来ようと、もうずいぶん前から決めていたのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすっ、和登らしいね",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "さあ、今日はここで目一杯楽しもうぜ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、うん!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そう言って再び差し出した腕に、静音は抱きつくように腕を絡めると、本当に楽しそうに頷いてくれた、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まず最初はなにから行くか……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "パンフレットを見ながらどこに行くか悩んでいると、静音がより体を密着させて地図を覗き込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まずは、定番から攻めましょ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "お、おう!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "腕から伝わってくる静音の体温と、二つのふくらみにどぎまぎしつつ、俺は頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "定番というと……ドラキュラ城だよなやっぱ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう言って俺はパークのシンボルであり、モンスターキングダムの中心に位置する巨大な城を指差した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう、それ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "西洋妖怪をテーマにしたテーマパークであるモンスターキングダムの中央には、このパークの象徴でもあるドラキュラ城が建てられている。\nその内部には実は入る事が出来て、日本でも最大級のホラーハウスになっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、思った以上に怖かったわね……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ほとんど抱きつく形で俺にしがみついている静音だが、正直その姿を俺も笑うことが出来ない。\n何故なら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "び、びびってねえし!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ちょう、びびってるじゃない",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音に言われた通り、俺も超びびっていたからだ。\nいや、正直最近のホラーハウスを舐めていた。最後の方なんて二人で涙目になりながら、ずっと叫んでいたような気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "つ、次はじゃあ、あれ行こうぜ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はとりあえず気分を変えるためにも、次のアトラクションを指差した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ジェットコースターね!いいわよ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ひゃあ、良かったな!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ジェットコースターに乗り、テンションが上がりまくりの状態で外に出る。\nいや、さすが国内でもっとも複雑なレールという謳い文句を掲げるだけの事はある。右に左に縦横無尽に走り回るコースターのスピード感は、やはりいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いっそ、もう一回乗ろうかと提案しかけた所で、静音がぷるぷる震えていることに気がつく。\n俺が瞳を覗き込むように見つめると、ようやく我に返ったのか、静音は慌ててぶんぶんと手を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "び、びびってないわよ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "お前もか……\n次はもう少し落ち着いたの行こうな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "どうやら静音はあまり動きの激しいアトラクションは得意ではないらしい。俺がそう提案すると、静音は小さくこくりと頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうね……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "とりあえず、ほい、手",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まあでもその前に腹ごしらえかなと思い俺が手を差し出すと、先ほどまでの青ざめた顔はどこへやら、静音一瞬で笑顔に戻る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "昼時は、パーク内にある小洒落たレストランで食事を取った。静音はメニューと俺の顔を交互に見ながら尋ねてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当にいいの?おごりなんて言って?別に払うわよ?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "こういう時ぐらい、かっこつけさせてくれ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まあ、あんたがいいって言うならそれでいいけど♪",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺が胸を叩いてそう言うと、静音は嬉しそうに笑った後、鼻唄混じりに料理を選び始める。\n正直な所、そうやって楽しそうに料理を選んでいる静音を見るだけで、お腹いっぱいな気分だが、それはあえて口には出さないでおく。\n多分互いに照れ合って、料理どころではなくなってしまうだろうから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、食事の後はどこ行く?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "次はね、えーと",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の言葉に静音は少しだけ悩んでから、そうだ、と笑顔を浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "昼食後、静音の要望でいったパーク内のみやげ屋さん。そこで買ったぬいぐるみを抱いて、静音は心底嬉しそうに笑っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前って本当にぬいぐるみ好きだよな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その姿を微笑ましいと思いつつそう尋ねると、静音は少しだけ拗ねたような上目遣いでこちらを見てきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なによ、悪い?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、可愛いと思うぞ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音の言葉に即答すると、その顔が一気に真っ赤になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そう?\nあ、あんたって時々ストレートに不意をついてくるわよね",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺がきょとんとすると、静音は軽く嘆息した後に再び破顔する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、なんにせよ、喜んでもらえたみたいで良かった",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして本当に嬉しそうにぬいぐるみをぎゅっと抱きしめると、上目使いのままで静音は呟いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。ありがとう",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、やっぱストレートの破壊力が高いのはお前の方だわ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "たった一撃でTKOを食らった俺の言葉に、静音がくすくすと笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすっ、それじゃあ、一勝一敗ってことで",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "どんな基準で勝ち負けついてるんだ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "さあ、なんとなくよ、なんとなく",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ま、お前がそれでいいならいっか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん♪",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "楽しい時間はあっという間に過ぎるものだ。気がつけば、もう陽は沈み夜になっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう、遊び倒したわ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "だな、俺も流石に疲れたわ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ベンチに座り、イルミネーションが点灯するパーク内を眺めながら、心地よい疲労に身をゆだね、互いの体を預け合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……楽しかった",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ああ、俺も楽しかったよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "本当に夢のような時間だった。最初から最後までずっと楽しかった。\nそれは恐らくこの場所だからじゃない。きっと静音と一緒だったから……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……ありがとう。今日は連れてきてくれて",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "おう、また一緒に来ような",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうね、必ず来ましょ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "互いに、再びここに来ることを誓いつつも、今日という日の終わりが近づいているのを自覚して、しばし俺と静音は無言になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "正直まだ別れたくない、もっと一緒にいたい。俺は意を決して口を開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あ~",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "しかし、言葉を紡ぐ前に静音の人差し指がこちらの唇に触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "言わなくても分かってるから……その、多分あたしも同じ事考えてるから",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "……そっか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、そうだよ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺と同じ気持ち。そんな静音の言葉に俺は嬉しくなって、自然とその体を抱きしめていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"静音",
"和登"
] | 08_Impury | B317_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あんまり見ないでよ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、それはさすがにご無体っていうものじゃないかなあ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "モンスターキングダムから俺の家に移動したあと、特になにも言わずにベッドに座った静音を凝視していると、恥ずかしさに顔を紅くした静音に注意されてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音のこんな可愛い姿、そう見られないんだし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "この前、おもいっきり見たくせに……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "前回の事を思い出したのか、恥ずかしさにぷいっと視線をそらす静音に、俺は笑顔になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だってほら、静音のだろ。何度だって見たいよ\nそれとも、ダメ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……そういう言い方がずるいのよね、和登って……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の言葉に静音は軽く嘆息した後、こちらを向く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、その……す、少しだけだからねっ。あんまり近くで見たりとか……ダメだから……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "努力するって約束する",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……する気ないでしょ、絶対……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の言葉に呆れつつも、静音はゆっくりとスカートをまくり上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……静音、もしかして、もう濡れてる?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "言うなばかぁ!だから見られたくなかったのよ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の指摘に静音が羞恥全開で声を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、和登とその、こんなことするってなったら、それだけで……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うん。凄く嬉しい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音が言い終わる前に、俺は微笑みながらそう言って頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音が、俺にそんな風に感じてくれるってだけで、俺もその……凄く興奮する\nだから……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はそう言って、優しく静音の下着に触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……や、な、なんか和登の触り方、優しい……\nこ、こんな触り方、ずるいよぉ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "目をきゅっと瞑り、俺が指を動かす度にぴくん、ぴくんと反応する静音の耳元で、ささやくように呟く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音のここ、少しずつ熱くなってきてる……\nシミも大きくなってきてるみたいだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "やっ、言うなぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "やはり言葉にされるのは恥ずかしいのか、静音がいやいやと頭を振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめん、やっぱりガマンできない",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな静音の可愛い姿を見ていたら、理性なんて簡単に吹き飛んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え!?き、きゃあっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺は不意打ち気味に静音の下着を掴むと、そのままするっと脱がしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばかぁ!いきなり何するのよっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "驚きと怒りと羞恥心とがまぜこぜになった表情で、静音が俺を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音の、やっぱり綺麗だな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし、俺は今静音の秘所に見とれているため、ほとんど頭に入ってこなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから、あんまり近くで見ないでって……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "それじゃあ、いただきます",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は静音の言葉をあえてスルーすると、静音の秘所に口づけした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺のいきなりの行動に、声を上げる静音。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、やあっ!ダメ!そんなとこ、き、汚いからっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音の大切な所だぞ。汚くたっていいよ……ん……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺を止めようと頭を押してくるが、俺は構わず静音の秘所に舌を這わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、ああんっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "慣れない感覚に、静音が一際大きく反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばかぁっ。そこは、あ、否定してよっ!ん、ああ!\nだ、だめっ!何、これっ!体、ふ、震えちゃうっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の頭を押す手にも力が入らないのか、もはや触れているだけになり、俺の舌に合わせてびくびくと震えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……奥の方から、どんどん溢れて……凄い、すくいきれない……んむ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ひ、あ、ふあぁ……や、あ、あうっ!\nだ、だめ……あ、や、ああんっ!ぞくぞくって、か、からだが……震えて……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "すごい……ひくひくいってるよ……静音、感じてる?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "全身の動きと同じように、秘所もひくひくと反応する。俺は特にそれが強くなる場所を探して、そこを重点的に舌で攻める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ、んくっ……ひ、ふああっ!\nお、おねがい、も、もう……\nひ、あ、あぐっ!や、だめっ、き、きちゃ、うっ……いやあっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そして、静音に限界が近づいてきたのを感じて、俺は静音のもっとも敏感な場所に吸い付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああああああっ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "その瞬間、静音の声と共にぷしゃっと愛液が噴き出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ、凄い量が溢れてっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうして静音は体を数回痙攣させたあと、くたっと脱力した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……イっちゃったかな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……ばかぁ……からだにちから……は、はいんない……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "よほど刺激が強かったのか、静音はその場でしばらく放心していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……本当にやるの?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "当然よっ。あたしばっかりやられて、ずるいもの",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音は、先ほどイかされた仕返しとばかりに俺をベッドに座らせると、俺のペニスを取りだしながらそう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから今度は、あたしが和登を恥ずかしい目に遭わせるのっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、正直言うと凄い嬉しいんだけどさ……\nなんだか、おっかなびっくりだから……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう。別にしてくれることに関しては文句はない。むしろ嬉しいのだが、どうにも先ほど俺のモノを取り出してから、静音はびびり気味だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、仕方ない、じゃない……男の子のをこんな近くで見るなんて……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あの、静音さん、そう言いつつ、つんつんと突いたり、息を吹きかけるのをやめて頂けませんか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんだか、あたしの知ってるのと全然違くない……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺のモノをしばらく凝視した後、静音は何を思いだしたのか、そんな事を言ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そりゃまあ、お互いのを見せっこしてたのはもう十年も前だし……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、そういえばそんな事もあったな。家族ぐるみの付き合いだったこともあって、普通にお風呂なんかにも一緒に入ってたし。\nまあ、今その事実が周囲の人達に知られたら、大惨事になること請け合いだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、怖いなら……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫よ……するっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の言葉を遮るように静音は気合いを入れると、上目使いで聞いてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって……和登、嬉しいんでしょ?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ここでこの顔は正直ずるい。そんな顔をされたら、黙って頷く以外の選択肢がないじゃないか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺が頷いたのを見て、恐る恐るといった感じで静音が俺の亀頭を舌先で舐める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、く……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "たったそれだけの動作にも関わらず、俺は思わず声を出してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えっと、あたし変なとこ舐めちゃった?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、むしろ反対。ぞくってきた",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺の出した声に、不安そうに見上げてくる静音に苦笑しながら、大丈夫だと告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そう。よし、間違ってない間違ってない……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "すると、安心したように、静音は行為を再開した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ……う……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "な、なんだこれ……凄い、ぞくぞくって……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音が舌を這わせる度に脳がとろけそうになり、腰が勝手に反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ……そんなに感じるんだ、これ……ぴちゃ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そんな俺の反応を見ながら、静音は続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "こ、これヤバイ、かも……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うわ……聞いてた通りだ。なんか、変なの出て来た……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音があふれてきた先走りを見て、興味深げな顔をする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そして、少し迷った後に、それを舌先で舐めとった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……やっぱり、おいしいものじゃないみたいね……苦い、のかな?\nでも、もう少し……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そりゃ当たり前だと告げる前に、静音は小さく口を開き。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゅっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "うああっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺のモノの先を小さく咥え込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……腰がちょっと動いたわよ。そんなにいいの?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の反応が予想以上だったのか、静音が目を丸くする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……もっと、その……大きく咥えてほしい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……だ、だけどこれ……入る、かな……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の言葉に静音は頷いた後に、先ほどより大きく口を開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んむ……\nお、おっきひ……っ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そしてそのまま、俺の亀頭全体を包むように咥え込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……ああっ!\n静音の口、すごいあったかくて……う、あ、ああ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直、少々刺激が強すぎるぐらいだが、それも含めて頭が変になりそうなほど気持ちがいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……こことか、どう……?ん、んむぅ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、ああ……凄く、いい……\n腰がゾクゾクって、きて……\nう、くうっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ん………あむっ、んぐ……んっ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "俺の反応を一つ一つ引き出しながら、静音が口の中で俺のペニスに舌を這わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……和登の……あむ……ぐ……んんっ……凄い、熱くて……\nんむ……ん、う、うう……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ひと舐め事にこみ上げてくる射精感に、俺はそろそろ我慢の限界を感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぐ……し、静音っ、も、もういい、から!\nこ、このままだと、ヤバイっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかし、静音は俺の言葉に耳を貸さず、一心不乱に続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んむ、ん……んう……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そして、そんな静音の行為に、ついに俺は限界を迎えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、ほんとに、もうっ!\nうぐっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "結果、俺はペニスを引き抜く余裕もなく、静音の口内に思い切り射精してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむうっ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "突然の射精に静音は驚いたようだが、それでも離さずに口内で精液を受け止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あむ……う、うむ……んんっ\nぷはぁ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうして俺の射精が収まった頃にようやく口を離すと、抗議するようにこちらを見上げてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ち、ちょっと、何よこれ……多すぎない?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、それだけ気持ち良かったということで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だからって、いきなりこんなに出されてっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、だから俺は途中で何度も言ったじゃないか、そろそろ危ないって。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう……全部飲んであげると男の子は喜ぶっていうから、覚悟してたのに……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "いや、それだけ静音と俺の相性がいいってことじゃないかなあ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……本当に、そう思ってる?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "もちろん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "疑いを込めた視線を送ってくる静音に、俺は即答して頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だったら、許してあげる。その代わり、あたしでもっと気持ち良くなってね",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そう言って静音は、俺に覆い被さる様に抱きついてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "初めてじゃないとはいえ……や、やっぱり恥ずかしいかな……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "やっぱり、無理しないで普通の体位の方が良かったんじゃないか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "個人的には非常に嬉しいが、行為二回目にしてこの体位は難易度が高い気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいの。今日は、あたしが和登を喜ばせるって決めたんだから",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "しかし、静音の決意は固いらしく、なら仕方ないと俺は納得する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっか。だったらさ、喜ばせるついでに、もう一つお願いしていいかな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……なんだかすっごく嫌な予感がするんだけど……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音がこちらにジト目を向けるのを笑顔で受け流し、俺は言葉を続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、変なことじゃないって。ただほら、せっかくなんだしさ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう言って俺は、静音の答えを聞かずに、服とブラを一気にまくり上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、静音の凄いな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……えっち",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "特に抵抗らしい抵抗はしなかったが、静音は恥ずかしそうにこちらを睨んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それだけ、静音の胸が魅力的なんだって。男として見たくなっちゃうんだよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "本当にそれだけ……?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "この体勢で動いていただけると、とても素敵な光景に出会えます。それはもう激しく上下にぽよんぽよんと",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音に問い質されて、本音をさらりとこぼす。それを聞いて静音は深いため息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう……ほんと、あたしなんでこんなにえっちな奴を好きになっちゃったんだろう",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "むしろ、俺のために育った、と考えてほしいなあ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それを嬉しいって思っちゃってる自分がちょっとイヤなのよ……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音は視線をそらして顔を紅くしながらそう答える。相変わらず静音は可愛いな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……それじゃあ、いくわよ?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そうして静音は、ゆっくりと腰を下ろしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ、ああっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "大丈夫か?まだ二度目だし、辛いなら……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "やはり多少の痛みがあるのか、少しだけ顔を歪ませた静音に尋ねるが、静音は首を横に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へ、平気……ちょっと、う、く……きつい、だけだから……\n和登がね……あたしの、中に……いるの……ん……和登……熱い……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ペニスを全て飲み込んだ状態で、嬉しそうに笑った静音がこちらに尋ねてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登は……ど、どう?あんっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "う、うん……気持ち良すぎて……溶けそう……\n静音が、絡みついてくるみたいで……あ、あはは……やばいかも、これ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直気持ちが良すぎる。先ほど一度射精していなかったら、正直この時点で射精していたかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動く、ね……和登……",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "あ、ああ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静音の言葉に頷き、俺も次に来るであろう刺激に備える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……う、くぅんっ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "しかし、少し静音が動いただけで、そんな心構えが全く役に立たないことを思い知らされた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあっ。こ、これやばいっ……気持ち、よすぎっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ……ん、ああんっ!あ、あたし、も……和登の、深く、て……\nや、あ、ん、んくっ!お、奥に当たると、ぞくぞくって、きて……\nひ、あ、やあ……だ、だめっ、こんなの憶えちゃったら、や、あ、ああ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "お、俺もヤバイ、かも……こんなの、もつわけないっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直、静音が動く度に強烈な射精感が襲ってくる。少しでも気を抜けば、その瞬間にすべてをはき出してしまうだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああ……和登が、あたしの中、ぐちゃぐちゃって動いて……\nあ、ふあ……ひ、ん、くうっ……や、あ、体、震えて……と、とまんないっ\nな、なにか、きてる、きてるよぉっ!や、あ、はぁんっ!だめ、腰が、う、動いちゃうっ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "しかし、俺は少しでも長くこの快感を味わっていたくて、必死に射精を我慢し腰を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめだっ。俺も、あ、頭の中真っ白……う、うああ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登……和登ぉ!!お願い!あ、あたしの中に……ひ、ふあっ、ああん!\n和登が、ほ、欲しいよぉ……あ、ああ、ああああっ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "静音の言葉と共に急激に膣内が締まり、俺も一気に我慢の限界を迎える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、俺も……静音の中で……も、もう!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ひ、あ、は、あううっ!ん、んんっ!!や、やあっ!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "で、出るっ!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ん、あ、ああああああああああああああっ!!",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そして俺達は、二人同時に絶頂を迎えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "以前とは比べものにならない快感に、二人で抱き合いながら絶頂の波が収まるのを待つ。\nそうして、ようやくそれが落ち着いた頃、静音がぽつりと呟いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登って、やっぱりえっちよね\nううん、すっごくえっちだ\nさっきあんなに出したのに、またこんなに……ほら、溢れてきてる",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "もはや直前で引き抜くという発想すらなく、俺は静音の中にありったけの精液をはき出してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "静音の方こそ、どれだけやらしい体してるんだよ。射精止まらなくて、本気で焦ったぞ、俺",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "でも、気持ち良かったでしょ?",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "そっちこそ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "やっぱりさ、相性いいんだね、あたしたち",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "当然だろ。なんたってさ、俺と静音なんだから",
"speaker": "和登"
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{
"utterance": "そう二人で言い合い、俺達は互いに笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、和登",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "たくさん、えっちしようね。それで、お互いの相性を確かめ合いましょ",
"speaker": "静音"
},
{
"utterance": "その言葉に俺は、もちろんと即答した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"静音",
"和登"
] | 08_Impury | B318h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "思いっきり楽しんだモンスターキングダムを後にして、俺達は二人並んで歩いていた。\n以前よりも距離が近い、そんな風に感じるのは、やっぱり美琴さんの昔を知ることが出来たからなのかもしれない。\nとはいえ、少し深いところに触れすぎてしまったせいか、俺達の間に会話はなかった。\n嫌な空気があるわけじゃない。ただ、少し照れくさかった。今のこの状況で何かを話せば、また何かが変わってしまうんじゃないかという、そんな恥ずかしさがあった。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "な、なあ、和登くん……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "だが、そんな沈黙を耐えかねたのか、明らかに夕日によるものとは違う色で頬を染めながら、美琴さんが口を開く。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "その……すまないが、最後に一箇所だけ付き合ってくれないか?",
"speaker": "美琴"
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{
"utterance": "一箇所と言わず、何カ所でも付き合いますよ。なんでしたら一晩中でも",
"speaker": "和登"
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{
"utterance": "……凄くいかがわしく聞こえてしまうのは気のせいか?",
"speaker": "美琴"
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{
"utterance": "やだなあ、期待してるに決まってるじゃないですか。美琴さんみたいな美少女が相手ですよ",
"speaker": "和登"
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{
"utterance": "褒めてもらって喜ぶべきか、その回答に身の危険を感じるべきか、分からないぞ……",
"speaker": "美琴"
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{
"utterance": "それは当然、両方でいいかと。美少女たるもの男相手に無防備はいけません。恋人相手ならともかく",
"speaker": "和登"
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{
"utterance": "まったく、君という男は",
"speaker": "美琴"
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{
"utterance": "美琴さんは呆れたように言うと、小さく笑った。そして、ゆっくりと歩き出す。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "学園、ですか?",
"speaker": "和登"
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{
"utterance": "迷い無く歩いていた美琴さんの足が止まったのは、学園の前だった。\n通い慣れたその入り口で立ち止まり、静かに校舎を見上げる。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "……少しね、問いかけてみたかったんだ\nわたし自身と……それから、何よりも君に",
"speaker": "美琴"
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{
"utterance": "美琴さんは、その先の言葉を音にしようとして、けれども少し躊躇した。それだけで、どんなことを聞いてこようとしているのか推測ができる。\n本当に聞いていいのか、そんな戸惑いを表情に浮かべ、けれども自分を落ち着かせるように小さく深呼吸をすると、改めて俺を見る美琴さん。\n真っ直ぐに俺を見上げたまま、覚悟を決めたようにその小さな唇を開いた。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "和登くん。君は、自分自身の危険さを誰よりも分かっている。分かっているからこその、今の生き方なんだろう\n人間とあやかし、その中間に立ち、その両方へと手を差し伸べる\nだが、もし少しでも間違ってしまえば、その両方の悪意が君を襲うことになるだろう\n君を都合のいい悪と決めつけ、武器を、力を振りかざし、殺そうとするだろう。自分たちの命と考えを守るために、だ\nそうなったとしても、君は今の生き方を続けていくのか?\n人間とあやかし……その両方を守り続けていくのか?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ええ、そのつもりです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それは、ほぼ予想通りの質問。迷うことなんて少しもない。俺はそれが当たり前とばかりに、ハッキリと頷いていた。\n人間とあやかし、俺の周りにはその両方が常にいてくれた。\n静音が、雅が、いてくれた。\n俺にとって大切な二人。その間に境界なんてない。どっちも同じ、ただ大切な幼なじみだ。人間だろうが、あやかしだろうが関係ない。\nだから、俺が守ろうとするなら、力になろうとするなら、やっぱりどっちも同じだ。\nそれに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺が狭間の者になった時、やっぱり両方いたんですよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "人間とあやかしが?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "いいえ。俺を助けようとしてくれた存在と、俺を殺すべきだと言っていた存在と、です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あまりにあっさりと言い切った俺に、美琴さんが言葉を失う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、どちらかといえば後者の方が多かったんですけどね。自分達の命がかかってるわけですし、過去の例を考えれば当然でしょう\nだから、そのことを恨む気なんてまったくありません\nむしろ、嬉しかったんですよ。その当然に逆らって、俺を助けようとしてくれた人達がいたことが",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうだ。自分達が危険になることすら呑み込んで、俺を信じてくれた人達が確かにいた。そういう人達がいてくれるんだ、その事実が俺に生き続けることを決意させてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "殺せと助けろ、両方いるのなら、やっぱり自分にとってプラスな方を信じたいじゃないですか\n俺は、人間にもあやかしにも、どちらにも俺を助けろと言ってくれる人達がいるんだって、そう信じることにしました\nだから、俺を助けようとしてくれたどちらも助けたい。守りたい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は忘れていないから。あの時、俺を助けるために必死になってくれた雅と静音。それからたくさんの町の人達を。\nそんな俺の言葉を聞いて、美琴さんは笑っていた。\n小さく、けれど確かに。嬉しそうに、笑っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっと、分かったよ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そしてそのまま、嬉しそうに、言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分の危険さを知りながらも笑い続ける君に、なぜあんなにも腹が立ってしまったのか……\nわたしは、怖かったんだ\n人間とあやかし、その両者による新しい世界。わたしはそれを目指していながらも、いつしかその自信を失っていた\nだからこそ、それを本当に叶えてくれるんじゃないかと、君に期待をし……\nそれを裏切られてしまうことが怖かった\nそして、やはり裏切られたと思ってしまった\nまったく……本当に自分勝手だな、わたしは",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "自嘲するような笑みと共に、そう言う美琴さん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "君は、わたしにとって初めての……わたしの想いを間違っていないと証明してくれる、希望だったんだ\nわたしも……もう一度、今度は君のように信じてみたい",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言うが早いか、美琴さんは俺と密着するかのように前に出た。その真剣な瞳が、すぐ下から俺を射貫く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴、さん?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……すまない。どうやらわたしは思っていた以上に自分を抑制できなかったらしい\nこんな気持ちは初めてで……もう、我慢できそうにないんだ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その二つの紅玉が閉じられた刹那、温かな感触が俺の唇へと重ねられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あまりに唐突な出来事に、俺は反応できない……いや、反応はできた。\nけれど、唇から伝わってくる美琴さんの吐息が……まるで美琴さんの想いすべてがこめられているかのように熱くて、動けない。\n唇から染み渡ってくる想いと柔らかな感触とが脳髄まで伝わり、俺の心にまで甘く染み渡っていく。\nこのまま、この人のすべてを味わっていたい。そんな官能的な欲望が俺の体を支配する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……む……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まだ足りない。そんな想いのこもった唇が、俺を求め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……はぁ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それは茜色の光の中で一分近くも続き、ようやく、名残惜しそうに離れていった……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "朱色に染まった顔に恥じらいと笑みとを浮かべ、美琴さんは俺を見上げ続ける。\nその表情は、思わず見とれてしまいそうなほどに可愛らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、美琴、さん……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "すまない。どうしても、君とキスがしたくなってしまった\n君が欲しくて……君をわたしで染めたくて……たまらなくなってしまった\n初めてだったんだが……うん、いいものだな。なんていうか……心がポカポカとしてくる感じだ\n恋人たちが何度もしたくなるのもよく分かる……\nうん……胸の中がすっごく満たされた感じで……なんていうのか……幸せだ\n君はその……どう、だった?\nわたしとじゃあ、やっぱりイヤ、だったか……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そんなことあるわけないですよ\nむしろ光栄というか……気持ちよすぎてその……\nもう一回、リクエスト有りですか……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そうか。それはよかった……\nだ、だが、今日はダメ、だ\n実はその、わたしももう一度くらい、と思ってしまっているのだが……心臓がドキドキしすぎていて……\nもう一度してしまったら、破裂してしまいそうで……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そんなに、俺との……よかったですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いや、その……確かにそうなんだが……そうハッキリ言うのはだな、やっぱり恥ずかしい……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "……シッポ、さっきからバッサバサ動いてますよ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はにゃっ!?\nい、いや、これは……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あ、また動いた",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はにゃぁ……\nし、仕方ないじゃないか……勝手に動いちゃうんだから……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ええ。すごく可愛いです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はにゃにゃっ!?\nば、ばかぁ……そんな、恥ずかしいことをあっさりとだなあ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "可愛いものは可愛いんですから仕方ありません。むしろこんなに可愛い美琴さんの存在がずるいです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "か、可愛いなんて言っちゃだめぇっ\n君に言われたら、わたし、う、嬉しくて……\nくぅん……だ、だめ……シッポ止まんないよぉ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "なんていうか、今日一日で俺の中の美琴さん株が上がりまくりなんですが。\nもちろん可愛いのは知っていたけれど、まさかここまで可愛い物体だったとは。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうですね、今日はここまでにしておきましょう。俺も限界です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "げ、限界って、なんの……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "無理やりにでもお持ち帰りして色々したくなっちゃいます",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はにゃっ♪\n……う、うん、そうだな……ここまでにしよう\nお持ち帰りという言葉に、嬉しいって思ってしまった……このままだとわたし、流されちゃう……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "流されて下さって結構ですともっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……すけべ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そうして、俺達はここで別れた。うん、強がっては見せたけど、俺の方がいっぱいいっぱいです。\nていうか……明日以降、まともに美琴さんと話せるかなあ、俺……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C308_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……美琴さんの唇……柔らかかったなあ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "翌朝、もう登校時間寸前だっていうのに、俺はボーッとしていて動けなかった。\n理由はもちろん、男の子ならきっと分かってくれるはず。昨日のあれだ。\n昨夜家に帰ってきてからも、ずっと残っているあの光景。\nあの時の感触、温度、声……そのすべてが残ってる。\nなんていうか、この記憶だけでその……オカズにできてしまいそうなくらい鮮明に。\n寝ている時ですら、まるでビデオを再生してるみたいに繰り返されてたくらいだからな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……ダメだ。なんかもう、ずっと美琴さんのことばっかり考えてるぞ俺……\nこれで本人に会ったらどうなっちゃうんだろうな、俺……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "欲望を抑えきれなくなってしまうかもしれん。場合によっては、今日くらいは会わないようにした方がいいかもしれないな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?静音か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "にしては珍しいな、ちゃんとチャイム鳴らすなんて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おはよう……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "って、美琴さん!?\nな、なんで?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その……少しでも早く会いたいなって……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それでわざわざ、住所を調べて?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……やっぱり迷惑だった……かな……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "い、いやいやいやいや。迷惑だなんてことはこれっぽっちもないですっ。むしろ嬉しいくらいでっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "嬉しいのは確かなんだけれど、ちょっとヤバイかもしれないなあ。\nちょっと過剰に美琴さんのこと意識しちゃってるし……お、落ち着け俺。円周率を数えるんだ。\n円周率はπ……美琴さんのπは……。\nうん、ちっちゃいぞ。手のひらサイズで可愛らしい……って、ちっがーう!!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、和登くん?どうした!?いきなり壁に頭を打ち付けたりして……うわ、血が出てるじゃないかっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "いえ、すみません。ちょっと取り乱しまして……外部的要因にて賢者を目指しました",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "け、賢者?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ええ、賢者です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "よかった、意味を分かってくれてないみたいで本当によかった。訝しげに首を傾げてる美琴さんが可愛くて本当によかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ところでだな、もうそろそろ時間的にもまずいと思うんだが……い、一緒に登校、しないか?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "うう……この恥じらいと断られたらどうしよう的な怯えの含まれた、まさしく小動物的表情。卑怯だぞ生徒会長!こんなの、男なら回避不可能じゃないか!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よ、喜んでっ。というか、すぐ用意してきますんで40秒ほどお待ちを!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はダッシュで家の中へと駆け込むと、食いかけの朝食もそのままに、鞄を取って再び飛び出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……な、なんか不思議な感じだな……\n友人と一緒の登校というのは別に初めてなわけじゃないんだが……妙に足がフワフワする",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんと並んで歩く初めての登校。二人で歩くというのはもちろん初めてじゃない。なんたって、昨日、この道を歩いたばかりだ。\nなんだけど、妙にくすぐったいというか、緊張するというか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺もその……同じです。不思議な感じで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そうか……君も、か……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それだけ言って、俺達の会話は昨日同様になくなってしまう。\n美琴さんはその顔を耳まで赤くして俯いているし、俺も妙に顔が熱いのは気のせいじゃないだろう。\nそうしてそのまま、ほとんど会話もないままに、俺達は学園へと向かっていった。\nだけど、決して不快な空気じゃなく、隣にお互いがいる、ただそれだけで、妙に温かい気持ちになれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……もう、着いてしまった、か",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "なんか、あっという間でしたね……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……だけど、わたしは楽しかった。また、迎えに行ってもいいかな……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ええ、もちろん。大歓迎です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それじゃあ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そう笑顔を残し美琴さんは駆け出そうとして……けれどすぐに立ち止まり、振り返る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……昨日は、ありがとう",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言い残し、今度こそ駆け出す美琴さん。\nその言葉は、デートに関するものというよりも……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "最後のあれ……に関してなのかな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "呟いてみて失敗した。あの感触が再び頭の中で膨らみ始める。\nこのままだと俺、欲求不満で死んじゃうかもしれん。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C309_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "か、和登くん!?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "待ち合わせ時間の三十分前。そこに立つ俺の姿を見つけた美琴さんは、驚きの声を発した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんでここに!?まだ三十分も前だというのに……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "お早うございます、美琴さん\nまあ、俺も一度やってみたかったんです。彼女を待って、大丈夫今来たとこ、って奴",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "むう……まったく、君の来るの待ってソワソワしている、そんな乙女の気持ちを味わってみたかったのに\nだがまあ、仕方ない。今回は完全にわたしの負けだ。こうなったら言うしかないな",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんは悔しそうに言うと、小さく咳払いを一つ。俺を見上げながら、その言葉を……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、そ、その……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言おうとして、顔を真っ赤に染めた。\n定番ではあるけれど、いかにもデートなそのセリフは、やっぱりちょっと恥ずかしいらしい。\n何度も何度もチラチラと上目遣いで俺を見ては視線を逸らし、深呼吸をすること数回。やっと覚悟を決めたのか、俺の真正面に立つと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、待った……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうな上目遣いで、そう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいや、今来たとこ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それに返す俺の言葉ももちろん定番。だけどその定番が、今は妙に嬉しかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……なんだかすっごく実感が湧いてきた\n和登くんを待ちながら、ドキドキワクワクソワソワもいいけれど、遅れちゃった、待っててくれるかな、許してくれるかな、というのも乙女っぽいぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "別にいつも通りでいるだけで、美琴さんは充分乙女っぽいんですけどね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "むう……も、もう、君はすぐにそうやって、わたしの心をドキドキさせるっ。ずるいぞっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "顔真っ赤にしてこういうこと言ってくれちゃうところが、本当に可愛いんだよなあ。\n最近になってよく分かったけど、美琴さんは基本、誰かを引っ張るよりも、引っ張られたいタイプだ。\n学園でのあの姿は虚勢。やらなくちゃいけないから仕方なくやってるだけのただの仮面。\n本当の美琴さんは、頼れる誰かにとことん甘えて、連れていってほしがる可愛い子狐だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "前のキングダムの時は思いっきりはしゃいで動きまくりましたけど、今日はゆっくりと、二人っきりでいるのを楽しみましょうか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん。それ、すっごくいい♪\nせっかくの二人きりのデートだもん。それも恋人としての\n思い切り……甘えさせてほしいな……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "思い切りって、最近は結構甘えん坊ですよね、美琴さん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う……そ、そんなこと、ないもん。ちゃんとガマンしてたはずだし",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ガマンって、キングダムでの子狐モードでも結構鼻血ものだったんだけれど、もしかしてもっと上があるのか!?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからその……ほ、本当に、和登くんのことしか見えない風になりたいな、って……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺すらも未だに知らない、俺のことしか見えない美琴さん……。\nやばい、全力で見たいっ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おーけー、かもーん。どんな美琴さんでも受け止めましょうっ。さあ来いっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "わはー♪",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言った瞬間、本当に、子供そのものの笑顔で、俺の胸へと飛び込んできた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか物理的に受け止めることになるとは",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だって、和登くんの全身を感じたかったんだもん♪",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まあ、俺も美琴さんの全身を感じられて非常に得してますが",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "小柄な美琴さんは、本気で俺の腕に収まりきってくれるので、実に抱き心地がいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "白子が、美琴さんを抱き枕カバーに入れて抱きしめたいとか言ってましたけど、今すっごいその気持ちが分かります",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "カバーなんか無くったって、直接抱き枕になってあげるぞ?こっちの方が、お互いに温かくって気持ちいいもん\n和登くんの体は、意外にたくましくって安心しちゃうんだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "シッポがぱたぱたと上機嫌に動きまくる。ああ、こういうところが本当に可愛いなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんの体は柔らかくって、もうぎゅっとすると気持ちが良すぎます",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、もっとぎゅってしていいぞ♪わたしもしちゃうからっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ええい、この殺人子狐め。こうしてやる、こうしてやる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふわ……頭なでなで、気持ちいい……和登くん、もっと……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "さらさらで柔らかな美琴さんの髪。その髪ごしに頭を撫でていると、本当に気持ちいいのか、時折耳がピクピクと動く。うん、可愛い。\nシッポだけでなく、こんなところも動くんだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ、クセになっちゃいそう……和登くん、君、なでなでのプロになれるぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "これで稼いでいくわけですか?需要あるかなあ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "もちろん、わたしが買い占め。他の人になんて、この快感をあげたりしないもん",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "なるほど、だったら美琴さんも、なでなでされる方のプロになれますよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くんが、永久就職させてくれるの?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "当り前。他の誰にも触らせんっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くんにずっとなでなで……\nはっ。あ、危ないよそれっ。わたし、今気持ち良すぎて痙攣しちゃいそうだった",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ふふーん。そうだろそうだろー\nって、あれ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺達は、ふとそれに気がつくと、そっと周囲を見回した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……美琴さん。なんだか、凄い殺気に満ちた視線、感じません?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……その……ちょっと、周囲の人の目が痛いかなあ、なんて……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "……たった今、俺も同じことを思っていました",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "お互いに目の前の人物しか目に入っていなかったのが、思いっきり災いしました。\n老若男女、周囲にいるすべての方々が、俺達二人を、それはもうあたたか~い目で見守っていてくれてます。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、とりあえずその……移動、しようか……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "賛成です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は美琴さんの体をひょいっと持ち上げると、そのままダッシュで逃げ出した。\nいやぁ、次からはちゃんと周囲に気を配ろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むぅ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あの、なぜにそんな不機嫌?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だって、もう一日終わっちゃうんだぞ。せっかく和登くんと二人っきりなのに……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "なるほど。それは確かに不機嫌にもなりますね。ここは一つ、妖術でまた昼に巻き戻すとか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……どんな法則組み合わせればやれるかな……念動で星を動かす?いやそれよりも光を掴んで逆転させるか、もしくは月にも太陽と同じような輝きを……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "って、本気で考えてるっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "当然だ。わたしと和登くんの時間を邪魔するものは、排除する必要がある\n次期九尾筆頭候補として、なんとしてでも昼夜逆転の妖術を構築してみせる",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "この人だったら、本気でやっちゃいそうだから凄いよなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもまあ、この分、また次のデートで取り返せばいいですよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……またデート、してくれる……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんがイヤだと言っても、俺が強引に連れていきますけどね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、それいい。和登くんに強引に……ちょっとワクワクする",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さん、本当に引っ張っていかれるのに弱いですね……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くんにだけ、だぞ。他の人だったら、断固拒否だ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そう言って、美琴さんは嬉しそうに俺へともたれかかってくる。\n次のデートをどこにするか、頑張って調べておこう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C312_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "俺は生徒会室の床の上へと座り込むと、美琴さんのその小さな体を、しっかりと腕の中に抱え込んだ。\nそして、その恥ずかしさの象徴ともいうべき二つの場所を、左右の手で服の上からそっと撫でる。\n女の子特有の、いや、美琴さんの体の柔らかさが、それほど厚くない布地を通して指先へと伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う……か、和登くん……?その、い、いきなり触るのはどうかと思うんだけれど……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その感触に反応してか、美琴さんは、恥ずかしそうにその体を小さく震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな風に抱きしめやすい小さな体が、俺の腕の中にあるんですよ。俺のものにしたくなって当然じゃないですか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ピッタリと密着した体から、その体温までもが伝わってくる。同時に漂ってくる、美琴さんの甘い匂い。俺は完全に興奮しきっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ていいますか、俺のブレーキはもう、さっきの美琴さんの言葉で壊されちゃったんで\n今日はとことん美琴さんを堪能することに決めました。覚悟して下さい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……和登くんが触りたいのなら……がまんする……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉に、美琴さんも嫌がりはしなかった。俺の手を止めたりすることはなく、ただ顔を真っ赤に染めて受け入れてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、あの……やっぱり恥ずかしい……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "……あ、ダメだ。これ可愛すぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……すみません、それ逆効果です。恥じらう美琴さん、ちょっと可愛すぎてっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?あ、きゃあっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言うが早いか、俺は美琴さんの制服を、素早く左右に開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やだ……あんまり見ないで……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まだつぼみと言える淡い膨らみが、それを隠す最後の下着と共に晒されている。\n初めて見る美琴さんの姿。自分の中で、この子にもっと触りたい、そんな欲望が一気に膨らんでいくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっちゃいから、だめ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "余程気にしてるのか、さすがに隠そうとするその手を止めて、俺はその可愛らしい下着姿を堪能する。\nなんていうか……大きくなくてよかったって思ってる自分がここにいます。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫ですよ……むしろ、可愛すぎてその……俺、興奮してます……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くんは、ちっちゃくても平気なの?ほら、静音くんとか、あんなに……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんの胸なら問題ありません。小さくても、ほら、こんなに柔らかい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んうっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ブラの上から、その小さな膨らみをそっと揉んだ。と同時に、美琴さんの唇から可愛らしい喘ぎがこぼれる。\nその声に押されるようにして、俺は中心にあるまだ小さな突起の部分をそっとつまんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、はあんっ。つ、つまんじゃ、やっ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ああ……美琴さんのおっぱい、凄くいいです……ふにふにってした感触もだし、敏感ですぐ反応してくれるところとか……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "乳房の感触と共にその突起をいじり続けると、徐々に固くなってくるのが分かる。同時に、美琴さんの声にも、より甘い物が混じり始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ、ふぁ……だ、だって、和登くんの手、が……その、いやらしくて……\nな、なんでこんなに、し、しびれちゃう、の……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "可愛らしい声と震える小さな体が、俺の脳髄を痺れさせる。こんな下着姿じゃあ、もう満足できそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんの、もっと見たいです……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は言うと、美琴さんの返事も待たずにブラへと手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、だめっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、一気にズリ上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……美琴さんの……ピンって固くなってる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そこにあるのは、お世辞にも大きいとはいえない、だけどちゃんと膨らんだ女の子としての二つの膨らみ。\nそしてその頂点にある、固く尖った桃色の尖塔。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だからあの、わたし本当にちっちゃくて、女の子っぽくない……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "失望しただろう?とばかりに言う美琴さんだが、そんなはずがあるわけない。失望どころか、俺の興奮はさっきから天井知らずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなことないですよ。こんな柔らかくて、ここだって、女の子そのもので……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はっきりと言い切って、そして今度は下の口へと下着の上から指を押し込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃんっ。あ、だめっ、そこ、一番恥ずかしいっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "小さくて固い秘裂が割れ、俺の指がわずかに中へと埋もれた。俺はそのまま、美琴さんの恥ずかしい割れ目の中をゆっくりと上下にさする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そこは、い、いじっちゃ、やっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "さすがに恥ずかしいのか、美琴さんの口から、ちょっと強めの声がこぼれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やだって言ってても、ほら、もう湿ってきてます……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それでも、体は正直と言うべきなのか、奥から湧き出してくるもので下着が湿ってくる。\nいつしかそこには、大きめのシミが広がっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "熱いのと、ヌルヌルしてきてるのが、下着の上からでも丸わかりです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……へ、変な気持ちに……なって、きちゃうっ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺の指の動きに合わせるように、美琴さんの呼吸が荒く、そして熱くなっていくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "体が、ぶるぶるって震えて……せ、切なくなって……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんが女の子だから、ですよね。胸も、恥ずかしいところの方も、どっちも柔らかくて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "美琴さんの、女の部分。この指の下にある熱くなったその場所を、どうしても見たい。美琴さんのすべてを知っておきたい。そんな欲望をもうガマンできそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さん……あの、俺、見たいです。美琴さんの……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うにゃっ?み、見たいって、あの……こ、ここ……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そんな俺の懇願に、美琴さんは更に顔を赤らめ、少しだけ考えてから……、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……う、うん……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そう小さく頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "見せなきゃ、和登くんにもらってもらえない、よね……\n脱がせて、くれる……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その恥じらいを必死に押し殺しての願い。今にも弾けてしまいそうな興奮をどうにか抑えて、俺は美琴さんの下着へと手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あうぅ……あうううぅ……\nだ、だめ……顔から火が出ちゃう……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんのその場所には、小さな割れ目以外何もなかった。\n淡いかげりすらもない、まるで赤ん坊のようなその場所を、俺は指で直接押し開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い……下着の上からとは全然違う感触……美琴さんに、直接触ってる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "美琴さんの熱い体温が直接伝わってくる。すっかり濡れそぼったそこはヌルヌルで、溢れた蜜が床へと垂れていった。\n初めてのその場所はまだ少し固く感じたけれど、それでも内部の方は充分に柔らかい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあっ……あ、や、やあぁっ。指、が、かき回して……あ、ああぁんっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "軽くいじってるだけなのに、どんどん濡れてきます……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その中の指を小さく上下に動かすだけで、美琴さんは更に体を震わせ、その奥からより多くの蜜をこぼし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……や、あ、ああんっ!な、なにこれ……体が、ふ、震えちゃって……\nいやぁ……恥ずかしくて、こ、怖いのに……も、もっといじってほしくて……\nん……あ、あふ……う、あ、ああっ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃと淫靡な水音が室内に小さく響く。それは、女の子ってこんなに濡れるものなのか、と驚くくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんのここ、もうビショビショだ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いや、もしかしたら、美琴さんが普通より濡れやすいのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あの、美琴さんの、もっとちゃんと見てもいいですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふぇ?ちゃんとって、あの、まさか……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "この恥ずかしい場所がいったいどうなっているのか、この目でもっとハッキリ見たい。\n俺の指の感触に、どこかポカンとしている美琴さんに対して、俺は頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やぁ……近すぎるよ、和登くん……\nだ、だめ、そんなにじっくり見ないでっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "床に這いつくばらせた状態の美琴さんの下半身を、両手でしっかりと抱きかかえる。\n本当にすぐ目の前にある美琴さんの秘所を、俺はマジマジと眺めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんの、綺麗だ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "どこか透明感のあるピンク色の柔肉。その奥の方に、初めての証をしっかりと残した、美琴さんの中へと通じる入り口が見える。\n少しお腹側へと視線をやれば、更に小さな入り口と、ぷっくりと、可愛らしく膨らんで頭を覗かせた突起が見える。\nあえて言うなら、後ろの穴までも丸見えだ。女の子にとって何よりも恥ずかしい三つの箇所が、今、息すら吹きかけられそうな場所にある。\nとてもじゃないけれど、これ以上は抑えられそうにない。俺は、蜜で濡れそぼったその割れ目に、そっと口をつけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、やあんっ。お願い、口つけないでっ。き、きたないよぉっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "月並みなセリフですけど、美琴さんの体に汚いとこはありません。なんだったら、お尻の方も……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だめっ!それは絶対だめ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それだけは絶対にイヤ!と首を振る美琴さんに、俺も素直に頷き返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かりました。それじゃあ、こっちの割れ目の中を……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ、ひぐっ!あ……ん、はあん!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "舌で美琴さんの柔肉をそっと撫でる。どこか甘い味のする蜜が、大量に口の中へと入り込んだ。\nこれが美琴さんの味……そう思うだけで舌が止まってくれなくなる。俺は少し乱暴に、美琴さんの中を味わい続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、音立てないで……い、いやらしいよぉ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃと、そこで舌を動かす度に、美琴さんの体がブルブルと震え、その喘ぎが大きくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんの、すごいおいしいです……舌で掬っても掬っても溢れてきて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う……んうっ!お、お願い、和登くん……も、もう……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "やがて、美琴さんの喘ぎがどこか苦しげなものに変わってくる。\nぷるぷると震える体は更に多くの蜜をこぼしており、感じていることには変わりない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、ほんとに、わたし……これ以上、は……\nや、やめて……お願い……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "どこか必死な美琴さんの懇願。けれども、目の前のいやらしい光景にすっかり溺れてしまっている俺に、その願いを聞き届ける余裕はなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。美琴さんの綺麗で、甘くて、やめられそうにないです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ただ必死に、それが本能であるかのように、美琴さんのいやらしい口を攻め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんな……で、でもダメなのっ。ほんとに、げんか……い……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "視線のちょっと先にある、美琴さんの小さな方の穴が、キュッと震えたように見えた。\nその光景が、俺に小さなイタズラ心を囁かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んむ……ん……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は舌先で、その小さな出口を攻め立てた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあぁっ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "瞬間、そこから勢いよく、熱い液体が迸り出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……て、え?これ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だめ、見ちゃだめえっ。お願い、見ないで!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "悲鳴のような叫びと共に、美琴さんの中から噴き出す黄色い液体。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この温かい水……こんな、小さい穴から……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それは間違いなく……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……女の子の……こんなの、初めて見た……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "お願いだから……やだ、見ないで……見ないでぇ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その液体は勢いを弱めることなく、俺の制服に降りかかりながら床に水たまりを作っていく。\n初めて見る、女の子のその光景はあまりに衝撃的で、俺は身動き一つすることができずに、その一点を見つめ続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、だって、体に力入らなくなっちゃって……\n和登くんの舌が……お腹の中、いじるから……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ただ羞恥に満ちた声で、必死に言葉を絞る美琴さん。俺からすれば、その態度自体が可愛すぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんの、すごい温かいですよ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まだ降りかかる美琴さんのそれに、ついそんな感想を呟いてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ばかあっ!変態っ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "飛んできたのは、そんな必死めいた叫びだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふええん……だ、だから、だから、やめてって……言ったのに……\nこんな、汚い……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それから数十秒ほど経って、ようやく美琴さんの粗相は終了した。\n美琴さんのそこも、俺の制服も、床までもがびしょ濡れになっている。\nまさか美琴さんがここまでガマンしてたなんて思ってもいなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、ほんとすみません。でも俺、美琴さんのだったら、汚いとか思いませんから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "事実、それでしとどに濡れた美琴さんの秘所は、ただ綺麗なままだ。\n……これ、本当におしっこなのか?ちょっとくらいなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあっ!ば、ばかばかあっ。今、舐めたっ。汚いのにっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "やっぱり、思い切り怒られました……。\n美琴さんで大きな水たまりの出来てしまった床をさけ、俺はその小さな体を抱え上げると、壁へと押し付ける。\n美琴さん、本当に軽いなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それが、入るの……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "既にズボンから取り出された状態の俺は、さっきの粗相の件もあり、思い切り興奮状態になっていた。\nそれをチラと見下ろした美琴さんが、さすがに不安な声を漏らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "多分……なんて言っても、俺も初めてなので……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "これを入れること自体は間違いないわけだが、美琴さんのこの小さな体に本当に入るのか、と言われるとちょっと怖くもある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、おっきくなりすぎてて痛そうなんだけど……平気?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ええ、それは全然。ただ、興奮しすぎてて……もう保たないかも……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "初めてのセックス。しかも相手は美琴さんで、あんな興奮する姿を見させられて、普通でいられるはずがない。\nいつ暴発してしまってもおかしくないくらいに、俺のそれは滾っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いい、ですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "早く、今すぐ入れたい。そんな気持ちを必死に抑え、美琴さんの初めての入り口にそっと押し当てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん。いいよ、和登くん……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そんな俺の気持ちを察してか、それとも美琴さんも求めてくれているのか、ちょっと恥ずかしそうな承諾の返事に、俺はゆっくりと腰を突き出していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……い、痛っ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "先端がわずかに押し入ったところで、急に強い抵抗が俺をとどめる。同時に、美琴さんから苦痛の声が響いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、きつ……なんだ、これ……固くて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "想像していた以上にきつくて、そして固い。俺はそこに、懸命に自分を押し込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぐっ!う、んあっ!!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ぷちぷち、と何かを引き裂いていくような感触。大きな滴を浮かべた美琴さんの苦痛の声に、俺はその場で腰を止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、ですか、美琴さん。すみません……中々、入らなくて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "大丈夫だ……痛いのは、分かってたから、な。だから遠慮無く……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それでも無理やりに笑おうとしながら、美琴さんが続きを促す。俺は頷くと、再び挿入を開始した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん!くうっ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あ、あと少し、ですから……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んんーっ!!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺の首に回された腕に、一際強い力が入る。が、次の瞬間、ぶちん、と大きな感触がして、一気に抵抗がなくなった。\nそのまま、美琴さんの狭い秘洞へと、一気に半分くらいが潜り込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ふぅ……半分ですけど、入りましたよ、美琴さん……\n凄い……熱いのがぎゅうぎゅう締め付けてきて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "粘膜を通して直接伝わってくる美琴さんの体温。そして、俺にピッタリと貼り付き、締め付けてくるたくさんのヒダ。\n内と外、その両側から美琴さんが俺を攻め立ててくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……まだ痛いけど……平気だ。わたしも、和登くんを感じるよ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その表情にまだ辛さを残しながらも、美琴さんは少しホッとしたように言ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹の中に、本当に和登くんがいるんだな……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "はい。俺を美琴さんが呑み込んでて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺が美琴さんを感じているように、美琴さんもお腹の中で俺を感じてくれている。そう思うと、ちょっと熱いものがこみ上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、動かないと苦しいのかな……?\n男の子は、たくさん動いて、その……出すものなんだよね?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "確認するように、俺を見上げてくる美琴さん。確かにその通りなんだけれども……今それをしてしまうと俺がやばいかも……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、このままでも気持ち良すぎて……う、動いたらすぐに出ちゃいそう……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "話に聞いてる以上に、女の子の中はきつくて、気持ちいい。一人でしている時とは比べものにならない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だったら、もっと感じてほしいな。わたしも、痛いだけでなく、気持ちいいから……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "けれども、こんな言い方をされてしまっては、俺の方こそ動かないわけにはいかない。俺だって、本当はこの体をもっと味わいたいんだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、今の和登くんの顔、可愛いし。もっと感じてる顔、見たいし。くす",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言いましたね。美琴さんこそ、もっと恥ずかしい顔見られてもしりませんよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は明らかな強がりを言うと、ゆっくりと腰を動かし始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うく……な、なんだ、これ……美琴さんが……絡みついて、くる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ただでさえキツく貼り付いた美琴さんが、動こうとする俺を押さえつけるように絡みつき、締め上げてくる。\nこ、これはまずいっ。ほ、本気で出ちゃいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、う、んあぁっ……す、凄い……和登くんが動くと……お、お腹の中に、響いて……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "だが、そんな俺の動きに反応して、美琴さんが甘い喘ぎを漏らし始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあ、は、やあっ……頭の奥が、びりびりって……ふあんっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その声の可愛らしさに、俺は必死に堪えながら、更にゆっくりと秘洞の中を動いていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああ……だめ、これ……和登くんが、わたしの中、ぐちゃぐちゃにして……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんの蜜とさっきの小水とが混ざり合い、俺とこすれてぐちゅぐちゅと音を立てる。\n同時に、それが潤滑油代わりとなって、まるで俺の形ピッタリに合わさっているような美琴さんの中を、どうにか動かさせてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあああっ!き、気持ちいいのが、駆け上ってくるのっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "お、俺も、です……美琴さんが目一杯締め付けて……絞り取ろうとしてる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "必死に、美琴さんから伝わってくる熱い快感すらも堪えながら、どうにか動き続ける。\nにもかかわらず、肉棒全体から染み渡ってくるかのような快楽が、俺の脳髄を痺れさせて止まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、出ますっ。俺、出ちゃいますっ。がまん、できない!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "も、もっと……もっと気持ち良くして……っ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "甘くとろけたようなその声に、俺の中で完全に火がついた。もう構わない。このまま全力で美琴さんを味わって、そして達しよう。\n狭くて、まだ半分程しか進めないその中を、俺は全力で動き出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、はぁん……あ、ああっ……和登くん……和登くぅんっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ギリギリのところまで抜き出しては突き入れ、無数のヒダに締め上げられ、しごかれ、その甘い喘ぎに脳髄を焼かれる。\nぐっちゃぐっちゃと響き渡る水音と共に、美琴さんの中から大量に滴が、ポタポタと床に落ちていく。その光景すらもが、ただいやらしい。\n美琴さんのすべてを味わうために、俺はただ前後に動き続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、は、はう……んぐ、あ、あう……あ、あ、あ、あ、あああああっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ぐ、あ、も、もう!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして、美琴さんの締め付けが急激に強さを増した。その感触が、俺の一切の抵抗を突き破る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあああああっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は、美琴さんの中にすべての欲望を解き放っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああああああああああっ!!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "同時に、美琴さんの体が激しく震える。熱い喘ぎが響き渡り、達したことを教えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "熱い、熱いのが、い、いっぱい奥にぃ……っ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "体の中に注がれる液体を感じながら、美琴さんはその体を痙攣させ続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あは……あはは……和登くんが、たっくさんわたしの中にいる……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "自分の中での、驚くくらいの量の射精がようやく終わり、美琴さんが小さく笑いながら言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……たっぷり、絞り取られちゃいました……\nこれ、クセになっちゃいそうで、ヤバイです……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "正直、気持ち良すぎた。こんな快感知ってしまったら、一人でなんてとてもじゃないけどもう無理です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、本当にそうだな……和登くんに抱かれるというのは、こんな幸せなことだったんだ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、そんな俺の言葉に、美琴さんも嬉しそうに賛同してくれる。\n俺との初めての行為を、美琴さんは気持ち良く受け取ってくれたらしい。それが俺も嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、立てます、か?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まだ美琴さんの中に入ったままのこれ……正直言えば、まだ抜きたくなかったりする。だって気持ちがいいんだもん。\nとはいえ、それが美琴さんの負担になるなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理……全身が痺れて……うん、気持ちいいんだ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "けれど、そんな俺の質問を、美琴さんはあっさりと否定した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、もう少しだけ……和登くんを感じさせて……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そのまま、俺に抱きついたままの腕に、そっと力を込めてくる。それを受けて、俺も美琴さんの体を改めて抱え直した。\nとりあえず、もう少しくらいはこのままでも良さそうだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C314h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "和登くん、洗濯物の方は終わったぞ。他に何かあるかな?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺の方も、今風呂掃除終わりましたから、もう大丈夫です。お茶でも飲んで休みましょう",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、だったら和登くんは座っていてくれ。わたしが淹れるから",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんは言うと、軽い足取りでキッチンへと向かっていった。\n美琴さんとの同居……でなくって同棲が始まって最初の休日。\n美琴さんに色々覚えてもらおうと、掃除や洗濯物などの一斉片付けに入ったのだが、美琴さん、思った以上に花嫁さんスキル高いんですが……。\nちなみに、洗濯物、下着とかあるけど、俺のと一緒にしちゃって平気なのかな……と尋ねたら、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登くんのだぞ、全然大丈夫だ。必要なら……その……わたしのも和登くんが洗ってくれて構わないから……もちろん、和登くんが大丈夫ならっ、だけど",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "というドッキドキの返答が返ってきた。\nうん、俺の制御が効かなくなりそうだから、洗濯は基本美琴さんにやってもらおう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お待たせ。置いてあったティーカップとティーバッグ、勝手に使わせてもらったが大丈夫だったかな?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ええ、平気です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "しかも、こういうことも嫌な顔一つせず、むしろ楽しそうに自分からやってくれる。ああもう、なんという女子力か。\n美琴さんは、紅茶の乗ったトレイをテーブルに乗せカップを配ると、そのまま俺の隣に腰掛ける。\nなんていうか……本当に新婚さん気分だなあ。\nちなみに、料理スキルも決して低くなく、早速作ってくれた手作り料理は実に幸せな味がしました。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもこうなると、美琴さん用のティーカップとか、他にも色々と買い揃えた方がいいですね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……そうなると本当に新婚さん気分だな。カップとか、歯ブラシとかタオルとか並べて置いたりして……うふふふふふ♪\n和登くんは、子供とか何人くらい欲しいかな?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "舐めてもらっては困りますね。昔から人生ゲームでは、孕ませのかずちゃん、と呼ばれた俺ですよっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あれ?なんでそこで離れちゃいます?なんか、人一人分くらいのスペースが出来ちゃいましたよ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうか、和登くんは大家族派か……これはわたしも体を鍛えないといけないかな……そんなにたくさん産めるだろうか……\nでも、大勢で賑やかな家庭か……たしかに楽しそうだ……\nう、うん。わたしも頑張るから、和登くんも頑張ってくれっ。とりあえず、今晩はうなぎあたりがいいかな?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それってつまり、今晩オッケーってサインですか!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?あ、いや違うぞっ。その、これからのための下準備というやつで……\nで、でも、確かにそう思われてしまってもしかたないな……ご、ごめんなさい。また変な期待をさせてしまったみたいで……\nだ、だけどだな、わたしも本当にイヤなわけじゃなくて……実は結構、夜とかその、寂しいなって思ってしまったり変な夢を見てしまったりだとかあって……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "真っ赤になりながら、胸の前で指先をちょんちょん合わせつつ、恥ずかしい暴露を始める美琴さん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なでなでなでなで",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふにゃっ!?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あー、やっぱ可愛いなあ、美琴さんは。なでなでえいえい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふにゃぁ……ず、ずるいぞ和登くん……。君の手は、なんでこんなにも気持ちいいのだ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それを言うなら美琴さんの頭だって、なんでこんなに気持ちいいんですか。手が止まりませんよ。えい、えい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "はにゃっ。はふぅ……も、もう少し強めで……その……お願い……\nあ……ん……あ、はぁぁ……と、溶けてしまいそうで……\nあううう……が、がまんだ、がまん……だ、だけどもう……うう、それでも気持ち良くってやめられないよぉ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "なでなでされながら、妙に足をパタパタとさせる美琴さん。なんだかちょっと震えているような……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さん、何かガマンとかしてます?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?あ、その、えっと……\n実は……さっきからだな、あの……\nお、お花を摘みに行きたいのを、ずっと我慢、していて……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "は?お花を摘み……って。トイレ!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そんな大きな声で言わないでくれっ。も、もちろん小さい方なんだぞ、本当だっ\nだ、だけども、君の手があまりに気持ちよくて……も、もうちょっとガマンできるかなと思っていたのだが……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "す、すみませんっ。気持ちよくて、つい\nそ、それじゃあ、あの、大急ぎでどうぞ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それがだな、あの、いや、だから、そのぉ……\nあ、あんまり大きく動くと……ちょっと……あううううぅぅ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "どうやら本格的にレッドゾーンらしい。美琴さんは真っ赤になってその場でうずくまってしまう。\nというか、これは聖美琴という誇り高き妖狐にとって、生まれて最大のピンチなのでは!?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、分かりました!俺が今すぐ連れて行きます!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "このまま美琴さんに、そんな恥ずかしい真似をさせるわけにはいかない!俺は立ち上がると、後ろから美琴さんの両足を抱え上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はにゃっ!?\nか、和登くん!?ま、待ってくれ!こ、ここここれはいくら何でも恥ずかしすぎる!!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ガマンして下さい!事は美琴さんの尊厳に関わります!急ぎましょう!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "た、確かにそうなんだけれども、だ、だけどこのポーズはいくらなんでもっ……いや、ま、待ってぇ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "羞恥に今にも泣き出しそうな美琴さんの声。けれども俺は心を鬼にしてその声を遮断すると、リビングを飛び出した!\nそう。その目的地、大いなる安らぎの場所!完全なる個室!\nトイレへと向かって!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、間に合いましたよ美琴さん!さあどうぞ!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ど、どうぞって何!?和登くん!?君はまさか、このままの体勢でわたしに……そ、その……し、しろと!?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "急いで下さい!もう本当に限界なんでしょう!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "い、いや、確かにそうなんだけれども、いくらなんでもこれはその……お、女の子としての恥じらいというものが……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "早くっ。ここまで来て間に合わなかったりしたら、それこそ悔やみきれませんよっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あ……や、うぅ……\nほ、本当に、もぉ……げ、限界……\nだ、だからぁっ。下ろしてっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんが必死になって何かを言っているらしい。けれども、美琴さんの尊厳を守るんだ、という使命に満ちた俺には届いていない。\n俺は美琴さんがしやすいように、しっかりと両足を支えて安定させてあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わざとかっ、わざとなのか和登くん!?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "どうしたんですか美琴さん!早く!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うわあんっ。違う、本気だあ!本気でわたしのこと心配してこんなことしてるっ\nお、お願いだからっ。ほ、本当に……\nも、もうダメぇっ。や、あ、でちゃうっ\nげ、げんかいっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その下半身を震わせながら、美琴さんは一気に下着をズリ下ろした。\nその刹那。\n美琴さんの体の奥から、わずかに黄色みがかった液体が、ぷしゃあ、っと勢いよくほとばしった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はあぁ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "余程ガマンしていたんだろう。それは少しも勢いを弱めることなく、目の前に向かって流れ続ける。\n美琴さんも安心したのか、その口からは安堵の吐息がこぼれている。\n危なかった。あと一秒でも美琴さんが下着を下ろすのが遅れてたら、もう完全に終わっていた。\n良かった……なんとか美琴さんの尊厳を守ることが出来た……本当に良かった……。\nそれから数十秒が経過したところで、美琴さんによる放出は完全に停止した。\nどうやら無事に出し切ったらしい。美琴さんの尊厳は、ここに完全に守られた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "良かったですね、美琴さん",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あううううううううう……\n……良かったけど……良くないもん……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "涙混じりのその声に、俺は思わず首を傾げ……。\nそしてようやく、理解した。今自分のいるこの状況を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……えーと……俺の腕の中にいる美琴さんから、勢いよく、しーしー?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だめえっ。言葉にしないで!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "す、すいません!!\nあの、えーと、つまりですねえ、美琴さんを守りたくて必死だったというわけで……\nそれだけはご理解いただけると嬉しいなあ、なんて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "脂汗を流しながらの必死に弁解。そんな俺の心をしっかりと理解してくれたのか、美琴さんはその口を開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登くんの、ばかあっ!!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "誠に申し訳ありませんでした……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あれから俺は慌ててトイレから飛び出すと、身だしなみを整えてから出てきた美琴さんにただただ頭を下げるのみで。\nこうして、完全な土下座モードで、ただひたすらに謝るしかできないわけで。\nそしてそんな俺を、美琴さんは非常に冷たい目で見下ろすばかりで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……和登くん、ああいうのが好きなの……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "め、めっそうもございませんっ。あの時はただただ必死だっただけで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "恥ずかしかった……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まったくもってごもっともで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "恥ずかしくて恥ずかしくって、死んじゃうかと思った\nあんな姿見られて、音まで聞かれて……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そ、それに関しましてはご安心を。俺も必死だったのでまったく記憶に残っておらず……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ぎろりっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "失礼致しました……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "おかげで、確かに尊厳は守れたかもしれないけれど……別の大切なものを失った気がする……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "平に、平にお詫びを……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いやらしい気持ちは本当にこれっぽっちもまったくなかったわけですが。いや、真面目に。\nただ、完全に周囲が見えなくなっておりました。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか和登くんに、こんな趣味があったなんて……\n変態",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "これに関しては俺のプライドのためにも否定したいところだけれど、今言い返したら火に油注ぐよね、絶対。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぶらあげ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "は?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "バツとして、今日の晩ご飯はあぶらあげ天国っ。おいなりさんに、あぶらあげの煮物に、あぶらあげのお味噌汁に……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あの、ひょっとして、あぶらあげ使ったものだけ……ですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "何か文句が?ぎろりっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あるわけもございませんっ。早速買って参ります!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "二丁目の朝日屋のじゃなきゃダメだぞっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "かしこまりましてございますー",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "文句は言うまい……そこが思い切り反対側。うちから徒歩で30分以上の場所だと分かっていても……今だけは何も言うまい……。\nこんなことなら……ちゃんとさっきの光景、記憶しておけばよかった……ちくしょう。\n俺は自らの甘さを悔やみつつ、財布を片手に家を飛び出していった。\n……これからはほんと気をつけよう……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C316_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……いいお湯でした……あれ?美琴さんまだ部屋に行ってなかったんですか?体冷えますよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ああ、うん。せっかくだし、君と一緒に部屋に行こうと思ってね。どうせ一緒なんだし、その方がいいだろう?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "一緒って……あの、もしかして今日も?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ダメかな……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ダメも何も、ああくそ、この目で頼まれたら断るなんてできるはずがないのにっ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "頑張れ俺の理性……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くんを抱きしめていると、安心できるんだ。まるで、わたしだけの場所、みたいで",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まあ、まるで、じゃなくて、正真正銘美琴さんだけの場所ですけどね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふふ、そうだな。そう言ってくれると嬉しい",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺の方は、昨日の美琴さん思い出すとその……俺自身がかなり危険な状態に……ってこら、思い出すな俺!!\nうわ、マジでやばい。押しつけられた胸の感触とか、可愛らしい寝顔とか、チラとはみ出てた先端とか……いや、だから思い出さないでくれ俺ー!!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうかしたのか?なんか、わたしとの距離を広げようとしているような……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "いえいえいえいえ!決してそのようなことは!べ、別になんでもありませんっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "この状況で、実は昨夜は邪なこと考えていましたー、なんてバレたら間違いなく軽蔑ものだっ。\nごまかせっ、そして落ち着け俺の体!!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登くん……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "み、美琴さん……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ジッと俺を見つめていた美琴さんの手が、いきなり動いた。\nそれは真っ直ぐ、問答無用で、今一番触られたくない場所へと触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うにゃあっ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "うわあ!さ、触ったらダメですっ。こ、これはその……せ、生理現象なんですごめんなさいっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "な、なんていうか、その……思った通り、君の大切なところが凄いことになってるぞ……?だ、大丈夫、なのかな?これ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫です!ガマンできますから!\nていうか、少々お時間下さいっ。その、すぐに静めて参りますのでー!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……ダメだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "静めるというのは、その……他の女の子を見て、し、しちゃうっ、のだろう?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "えっと……ま、まあ、そういうことになっちゃう、ですかねえ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なら、ダメだ。イヤだっ。わたし以外の女の子で君が気持ち良くなるだなんて、そんなのイヤだっ\n和登くんをそういう気持ちにさせるのは、わたしでなくちゃイヤだっ!\nだ、だだだ、だから!\nシよう、和登くん。今から、ここで",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "シようって……あの、それって……もしかして!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "いつもワガママばかり言って、ごめんなさい\nでも和登くんがここまでガマンしてくれているんだ……わたしだって、少しくらいは頑張らなくちゃ怒られてしまう\nそれに……君とその……するのがイヤなわけじゃないんだ。むしろ、もっと愛してほしい、愛したいっ\n本当は、いつも思ってた……昨日の夜だって、隣で眠る君の事を想って、ずっとガマンしてた\n和登くんに、気持ち良くしてほしい……君といっぱい……えっちがしたい……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "熱く潤んだ瞳が、下から俺の顔を覗き込んでいる。その表情は、美琴さんであって、美琴さんじゃない。\nまるで発情期の獣みたいに、ただ俺を求めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "部屋、行きますか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ううん……ここがいい。今すぐに触ってほしいから……移動する時間が耐えられない……\n和登くん……お願いだから、わたしを君の好きにして。乱暴でいいから……君がやりたいように……",
"speaker": "美琴"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C320_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふふ~ん。和登くんの膝、ゲットだ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "上機嫌のまま、美琴さんはソファーへと俺を押し倒す。そのまま、俺の上へと乗ってきた。へえ……このネグリジェ、シッポの部分にちゃんと穴空いてるんだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の好きにしてほしいとか言ってませんでしたか?なんか、逆転してるような……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "もちろん、和登くんの好きにされてしまうつもりだぞ\n今から和登くんは、わたしのこの未成熟な体を徹底的に、完膚無きまでに、好き勝手に、蹂躙するんだ\nわたしは和登くんに、信じられないくらいに恥ずかしい行為を強要され、そして、忘れられないほどの快感と共に、君のペットにされてしまうんだな",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その恥ずかしいはずのセリフを、ちょっと頬を赤らめながら言い切るあたりが、美琴さんの可愛いところだと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、美琴さんが俺のペットになりたがってるのは、把握しました。望むところです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふふ。それじゃあ、今からわたしは君の従順なペットだ。かわいがってくれないと泣いちゃうぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "大丈夫ですよ。こんな可愛いペット、俺無しじゃいられないくらいにかわいがりますから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "他のペットならまだしも、この可愛い子狐さんに関してなら自信がある。俺は、思う存分かわいがるために、早速手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……従順なペットとしては、嫌がったりはしないけれども……いきなりこれというのはどうだ……\nわたしだって、恥じらいはするんだぞ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "思い切りズリ上げたスカートの下から、淡い紫の下着が全開とばかりにさらけ出される。美琴さんは、耳まで真っ赤にしながら、俺を抗議の目で見上げてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、この角度からだとどうしても気になっちゃいまして",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……すけべ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "否定しようがありません",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "こんなに可愛い子狐が、こんな格好で、好きにして下さい、と来てるのに、いやらしいことしないでいられるわけがない。\nそれに、そう言う美琴さんだって、スカートを直して隠そうとしない。ちゃんと俺に見せようとガマンしてくれている。\nやっぱり、こういうところが可愛いなあ、ほんと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなすけべなご主人様は、こうしてやる",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "などと思いながら、ニヤニヤとその可愛らしいお尻からシッポのあたりを眺めていたところで、美琴さんの手が予想外のところへと伸びてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと、あの、美琴さん!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うわっ。な、なに、これ?も、もうこんなになって……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんによって取り出された俺自身は、これからの行為への期待で、見事に臨戦態勢となっていた。\n思い切りそそり立っているその光景に、取り出した張本人が唖然となっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、その、初めての時よりも凶悪になってるんじゃあ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まあ、あの時はこんな目の前で見られたわけじゃないですからね……体勢的にも苦しかったし……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あんな風に抱えられた状態じゃあ、実際にどういう形だったのかなんてよく分からなかっただろう。\nそれをこんな近くで見れば、驚くのもよく分かる。俺だって、美琴さんのをあんな間近でみた時は驚いた。こんなに綺麗でいやらしいんだ、って。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、俺がこんなになってるのは、間違いなく美琴さんのせいですよ。そのお尻とか、ペット発言とか、期待しちゃうじゃないですか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "むう……わ、分かってるもん……だから取り出したんだし……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "どうやら、俺が何を言いたいのか分かっているらしい。いや、そもそもそれをするために、美琴さんは俺を取り出したんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、その……それじゃあ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんはもじもじと恥ずかしそうに体を揺すると、そっと俺自身へと舌先を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "うわっ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "美琴さんの熱い舌先が俺へと触れた瞬間、小さな電気みたいなものが背筋を駆け抜けていった。\n気持ちいい。そう言うしかないその感触に、思わず声がもれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ\nこ、こんな感じでいいのかな……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そんな俺の反応が気になるのか、美琴さんは恐る恐る俺を舐めながら、そっと視線を投げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……ああ、美琴さんの舌……気持ちいい……\nなんか、背筋がぞくって、きます……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その舌の拙い動きが逆に俺を興奮させて、実際の感覚以上に俺を反応させていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……良かった",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんはちょっとホッとしたように言うと、改めて俺のそれを眺め直す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だけど、これが和登くんの……それじゃあ、今度はこのあたりを……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、より反応しそうな場所、その裏筋の辺りへと、舌を這わしてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんの唾液による、いやらしい音。それと共に流れる電流のような快感が、俺の体を震わせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "うぁ……凄い、なんか、震えが止まんない……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "美琴さんのその攻めに、俺は何も考えずにすべてを任せていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたしも……和登くんの匂いで、なんだか興奮してきてる……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、美琴さんの舌の動きが、少しずつ大胆になっていく。\n美琴さん自身が、女としてこの行為を感じ始めているのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、先端から出て来たけど……これ、平気なのかな……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、当然のごとく滲み出ていた先走りへと、そっと舌先を伸ばすと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "当然のように舐め取り、味を確かめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……な、なんか、苦いぞ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その、先走りってやつです……んあ……気持ちいいと、出てきちゃうんで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そうなんだ……なら、もっと……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それが、俺の気持ちいい証、と聞いて嬉しかったのか、美琴さんの舌が更に大きく動き始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "先端から裏の方まで。そして鈴口の部分にまですら入り込み、こじ開けようとしてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んくっ……あ、そ、そこです!うわ、なんか急に、きてるっ\nうあ、ぐ……も、もう、腰が浮いてっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "下腹部から込み上がってくる快感に、俺は自然と腰を突き出し、更なる行為を美琴さんに求めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ\nん……はぁ……和登くんのが、どんどん熱くなってる……ぴちゃ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それに応えようと、口の周りを唾液でベトベトにしながら攻めてくる美琴さん。付け根の部分にある猛烈な欲望を、俺は必死に抑え込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、最初の時より、膨らんで……ん、はぁ……\nぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、俺の顔を見てここが感じると知ったのか、再び鈴口へと舌先を侵入させる。\n直接伝わってくるその快感に、俺の堤防はいとも容易く決壊した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんなとこまで……あ、あ、あああっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "必死に堪えようとするものの時既に遅し。一度決壊したそれを戻すことは叶わず、俺は溜まっていたそれを、勢いよく噴き出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあああああああっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うわっ。な、なに!?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "たった今まで攻めていた場所から噴き出した大量の白い液体に、美琴さんが驚きの声をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、きゃあぁっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "当然のように避ける間もなく、俺の欲望は美琴さんの顔や体を白く汚していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが、和登くんの精液……?\n熱いし……うん、なんだか興奮する匂い……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "髪に顔に体に……自らにかかったそれをちょっと恥ずかしそうに眺めながら、それでも美琴さんは嬉しそうに微笑んだ。\n俺を気持ち良くさせ、吐き出させたこと、それが本当に嬉しかったらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……美琴さんの舌……ちょっと上手すぎます……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふふ……そう言ってくれると、とっても嬉しい……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その満足そうな笑顔が、今度は俺の欲望を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、今度は俺の番、かな?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺の味わったこの快感を、今度は美琴さんに感じさせてあげたい。\n美琴さんに、もっと恥ずかしいことをしてあげたい。そんな欲望を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……は、はい……お願いします、ご主人様……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺がどんなことを望むのかも考えようとせず、美琴さんはただ嬉しそうにそう答えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登くんは、本当にいつもわたしに恥ずかしいことをさせるんだ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、実際に俺の命令通りの行動をし、恥ずかしそうに視線を逸らす。\n目の前に立って、自らたくし上げ。自分自身で見せる、という行為が、美琴さんの羞恥心を思い切り煽っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分で見せるだなんて……あんまり顔を近づけないで欲しい……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ネグリジェの中からさらけ出された二本の細い足。そしてその上にある、ネグリジェとお揃いの淡い色をした可愛らしい下着。\n美琴さんらしい、そこまで派手とはいえないデザインが、むしろ好ましい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃ意味がないじゃないですか。そうやって恥ずかしがる美琴さんの体が見たいので",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くんは、やっぱり本物のすけべだな……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ちょっとだけ拗ねたように言う美琴さん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、その……君に見られてるだけで、わたしもちょっと興奮、してる……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "けれどもすぐに、そんな恥じらった言葉を繋げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それなら……もっと興奮して下さい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はその言葉に素直に興奮すると、やはり美琴さんにも興奮してもらうため、その下着にそっと手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お願いっ。あんまり、見ないで……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "前回同様、俺の目の前に再びさらけ出された、一番恥ずかしい場所。しかも今回は自ら見せている形だ、恥ずかしくないわけがない。\n俺への愛撫の時から既にこうだったのか、そこはもう濡れており、下着との間に細い糸を伝わらせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……前も思ったんですけど、美琴さん、生えてないんですね……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "何もない、まさしく生まれたての赤ん坊のようなその場所。ただ可愛らしい縦の筋があるだけのそこは、いやらしさよりも可愛らしさが目立つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だって……わたし、発育あんまり……\nやっぱり、こんな子供っぽいのは、ダメ……?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺の言葉に不安になってしまったのか、怖々とそんなことを聞いてくる美琴さん。俺はまさか、と首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいえ。むしろ。すっごい興奮します……なんだか、いけないことしてるみたいで",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "美琴さんのこの場所を見て、子供っぽいなんて感想を抱くわけがない。むしろ好ましいとさえ思ってしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんの一番恥ずかしい場所、いじりますね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だから俺は、それを証明するかのように、そこへと指を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "秘裂の中へと軽く指を埋めると、美琴さんの体が小さく震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登くんの指……気持ちいい……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そのまま小さく前後に動かすだけで、美琴さんは甘い声をこぼしてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんの割れ目の中、温かいですね……それに、柔らかい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その反応が嬉しくて、俺は少しずつ指の動きを大きくしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ……ふぁ……んん",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "少し、濡れてますね。やっぱり、俺の舐めてて感じてました?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "指を伝って垂れてくる美琴さんの蜜。そんな俺の質問に、美琴さんは恥ずかしそうに頷いて答えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん。和登くんのだって思ったら、体の奥が熱くて……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺は、その答えを最後まで聞くことなく、美琴さんの奥へと、ついこの前開通したばかりのその場所へと指を押し込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、ああんっ……や、あ、あまり奥は、だめ……んあぁんっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "どんどん蜜がこぼれてきます……おいしそうなのが……\n聞こえますか?くちゅくちゅ、って音を立て始めて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そのまま美琴さんの中を指で小さくかき回す。中からどんどんと湧いてくる熱い蜜が、俺の指でいやらしい水音を立て始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああんっ。言わないで……恥ずかしいのに……もっと、気持ち良くなってきて……\nふぁ……ん、く、あ、ひいんっ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "……凄い、もう下に垂れてきてる……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "奥をいじられ、急激に増えた蜜は美琴さんの太ももをつたい、そのまま床へと垂れていった。\n俺はそこで緩めることなく、更に美琴さんを攻めていく。\n美琴さんの中で指を出し入れし、少しでも激しい反応を見せてくれる場所を探していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あ、あああっ!だ、だめ……足が、がくがくってきて……\n気持ちいい、の……んあぁ……も、もっと、いじって……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "だが、その場所を見つけるよりも先に、俺はもっと面白いものを見つけてしまう。\n女の子の一番敏感な突起。それが、ぷっくりと充血し、美琴さんの包皮の中から、少しだけ顔を覗かせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こうですか?この、小さな膨らみ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "すかさず俺は、その突起を空いてる手の指先でなぞる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあんっ!や、あ、そこは、感じすぎ、ちゃってっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "同時に、びくん、と美琴さんの背が跳ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああんっ。奥から、き、きちゃうっ!くるっ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんの中、あったかいです……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "体の中を攻める指の快感と、体の外の敏感な突起からの快感。その両方の刺激に、美琴さんは頬を上気させ、その体を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、や、あ、はあんっ!だ、だめ、激しい、よおっ……あ。んあ、ああんっ\n頭の、ね、奥の方が……ちりちり、ってしてて……わ、わたし、もう……っ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんの中が、きゅうっと絞まる。この前と同じだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああああああああああああああっ!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "次の瞬間、美琴さんは大きく体を震わせながら、絶頂へと達していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?うわぁっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そのもう一つの穴から、またもや温かな液体を噴き出させつつ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さん、また!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そこから噴き出す黄色がかった液体。どうやら美琴さんは、絶頂すると、ちょっとこっちが緩くなってしまうみたいだ。\n幸い、というべきなのか、今回はそれほど溜まっていなかったらしく、すぐに収まった。\nだが、やはり美琴さん的にもショックではあったらしく、涙目で顔を真っ赤に染めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……わたし……\nい、イっちゃうと……そっち弱いみたいで……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そして、本当に申し訳なさそうに、どうにか言葉を作り出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめんね、和登くん……また、ひっかけちゃった……\nその、床もすぐに掃除するから……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴さんの粗相を正面から浴びた俺のズボンは、前回同様に凄いことになっていた。\n幸いなことに、俺にかかったせいでソファーへの被害はないみたいだ。\nまあ、今更こんなことを気にするつもりもないし。ていうか、むしろこのズボン貴重じゃね?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さんのですから、気にしてません。むしろ、可愛い姿を拝めました",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ば、ばかぁ……あんな姿、は、恥ずかしすぎて、わたし……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺が相手だから、大丈夫です。また期待しておこうかな。ちゃんと着替えも用意して",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "半分冗談で、半分本気だ。正直、あの状態の美琴さん、可愛いと思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……やっぱり和登くん……すけべで、変態だ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そうかも。ていいますか、そういうことを言われると、もうちょっといじわるしたくなっちゃうかなあ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "言うと、俺はニヤリと笑いながら立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい?あ、あの……和登……くん……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そんな俺の態度に、美琴さんは顔を引きつらせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やだっ、ダメっ、こんなのっ。外から、み、見えちゃってるっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "すべてを脱がせてしまった美琴さんを、俺は片手で抱きかかえるようにしながら、そのまま窓へと押し付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫ですよ。こんな時間だし、庭もあるんだから、壁に登りでもしないと見えません",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺だって、美琴さんのこんな姿を他の奴に見せてやるつもりはない。だけど、こうして恥ずかしがる美琴さんを見ると、可愛くてついいじわるをしたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも……こんなの露出狂みたいで……\n胸だってちっちゃいのに、こんな風にして……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "どうやら、ガラスに押し付けられているのが気になるらしい。むしろそれがいいと思うんだけどなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "胸は問題ないって言ったはずなんですけどね。ほら、こんなに柔らかくて気持ちいい",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は言うと左手で、ガラスに押し付けていない方の胸をそっと揉んだ。そしてすっかり固く尖っているその先端を、きゅっとつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあぁ!あ、つ、つまんじゃダメっ。感じすぎ、ちゃうっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "びくん、と大きく体を反らせる美琴さん。俺はその反応に満足すると。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……こっち、いきます",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その小さな入り口にあてがった自分を、そっと押し入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んくっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "前回のような抵抗はないものの、それでもまだ美琴さんの中は固くて狭い。\nけれど、思った以上に濡れそぼっていたせいか、美琴さんは素直に俺を受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い……さっきのお漏らしの分もあるせいか、もうびしょびしょですよ……\nこんなにきつくて、キュウキュウに狭いのに、一気に半分くらい入っちゃった……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "前回ではどうにか入った限界の場所。今回は受け入れる態勢ができているのか、もう少し奥までいけそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、大丈夫です?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "とはいえ、やっぱりまだ二度目。あまり無理はさせたくない。俺と美琴さん、二人ともが気持ち良くなれなきゃ、意味はないと思うから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……前の時みたいな痛いのは無くて……でも、ちょっと苦しい……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まだ二度目ですしね、さすがに",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……でも、すぐに慣れると思うから、和登くんの好きなように動いてくれ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "なら今回は本当に無理をせずに……そう思ったところで、美琴さんは予想外の懇願をしてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "実は、お腹の中に和登くんがいるというだけで、その……体が、熱いの……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、だけどチラチラと俺を見ながら言う美琴さん。どうやらそれは本当みたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、胸も含めてゆっくりと",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だったら、焦らずゆっくりと、お互いに気持ち良くなれるように。俺はそう考えながら、ゆっくりと動き始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ、そ、そこいい……そこ擦られると、声、出ちゃう……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "熱い美琴さんの体の中を、ゆっくりと前後する。俺のためにあるとしか思えない程にピッタリなその秘洞は、前回以上に俺に貼り付き、締め上げてきていた。\nけれども少しは慣れたのか、ちょっとだけほぐれたような柔らかさを見せ、更にしなやかに俺を包み込んでくる。\nそして、その刺激は美琴さんも同様なんだろう。その小さな口からは、もうわずかながらも甘い喘ぎがこぼれ初めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、凄くいいです……正直、余裕ないくらいに……\n美琴さんの中、やっぱり気持ちよすぎ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くんこそ……あ、ああんっ……だめ、奥から、電気みたいに、痺れて……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ぐちゅ、ぐちゅ、と小さな水音を響かせつつ美琴さんの中を動いていく。\n抜こうとすれば、それを嫌がるように締め上げ。奥に進もうとすれば、それを妨げるようにやっぱり締め上げてくる。動く度に俺をしごくそのヒダは、まるで芸術品だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。平気だから、もうちょっと強くがいい……わたしの中、もっと、もっと荒らしてっ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "その言葉を素直に受け入れて、俺は徐々に動きを速めていく。同時に、少しずつ奥の方へと進めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、は、んんっ。ぶるぶるって、き、きちゃうよぉ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言葉通り、ぶるぶる、っと全身を奮わせる美琴さん。その快感が、粘膜を通じて俺にも伝わってくるみたいだ。俺も背筋のゾクゾクが収まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……美琴さんが、俺を締め上げて……思いっきり攻めて、くる……\nも、もう、いつでも出せそう、ですよ、俺……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それでも、どうにか堪えつつ、美琴さんの中を蹂躙し続ける。少しでも長く、この快感を味わうために。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C321h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "帰ってきてみれば、部屋に明かりがついてるのが分かった。多分美琴さんだろう。\n俺より早く帰ってきているなんて珍しい。いや、その珍しいことをしないといけなくなった、ってことかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……やっぱり、一度本気で話すしかないんだろうな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺と美琴さんとの関係。俺達二人にとっては、これ以上ないくらいに幸せな日々で……当然のように、これからもずっと続くと思っていて……。\nだけど、そんなことはやっぱりなくって……。\n俺は家に上がると、リビングへと直行した。そこに美琴さんがいるはず。\nそしてドアを開けると同時に、\nソファーの上でうずくまる美琴さんの姿を見つけた……。\nその姿にはいつもの凜としたオーラはなく、ただガックリとうなだれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "覚悟はしていたが……はは……思ってた以上に、辛いな……\nここを出て、元の関係に戻るだけ……ただの先輩と後輩に……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "恐らくは、俺がいない間にまた聖の方から連絡があったんだろう。\n美琴さんが懸命にはね除けてくれているのは分かる。けれどそれだって、限度がある。その限度を、俺は今日、白子に聞いたばかりだ。\nそして、その限度が、もう目の前にあるんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダメだよ……戻りたくない……\nうん、そうだ。このまま頑張ってここで籠城していれば、聖の方が折れて、わたしは和登くんと幸せに♪\nなんてなるわけがないな。きっと、狭間の者であるということを利用して、和登くんに手を出すに決まっている\n……このままここにいるわけには……いかないんだ、それは分かってる……\n分かってるけれど……やだ……やだよう……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "力なく、まるで泣いてるように呟く美琴さん。俺は、その姿に声をかけることは出来なかった。\nただ静かに扉を閉じると。背中を壁に預け、静かに天井を仰ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "答えなんて、もう一つしかないんだよな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "美琴さんと、俺と、聖と……その全員が納得する形の解決なんて、恐らくはもう無理だ。だったら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だったら、誰が一番苦しまない結末を選ぶか、しかないじゃないか……",
"speaker": "和登"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C323_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "か~ずと、くん♪",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "夕食が終わると同時、美琴さんは俺の隣に、いや、俺の膝の上へと乗ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "美琴さん?あの、今日はまた随分と近い、ですね……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今日の生徒会活動はちょっと大変だったんだ。だからこうして、和登くんを吸収しないと干からびてしまうんだよ\nん~~~~~~、やっぱり和登くんはいいなあ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "まったく、あんまり甘えてくると、頭なでなでしますよ。それはもう、達してしまうくらいの凄いなでなでを",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それはいいな。うん、ぜひやってくれ。ご所望だ♪",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "はいはい。ほーらほらほら",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふわぁ……な、なんか、このまま飛んでしまいそうな気分だ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ふっふっふ。言ったでしょう、凄いなでなでだと。なでなでなでなでーっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ふにゃあ……いい気持ちだにゃぁ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "ちなみに結構前から思ってたんですけど、美琴さんって妖狐ですよね?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うむ。もちろんその通りだにゃぁ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "時々挟まるその言葉、猫ですよね……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?\n…………そ、そんなことない……コン?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "……あの、わざとじゃないですよね、今の……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。今のはわたしも無理だと思う……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "本当に、美琴さんは美琴さんだなあ……。\n夕方の、あの凹んだ姿。あんな姿はもうさせたくない。やっぱり、今のこっちの美琴さんでいてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "和登くん?どうしたんだ、急にそんなギュッとしてきたりして……\nわたしは嬉しいから、もっとしてほしいけど",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "俺も嬉しいから、もっとしちゃいます。ほんと、美琴さんの体はおいしいなあ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……なあ、和登くん",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "和登くん。わたしはね、君がいてくれれば、それでいいんだ\nただこうして、君の隣で、君と一緒に、君の温もりを感じていられれば、それでいい。他の何を失ったって、これがあれば大丈夫なんだ\nだから、わたしは君を守るよ。絶対……絶対だ。絶対に、守るよ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "言いながら、愛おしそうに俺の胸に頬を押しつけてくる美琴さん。\nそんな美琴さんは俺にとっても愛おしくて。これからも、ずっとずっと、自由に笑っていてほしくて。\nああ、分かってる。俺が守りたいのは、間違いなくこの人だ。\nこの人が無事でいてくれるなら……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"美琴",
"和登"
] | 08_Impury | C324_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "さあ、本日もお楽しみのランチタイム、いってみましょう~♪",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ほとんど恒例となっている生徒会室でのランチタイム。机の上に置かれた小さな弁当箱を前に、飛鳥は浮かれまくっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。今日はまた随分と楽しそうじゃないか",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "それはもちろん。学園生活の最大の楽しみ、お昼ご飯ですよ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "さあて、本当にそれが理由かな?わたしには他にあるような気がしてならないんだが……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "他って、何?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "さてね。だが、最近のあーちゃんは、以前にも増して楽しそうだからな",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そうかなぁ?んー……ああ、確かにそうかもね。ここんところ、妙にウキウキしてる感じがするし",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "なるほど。和登くんのおかげ、というわけか",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "そうそう、かずくんの……って、なんでそこでかずくんの名前が出てくるわけ!?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "は?いや、むしろわたしの方が聞き返したいくらいなのだが……なぜ出てこないと思う?\n最近のあーちゃんは、和登くんの前だと分かりやすすぎるほどに表情が変わるぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "え!?うそ、ほんと!?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "もちろん本当だとも。わたしだけでなく、そこそこにめざとい者なら大抵気づいてると思うぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あっちゃー、失敗したなあ。でもね、ほんと、まだそういうわけじゃないんだ。ただちょっと気になって、一緒にいると楽しくて、一緒にいられなくなると寂しくなって\nこれから会えるんだ、って思うとウキウキするくらい?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "……充分すぎるほどに、そういうわけだと思うぞ……\nまあ、自覚出来てないあたり、確かに『まだ』なのかもしれないが",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "はあ、と呆れたように溜息をつく美琴に、飛鳥も乾いた笑いしか浮かばない。\n飛鳥はなんとか話題を変えようと考え、そしてあるキーワードを思い出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういえばさあ、みこっちゃん、狭間の者って知ってる?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "それは本当に軽い気持ちだった。\nあくまで軽い気持ちで、ただそれがどういうものなのかを聞いてみたかった。\nそれを知れば、和登のことをもっと知ることができるんじゃないか。そんな気持ちからの質問だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "狭間の者だと!?",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "だが、返ってきた反応は、飛鳥が思ってもいなかったほどに強いものだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その名前をどこで聞いた、あーちゃん!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "え?あの、なんか凄い反応なんだけど、どうかしたの、みこっちゃん?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "どうかしたもなにも、狭間の者だぞっ。当然だろう!",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "えっと、その……クラスで話してて……そんな人が昔いたらしいって話題がちょっと出たから……みこっちゃんなら何か知ってるのかな?って",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "踏み込むのはまずい。咄嗟にそう判断した飛鳥は、和登の名前を慌てて呑み込みごまかした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……本当に本当だな?そういう話題が出ただけ……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "う、うん。ほんとにほんとっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ならいいが……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "あの、それってさ、そんなにヤバイもの……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "まさか知らないのか?妖怪ならば知ってて当然の危険な存在だぞ",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "う、うん。ほら、うちの両親、どっちかっていうと人間の生活よりだから……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ああ、そういえばそうだったな。だがそれにしたって、まさか狭間の者を知らないとは……",
"speaker": "美琴"
},
{
"utterance": "美琴は呆れたように溜息をつくと、その説明を始めた。\nかつて、狭間の者と呼ばれた存在、妖怪の血の呪いを受けた人間達による、妖怪達の大殺戮の話を。\n生きることを許されない、見つけ次第すぐにでも滅ぼさなければいけない、生きる悪夢。その話を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あはは……なんか、とんでもない話、聞いちゃった……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "足が重い。さっきまでの自分が嘘のように、今は自分のすべてが重い。\nあの時、和登と静音が慌てていた理由がよく分かった。\n自分が狭間の者である。そんな話を聞かれて、平然としていられるはずがない。\nだが、なぜだろう。和登が狭間の者であり、狭間の者がどれほどに恐ろしい存在なのかもよく分かった。けれど、和登に対する気持ちが揺れてくれない。\nそれどころか、飛鳥の胸の奥では、さっきから高鳴りがやんでくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくん……すごいな……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "気がつけば、自然とそんな言葉を呟いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたし、何浮かれてたんだろう……あたしの悩みなんて、かずくんと比べれば全然大したことないのに……\nなのに、そのかずくんと自分を比べて、一緒だ、なんて喜んでた……\n……かずくん、なんであんなに明るくいられるんだろう……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "部活動での和登。そして五郎たちと一緒にいる時の和登。飛鳥の知る和登は少なくとも、後ろ向きになったことはない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー……これはやばいかもしれないなあ……あたし……本気かも……",
"speaker": "飛鳥"
}
] | [
"美琴",
"飛鳥"
] | 08_Impury | D305_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あの……これ、恥ずかしすぎるよ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ええ……俺もその、見てるだけでメチャクチャ興奮してます……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まず人が来るはずもない、自然公園の奥の奥。その草むらの上に横になった飛鳥さんの体を、しげしげと眺めて呟く。\n大きく開かれた、ブルマからのびるすらりとした両足。ズリ上げられた体操着の中からは、飛鳥さんらしい可愛らしいブラが、その膨らみを包み込みながら露出している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さんの体って、こんないやらしかったんですね……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それだけじゃない。この恥じらいながら俺を見上げる表情が、いくらなんでもいやらしすぎる。これだけでご飯五杯はいけそうな勢いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは、かずくんの方だよ……こんな格好させられたら、も、もう恥ずかしすぎてどうしていいかわかんない……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "羞恥でいっぱいいっぱいになっている飛鳥さん。そんな飛鳥さんに、俺も自分を抑えることが不可能なレベルになっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃあ、俺に任せてくれてればいいです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それって、まさかかずくん、経験豊富……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いえ、完全初めてですよ。ただ、飛鳥さんに気持ちよくなってほしいって思うことに関しては自信がありますから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうだ。俺も早く飛鳥さんで気持ち良くなりたい。この体のすべてを見て、すべてに触れてみたい。だけど、それだけじゃダメだ。\n飛鳥さんが好きだ。その気持ちだけは絶対に忘れないようにしないといけない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……かずくん、本当にときどきズルイよ……。そんなこと言われたら、任せちゃっていいな、って思っちゃう……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そんな想いを察してくれたのか、飛鳥さんは、俺を見上げながら困ったようにそう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いいですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……うん。だから、優しくお願い、ね……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そんな飛鳥さんの想いを受けて、俺はそっと目の前の少女へと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いマニアックなやり方するんだね、かずくん……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "なんか、こっちの方がいやらしそうなんで……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その結果がこれである。\nあえて脱がせるのではなく、横にずらすことでその中身を見ようというこの行為。\nやってみたら、なんか、本当にやばかった気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "優しくしてくれるって約束、もうどっかにいってるよう",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "忘れてませんよ。ちゃんと飛鳥さんには気持ち良くなってもらおうって思ってます\nだけど、俺も飛鳥さんの体を色々見たいんです。好きな人の体だから……\nダメ、ですか……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉に、飛鳥さんは諦めたように溜息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……覚悟はしてたけど……実際に見せるってなったら、恥ずかしさが違うんだもん……\n……だから、あんまりじっくり見ちゃやだからね……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "その恥じらいをより強くして、飛鳥さんは俺に言った。\nそんな飛鳥さんを裏切らないように、俺は下着の上からそっとその場所に触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ぴくん、と体を震わせる飛鳥さん。この反応、なんか本当に本当の意味で初めてっぽい……?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そこってこんな感じがしちゃうんだね……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "もしかして飛鳥さん、自分でも触るの初めて?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "念のため、と思って尋ねる俺に、飛鳥さんは小さく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……興味はあったけど、恥ずかしいし、怖かったから……\nでも、平気だよ。恥ずかしいだけで、イヤな感じとかしないから。かずくんの指だもんね",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そこまでして守られてきた飛鳥さんの体に触れる。それが本当に神聖な行為に思えてきて、うれしくなった。\n俺は再び、やっぱりできるだけ優しく、そこに触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……んうっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "なんか、その……感動、です。飛鳥さんの、ここに触れるなんて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "薄い下着に覆われた、けれど確かに飛鳥さんの女の子の部分。\nその縦の筋にそって、上下に指をなぞらせる。\nそれに反応し、ぴくぴくと震えながらも声を押し殺す飛鳥さんは、もう卒倒ものの可愛さだった。\nけれど、可愛いからこそやっぱり……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、やっぱり、もっと見たい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺ははっきりそう言い切ると、飛鳥さんのブルマへと手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、嘘っ。待って、待ってーっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ズリおろされたブルマの下からは、今度こそ完璧に、飛鳥さんの下着がさらけ出されていた。\nブラとお揃いのピンクの水玉柄が、飛鳥さんに似合っていて本当に可愛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いきなりこのレベルは、あの、あたしの心臓が保たないっていうか……\nで、でも、もっと凄いことしようとしているわけだし……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "この格好は、飛鳥さんにとっても相当に恥ずかしいらしい。けれどそれでも、これからの行為のことを考えて必死に耐えようとしてくれている。\n女の子が、そこまでして俺に体を見せようとしてくれている。その事実がたまらなく嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくんにだからだよ!?かずくん以外にはこんなの見せないんだからあっ!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そして、耳まで真っ赤にして叫ぶ飛鳥さん。当然だ。こんな綺麗なものを、他の誰にも見せてやるものか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然です。俺以外になんか見せてやりません\nそれじゃあ、改めて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は、ここまでしてくれた飛鳥さんに応えようと、再び指を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……や、あ、そこ……ぴりぴりって……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "秘裂に沿って、さっきよりも少し強めに力をいれて動かしていく。\nやっぱり感じているらしい。飛鳥さんは恥じらいながらも、その表情は少し気持ちよさそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ、ですか?うわ……少し力いれると、中に潜っちゃいそうだ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "秘裂を押し開くように指を押し込むと、下着ごとその中へと指の腹が埋没していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ、はぁ……んんっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さんの口からこぼれる喘ぎが耳に気持ちいい。俺はこれを乱してしまわないように、優しく、優しく秘裂の中の指を動かした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくんの手、優しい……気持ちいい、よ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺もその、飛鳥さんの感触に、ハマっちゃいそうです……。この体を、もっといじりたい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "熱い体温が、布地の下の柔らかな肉壁から伝わってくる。この感触をもっともっと味わいたい、そんな欲望がどんどんと湧いてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……いいよ……かずくんにあげるって、決めたんだもん……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "その頬を上気させながらの飛鳥さんの言葉。その言葉に、俺の興奮が止まらなくなってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ、ん、んっ!や、あ、そこは、ダ、ダメっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "秘裂の上部。一番敏感な突起があるであろうそこを、下着ごしに強めにつまむ。それだけで飛鳥さんは体を反らせて鳴いてくれた。\n下着が、少しずつ湿ってきているのがはっきりと分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん、ああ……う、く……かずくん……み、見ないで……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "不意に、その奥からジワっとわいてきた蜜が飛鳥さんの下着に染みをつくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さん……感じてくれてるんだ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その染みた部分はわずかに透けて、飛鳥さんの形を俺に見せてくれている。それをわかっているのか、飛鳥さんは更にはずかしそうに言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、恥ずかしいよぉ……お願い、見ないで……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "それでも、決して隠そうとはしない飛鳥さんが、俺にはたまらなく愛しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、ごめんなさい、無理です。いやらしい飛鳥さん、もっと見たい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "この布地の下を、直接見たい。飛鳥さんのすべてを直視したい。その欲望が、もう止まらなくなっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう~……かずくん、ずるい。あたしだけ、こんな恥ずかしい思いするなんて……\nかずくんにも、同じことを要求するーっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "けれどそんな俺の期待を、飛鳥さんの要求がはね除ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へっへーん、知ってるんだから。男の子って、こういうのされるの好きなんだよね",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "草むらに座らせた俺にのしかかるようにして、飛鳥さんは取り出した俺をじっくりと眺めていた。\nどうやら、いわゆるパイズリ?をしようとしてくれているらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "らしいですね。俺は初めてなんで、本当に気持ちいいか分からないんですけど……\nでも、男の夢でしたので、マジで嬉しいです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なんといっても、飛鳥さんくらいのサイズがないと、やっぱり難しいだろうしなあ、これ。選ばれた男だけが味わえる、まさに特権!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……へぇ……男の子ってこんなになるんだね。これなら、あたしの中に入っちゃうっていうのも分かるかな……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さんは、すっかり興奮して怒張した俺をマジマジと見つめながら、妙に納得していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……面白い形。それに、かずくんのこれ、絶対におっきいよね",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "やっぱり、こういう好奇心旺盛なところ、飛鳥さんだと思う。初めて見てるにも関わらず、これだもんなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、いい?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ええ、お願いします……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "んしょ、っと……やっぱり、こうしないと挟めないもんね……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺の返答に、飛鳥さんはちょっと恥ずかしそうにブラをズリ上げた。\nその張りのある膨らみが、先端の桃色の部分と共に目の前に現れ、俺は思わず感動してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これなら見られちゃってもおあいこだし",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "つまりは、見られる理由が欲しかったっていうところなんだろう。\nただ見られるだけじゃあ、羞恥が抑えられそうにない。だから無理やりこういう行為にでることで、自分を納得させようとしてくれてるわけだ。\nそんな飛鳥さんにちょっと感動しつつ、俺は目の前の大きな膨らみを見つめてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さんの胸……綺麗ですよね……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なんていうか、本当に綺麗だ。白くてなめらかそうで張りがあって……それに柔らかそう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あはは、なんか改まって言われると、やっぱりちょっと恥ずかしいかな。でも、ありがと\nだけどこれ、かずくんのものなんだよ。かずくんに喜んでもらうためにあるんだから",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さんは、えへへ、と恥ずかしそうに笑いながら言うと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "その膨らみで、俺を挟んでくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……あっつい……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "初めて触れるその感触に、さすがに驚きを見せる飛鳥さん。俺も、そんな飛鳥さんの感触に、素直に感動していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さんも……凄い柔らかくて、気持ちいいです……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なんか、さっきよりちょっとおっきくなってるような……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "明らかにさっきとは変わったそれを、飛鳥さんは怖々と眺めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、興奮してますから……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?あ、じゃあ、あれからまだおっきくなるんだ……凄い……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "どうやら、さっきのが本当に限界だと思っていたんだろう。ていうか、俺もまさか更に大きくなるとは思わなかった。\nやっぱり、飛鳥さんの胸のせいだよな、これ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ、噛みついてきたりしないよね……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "むしろ、飛鳥さんの方が噛みつかないようにお願いしますね……その、俺の大事な息子なもので……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん。気をつける。それじゃあ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "さすがに、初めての行為は怖いらしい。飛鳥さんは恐る恐る、その先端に舌を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……\nぴちゃ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "熱い飛鳥さんの舌が、俺の先端へと触れた。同時に、びりっとした刺激が、俺の中を駆け上る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "な、なんか変な味、する……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さんは、両目をぎゅっと閉じながら、俺を胸で押さえ込みつつ舌を這わしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ\nぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "濡れた舌の感触が、俺の亀頭を嘗め回していく。\n今まで味わったこともない快感が、そこからゾクゾクと伝わってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……これ、ほんと気持ちいい……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "まさか、こんなに気持ちいいものだったなんて思いもしなかった。これはしてほしくなるわ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "胸の感触と、飛鳥さんの舌の愛撫が……う、くっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "あ……う、んくっ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "少しずつ慣れてきているのか、飛鳥さんの舌の動きは大胆になっていく。\n本当に先端だけだったものが、徐々に俺全体へと広がっていく。\nそんな飛鳥さんの行為の前に、いつしか俺の中からも先走りがこぼれ始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか出てきてる……ちょっと苦い……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さんはそれを、躊躇なく舌で舐める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うん……俺も感じてるから、先走りが……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "男の子も濡れるんだね……ちょっと発見……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そんなことに感心しつつ、舌を動かし続ける飛鳥さん。俺の下腹部の方に、確かな快感が集まっているのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "んっくっ。飛鳥さん、舌使い、上手い……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺の声から、どこが感じる場所かを読み取ったのか、飛鳥さんの舌が的確な場所を攻めてくる。\n裏筋にそって舐め上げてくるその動きに、俺はびくんと大きく体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あたしも、ちょっと変な気分……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "その頬を上気させながら、飛鳥さんが小さく呟く。その吐息は熱くなっており、飛鳥さん自身の快感を表していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、かずくんの舐めてたら……あたしもすっごいドキドキしてきちゃってる……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そして、自分を慰めるかのように、俺を挟んだ胸を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "相変わらずの舌の動きと、俺をしごく二つの膨らみ。その刺激が、俺の快感を急激に膨らませていく。\nその柔らかな乳房は形を変え、俺を完全に包み込んでいた。それが飛鳥さんの手によって上下に動き、俺の肉棒全体を擦りあげる。\n温かくも柔らかな、まるでゴム鞠のようなその感触に、俺はたちまちのうちに発射寸前まで追い込まれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあっ!ごめん、飛鳥さんっ。俺も、もう、ヤバイっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そうなの?それじゃあ、もうちょっと頑張る……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "抑えるどころか、飛鳥さんは更にその動きを加速させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いやっ、このままだと、もう!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺を包み込んだまま動き続ける二つのゴム鞠と、俺の先端を這いずり回り、電気のような刺激を送ってくるその小さな舌先。\nそれは、俺にとって抗いようのない快楽を送り込んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "裏筋に沿って上下し、やがてカリ首のあたりを旋回する舌先。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "それはそのまま亀頭へと向かい、先端の鈴口へと差し込まれてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ぐ……も、もう無理!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その刺激が、致命的だった。\n瞬間的に達した俺は、勢いよくその欲望を噴き出させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ\nえ、あ、これって……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "突然噴き出したそれに、飛鳥さんが思わず驚きの声をあげるが、すぐに理解したのか、むしろ興味深げな顔で、それを観察していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……だから言ったのに……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "すごぉい……本当に、こんな風に出るんだ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "痙攣しながら噴き出すそれを、飛鳥さんは感心したように眺め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あはは……かずくん、いかせちゃったね\n顔にかけられちゃった",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "噴き出した俺をその顔に浴びせられながら、飛鳥さんは苦笑を浮かべていた。\nどうやら、かけられたことよりも、俺をイかせたことが嬉しいらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく……ここまでされちゃったら、今度は俺の番ですよね\n飛鳥さんに、思いっきり恥ずかしい思いさせないと",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なんといっても、ここまで至近距離で見られた上に、射精までさせられたんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度は俺が、同じ事を要求します",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "次は俺が見たって問題ないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、お手柔らかに……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺の決意に、飛鳥さんの笑顔が引きつった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……お手柔らかにって言ったのに……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いやあ、ほんとにすごい眺めだなあ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その光景に、俺は改めて感嘆の声を上げる。\n四つんばい状態にさせた飛鳥さんを、その後ろからジックリと見る。なんていうかこの格好、飛鳥さんの恥ずかしい場所が本当に全部見えちゃうな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、もうちょっと普通のかっこじゃ、だめ……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ダメです。今日は思い切り飛鳥さんを辱めると決めました",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うう……こんなかっこ、あたし、もうお嫁にいけないかもしれない……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺のとこ以外にどこいくつもりですか",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あー……改まって言われちゃうと、恥ずかしいね……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "というわけで、そんな飛鳥さんに罰です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "飛鳥さんのすべてを見たい。そんな俺の欲望も既に限界だ。俺は飛鳥さんの下着へと手を伸ばすと、一気にズリおろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そして、飛鳥さんのすべてが目の前に晒される。\n本当にごくわずかな、淡いヘアと、そのすぐ下にある一本の縦筋。その光景に、俺は想わず唾を飲み込んでしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが、飛鳥さんの……うわ、本当に筋だ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "い、言わないでよぉっ。羞恥の限界と戦ってるんだからっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ギュッと両目を固く閉じながら、その恥じらいと戦う飛鳥さん。その表情が、また俺を興奮させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、俺のも間近でみたわけですから、おあいこですし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "分かってます!だから頑張って耐えてるんだからあっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺は、そんな飛鳥さんへとそっと顔を近づける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……飛鳥さんの、いい匂い",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "やっ、嗅ぐなあっ。お願いだから、やめてえっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "本当に、少しも不快にならない、飛鳥さんの女の香り。\n俺は、手を伸ばすと、その秘裂をそっと左右に開いた。その中から、熱い蜜が垂れてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、俺の舐めてて興奮してたんですね……結構濡れてます……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そのまま、ピンク色の飛鳥さんの中を観察していく。\n女の子が持つ三つの穴。そのすべてが、余すところなく完璧に俺の前にある。\n今まで見たこともない、女の子の体が、それも飛鳥さんの体が、今こんなにも目の前にある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これが、飛鳥さんの初めての証……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "狭く小さな穴の形に閉じられた、飛鳥さんの入り口。今からここを俺が開くんだ。そう思うだけで、またイってしまいそうな興奮がある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、いきますよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ど、どうぞっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "覚悟を決めた飛鳥さんの言葉。俺は、一度発射したにも関わらず、またすっかり興奮しきっている俺の息子を、そっと飛鳥さんへと押し当てた。\nそして、ゆっくりと挿入を開始する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、くうっ!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "うわ……キツくて……凄い抵抗……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ぶちぶちとした感触ともに、ゆっくりと進んで行く俺自身。けれども予想以上に強いその抵抗と、苦しそうな飛鳥さんの声に、俺は途中で止めてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さん、大丈夫ですか……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "う、うん……ちょっと痛いけど、が、ガマンできるっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "けれども、飛鳥さんはその痛みを堪えながら、俺を受け入れてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから、いいよっ。もっと一気に、きてっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺に奪われることを希望してくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……いきます!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それに応えるかのように、俺は飛鳥さんの腰をしっかりと掴むと、一気に腰を突き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、く……い、うぐっ……んん!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "強い抵抗と共に、俺を押し返そうとする飛鳥さんの壁。けれどそれも、ほんの一瞬だった。\nぶちん、と何か強い感触と共に、俺は飛鳥さんの中へと呑み込まれていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はいっちゃった……ね……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "自分の中にあるその感触が信じられないのか、飛鳥さんが呆然と呟く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、ええ……飛鳥さんの中……締め付けが凄くて……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "けれど、それは間違いない。あの飛鳥さんの中に、間違いなく、俺はいた。\n熱い秘洞の中、飛鳥さんの柔らかなヒダが、俺をキュウキュウと締め付けている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくんこそ……あたしのお腹の中、いっぱいいっぱい、だよ……\nん……あ、あまり強くは動かないで、ね……ちょっと苦しい……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "限界まで広げられた飛鳥さんの入り口。そして、始めての感触に俺自身、今にもイってしまいそうな状態だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ……俺も動いたら、敗者になってしまう……\n熱い壁が、俺を包み込んでて……こ、こうしてるだけでもっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "出来ることなら、早くこの中を味わいたい。飛鳥さんの中で自分を解きはなってしまいたい。\nそんな自分を、俺は必死になって抑え込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……ゆっくりならいいから、動いて。それで、気持ち良くなってほしいな……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "けれど、そんな俺の気持ちを察してか、飛鳥さんはちょっと恥ずかしそうに言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "好きな時に、イっちゃっていいから……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そんな飛鳥さんに頷くと、俺はゆっくりと自分を動かし始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあ……あ。はぁ……あ、熱い棒が、お腹の中で暴れてるよ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ビリビリと伝わってくる快感を堪えながら、飛鳥さんの中をゆっくりと動く。\n飛鳥さんの体温と、貼り付くような無数のヒダ。そのすべてが、俺を今すぐにでもイかせようと攻めてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくん動く度、お腹の奥がね、きゅん、って甘く痺れるの……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "すいません、こっちは必死です。飛鳥さんが、俺を思い切り締め上げてて……動く度にしごいてきて……\nだけど、気持ち良すぎて、腰が……止められない……\nく、あ……はぁ……はぁ……うあぁ!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして、そんな俺の動きに、飛鳥さんの体も徐々に慣れてきているのか、蜜の量を増やしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃんっ!そ、そこは、や!か、感じすぎて……腰、跳ねちゃうっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "秘洞の中を満たす大量の蜜が潤滑油となって、俺の動きをわずかながらにスムーズにしてくれていた。\nくちゅくちゅと小さな水音と共に、飛鳥さんの中を快感で満たしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ああ……体中がしびれてるみたい……ぞくぞくってきて……あ、ああんっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "けれども、本当にもう無理だ。さっき出してもらったにも関わらず、また、もう達してしまいそうになっている。本当に、どれだけやばいんだこの中は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、限界……このまま、出しますからっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は腰の動きを更に強めると、一番奥まで突き立てる。\n一番深い部分にあるその壁に、コツン、コツンとあててやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、ひゃっ……あ、あ、ああっ、かずくんが、お、奥に当たって……や、頭の中、びりびりきてて……な、なにか、登って来てるっ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "びくん、と大きく飛鳥さんの背が反った。\nそのまま、一段と激しい喘ぎで鳴き叫ぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ!なにこれ!あ、ああんっ!も、もう……や、ああ!き、来ちゃうっ、よお!!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "もうガマンすることを放棄した俺の抽挿。押し当てるようなその動きに、飛鳥さんはその体を一際大きく震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さん!出します!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そして、俺は一気に中へと放出する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、あああああああああああああっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "同時に、飛鳥さんも絶頂の声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、キてる!だめ!や!なにこれっ!!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "自分の中で放たれたその感触に、飛鳥さんは悲鳴にも似た快感を叫んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……かずくんが……いっぱい流れてきてるよ……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "うく……飛鳥さんが気持ち良すぎて、止まってくれないんですよ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "びゅくん、びゅくん、と痙攣を繰り返しながら、飛鳥さんの中に俺が解き放たれていく。\n飛鳥さんはそれを、まだ心ここにあらず、といった表情で見つめていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、凄いのきちゃってて……\nでも、そっか……あたし、かずくんに奪われちゃったんだ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "まだボーッとした顔を俺に向けながら、それでも俺を受け止め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、傷ものにしました。俺専用です",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん……かずくん専用かあ……だったらいいかな……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そんな俺の宣言に、飛鳥さんは放心しながらも、はっきりと言い切ってくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"和登",
"飛鳥"
] | 08_Impury | D327h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "放課後、部室で待つこと一時間。飛鳥さんは姿を見せなかった。\n昨日の帰り際の表情が気になって仕方ない。夜には携帯に電話もいれたのだけれど、真っ直ぐ留守電行きだった。\n兄貴に聞いたところでは、ちゃんと学園には来ていたらしいし、こっそり覗いた下駄箱には、飛鳥さんの靴が入っていた。\nつまりは、まだこの学園内にいるっていうこと。\nにも関わらず、部室に姿を見せない。飛鳥さんのことだから、きっと昨日のことを気にしているんだろう。\n捕まえられなかったとはいえ、飛鳥さんが追いかけていなかったら生徒手帳は取り返せなかったはず。飛鳥さんだからこそ、あいつは手帳を落としていった。\n本当なら胸を張っていいくらいなんだけどなあ……とはいえ、昨日の件で飛鳥さんが落ち込んでいるのは間違いない。\nだったら、こちらから迎えに行くだけだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……行くべき、だよね。これであたしが行かなかったら、かずくんとか余計にいろいろ背負っちゃいそうだし……\nうん、そうだ!行こう、部室!\nって、ちょっと待ってあたし!\n本当に行っていいのかな……みんな妙に気を遣って、部室内の空気が悪くなるとか……\nうん……今日くらいは控えた方がやっぱりいいかも……\nで、でも、これで行かなかったら明日以降だってどうなるか……\n……うう……やっぱり、どんな顔して行けばいいのか、分かんないよ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いえ、いつも通りの普通の笑顔でいいですよ。その方が可愛いですから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え……って、かずくん?!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "どうも。あまりに来ないので無理やり迎えに来ました\n昨日の失敗の件で、行くべきか行かないべきかずっと悩んでいた、と……\nなんていうか、完璧に予想通りな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "放課後の教室で、一人悩み続けていた飛鳥さん。あまりに予想通りすぎるその行動に、さすがに俺も溜息をこぼす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……だ、だけどね、あたしにとってはすっごい重要な問題で……\nそれに、ちょっと色々、思うところもあって……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "問題?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "飛鳥さんにとっての問題……とすれば、一つしかないよな。ハーフとしての自分……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、ねえ、かずくん……一つだけ、酷い質問をさせてもらっていい……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "まあ、なんとなく予想はついてますけど、どうぞ。へい、かもーんっ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺の返答に、飛鳥さんは周囲と何度もキョロキョロ見回し、本当に誰もいないことを確認してから、小声で言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくんは、狭間の者、なんだよね……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "予想通りのその質問に、俺は頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、間違いなく",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あたしもさ、ハーフだから、子供の頃とか色々あったんだ……本当に色々あってね、すっごい苦しくて、辛くて、何度も泣いちゃったりした\nだけど、そんなあたしの悩みなんかより、何倍も、ううん、何十倍、何百倍も大変なことをかずくん、背負ってきたんだよね\nなのにかずくん、それを見せないでいる。それどころか、自分みたいな人達を助けられるような部活を始めてる\nなんで、そんなに強いの?かずくんは、何をよりどころにできたの……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "……あんまり、いい話じゃないですけど……それでも聞きたいですか?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……お願いします",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺が狭間の者になった時、殺せっていう人達と、なんとか助けたいって言ってくれる人達と、その両方がいました\n雅や酒呑童子のおやっさん、それに静音……そんな人達のおかげで俺は生きられることになったんだけれど、それでも迷ってた\n自分がもし暴走すれば、そんな、自分を助けてくれた人達すら手にかけることになる。そんな自分が生きてていいのかなって……\nそうやって悩み始めたら、本当に辛くて、苦しくて……生きてることがイヤになってきた……\nそんな俺を見かねてかな……静音が約束をしてくれたんですよ\nもし俺が狂って暴れたなら、他に被害を出させないように、俺を殺してくれるって\nそして雅も、静音と同じ約束を……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "殺すって……ええ!?ほ、本気なの!?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ええ、もちろん。その約束が、俺は本当に嬉しかった。これで俺は、大事な人を手にかけないですむんだって……\n何よりも、決してそんなことになるはずがないって、二人が俺を信じてくれたってことだから",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……そんな約束してたんだ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "うん。今の二人はその約束を忘れないで、俺の傍にいてくれてる。俺を守るためにね\nだから俺は、笑っていられる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "やっぱり、かずくん、凄いな",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺?いや、すごいのは静音と雅の方だよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ううん。そんなことないって。確かに二人も凄いけどさ、その約束の意味を、かずくんちゃんと分かってる\nそうだね……かずくんだってそこまでのことをしてるのに、あたしだったらもっと……\nあたしも、勝たないと……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さん……?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ううん、なんでもない。おかでげ決心ついたから、とりあえず今日は部室行こっか♪",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "どうやら飛鳥さんの中で吹っ切る何かを見つけたらしい。\nけれどなぜだろう。俺には嫌な予感しかしなかった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"和登",
"飛鳥"
] | 08_Impury | D334_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "午前中の天城神社には、他の参拝客の姿は見あたらなかった。\nいつもなら、二・三人くらいはいてもおかしくないだけに、ありがたい。飛鳥は真っ直ぐ本堂へと向かうと、正面に立つ。\n財布を取り出すと、中から十円玉を取り出し、だがぶんぶんと頭を振ると引っ込める。そして、覚悟を決めたかのように、一万円札を取り出した。\nそのまま、お賽銭箱の中へと放り込むと、力一杯祈り始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……お願いします。どうか、勝たせて下さい。本当の本当にお願いです……お願いだから勝たせて……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "時間にして、十分は祈っていたかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願いします!",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥は、最後に一際強く願うと、そっと目を開けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥お姉ちゃん?",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "随分熱心にお祈りしてましたね。どうしたんですか?",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "れ、れんちゃんっ?あー、今日バイトだったんだ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "はい",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "ニッコリと笑う蓮華。その素直な笑顔の前には、どうしても隠し事ができない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちなみに、しずっちは……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "周囲を恐る恐る見回しながら尋ねる飛鳥に、蓮華は笑顔のままで答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "丁度お買い物に出かけています。今は、れんげしかいません",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "そっか……よかった……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "その答えに、飛鳥はホッと胸を撫で下ろした。正直、あまり聞かれたくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……みんなにはしばらく黙っててくれるかな?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "あ、はい。飛鳥お姉ちゃんがそう言うんでしたら",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "勝負をね、することにしたの。かずくんを賭けて",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "勝負、ですか?飛鳥お姉ちゃんが珍しいですね。でも、和登さんを賭けてっていうのは……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "試したいの。あたしにも、本気が出せるのかどうか\nもしこれで負けたなら、かずくんと別れて、もう二度と姿を見せない",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "あまりにあっさりと紡がれた言葉に、蓮華はキョトン、と首を傾げた。が、すぐにその言葉の意味を理解する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、飛鳥お姉ちゃん、それ、本気で言ってるんですか!?",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "うん、本気",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "あっさりと、微笑みながらの回答。蓮華は言葉を失ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしね、かずくんの隣にいたいの。そこは他の誰にも渡したくない。本当に、あたしだけの場所、あたし専用の席にしたい\nだけどね、今のままじゃ無理。はっきりとね、分かった。あたしは、あたしが思ってる以上に、心が逃げてる\nかずくんを失いたくない。失ったらきっと、あたしはダメになっちゃうと思う。どんなメチャクチャになっちゃうのか、想像もできない\nだけど、それくらいの制約をかけないと、きっとあたしは本気を出せない\nずっと、かずくんの隣に立てない",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "前も言ってましたけど、逃げてるって、それ、どういう……\nその、何があったかはお兄ちゃんから聞いてます。だけど、あれは飛鳥お姉ちゃんのせいじゃないって……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "あたしね、昔、負けちゃったんだ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "蓮華の言葉を遮るように、飛鳥は言い切った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "れんちゃん、知ってるよね。付属時代、あたしが陸上をやってたこと",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "も、もちろんですっ。みんなから期待されてたのに、でも、突然あっさりと辞めちゃって……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "あの頃のあたしは、まだ本気だったもんね。ただひたすら走って、走って、少しずつでもタイムが上がっていくのが凄く嬉しかった\nたとえハーフだって、本気で頑張れば純血にも勝てるんだっ。どうだ凄いだろうっ、て思って。毎日がすっごく楽しかった\nそうして、あたしはついに目指していたタイムを、会心のタイムを出すことができた\nやってやったぞ!って心の中で叫んでね、自分が本当に誇らしかった。ハーフの自分を、初めて褒めてあげることができた\nなのに、そんなあたしのすべてを賭けたタイムは、その一ヶ月後、いとも簡単に抜かれちゃった。隣のクラスの、純血の烏天狗の子に\nそしたらさ、急に怖くなっちゃったんだ\n頑張って頑張って、それでもまだひたすらに頑張って、本気を出して……それを簡単に覆されちゃうことが\nあたしの努力とか全力とか、そういったものが全部、一瞬で無かったことにされちゃうのが……\nその時から、あたしは何に対しても本気を出せなくなった。出そうとしても、心が勝手にブレーキをかけちゃう\nだってほら、全力じゃなければさ、言い訳できるじゃない。今のは全力じゃなかったから、抜かれたって仕方ないよねー、って。自分自身に\nそれであたしは、陸上部を辞めた",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "それが理由だったんですか?飛鳥お姉ちゃんが陸上部に入らないの……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "うん。今もね、その恐怖は残ったままなんだ。本気を出してるつもりでも、本気を出せない……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "もしかして、この前の失敗って……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "蓮華の質問に、飛鳥は寂しげに微笑んだまま、申し訳なさそうに頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もし、なんて意味無いのかもしれないけど、それでもね、思う\nもしあの時、あたしが全力で走れたら、捕まえられたんじゃないか、って\nかずくんの役に立てたんじゃないかって……\nだからあたしは、挑戦するの。自分が、昔の自分みたいに全力を出せるように\n今のままじゃあ、あたし、かずくんの隣に胸張って立てないもん",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "その、気持ちは分かりますけど……あの、いったい何と勝負するつもりなんですか?ちゃんと飛鳥お姉ちゃんに勝ち目があるんですよね?",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "付属時代にね、あたしのベスト記録抜いた烏天狗の子がさ、すこし前にまた結構な記録出したんだって\nなんと、陸上部のベスト記録!\nあたし、それに挑むつもり",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ええええええええええええ!?\nま、待って下さいっ。いくらなんでも、それは!",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "うん、分かってる。あれから趣味のレベルでしか走ってないあたしが、ずっと本気でやってきた人にいきなり挑んで勝てるわけない\nだけど、それくらいの相手に挑まなくちゃ、あたしはこれからも、きっと本気になれない",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "で、でも、でもでもでもでも、それで負けちゃったら……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "今にも泣き出しそうな蓮華に、飛鳥は申し訳なさそうに言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……これは本当に、あたしのワガママで……だけどね、やっぱりあたしは、かずくんの隣にいたいんだ\n恋人だから、って特別枠に置かれるんじゃなくて、あたし自身がかずくんの助けになりたい。隣に立って、一緒に頑張りたい\nだけど、今のままじゃそれは出来そうにないの。だって、かずくんは本当に一生懸命、本気でパト部を頑張ってる。人間と妖怪の間に立ってる\n本気を出せない人が、そんなかずくんの隣に立つわけにはいかないよね",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥お姉ちゃん……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "学園最速、なんて言ってたけど、それ、ただの虚勢。自分にね、あたしは本気出せばそれくらい凄いんだぞぉ、って言い訳してたの\nだから、今度は言い訳無し。絶対に、全力で挑んでみせる",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そう言い切る飛鳥の決意は強すぎて、蓮華にはもう何も言うことが出来なかった。\nだから、今言えるたった一つの言葉を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "頑張って下さいね、飛鳥お姉ちゃん……",
"speaker": "蓮華"
},
{
"utterance": "無理やりの笑顔で、言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。ありがとね、れんちゃん",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そう返す飛鳥の笑顔に、迷いはこれっぽっちもなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"蓮華",
"飛鳥"
] | 08_Impury | D335_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ん?メールじゃなくて着信か",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "机の上のクレイドル上で鳴り響くそれに、俺は読みかけの本を閉じて机に向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さんから?こんな時間にどうしたんだろう",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺はかけてきた相手を確認すると、携帯を手に取った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、あなたのかずくんです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "お邪魔しまーす……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いらっしゃいませー",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "キョロキョロと、物珍しそうに周囲を見回しながら飛鳥さんが部屋へと入ってくる。\nどうも一条戻り橋であんみつを堪能中、おやじさんに俺の部屋の話をされて、一度上がってみたくなったらしい。\nそんなに慌てなくても、飛鳥さんだったらいつでも歓迎なんだけどなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ……ここがかずくんの部屋なんだ……男の子の部屋って、もっと散らかってるって聞いてたんだけど……\nあ、やっぱり、ああいう本はベッドの下なの?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いや、そこの本棚",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……青年向けコミックスが、普通に並んでるよぉ……かずくん、すごい……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そういうのは、隠すからいけないんですよ。最初から堂々と出してれば、見つけた方だって苦笑しておしまいだって",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ここうん年かけての俺のコレクション!誰に見せても納得のレベルを取り揃えている自信があるぞ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、確かにそうかなあ……おしまいっていうか、苦笑してその話題から逃げたいって思うし……\nでも……こうして見ると、かずくんの好みってほんとバラバラなんだね……\n貧乳に巨乳、妹に姉、SとM……は見なかったことにして……制服ものとか結構あるんだ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "最近だと、飛鳥さんに似てる女優が出演してるAVとか探してますけどね",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それは、ちょっといやだなあ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "ええ、幸い、まだ見つかってません。まあ、飛鳥さんレベルに可愛い子が出てるAVっていうのはそうはないでしょうし",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "褒められて嬉しいんだけど、対象が対象なだけに、複雑です……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さんは困ったように苦笑すると、改めて部屋の中を見回した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、そっか……あたし、かずくんの部屋にいるんだよね、今\nえへへ……なんか、嬉しいな。特別になれた気がしちゃう",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いや、気がしちゃう、じゃなくて、特別になってるんですけどね、飛鳥さんは",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "少なくとも、恋人、という関係は、他と比べて充分特別だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……かずくん……あたしたち、今二人きり、だよね……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そんな俺の気持ちを正確に受け止めてか、飛鳥さんはちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめた。\nそして、何かを決めたかのように言ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それも、かずくんの、彼氏の部屋で二人きり……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "……飛鳥さん。俺もその、若い男なので、そういう欲望って実はすごいです",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "その意味するところは、俺にも充分理解できた。だからあえて尋ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、もしそれ以上を言っていいなら、本当に止められませんよ?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……かずくんは、求めてくれる?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "相手が飛鳥さんなら、何度でも",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だったら……かずくんの言葉で、求めてほしい……\nあたしも……待ってるから……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さん……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そんな飛鳥さんの気持ちを無碍にできるほど、俺はまだ落ちぶれてはいない。\nいや、そもそも、断れるはずがない。俺だって、同じことを願っているんだから。\nだからこそ俺は、真っ直ぐに飛鳥さんの視線を受け止めると、正面から言葉を返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたを、抱きたいです。今、ここで",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺の言葉、正直な想いを、ただ真っ直ぐに。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"飛鳥",
"和登"
] | 08_Impury | D337_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "これで、いい?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "俺の希望に応えるように、飛鳥さんは机に軽く腰掛けると、片足を椅子に乗せて持ち上げた。\nスカートの中がわずかに見えるけれども、まだだ。今はまだガマンだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さん、そういう格好似合いますね……なんだか、凄い押し倒したくなります",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "自分から見せるかのようなその体勢。本当に、今すぐにでも押し倒したくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それ、褒められてるのかなあ……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "当然。それくらいいい女、ってことですから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、見えちゃってる……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "少しだけ。でも、これから全部見れちゃうんだって思うと、すっごくドキドキします",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "飛鳥さんは、そんな俺の言葉に、やっぱり顔を赤らめながら言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かずくんだけだからね……あたしの全部が見られるの……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "前も言いましたけど、俺以外には見せませんよ……\nだから今日は、普段見られない飛鳥さんを……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "前、着替えを覗いてしまった時から気にはなっていた。出来るなら、また見てみたいって。\n俺は手を伸ばすと、そっと髪留めを解く。\nばさり、と音を立てて、飛鳥さんの長い髪が降りた。そこには飛鳥さんであって飛鳥さんでない、そんな少女が舞い降りている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……飛鳥さん、ストレート似合いますね……凄い美人……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そ、そうかなあ?走るのにちょっと邪魔だから……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いつもストレートでもいいんじゃないですか。確実に注目浴びますよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "じゃあ、やっぱりやらない。これは、かずくんのためだけの髪型にするから",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そう言われちゃうと、これも他の男に見せるのが勿体なくなります",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "ていうか、その言い方は本当にずるいと思う。他の奴に絶対に見せたくなくなるじゃないですか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ今日は、俺が脱がせる日で……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "だから今日は、俺が完全にリードする。飛鳥さんを、俺が俺の意思で、俺だけのものにする。\nベルトを外し、スカートを脱がせると、その下からはブルーの下着が姿を見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あははは……やっぱり恥ずかしいよう……かずくん相手じゃなかったら、あたし絶対恥ずかしさで死んじゃってる",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いや、本当に絶景ですね。一日中見てても飽きない",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "本当に、ずっとこのまま見ていたい気分だ。ていうか、出来ることなら俺の前ではずっとこのままでいてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなに見られてたら、あたしがガマンできなくなっちゃうって",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "けれども飛鳥さんは、そんな俺の希望を全開の羞恥ではね除ける。\nだったらまあ、仕方ない。せめてこの時だけでも存分に楽しませてもらうってことで……。\nそして今度は、上着のチャックを下ろし、左右に開く。押さえつけられていた膨らみが、本来の形をさらけ出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……なんか、一枚ずつ剥がされていくって恥ずかしいね……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "これから、もっと恥ずかしくなってもらうんですから……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は耳元でそう囁きながら、膨らみに手をやった。その大きさに、つい強く掴んでしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……かずくん……おっぱいの揉み方、ちょっと乱暴……",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "すみません。飛鳥さんの胸、強く揉んでも押し返してくるんで、それが気持ち良くて",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "俺は慌てて手を離すと、今度はそっと、円を描くように優しく揉みしだく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飛鳥さんの胸……凄くいいですよね",
"speaker": "和登"
}
] | [
"和登",
"飛鳥"
] | 08_Impury | D338h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "や、やっと落ち着いたな……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、ようやくだよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "研究所の一件から約一ヶ月後、俺と雅は自宅のリビングで、久々にまったりとした時間を過ごしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ最近、研究者やらマスコミやらで大騒ぎだったからな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうだね……まあ、かずくんの体が凄い事になっちゃったんだから、仕方ないけど……",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "あの日、敬吾の言葉に従い雅が俺の中に血を流し込み、俺はそれを受け入れた。\n一体何が起こるか一切の予想がつかない中、雅は最後まで俺の側で手を握り続け、俺はその手のぬくもりだけを頼りに意識を繋いだ。\n結果、あの場に警察を含めた様々な人達が踏み込んできた時には、俺は人間でも妖怪でも狭間の者でもない存在に変わってしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやぁ、まさか本当に新人類になっちゃうとはおもわなんだ……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "わ、私も、こんな事になるなんて想像出来なかったよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "正直な話、どうしてこのような現象が発生したのかは、今のところ皆目見当がつかないらしいが、狭間の者がこのような変化を遂げたのは歴史上初めてなのは確からしい。\nその為、事件が終わってからの一ヶ月間は本当に休まる暇もなく、身体検査やらインタビューやらを受け続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、でもおかげで妖力は安定、暴走の危険も無くなって万々歳だけどな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん、あの時はどうしようかと思ったけど、かずくんが無事で本当によかったよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ちなみに、研究者達がどうしてこのような現象が起こったのか分からないと首を捻る中、雅だけは愛の力だと譲らなかったことを補足しておこう。\nまあ、雅は俺を、俺は雅を、互いを信じているからこそ、あの時俺は助かった。そう思えば確かに愛の力と言えなくはない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少しだけ悔しいのが、結果的にあいつの理論が正しかった事を証明しちゃったことかな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう。狭間の者が人類の進化の過程であるという敬吾の理論は、皮肉な事に俺自身の体で証明されてしまった事になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ある意味で、かずくんの命の恩人だもんね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "すっごく複雑な気分だけどな……\nまあでも、あの人もまっとうな方法で研究を続けてたら、いつかたどり着いたかもしれないのにな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうだね。一人でがんばらず、私たちみたいに仲間を見つけて、間違いを止めてくれる友達がいれば良かったのにね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "許せないし、絶対に容認はできないけど、それでも少しだけ思う。違う出会いをしていればって",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "まあ、だから、今この瞬間、平和に雅といられることぐらいには、敬吾さんに感謝してもいいかなって思うよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そうだね、その部分だけは、私も同じ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "二人でソファーに座り、俺はふと考える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、これで妖力の暴走に怯えることも、定期的に研究所に通う事もなくなったわけだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "つまり、一緒にいられる時間が増えるってわけだね!",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "それは恋人同士としては嬉しい話だが、それだけではない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まっ、そういう事だ……それと、研究所に行ってた時には使えなかった時間を有効活用したいな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "なにか当てがあるの?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "今まで誰にも話していなかったが、雅にならいいだろうと、俺は自分の中の考えを話す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ちょっと、勉強をがんばってみようと思ってさ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "え?どうしたの急に?",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "いや、まだ思いつきの域を出ないんだけどさ。俺もやっぱり親父やお袋みたいに、研究者を目指してみようかなって思って\n自分自身を知りたいってのもそうなんだけど、敬吾さんの言ってた人類の進化について、自分なりに調べてみたいんだ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "……そっか、目標が決まったんだね",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "ああ。本気で研究者を目指すんなら、今から勉強しないとまずいからな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "じゃあ、私はそんな風にがんばるかずくんを支えるね\n横にいて、一緒に歩いて、それで何かあったら、私がかずくんを守るの",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "そう楽しそうに言う雅に、俺は優しく微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな……そうしてくれると助かる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "うん",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "きっと、長くて大変な道だけど、雅といっしょなら、どこまでも行ける気がするよ",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "私も、かずくんにだったら、どこまでもついていくよ",
"speaker": "雅"
},
{
"utterance": "はは、それじゃあ、とりあえず。今後もよろしくな、雅",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "もちろんだよ、かずくん",
"speaker": "雅"
}
] | [
"雅",
"和登"
] | 08_Impury | EPA_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "時計を見ると待ち合わせ時間まで、あと五分。\n念のため、周囲を見回せば、それらしい姿は見つからない。\nさすがに二度も同じことはしないだろう。そう自分に言い聞かせながら待ち続ける。\nそして、待ち合わせ時間まで、あと三分。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か~ずくん、おっ待たせ♪さあ誰だっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いや、お待たせも何もないでしょ、飛鳥さん!?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あはは。おはよ、かずくん。だけど、よく分かったよね、今ので",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "もし本気で分かるはずがないと思われてるなら、俺、どれだけ悪い彼氏だったんだろう……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "あああ、ごめんねごめんね。落ち込まないで。ちょっとした茶目っ気のつもりだったのっ\nえっと……そ、そうだ。はい、抱きしめてあげるから。むぎゅ~",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "……\n…………\n……………………\n…………………………………………\nって、幸せだけど死にますって!呼吸困難で!!",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "でも、このまま幸せに包まれていたい、と思ってしまうから危険なんだよなあ、飛鳥さんの胸。\nこれ、男を亡き者にするには紛れもなく最強の技だろ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こういう場合の死因も、腹上死っていうのかな?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "まあ、同じくらいに幸せな気はしますけれど……",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "それじゃあ、行こっ",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "飛鳥さんは、素早く俺の腕を取るとギュッと抱きしめる。久しぶりの飛鳥さんの体温が、俺の心に染み渡ってくる感じだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもさぁ、かずくん。あたしのお詫びって、本当にこれでいいの?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "嬉しそうに微笑みながら、だけどどこか不安そうに飛鳥さんが尋ねてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいって、何がです?",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "かずくんの気持ちを無視したお詫びにデート、だなんて、むしろあたしにはご褒美になっちゃうよ?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いいのいいの。俺にとっても、ちゃんとご褒美になってるわけですから\n両方にご褒美なお詫びって、素敵じゃないかな",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "今この腕にある温もりと柔らかさ。これ以上のご褒美がどこにあるというのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……そうだね。さすが、かずくん",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そんな俺の答えに、飛鳥さんは満足そうに笑ってくれた。\nさすがは飛鳥さん。今の言葉が冗談でもなんでもなく完璧に真実であることを理解してくれている。\nそれにまあ、こうしてるだけで俺の目的は果たされるわけだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、今日もちゃんと着てきてくれたんですね、その服。前、あんなに気にしてたから、ちょっと心配してました",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "むむ~……かずくんでしょ、可愛くて似合ってるって言ってくれたの\nあたしは、自分の恋人の言葉をちゃんと信じるんだからね。これで着てこなかったら、あたしがかずくん信じてないってことだもん",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "いやあ、実に恋人甲斐があります",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "少なくとも俺は、可愛くて似合ってる、という言葉を否定した覚えはない。\nむしろ自信を持っている。ていうか、普通の男だったら、この飛鳥さんに惚れないわけがない。\nだから俺は、満足そうに笑いながら、その先をつきつける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからまあ、今日はとりあえず島中を歩き回るつもりでいるので、よろしく",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "島を?あたしは別にいいけど、かずくんはそれでいいの?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "まあ、それが目的なわけなので\n俺と、俺の可愛い彼女の姿を、島中で記録させる",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "島中で……?",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "それで、自覚してもらうんで。誰が俺の恋人なのかってことを\nなので、よろしく",
"speaker": "和登"
},
{
"utterance": "そう。これこそが俺の本当の目的。もう二度とあんなことを出来ないように、する必要すら感じさせないように、この島中すべてを使って飛鳥さんに理解させる。\n俺が、この可愛いハーフの少女を手放す気がないってことを、心の底から分からせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あはは……また、凄いというのか、かずくんらしいというのか、何考えてんだこいつ、というのか……\nうん♪確かによろしくされました♪",
"speaker": "飛鳥"
},
{
"utterance": "そうして返ってきた答えは、この笑顔。\n俺の気持ちをすべて受け止め、理解して、その上で受け入れてくれた、その証。\nハーフの少女と狭間の者。中途半端な男女同士の、中途半端でない恋物語は、きっとこれからも続いていく。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"和登",
"飛鳥"
] | 08_Impury | EPD_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふー……やっぱり、鍛錬の後の風呂は最高だなあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "昼間の依頼を片付けた俺達は、そのまま城へと帰還。いつも通りの鍛錬を終え、風呂で汗を流す。\n本来なら、王族やそれに認められた人だけが入れる大浴場。俺達はそれを自由に使う権利を与えられ、こうして幸せを満喫している。\nなお、当然ながら混浴じゃない。男女別にはなっていないが、時間交替制にすることで、変な間違いなど起きないようにしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やはり、風呂はいいものですね。人間はこういったものをいきなり発明するので侮れません",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "まあ、こいつを除けばなんだけども。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、ブレイブギアだって、遥か昔の人間が作ったものだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "さあ、そのあたりは分かりかねます。私はオリジナルギアの中でもかなり後期に作られましたからね。最初に誰がギアを作ったのか、そんな知識は持ち合わせておりません\nま、そんな無駄な知識、まったくもって不必要ですが。いえ、アイスのおいしさとお風呂の気持ち良さ、まずはここからでしょう、ええ",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "ブレイブギアの存在理由を完全放棄してるだろ、その発言",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ブレイブギアのサポートAI、というわりにはちゃんと実体もあるし、妙に人間くさいし、本当に謎だよなあ、レイのやつ。\nそもそも、小さいとはいえ思い切り女の子の身体なんだし、一緒に入るのはダメだ、と何度も言ってるんだがまったく聞いてくれない。\n俺と繋がってるから、鍵かけても平然と瞬間移動でやってくるしなあ……。\nさすがに俺も諦めましたよ……まったく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しかしレイ……何度も言ってるけどな、せめてタオルで隠せ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ここまで完全にさらけ出されると、さすがに目のやり場に困る。人間じゃないんだ、サポートAIなんだ、って言い聞かせてもちょっと無理が……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、マスターは私の身体に興味がおありですか",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "そんな俺の心の葛藤を分かった上で、小悪魔っぽく笑みを浮かべるレイ。いや、まさしくそのまま小悪魔だよな、こいつ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私はマスターの所持品ですからね、マスターが好きにする権利があります\nふふ。なんでしたら、全部見てもいいんですよ。それこそ奥の奥……この最深部まで",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "いかにもな言い回しに、俺は湯船に浸かりながら溜息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "申し出はありがたいが、断らせてもらう\nそもそもだ、お前も女なら、もっと自分を大事にしろ。所持品だとか言うな。気軽に見せるな\n少なくとも俺は、お前をそんな風に見た憶えはない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "では、性処理用の玩具として見ていると……マスター、さすがにそれは私も引かざるを得ません\nこのサイズ相手というのは……私壊れてしまいます",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "俺はお前を、あくまでも仲間として見てる。それじゃダメか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あら……なんとも真面目なご回答",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "レイは少し驚いたように言うと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですが、仲間、という回答には満足いたしました",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "ニッコリと、本心からの笑顔を浮かべて見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そのように返されてしまっては、私も今以上にマスターに尽くさねばいけませんね\nマスターの更なる力となれるよう、全力を尽くしましょう",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "だったら、教えてほしいことがあるんだが",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なんなりと、マイマスター。私のすべてをさらけ出しましょう。どんなえっちな質問でもどんとこい",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "昼間言ってたフルドライブモードって奴なんだが",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "真面目な質問きてしまいましたかあ",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "俺の質問に、レイは起き上がるとふわりと浮き上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "昼間説明した通りではあるんですが……そうですね\nここはブレイブギアというものに関しまして、マスターでも分かるように細かくかみ砕いて分解し構成しなおして変換をかけて説明いたしましょう\nこの世界はエーテルと呼ばれる物体に満ちており、それをギアによって変換することで、様々な現象を発生させます\nブレイブギアは、そのエーテルを装着者自身の身体に直接流し込み、それによって装着者の身体能力を数倍にも引き上げます\nその際に、エーテルが身体を流れやすくするための『エーテル・サーキット』というものを構築するわけです。それが最初の承認となります",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "あの、エラー、とか出た時のことか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そのサーキットによってエーテルを効率よく使用できるようになるわけですが……それと引き換えに、エーテルの体内浸食も進みやすくなる……\nつまりは、エーテルによる負担が大きくなります。そのため、普段は適度なセーフティをかけさせていただいているわけですが\nそのセーフティを一時的に外し、100%の出力状態を発揮するモードを『フルドライブモード』と呼称しています",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "なるほど、まさしくすべてを出し切る全力モード!ってわけだな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ですが、セーフティを解除する以上、その負担は相当なものとなります。長時間の使用は不可能、とご理解下さい",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "デメリットがあってこその、まさに一発逆転必殺技か。いいね、まさしくヒーローのための技だろっ。燃えるぜ!\nで、その長時間ってのは、大体どれくらいなんだ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "マスターの、エーテル制御能力次第ですね。無論私もサポートしますが、それだけではどうにもなりません\nつまりは、マスターが私を上手く使いこなせるようになるほど、その時間は延長されると思って下さい。ちなみに現状ではよくて3秒程度かと",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "ちょっと待て。それ、ほとんど使えないってことじゃないのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。ですから、私をもっと手なずけ、虜にし、使いこなして下さいね",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "言って、楽しげに笑うレイ。けれどその笑顔の奥には、俺への信頼や期待のようなものが感じられる気がした。\nだったらまあ、応えるしかないな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、任せとけ。今までのどのマスターよりも上手く、お前を使いこなしてやるぜ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その言葉、証明してみせて下さいね",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "レイはそのまま俺の肩に乗ると、頬に、軽い口づけをくれた。\n勝利の女神の口づけ、っていうべきなのかもな、これも。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"レイ"
] | 09_Sekai | 0203_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふわぁ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "今日は朝から依頼もなく暇だった。鍛錬をしようかとも思ったけれど、あれはやりすぎると逆効果だ。決まった時間に決まった量のが望ましい。\n結果、こうして部屋のベッドで寝転がっていたら、最大の敵睡魔に襲われ、こうして激しい戦いを繰り広げている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あー……これはやばいなぁ、かなり劣勢だ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "このままボーっとしていたら、間違いない、負ける……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、動こう!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、そんな睡魔に立ち向かうため、強引に立ち上がった。とりあえずは何かやることが必要だ。図書室で、何か面白そうな本でも借りてこよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……やっと仕事も一段落つきました……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "堅苦しい正装から私服へと着替え、ルミネは休憩時間をブラブラと城内散歩に使っていた。\nアウロラは研究で忙しい。灯やシエル、ルナも交えてお茶会でも、と思ったのだがルナは訓練に、灯とシエルは街の方へと出かけてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "小説の方も、最近は今一ついいセリフが浮かばなくて進みませんし……ぽっかりと時間が空いてしまいました……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "時折、すれ違うメイド達が立ち止まり頭を下げる。何かいい時間潰しはないかと考え……そして気がつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。こういう時こそ、アラタさまとお話しですね♪",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "途端に軽くなった足取りで、ルミネは新の部屋へと歩き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま、失礼いたします……ね?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "数回のノックに返答はなかった。ルミネはそっと扉を開くと、中の様子を伺うように声をかける。\nけれどもそこに新の姿は存在しなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……こちらも外してしまいましたか……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "部屋の中へと入りながら、ルミネはガックリと肩を落とす。\n今日は朝からタイミングが悪い。どうやらそういう日のようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも、ここがアラタさまのお部屋……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "よく考えてみれば、最初の召喚の時に少し見せてもらっただけで、この部屋をじっくり見たことはなかった気がする。\n乙女の探究心、とでもいうべきか、ルミネの中でちょっとした好奇心が湧いた。\nベッドの上へとちょこんと座り、部屋の中をキョロキョロ見回していく。\nここで普段新は寝ているのだ、そう考えただけで顔が赤らんでしまうのは、さすがに少し意識しすぎというものか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここで毎晩、アラタさまが……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "とはいえ……。\n陶酔したような表情で呟くルミネが、そのままぽてん、と横になったのは、周囲を意識しなさすぎ、というべきだろうか。\nここの図書室は、ルミネの影響か、勇者が活躍する冒険譚がかなり充実している。\n俺はそこから面白そうなものを数冊借りて、自分の部屋へと戻っていく。\nヒーローを目指す者として、やっぱり王道勇者ものっていうのは大事だと思うわけだ。というか、燃える。\nこれを読んで眠くなる、なんていうことは流石に考えられない。\n俺も、こんな物語の一つになれるような、そんな活躍をしてみたいもんだ。\nそんなことを考えながら、俺は戻ってきた部屋の扉を開け、\nそのまま言葉を失った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すー……すー……すぴぃ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "俺のベッドの上で、安らかに眠っている美少女。それは紛れもない姫さまで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こういう場合、やっぱり起こさないとまずいんだろうなあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "一国のお姫さまが、男の部屋で寝てるというのは、やっぱりイメージ的にもまずいんじゃないかと思ったり。\nとはいえ、起こすにはちょっと気持ちよさげなんだよな。\n普段の公務で疲れてるんだろうし、少しくらいは休ませてあげたいとも思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、可愛い顔で寝ちゃってまあ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でへへっ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "…………前言撤回",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その口から唐突にこぼれた声が、俺の穏やかな気持ちを一瞬で吹き飛ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ、えへへ……そんなぁ、だめですよぉ……\nご褒美はぁ、お姫さまのぉ……えへぇ~……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "本当にどんな夢みてるんだ、これ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、放置しておいたらやっぱりまずい……よなあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "このまま見てるのも面白いんじゃないか、と思わなくもないけれど、なんか精神衛生上よくない気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "仕方ない、起こすか……おーい、姫さまー",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "むにゃ……?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "呼びかけながら、小さめに身体を揺り動かすこと三十秒ほど。姫さまの目が、ゆっくりと開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、起きたか。大丈夫かー、姫さまー",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んう?……えっと……あれ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "寝ぼけているのか、ぼーっとした視線で俺を見上げる。\nそのままゆっくりと視線をさ迷わせ……、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、アラタさま!?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ようやく状況を把握したらしい、恥じらいに満ちた悲鳴が、室内に響き渡った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これはその……\nえっと、あの、ですから……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "どうやら懸命に理由を探しているようだが、これはさすがに無理じゃないかなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そうですっ。わたし今、瞬間移動の魔法を……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そんな慌てふためく姫さまを、俺はただ、微笑ましく見つめていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 0207_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "昼過ぎ頃になって、無性に外の空気を吸いたくなってくる。\n物語自体は面白いんだが、やっぱりずっと読み続けてると、ちょっと飽きてくるな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "軽く気張らしでも行ってくるか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう考え、大通りをブラブラと歩いてみた。\nさすがは王都、驚くくらいの人達がひしめいている。俺は、そんな人達にぶつからないよう気をつけながら、のんびりとした足取りで進む。\n考えてみれば、こんな風にゆっくりとこの街を散策したのは初めてかもしれない。\n周囲をじっくりと見回しながら歩けば、\nそこに、見覚えのある姿があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、新くんだ。新くんもお散歩?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯?ああ、そういえば街に出てたんだったな。まあ、暇つぶしみたいなもんだよ\nシエルと一緒だったんじゃないのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "シエルちゃん、エアリーさんから緊急のヘルプ頼まれて行っちゃったんだ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "なんか、便利道具扱いされてないか?シエル",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あはは……でも、本人は喜んでるからねえ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "それが更にやばいような気がするんだけどもなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあいいか。んじゃ、灯は今暇なんだよな?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん。ヒマヒマ星人です。だからとっても新くんに構ってほしいヒマヒマ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あー、はいはいヒマヒマ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は妙な灯の口調に苦笑しつつ、一緒に歩き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "相変わらず凄いな、ここ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "王都でもっとも賑やかであろう中央市場。その熱気に、俺は思わず一歩引いてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、安売り商店街?みたいな場所だからね、ここ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "王都には、普通の店も当然ある。だがここは、灯も言った通りまさしく安売り商店街。様々な品物が、通常の店よりもかなり安く購入できる。\nとはいえ、安いからこそ激戦区。常に大勢の客で賑わっているため、ここでいいものを買うにはそれなりの覚悟が必要。\nぶっちゃけ、スーパーの朝市お母さまバリヤーの中に突入できるか、というものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、この時間なら大分落ち着いた方じゃないかな。午前中とか、本当に戦争だし",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の言う通り、一部の人気店を除いてはそこそこの落ち着きが見える。中には、店主が暇そうにしている店すらあった。\n俺と灯は、混雑している店の周辺をあえて外し、比較的空いている店を覗いていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ……ギアも売ってるんだな。これは……電灯みたいなもんか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん。日常用の、簡単なものなら普通に買えるんだって。まあ、ちょっぴり高いけどね",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ま、そりゃ仕方ないだろうなあ。使い捨てじゃないわけだし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "さすがに攻撃呪文のギアなんかはこういう市場では売っていない。専門の店で、ちゃんとした身分証明をしないと購入できない。\nもし街中で使われたりしたら大惨事だもんな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちのアクセサリーって、なんかこってるの多いよね",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "いくつかの店を回り、小さなアクセサリーを売ってる店を見つける。\n向こうの世界のものとは材質もデザインも違っていて、なんだか面白い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ……これ綺麗……わわっ、こっちは可愛いよ~",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "やっぱり女の子というべきか。灯はそこに並んだ商品を見て、きゃあきゃあ騒いでいる。\nそして、中でも特に気に入ったのか、端の方に置かれていた銀色のペンダントを灯は手に取った。\nちょっとふるぼけた感じのする、だけど決して派手すぎない、灯に似合いそうなペンダント。灯はそれを、どこかうっとりしたような顔で眺めていた。\n……金額的には決して高くない。というかむしろ安い。勇者稼業で、ある程度稼いでる身からすれば、問題無く買える値段だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "確かに、灯に似合いそうだな。買っちゃったらどうだ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう勧める俺に、けれど灯は苦笑しながら小さく首を振る。こういう時の灯はあれだ。自分にはこんなの似合わない、そう思ってるな。\n灯の奴、結構可愛いくせに、自分にあまり自信持ってないから、こんな時は一歩も二歩も引いてしまう悪いクセがある。\n……仕方ないな。こんな灯の姿を見て放っておくとか、さすがにありえない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "親父さん、これもらえるか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え?新くん?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺は灯の手からそのペンダントを取り上げると、親父に値札ピッタリの金を渡す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、灯にはいつも迷惑かけてきたからな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "照れくさいのをガマンしながら、それをそっと灯の首にかけてやった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……だけど……いいの……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "むしろ、頼むから受け取ってくれ。これで突き返されたりしたら、明日から恥ずかしくて外歩けない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新くん…………うん。ありがとう♪",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯は少し迷って、けれど俺の気持ちを受け取ってくれて、満面の笑顔を浮かべてくれた。\nまあ、こんな笑顔がもらえるのなら、送った甲斐はあったよな。\nむしろ、お釣りがくるくらいだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 0208_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "はあ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯は、少なくとも、この一時間で25回目の溜息をついた。\nおよそ二分ちょっとで一回の割合。さすがにこれは多いんじゃないかと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "灯、どうかしたのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え?あ、ううん。ごめんなさい。別になんでもないから",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あはは、と慌てて笑顔を浮かべながら、両手をぶんぶんふって否定する灯。間違いなく、何かありました、と言っている。\nまあ、その理由もなんとなくは想像がついている。はっきり言うなら、ホームシックだ。\nこっちの世界にやってきて、もう数週間。最初は物珍しさや好奇心、ノリと勢いでごまかしていたかもしれないけれど、慣れてしまえばそうもいかない。\n心の奥底に押し込んでいたはずのそれが、表へと出始める。正直、そろそろかな、とは思っていた。\n灯は、子供の頃の経験のせいで、こう見えて結構忍耐強い。だから必死にガマンして隠そうとしているんだろうけれど、この様子を見ればバレバレだ。\n元の世界への帰還方法は、残念ながらまだ見付かっていない。様々な文献を調べたり、召喚の儀式の再構築や、新しいギアの製造案なんかも出してくれてるようだけれど。\n俺も灯も、この世界を嫌っているわけじゃない。むしろ楽しい場所だ。けれど、それでも故郷とはやっぱり違う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……やっぱり、気晴らしに騒ぐのが一番だよな、こういう時は……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は小さく呟くと、椅子から立ち上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "丁度、ハーブを採ってきてくれって依頼がある。気分転換にもなるし、外の空気吸いに行こうぜ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え?あ、新くん?あの、ご、ごーいんだよ?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺は灯の手を取ると強引に立たせ、そのまま引っ張るようにして部屋を飛び出した。\n深く考えたって仕方ない。まずは寂しいのを忘れるくらいに動くことだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、ハーブ採りにいくんだよね?場所とかは分かってるのかな?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ああ、森のちょっと奥の方らしい\n別に危険、というわけじゃないんだが、歩くと少し距離あるから、念には念を入れてってことで依頼を出したそうだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん、そうだよね。森の中なんて、獣でも魔物でも、いつ出たっておかしくないし",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "まあ、出たところで俺にとっては大した相手じゃないからな。ピクニック気分でのんびり行こう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんな会話を続けながら、俺達は森へと足を踏み入れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……草木の香りがいっぱいだぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "思わず、そんな声をあげる灯。\n木漏れ日に照らされる道は明るく、吹き抜ける風に草木がざわめき、その香りを広げていく。それはまるで、香りのシャワーの中にいるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ホントに凄いな。身体の中から浄化されていくような気分だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ずっと思ってたけど、やっぱりこっちは自然が多くていいよね。近くに、大きな湖もあるっていうし",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ああ、この森を抜けた先にあるらしいな。魔物も出ないから、暑い時とか泳ぎに行くこともあるらしいぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "よし、新くんっ。私を肩車!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "えーと、なぜに?俺にはその思考回路が理解できなかったんだが……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "この森ちょっと高台だし、肩車してもらえば視線が高くなるよね。そうすれば風景も変わるし、もしかしたらその湖も見えるかも",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "いや、さすがにそれは無理だろ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "高台たって、山や丘みたいになってるわけでもなし、そもそもこれだけの樹だ。肩車くらいじゃどうにも……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。何事も挑戦だよ、新くん",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "思わず嘆息してしまった俺だが、灯の楽しげなその声に、まあいいか、と苦笑する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな。もしかしたら見えるかもしれないし、やってみるか\nそれっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、灯の足の間に頭を入れると、一気に立ち上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ、こんなに高いよ。やっぱり背が高いっていいなあ、憧れちゃう",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "頭の上から聞こえる灯の声。俺は頭を両側から挟み込む太ももの感触に少し顔が赤らむが、俺は慌ててその邪心を吹き飛ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、どうだ。何かいいもの見えるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うーん……はあ……残念だけど、やっぱり見えないなあ、湖",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "本気で言っていたのか、心底残念そうな灯の声。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だったら、直接見に行くか。みんな誘ってさ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、うん、そうだね。みんなで遊びにいけばいいんだ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "その光景を想像してか、楽しげに笑う灯を肩に乗せたまま、俺は森の道を歩いていく。\n寂しさを吹き飛ばしてくれる楽しさ。この世界にはそれがたくさんあることを自覚しながら。\nそして、そんな喜びが、俺にその言葉を言わせてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でもこれ……結構いい足腰の鍛錬になるな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新くん、それどういう意味かな……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "心臓に突き刺さるような、冷たい言葉がジト目と共に降ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "同時に、俺の笑顔も固まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私が重いっていうことかな?太っているってことかな?肩車してるとそのまま地面に沈み込んで動けなくなりそうっていうことかな?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そ、そこまでは言ってないぞ、さすがにっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "慌てて否定する俺の言葉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "胸もないくせに重さだけは超一流だこのデブ、ってことかな♪",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "だが、知ったことじゃないとばかりに更に笑顔の言葉が襲い掛かる。もっとも、その笑顔には間違いなく青筋が浮かんでいることだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えーとですねえ……そういう意味ではなくてその……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "さて、ヒーローとしての生き方を目指してから間違いなく最大のピンチ。俺はどうやってこのピンチを乗り切ればいいでしょう。\nというか、乗り切る方法あるのか、これ?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "新くん♪答えてほしいな♪",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あ、うん、分かった。ないわこれ、そんな方法。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 0215_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "代行者についてもう少し調べられないかと思い図書室に来てみれば、そこにはアウロラの姿があった。\n白衣を纏っているということは研究者モードみたいだけれど、何を調べてるんだ?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラ、調べ物か?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の呼びかけに、アウロラは読んでた本から顔を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタじゃない。ルミネたちとの話は終わったの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ああ、終わった。てか、それを知ってるってことは、アウロラが今読んでる本って……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ええ、勇者の歴史に関するやつよ。代行者とやらに関して、少しでも分からないかと思ってね\nルミネたちも、できるかぎりの書物で調べたみたいだけど、人によっては感じ方とか変わるじゃない。だから、あたし的にも調べてみようと思って",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "なるほどな。確かに、他の人ならスルーしても、研究者としてのアウロラの視点からなら、何か感じるものがあるかもしれない\nそれで、何か分かったか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うーん、正直言うとこれっていうのはないわね。まあ、気になることがないわけでもないんだけど……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "と、いうと?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その前に一つ聞きたいんだけど、ブレイブギア……レイは、代行者と会ったことってあるのかしら?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "さっき聞いたかぎりじゃ、知らないって言ってたな。データにすらも入ってないって。まあ、これは意図的に与えられてない可能性があるって言ってたが",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なるほどね。じゃあ、レイの前の世代の対魔王ギアってことね……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは少し考え、そして俺を見た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かってると思うけれど、勇者は高い身体能力を持っている。そして、代行者はそんな勇者に対抗できる力を持っている\nなら、その勇者が持っているギアに対抗できる力はなんなのかしら",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "……勇者が魔王に対して強力なギアを持つように、代行者も勇者に対抗できるギアを持っている……ってことか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ええ。なので、そういうギアに関する何かがないかなー、なんて思って調べてたのよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "代行者本人でなく、その代行者が持っているだろうギアについての調査。確かに、研究者であるアウロラならではの視点だ。\n代行者に関してのデータがなかった以上、レイに聞いたとしても多分無駄だろう。ギアのデータだけを持っているとは思えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、そういうことなら俺も手伝おう。確かに、代行者に関しては調べてもギアに関しては見逃されてた可能性高いしな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だからといって、何か情報が得られるとは限らないわよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "分かってるって。んじゃ、それっぽい本を探してみますかね",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、伝承や神話関係の本を求めて、大量の本棚との格闘を始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "読み終わった本を閉じて、疲れたように息を吐く。そのまま眉根を軽く揉みほぐした。\nあれから数時間、それなりの数の本を漁ったものの、これといった成果はない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラの方はどうだ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "残念ながら、ね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラはそう言いながら肩をすくめ、そして本を閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがは勇者を倒すための存在、というところかしら。情報の隠蔽もしっかりしてるみたいね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "人類にとっての希望であるはずの勇者。それを倒す、倒せる存在がいるというのは人類にとってもいい話じゃない。\nだとすれば、できるかぎりその情報が残らないように隠蔽するのが普通だろう。\nとはいえ、人の口に戸は立てられない。細かい部分はともかく、存在そのものは残ってしまったようだけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、今日はこのあたりで切り上げるか。もう誰もいないし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "本を片付けようと立ち上がりながら室内を見回せば、俺とアウロラ以外に誰も残っていなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうね、あんまり根を詰めても、逆に見逃しちゃったりするし",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラも、同じように本を片付けるため立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、不思議よね。勇者を倒す存在だなんて、誰が生み出したのかしら……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そこだよな。勇者を倒したいと思う存在といえば魔王なんだろうけれど、ルナの話じゃ、役目を果たさない勇者を排除する存在、ってことだしな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "役目を果たさない、つまりは勇者として戦わない。それはむしろ、魔王にとっては願ったり叶ったりのはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ。そう考えると、やっぱり人間側の誰か、としか思えないのよね。戦わない勇者に業を煮やして……\nでも、人類が勇者を倒せるような存在を生み出せるとも思わないし……勇者に対抗できる人類なんて、勇者しかいないんじゃない?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんなアウロラの言葉に、俺はふと思いつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど、その可能性があるか。つまり、代行者の正体は、勇者の亡霊である、と",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は?あんた何言ってるの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "役目を果たせずに死んでしまった勇者が、役目を果たして幸せな勇者に嫉妬して生み出した、とかだったらどうだ\nああ、いや待てよ?それならむしろ……その勇者の亡霊そのものが、嫉妬して現れてるとか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ち、ちょっとやめてよっ。そ、そんな非科学的な話っ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "いや、ギアなんて魔法が存在する世界で非科学的とか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "い、いるわけないでしょ亡霊なんて!なんといっても亡霊なのよ!そ、そそそそんな、あああありえないから!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺としては軽い思いつきのつもりだったんだけれども、思った以上にアウロラの食いつきが凄い。凄いというか、慌ててる?\nいつもと雰囲気の違うアウロラの姿に、俺はちょっとだけいたずらをしてみたくなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど……ということはだ、その代行者に殺された勇者の怨念なんかが、この城に残ってたりするかもな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "わざと押し殺し気味な声で言う俺。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばばばばっかじゃないの!そんな怨念なんて……!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その声に過剰反応したアウロラは、全力で腕を振り、その腕が、机の上に詰まれていた本を横から叩いた。\nドドンッ!!バサッ、バサアッ!!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあああああああああああああああ!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "それなりに厚みのある本が一斉に崩れ落ち、かなりの音が周囲に響く。同時に、やたらと可愛らしい悲鳴をあげて、アウロラが思い切り俺の腕に抱きついてきた。\nそのまま、尋常でない力で抱きしめてくるため、その柔らかい物体が全力で俺の腕へと押し付けられる。うわ、なんだこの感触っ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやあ!!こないで!祟らないで!呪わないでー!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "涙すら浮かべて、本気で叫ぶアウロラ。なんというか、こういうの苦手な人だったのか、アウロラは。\nむしろ全然大丈夫バッチコーイ、なタイプと思っていただけに驚きだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願いします!なんでもします!脱ぎます!だからやめてー!あっちいってー!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ガクガクと震えながら、もはや錯乱状態レベルのアウロラ。いや、ここまでの反応をするとは思ってなかった。\nうん。実に新鮮で、可愛さすら感じるな、このアウロラは。なんかもうちょっと怖がらせてみたくなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おい、アウロラ?お前、後ろ……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "きゃあああああああああああああああ!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "視線をアウロラの背後へ送りながら、呆然とした表情を作り言った俺。瞬間的に、アウロラの悲鳴が再び迸り……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぎゃああああああああああああ!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは、俺の腕を全力で抱きしめると、そのままあらぬ方へと捻っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すとっぷ!すとーっぷだ、アウロラ!まじでこれはヤバイ!関節は勘弁!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "必死に宥める俺の声をアウロラが認識してくれるようになるまで数分間。俺はまさに地獄を味わっていた……。\nやっぱり、ヒーローたる者、こういうことをしたらダメだな……。\n本を崩したのはアウロラ自身だとはいえ、からかおうとしたのは本当に申し訳無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、落ち着けアウロラ!机の上の本が崩れただけだからっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺はアウロラの頭を撫でながら、落ち着かせようと声を荒げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、ほんとだ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "崩れた本を指さしながらの俺の必死な訴えに、アウロラはどうにか落ち着きを取り戻してくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よかった……本当に、幽霊が部屋にいるのかと……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "崩れた本の山を見て、どうにか状況を理解したらしい。アウロラは心の底から安堵したように言葉を搾り出した……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……やっぱり怖かった……とか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うう……し、仕方ないじゃない……怖いものは怖いんだから……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ああいや、その通りだと思うぞ。誰にだって怖いものの一つや二つはあるわけだしな、そんな恥ずかしがる必要もないだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ほんと?ほんとにそう思ってる……?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ああ、本当だ。こういうのは理屈じゃないからな。だからその……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、俺の腕を間に挟んでいる二つの丘にチラリ目をやり、言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それを解放してくれると助かるかな、なんて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "にゃうっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺の言うところを正しく理解したアウロラの顔が、ぼん、と赤くなる。けれどもその腕は離れてくれようとしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、アウロラ……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あうう……そ、その、ね……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "視線を俯かせながら、可愛らしく、恥ずかしそうに口を開くアウロラ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、腕がこわばっちゃって……動かない……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "いや、どんだけ緊張してたんだよ、本当に……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラらしいというべきか、それともらしくないというべきか。そんなエルフの少女の姿に、俺は苦笑するしかできなかった。\nまあ、普段と違う可愛らしい姿が見れたという点では、ありがとうございました、というべきかもな。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 0221_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "その日は体力を回復させるため、魔王城へ泊まっていくことにした。\nブレイブギアの回復促進力とシエルの治癒魔法でだいぶ回復はしたけど、今日のアレはちょっと無茶しすぎだった。\nそれに、シエルとふたりだけでゆっくり過ごしたかったし……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……は、はううう",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "でも、さっきからシエルは照れてしまって、中々こっちを見てくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はう!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "声をかけるとシエルは耳と尻尾をびくんと反応させて、慌てて距離をとってしまう。\nでも、少し離れると尻尾が嬉しそうにぱたぱた揺れるんだよな。\n名前を呼ぶだけで喜んでくれてるってのはそれでわかるんだけど……そろそろ、もうちょっとくっつきたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル、こっち向いてくれよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "う、うう……だ、だって……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そんなに恥ずかしそうにしてても、尻尾が嬉しそうだぞー",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……はっ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ほーら。今だってパタパタしてるじゃないか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "う、ううう……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "恥ずかしさのあまり、ぱたぱた動き続ける尻尾を恥ずかしそうにぎゅうっと抱きしめるシエル。\nそんな仕種がまた余計に可愛くてたまらないと思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなことしてたら、余計に可愛いだけだぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "か、からかわないでくださいー!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "抱きしめられた尻尾がまたぱたぱた動く。\n嬉しくてたまらないと全身で伝えているみたいで、それだけで一層愛しさがあふれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっち向いてくれよ、シエル。そろそろちゃんと顔が見たい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "う、う……わ、わかりました……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ようやく観念したのか、シエルは尻尾を抱きしめるのをやめてそっと俺に近付いて来た。\nでも、この微妙な距離感が、なんとなく寂しいし、もっとくっつきたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なあ、シエル……せっかくお互いの気持ちがわかって、今はふたりきりなんだしさ……その、もっとシエルとくっつきたい\nそれに気持ちだけじゃなくて、身体も繋がりたいっていうか、その……あれだ。今のこの距離じゃ足りない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、ああ、あの……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "思い切って自分の気持ちを素直に伝えると、シエルは真っ赤になってしまった。\nだけど、さっきより距離を縮めて俺に身体を擦り寄せてじっと見つめてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、私も……アラタさんともっと一緒にいたいです。それに、ぎゅうってしてもらいたい……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "うん……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……うふふふ。アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、だけどはっきり伝えてくれたシエルの身体を抱きしめる。\n抱きしめられたシエルは嬉しそうに俺に抱き着き、素直に身体を擦り寄せてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぎゅうって……気持ちいいです。ふふふ……アラタさんのにおいがします",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "うん。シエルとこうしてると気持ちいい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "気持ちいいの一緒ですね",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "抱きしめられながら、シエルがパタパタ尻尾を揺らす。\n無防備に身体を擦り寄せられると、その身体の感触に鼓動が速くなってしまう。\nそれに、こんな風にしながら気持ちいいなんて言われると……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "どうしたんですか、アラタさん?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "あ、いや。あの、ひとつ気になることに気付いてしまってだな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "気になること……ですか",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "不思議そうに俺を見つめてシエルが首を傾げている。\n無防備この上ない。いや、無知そのものの表情。その表情を見つめて更に気になってしまうこと。\nそれは、シエルが男女の営みのアレコレを知っているのだろうかということだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル、その……いきなりこんなこと聞くのもなんだけど、キスって知ってるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "きす……ですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "えっと、さっき俺とした唇をくっつけるやつ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ!さっきのアレですか?あの、最初はビックリしましたけど、途中から気持ちよくなりました",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "さっきの感触を思い出したのか少し頬を染めて、嬉しそうに微笑みながらシエルは答える。\nこの様子じゃ……シエルは何も知らないに違いない。\nつーか!こんな純粋な娘に身体も繋がりたいとか、なんてことを言ってしまったんだ俺!!!\nこのままコトに進んじゃったら、知らない間に色々しちゃうみたいな感じになるところだったのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あれ?あの、アラタさん、どうしたんですか?わ、私何かヘンなこと言っちゃったんですか?ご、ごめんなさい!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "あ、あ!違う違う。シエルのせいじゃないんだ!俺が悪いんだよ。だからそんな顔するな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "耳と尻尾を寝かせて申し訳なさそうに謝るシエルを慌てて抱きしめ、頭を撫でてやる。\n少しだけ元気になったのか、耳はすぐに元に戻って尻尾もパタパタ揺れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、私……アラタさんがしたいことなら、なんでも受け入れられます。だから、もっと色んなこと教えてください",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエル……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "私、アラタさんとだったらなんでもできる気がするんです。だから……私の知らないこと、いっぱい教えて欲しいです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "じっと俺を見つめてそう言うシエルは、心から俺を信じている表情だった。\n今まで、これほどまでに俺を信じて、すべてを委ねてくれた子がいるだろうか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル、本当にいいんだな?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。アラタさんに全部教えて欲しいです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "あまりの甲斐甲斐しさに、これ以上自分を抑えることはできないと感じた。\nだけど怖がることや嫌がることはしたくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるべく優しくするから……シエルの全部を、俺にくれるかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。アラタさんにもらって欲しいです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ありがとう、シエル",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "しっかりと頷いたシエルを抱き上げ、そのままベッドへと運んで行く。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"新"
] | 09_Sekai | 1305_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ベッドの上に座ったシエルは不安げに俺を見つめていた。\n初めてのことに、どうすればいいのかわからないんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、アラタさん、私はこれからどうすれば……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ。全部、俺が教えてあげるから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい。アラタさんのこと、信じてます",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "健気にそう言うのだが、その表情はやっぱりまだ不安そうなままだ。\nそんな不安を和らげてあげようと、シエルの髪や耳、頬や首筋をそっと撫でてあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "くすぐったい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっとだけ。でも、撫でてもらうの、気持ちいい……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "不安そうだった顔が少しずつ落ち着いていく。\nその表情を見つめ、頬を撫でたままゆっくり顔を近付けると、シエルもそっと目を閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んんっ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "唇を重ね、触れるだけのキスを何度も繰り返す。\nシエルも自分から唇を押し付け、互いの唇の感触を何度も伝え合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ん……はあ、あ……アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "うん……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "唇が触れる度にシエルの身体から少しずつ力が抜けていくのがわかる。\nそのシエルの頬や身体を撫でながら、何度もキスをし、舌先でゆっくり唇の隙間を開かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……んっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "初めての感触に驚いたようなシエルだったが、舌先を絡ませ音を立てて動かすと徐々に力が抜け始めた。\n気持ちいいのだろうかと強く舌先を吸い上げると、シエルの身体がびくりと反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……んっ!ん、アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエル、ん……もっと、いい……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もっと……?ん、いい……です",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "繰り返される口付けの感触にうっとりしながら、シエルは素直に頷いてくれた。\nそのまま、手のひらをそっと動かして服の上から胸を揉む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!ん、んっ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "柔らかな感触をじっくり確かめるように胸を揉み続けると、シエルは小さく震える。\nだけど、恥ずかしがっているのか声を出さず、ぎゅっと唇を噛むようにして口を閉じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル、声出していいんだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だ、だって……なんだか、は、恥ずかしいです。あ、んぅ!こんな風に触られたこと、ないから……あっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "軽く唇を重ねて、何度も胸を揉む。\nそれでもやっぱり緊張は中々和らがず、シエルはますます身体を硬くしてしまうばかりだった。\nだけど、もっともっとシエルを感じたいと欲張りになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ以上はだめ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……だ、ダメじゃ、ないです……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "じゃあ、もっと……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "胸元を曝け出させると、シエルは顔を真っ赤にして視線をそらしてしまった。\nだけど、目の前に現れたふたつの柔らかそうな膨らみは魅力的で仕方がない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "キレイだよ、シエル……すごくキレイだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そんなこと言われても、どうしたらいいのか……と、とっても恥ずかしいです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルは何もしなくていいんだよ。ただ、俺のことを全部受け入れて欲しい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさんを全部……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そう、ゆっくりでいいから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう言いながら手のひらをそっと伸ばし、直接胸に触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あ、んっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "さっきまでと触れられる感触が違うのか、シエルが敏感に反応して声を出した。\nそのまま、柔らかな感触を下から持ち上げるように揉みしだく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……ふぁあ、あ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "下から持ち上げ、円を描くようにしながら胸を揉み続けると、シエルは何度も震えて声をあげる。\nその声をもっと聞きたくて胸を揺らして揉み続け、時々乳首を指先で弾いてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!ふぁあ、あっん、ん!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "摘み上げた乳首は刺激を受ける度に硬くなり、シエルの声もどんどん大きく甘くなっていく。\nその反応と甘い声を楽しみながら、何度も胸を揉み乳首を摘んでやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はあ、はあ……アラタさん、なんだか身体が、ヘンな感じがします……!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ヘンじゃないよ。すごく可愛い",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そんなこと……言われたら……あぁっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "まるで言葉にも反応するようにシエルが震える。\nそれに、こんなに可愛いシエルの姿を見ていたら、これだけで終わらせるなんてのは無理だ。\nもっともっと、この先を望みたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……アラタさん、おしまい……?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "手のひらを離してじっと見つめると、とろんとした表情で見つめられる。\nその表情すら可愛くて、やっぱりもっとシエルが欲しくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おしまいじゃないよ。次はもっと別のこと……大丈夫?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん、ドキドキするけど、大丈夫です",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "じゃあ、今度はこうして……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え……あ、ああの!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "優しく身体を支えながら、ベッドの上でシエルを四つんばいにさせる。\n不安げな表情を和らげるために頬や髪を撫でてみるけど、シエルの表情は変わらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、このままでいいんですか?あの、じっとしていればいいんですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ。じっとしててくれれば、それでいいから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい。わかりました\nひゃん!!!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "じっとしているシエルのスカートを勢いよく脱がす。\nすると驚きすぎたのか、尻尾を大きく膨らませてしまった。\nあまりにわかりやすい反応に思わず苦笑するしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、な、なななな、何をするんですかアラタさん!!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "いや、何って……これからすることにスカートは必要ないから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だ、だからってこんなことするなんて!!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "じゃあ、俺がスカートの中に潜り込む方が良かった?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、それはそれで困ります!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "じゃあ、これでいいんじゃないかな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "驚き震えているシエルだったけど、その下着を見ると薄っすらと濡れ始めているのがわかる。\nその濡れた部分へ、そっと指を這わせて触れてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ここ、もう濡れてる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そんなの、知らないです……!だ、だって、身体が勝手に……あっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "濡れた秘部を指先で軽く突くと、シエルが身体を震わせる。\nしかも、指先を動かす度に秘部はひくつき、奥から更に愛液があふれだして下着を濡らして行く。\n伝わる感触が気持ちいいのか尻尾はへにょっと寝てしまい、その様子や仕種、声に俺の興奮が高まっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……そんなところ、触っても、あ、ああっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "触られるの嫌?嫌ならやめるよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んんっ……い、嫌っていうか、き、気持ちいいけど、なんだか恥ずかしくて……ドキドキして……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "嫌じゃないなら、このままじっとしててくれるかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "わ、わかりました。アラタさんに、全部教えて欲しいから……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ、それじゃあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "指先をそっと動かして、下着の上から何度も秘部を撫でる。\nじんわりと濡れた下着の上から刺激を続けると、その奥から更に愛液があふれだしてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……!は、んぅう……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "初めての刺激にシエルは全身を震わせて感じている。\n甘い声を漏らして震える姿に俺の興奮は増し、秘部へ刺激を与えるだけで身体が熱くなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、アラタさん……わ、私の身体ヘンです……。だ、だって、こんなに全部熱くて……溶けちゃいそうで……\nこ、こんなこと、初めて……ひぁあっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "割れ目の上で指先を往復させ、時々クリトリスを探り当てて軽く擦ってみる。\n一瞬大きくなった刺激にシエルは素直に身体を反応させ、更に愛液を増やしていた。\nぐっしょり濡れた下着を見ていると、やっぱり直接触りたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと、じっとしてて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、ああ……アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "下着をずらすと、濡れた秘部が丸見えになっていた。\nでも、シエルは今までのように慌てた様子も恥ずかしがる様子もない。\nその表情は、まるで何かを期待しているように見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさん、こんな風になるの……ヘンじゃないですか……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "変じゃないよ。これでいいんだ……シエル、ここ気持ちよくなった?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……んっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "濡れた秘部に直接触れて緩い刺激を与えながら聞いてみると、シエルは素直に頷く。\n恥ずかしそうに、だけどもっとその先を期待しているような視線に、俺の身体が熱くなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "怖がらなくても、全部素直に受け止めてくれれば大丈夫",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "全部、素直に……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ゆっくりと指先を動かし、濡れた秘部を何度も撫でる。\n割れ目の上で往復させていた指でクリトリスに軽く触れて擦り、時々秘部の浅い部分へ指先を進ませる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁあ、ああっ!はあ、は……あっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の言葉を素直に聞き入れ、シエルは大きく甘い声を出す。\n震える身体を必死に支え、刺激を受ける度に秘部をひくつかせては愛液を大量にあふれさせる。\n何度も何度も指先を動かし、愛液をかき出して濡れた指先をクリトリスに擦り寄せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぁああっ!あ、ああっ!気持ちいい、です……あ、あ、こんなに、なっちゃうの…あっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルに気持ちよくなって欲しいから、そのままでいいんだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はあ、はあ……アラタさん、アラタさん……!ん、ああっ、はあ、あ……!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "柔らかで熱い感触。\nその感触を指先だけで味わうのは我慢の限界だった。もっともっと深くシエルと繋がりたい、ひとつになりたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさん、私……身体の奥が、いっぱい熱くて……なんだか、もっと……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "もっとして欲しい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい。これ以上のことが何かあるなら、もっと……アラタさんにして欲しいです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "何もわからないなりに、シエルの本能がこの先を望んでいる。\nいや、俺を望んでくれているのだとわかると嬉しくなった。\n一旦指先を離し、シエルの身体を起き上がらせて下着を脱がせる。\nそして、自分の服を脱いで、シエルの身体を上にまたがらせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、アラタさん、これ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "さっきまでのシエルへの愛撫だけで既に反応し、大きくなってしまっている肉棒を秘部へ押し付ける。\n裸になっていることや、肉棒の慣れない感触のせいでシエルは落ち着きなく俺を見下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それに、あのアラタさんの……ど、どうしてこんな風に……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルが好きだからだよ。だから、こんな風になっちゃったんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……わ、私と一緒だからですか?だからこうなるんですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そうだよ。これから、シエルとひとつになりたいんだ……大丈夫?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫です。これから何をするのか全然わからないですけど……私、アラタさんを信じてます",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ありがとう、シエル。嬉しいよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "これから何が起こるのか全然わかっていないのに、なんて健気なことを言ってくれるんだろう。\nシエルを決して怖がらせないように気をつけながら、まずはそっと肉棒を秘部に擦り付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ……!アラタさんのが、当たって……あんっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "肉棒を擦り付けるだけで秘部はひくつき、また奥からじんわり愛液があふれる。\nその感触を受け止めるだけで肉棒を脈打たせてしまい、こらえ性のない自分に思わず苦笑する。\nだけど、その柔らかな感触をもっと受け止めたくて、更に腰を揺らして秘部へ擦り付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁあ、あ……はあ、あ、あ……!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "身体を揺らしてシエルも俺を感じようとしてくれていた。\nその姿に、今すぐにでもシエルのすべてが欲しくなる。\nだけど、焦らないようにゆっくりと腰を動かし、先端をそっと秘部へと近づけ奥へと進ませる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "僅かに進んだ肉棒の感触にシエルが表情を歪ませる。\nかなりの痛みもあるようで、つらそうな表情を見ていると心苦しくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル、辛いならやめるから……無理しないでくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふぁあ、あ……はあ、はあ……あ、い、いやです……。私、アラタさんと……んっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "いやいやと首を振りながらシエルが俺を受け止める。\n無理をして欲しくないのに必死に頑張って俺を受け入れてくれようとしているシエルが、ますます愛しくなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかった。じゃあ、もっとゆっくり……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふぁあ、ああっ!あ……はあ、はあ……アラタさ、んっ!ん、んっ……!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺は、少しでも痛み以外を受け止めてくれればと、痛みに耐えるシエルの身体をそっと撫でる。\nそんな気持ちに気付いてくれたのかそれとも無意識か、シエルは身体の力を抜いて更に奥まで届きやすいようにしてくれる。\nそのままゆっくり、だけど確実に奥深くまで肉棒を届かせてシエルの中を感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ……う、ああ……!アラタさん、アラタさん……!私、わた、し……はあ、あっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ん……大丈夫、もうちょっと……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……んぁあ!あ、あっ!ふぁあ、ああっ!あ、奥まで……ひ、ぁあ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "奥まで届いたとわかった瞬間、動きを止めてシエルの身体をしっかり支える。\nそしてゆっくり腰を突き上げて、その深い部分の感触を確かめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエルの中に、全部入ったよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "全部……アラタさんのが、全部私の中にですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そうだよ、だから今度は少しずつ……こうやって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んっ!んんっ……あ、ああっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "何度も腰を突き上げてシエルの身体を揺らす。\n肉壁を擦りながら奥へ何度も届かせる度、シエルは身体を震わせて必死そうな表情をする。\n少しでもそれを和らげようと動きをゆっくりにしたり、腕や脚を撫でてやったりする。\nそうしているうちに、少しずつだがシエルの身体は初めての異物感に慣れ始めて来ていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、はあ……あ、ああっ……!アラタさん……んっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエル……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "わ、私の中にアラタさんがいるの……わかります、いっぱい……この奥までっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ、そうだよ。俺とシエルは今、ひとつになってるんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさんとひとつに……あ、あ、どうしよう……。嬉しい、私、こんなこと……あっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "何度も腰を突き上げ肉棒を奥へ届かせ、締め付けられる度に背中を震わせ、それでも動きを止めずに奥へ届かせる。\nひとつになるということの意味がわかり、痛みも和らぎ感じ始めたシエルが嬉しそうな表情を浮かべる。\nその表情を見上げながら、脈打つ肉棒を更に奥へ届かせて深い部分を何度も刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさん!あ、あぁ、ふぁあっ!こんな風に、なるんですね……私、ああ、あっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そう、だよ……ひとつになったら、こうやって……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "次第に愛液の量も増え、動きがスムーズになる。\n奥に届く度に締め付けは強くなり、その度に肉棒は脈打ち先端からはカウパーがあふれ出す。\nその感触を受け止めてシエルも震え、慣れないなりに無意識に腰を揺らしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、は……あ、あっ!奥、こんなに熱くて、あっ!気持ちいいの、あ、ああっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "はあ、は……あ、シエル……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさん好き……大好き!好き……好きです……!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ、俺もだよ。好きだ、シエル……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "互いの気持ちと身体をひとつにしながら、何度も腰を突き上げる。\nけれど、繰り返されるリズムと強くなるばかりの刺激にもう限界が近かった。\nシエルの中の感触をもっと味わいたいのに、これ以上はもう無理だと身体が伝える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル……もう、これ以上は……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あっ!アラタさん、何が……あ、ああっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "耐え切れないと悟り、しっかりとシエルの腰を掴んで一気に奥へと突き上げる。\n瞬間、シエルの全身が大きく震えて、今まで以上の強さで肉棒が締め付けられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っく……シエル!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "深い部分まで届かせた肉棒が、シエルの中で大きく跳ねた。そして勢いよく、その中いっぱいに精液を吐き出してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、ぁああぁっ!あ、アラタさん、あ、ああああっ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そしてシエルも、俺に合わせるように全身を大きく震わせ、精液を受け止めながら絶頂を迎えた。\nまだびくびくと震える肉棒は、絶頂を迎えた膣内でまた締め付けられて最後まで精液を絞り取られてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……ああぁ……!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "すべてを受け止めたシエルは嬉しそうに微笑みを浮かべて俺を見つめる。\nそんなシエルを見つめ返し、そっとその頬を撫でてやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさん……私達、ひとつになってたんですね",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ、そうだよ。間違いなく、俺とシエルはひとつだった",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……ふふ。嬉しいです……アラタさん大好き",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ。俺もシエルが大好きだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "幸せそうに微笑みを浮かべるシエルを見つめ、また頬を撫でると嬉しそうに尻尾が揺れていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"新"
] | 09_Sekai | 1306h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "コトを終えた俺達は、心地よい気だるさを感じながら裸のままベッドで横になっていた。\n隣で横になるシエルに視線を向けると、じっと俺を見つめているシエルと目が合った。\nまだ感触が残っているのか、シエルは嬉しそうに自分のおなかを何度もさすっていた。\nそんな仕種が嬉しくて、でも恥ずかしい。だけど、間違いなくひとつになったのだと実感できる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、アラタさん……私、すごく恥ずかしかったし、はじめのうちは少し痛かったです\nけど、最後はとっても気持ちよくて、あんなの初めてでした",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そっか。嫌じゃなかったなら良かったよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "い、嫌だなんて全然思わなかったです!でも、あの……あれはどういうものだったんですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "……っ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "シエルに言われて初めて、アレがなんだったのか教えるのを忘れていた事に気付いてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれはだなあ、あの、えーっと……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。なんですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "じっと見つめられると恥ずかしさが募り、どう答えればいいのかと考え込んでしまう。\nでも、俺はシエルにちゃんと色々なことを教える義務がある!\nシエルも俺に全部教えて欲しいって言ってたしな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル、さっきのことだけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。あれはなんだったのか教えてください",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "あれは、人間が子供を作る時にする行為で、好き合っているもの同士、普通は夫婦が行う行為だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "へっ!??!?ふ、ふ、ふふふ、夫婦、ですか!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ、そうだ。夫婦が子供を作るためにするのがさっきのだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "じゃ、じゃあ、あの、わ、私とアラタさんは夫婦ということなんですか!??!?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "顔を真っ赤にして慌てた様子で言うシエルを見ていると、なんだか微笑ましい気持ちになってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、そうだよ。シエルは俺の大切なお嫁さんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あ……アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺のお嫁さんじゃ嫌?俺はシエルじゃないと嫌だよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "嫌なんかじゃないです。私は、アラタさんのお嫁さんです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "瞳に涙を浮かべながら微笑みを浮かべたシエルが身体を擦り寄せて抱き着いてくれる。\nその柔らかで温かい身体を抱きしめて、髪や耳を何度も撫でてやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺もシエルがいい。シエルじゃないとダメなんだ……ずっと、俺と一緒にいてくれるかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。私はアラタさんのお嫁さんなんです。だから、ずっと一緒なのは当たり前です",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "抱き着き擦り寄ってくるシエルの身体の感触に、また下半身が反応してしまう。\nついさっきしたばかりなのに……そう思うけど、好きな子がこうしてくっついて来て反応してしまうのは自然なことだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そんな風に考えながらじっと見つめ、俺はそっとシエルの上に覆い被さった。\nそんな俺を見つめたシエルは、今度は自分から目を閉じて俺の口付けを受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"新"
] | 09_Sekai | 1307_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……さすがにちょっと、疲れたな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "夜の鍛錬を終えて、部屋へと戻る途中。昼間の勇者稼業と、思った以上の大騒ぎになり、長居してしまったライジング・サン。\nそれらのせいで、日課の鍛錬の時間がかなり後ろへと回ってしまった。今はもう日付が変わる寸前の時間だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー、アラタだ。こんな時間にどうしたの?もしかして寂しくて眠れないとか?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "さすがにそんな歳じゃないぞ。あえて言うならウサギでもないからな\nただ夜の鍛錬してただけだ。シャインこそどうしたんだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ぼくはちょっとノドかわいちゃっただけ。なんで飲み物もらおっかなーって。それじゃねー",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "ぱたぱたと元気いっぱいに駆けていくシャイン。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、おい、走るなぶつかるぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉は聞こえていないのか、シャインは足を緩めることなく廊下を走る。その勢いにスカートが大きく翻り、見えてはいけないはずの布地がチラっと見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……まったく。でもまあ、そうだな。丁度いいし、俺も何か飲み物もらってくか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あれ?またあったねアラタ",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "ああ。俺も飲み物もらおうと思ってな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それじゃ、ぼくが一緒にもらってきてあげるよ。冷たいお茶でいい?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "ああ、頼む。でもなシャイン、廊下は走るなよ。誰かにぶつかったらケガさせるし、スカート思い切りめくれてたぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あれ、ほんと?それは気をつけるね。よかった、見られた相手がアラタで",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "いや、よくないっての。そういうのは見せるな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "呆れたように言う俺に、シャインはちょっと首を傾げると、やがてニッコリ笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっかあ、アラタって女の子のそういうの、見たことないんだ。まだまだ子供なんだね",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "なんでそーなる……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "見たことないどころか、シエルとは既にその先の関係にまでなってるんだけどな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、だったら……ぼくが少しだけ協力してあげるよ。アラタ、お姉ちゃんのご主人様でもあるし",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "シャインは自分の頭の中で勝手な状況を作り上げると、テーブルの上に腰を乗せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい……アラタにだったら、ちょっとくらいいいよ",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "そして、自らスカートをめくり上げ、その中身をさらけ出す。\nショーツに包まれた下半身と、思っていたよりも肉付きのいい太ももが、俺の視界に映し出される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、いいよ、じゃないからっ。今すぐ隠せっ。女の子がやっていい行為じゃないからっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だから、アラタにだったら、って言ったよね。誰にでも、なんてしないし\nそれにこの程度だったら、減るものでもないしね",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "笑顔で言い切るシャインに、俺はなんとなく理解した。この子はやっぱり、まだ子供なんだ。\nだから、自分が今やっている行為について、多分理解できていない。そもそも、羞恥がどういうことかすら理解できてないんじゃなかろうか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なあ、シャイン……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あは……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "だが、どうにかしてその行為の意味を理解させようと思った俺の前で、シャインの視線が恥ずかしそうに横に動いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……う、うん。どんな感じかな……?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "本能的なものなのか、俺にジッと見られてその頬を染めるシャイン。けれど、その表情がやばかった。\n最高級のビスクドールみたいに整った顔立ちをしているシャインだ。それの、こんな恥じらうような表情に、男としての俺が何も感じないわけがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー……いや、その、だから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "何を言っていいか分からない。今すぐ視線をそらし、この部屋から立ち去るべきだ。俺の理性はそう言ってるわけだが、なぜか視線は動いてくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あらた……?\nあの、ね……まだ、だめ……?満足、できない……?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "恥じらいの中からどうにか搾り出したようなシャインの声。潤んだ瞳が、お願いしますとばかりに俺を見ている。\nその瞳に俺はしばし動けなくなり……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、もう充分です!充分だから隠して下さい!勘弁して下さい!!\nほんと、悪かった!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は慌てて視線を逸らした。\nそして、シャインもテーブルから下りる。その表情は思い切り恥じらいに染まっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やっぱりその、見せちゃうとかダメかもだね、うん……\nぼ、ぼく、走らないように気をつけるから……そ、それじゃお茶とってくるから待っててっ",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、そそくさと調理場へと向かうシャイン。\n羞恥を教える、という一つの目標は成功したらしい。\n引き換えに、俺の顔は未だに熱を持っているわけだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すまん、シエルッ!これは断じて浮気とかじゃないっ。うん、違うんだ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "とりあえず、デートのやり直しを提案してみよう……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"シャイン"
] | 09_Sekai | 1404_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "デートのやり直し……ですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の言葉を、可愛らしく頭をこてん、と傾けながら復唱するシエル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。この前の、結局ドタバタして途中で終了になっただろ。なんで今度は、ちゃんと二人きりでやりたいなと",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あの、それはつまり、もう一度アラタさんとデートができる、そういうことですか?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "言葉の意味を理解したのか、シエルはその顔を輝かせながら俺に詰め寄ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ。もっとも、今回で最後じゃないぞ。俺はシエルと何度だってデートがしたいんだからな\n今回のは、あくまでも前回のやりなおしだ。というわけで、どうだ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "も、もちろん問題ありませんっ。やり直ししましょうっ。二人ででかけましょう!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "というわけで、今度こそ二人きりでのデートを成功させようと、俺達は二人で街を出た。\n昨夜のうちにレイにも話してあるので、今日は城でシャインと姉妹仲良く大暴れしているだろう。\nまあ、事情を話した瞬間、向こうから、私明日は離脱します、と思い切り嫌そうな顔で言い切られたけれど。\nあの湖の周辺なら魔物もそう現れないだろうし、もし現れたなら、レイは呼べばすぐに来てくれる。問題もない。\nそうして、俺達は二人きりでこの湖を再び訪れた。\n当然ながら、水着姿。シエルのスタイルがよすぎて、ちょっと視線のやりどころに困ってしまうわけだが、ま、まあ、今さらだろう。\nそうだ。俺は見る。シエルのこの、女神の彫像もかくやという、素晴らしい肢体を徹底的に拝むんだ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ。アラタさんに見てもらえるの、ちょっと恥ずかしいけど嬉しいです♪",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "……ごめん。ほんとごめん。暗い欲望に落ちかけてごめんなさい。その純粋な笑顔が俺を洗い流してくれました!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、アラタさん!?何をやってるんですかあ!?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "いきなり頭を近くの樹にガンガンぶつけ始める俺の姿に、シエルが慌てたように声をあげる。\nごめんなシエル。驚かせただろうけれど、俺にはこれが必要なんだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おーし!血抜きしてスッキリだ!よし、改めて遊ぶぞ、シエル!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルの手を取り湖へと向けて走り出す俺。シエルも、慌ててそれについてくる。\nそのまま俺達は、水の中へと足を踏み入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ。やっぱり冷たいですっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "この前、灯に泳ぎを習ってたみたいだけど、泳げるようになったのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の質問に、シエルはえっへん、とその大きな胸を思い切り張ってみせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アカリさんとの過酷な特訓によりまして、なんと私、犬かき、という泳法で10メートルも泳げるようになったんですっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "おお、そいつは凄いぞ、頑張ったなシエル!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はいっ、私頑張りました。うう……アカリさんの特訓は本当に厳しくて、水に顔をつけて30秒もガマンしろだとか……はあ……よくぞ生きていたものです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "人によっては色々と思うこともあるだろうが、シエルなんだからこれでいいのだ。シエルが苦手なことを思い切り頑張った、という事実は変わらないんだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、ですね。アラタさんさえもしよろしければ、アラタさんにも泳ぎを教わりたいなって\nアラタさんに教えてもらったもの、が欲しいんです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "いや、そんな必死な顔しなくてもいいって。俺がシエルの頼みを断るわけないだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の腕をぎゅっと掴み、真剣な顔で頼んでくるシエルに、俺は苦笑しながらさらりと返した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、俺に任せとけ、シエル!俺がお前に、ちゃんと泳ぎ方を伝授してやる!\nよし、そうだ。俺がしっかり手を握ってるから、怖がらずに足を動かせ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はいっ……アラタさん、手、離しちゃ嫌ですよっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の腰程度の深さの場所。そこでシエルは俺の手をギュッと握りながら、一生懸命にバタ足を行っている。\n話を聞いてみると、どうやらシエルは顔を水につけるのが怖いらしい。それをなんとかしようと、灯はそこを中心にやったらしいけれど……すっかり逆効果になっていた。\nまあ、魔王城の中で生まれて、水になんて浸かったこともなかった子が、いきなり潜れとか言われても難しいだろうなあ。\nというわけで、いきなりクロールだの平泳ぎだのバタフライだの教えるのは却下した。\n今より少しでも水に慣れてもらうため、ここは水泳教室の定番、バタ足だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほらシエル。少しでいいから、顔を水につけてみて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……あの、分かってはいるんですけれど……あうぅ……や、やっぱりちょっと怖いです……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺がついてるから、平気だって",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺がついてる。その言葉に、健気に下を向こうとするシエルだが、どうにも恐怖心に勝てないようだ。\nここは、ちょっとくらい無茶をさせた方がいいか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、シエル!これもお前のためなんだ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え?ひ、きやああああああ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "突然に手を離す俺。そのまま少しでも水につけられれば……と思ったわけだが、そこでシエルがとんでもない底力を見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、アラタさああああああん!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "思い切り延ばされたシエルの腕が俺の身体を掴み、そのまま一気に抱きついてくる。\nむぎゅうっ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うおおっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の下半身へと押し付けられた二つのマシュマロ。弾力と柔らかさに富んだそれは、本気で俺の男を刺激する。\nあの夜の、あの、溶けてしまいそうな柔らかな感触が蘇る。それにより一気にそそり立ってしまいそうになる、俺の理性。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、シエル!大丈夫だから!そこ、足着くから、落ち着けぇ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "嫌です!離したら沈んじゃいます!溺れちゃいます!アラタさんと一緒じゃないとダメなんです!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ダメだ、完全に錯乱状態だ。俺の言うことを全然理解できていない。\nというか、そんなに強くしがみつかれたら、もっと強く押し付けられてしまうわけで!それはすなわち男としての尊厳がががが……!\n耐えろ!耐えるんだ俺!光島新はヒーローなのだから!色欲に負けることなかれえ!!\n結果報告。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "オレ……スゴイガンバッタ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はは……男って、弱い生き物だよな。つくづく思い知ったよ……女の子の身体、すげえ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、アラタさん、大丈夫ですか!?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ……大丈夫、だ……ちょっとね、精神的に消耗しまくっちゃっただけだから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あの状態で、それでも必死に耐えきった俺。だが……さすがに四連続で抱きつかれたらもう無理です。\n溺れかける度に大慌てになって、俺に全力で抱きついてくる。男としては尋常で無い嬉しさなわけですが、でもそこですぐに求めちゃうとか、やっぱ最低だしな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、とりあえずだ……シエルも多少はバタ足が出来るようになってきたことだし、そろそろ練習をやめて、普通に遊ばないか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "これ以上は俺の自己申告制賢者タイムも限界なんだ。ごめん、シエル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。アラタさんの提案でしたら、文句ないです",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そして、いつもの眩しい笑顔で簡単に受け入れてくれるシエル。くそ、ほんと可愛いなあ、この犬耳少女は……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし。それじゃあ陽が沈むまで、徹底的に遊びまくるぞ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。遊びまくっちゃいましょうっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そして俺達は、水際ではしゃぎ始める。シエルとこの場所にいられること。ただはしゃぐこと。それが本当に楽しくて。\n気がつけば、もう日が傾いていた。\n赤く染まった砂辺で、俺達は寄り添い合いながら、その水面を見つめている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "海とは違い、波の音すらしない静かなこの場所に、シエルの声が小さく響く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?どうした?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "触れ合う肌の熱の心地よさを味わっていた俺は、その声に顔を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今日は……楽しかったですね……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "何かを確かめるかのように尋ねてくるシエル。風が吹くだけで消えてしまいそうな儚さをそこに見て、俺は察した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、すげえ楽しかったよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう、ですよね……楽しかったですよね",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "もちろんだ。また二人で来ような",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その肩をしっかりと抱きしめて、言う。言ってやる。\nこんな時間を経験したことのない、今この時間すら夢なんじゃないかと思ってしまっている少女に、はっきりと。\n生まれたばかりの、ただ死ぬためだけにいる少女。\n本当なら、こんな幸せを知ることすら許されない少女。幸せになんて絶対になれなかったはずの少女。\nだからこそ、この幸せが信じられない。信じたいけど、信じられない。掴んだ手のひらからこぼれ落ちてしまうんじゃないか……そんな恐怖に怯えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "また泳ぎ方……教えてくれますか……?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "もちろんだ。今度こそ、バタ足で向こうの岸まで行かせてやるからな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……はい……アラタさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "え?あ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その小さな身体が、俺をギュッと抱きしめてきた。その存在のすべてを俺に預けるように、全身で俺を抱きしめる。\nその体温が、柔らかさが、シエルという存在が、今とにかく愛おしく感じる。\n一人の男として、この少女を支えてあげたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……これ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "……すまん、シエル。これはその……一人の男として当然の生理現象なので気にしないでくれ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "シエルを一人の男として支えたい。その想いは止められそうにない。心だけでなく、身体までが反応してしまっている。\n困ったように視線を逸らす俺を、シエルはジッと見つめて……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あの、アラタさん。ちょっとこっちに来て下さい……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の手を両手で持つと、そのまま立ち上がった。\nその顔を夕日以上に真っ赤に染めて、近くの木陰へと引っ張っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おい、シエル……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、アラタさんのここ……とっても、その……窮屈そうです……\nま、また……この前みたいなことしたい、ってことですよね……?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "…………ああ。その、俺は今、すっごくシエルを抱きしめたい……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その瞳に負けて、俺は素直に自分の想いを言葉にする。それを聞いて、シエルも恥ずかしそうに微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私も、です……私も、アラタさんに、もっともーっとギュッてして欲しいです……\nしてもらえます……か?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そんな、精一杯の誘惑に抗えるはずがない。抗いたいとも思わない。俺はシエルをその想いごと抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……俺達、まだまだ初心者だしな。その、できるだけ優しくするから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。いーっぱい優しくして下さい",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺はシエルの華奢な身体を抱きしめると、そっと唇を重ねた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"新"
] | 09_Sekai | 1407_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "緊張してるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……その、こんな所でだなんて初めてですから……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺は、シエルの身体を後ろからそっと抱きしめながら、耳元で囁くように尋ねた。シエルは、その身体をガチガチに緊張させながら言ってくる。\nビキニタイプの水着しか身につけていないシエル。その肌の温かさが、抱きしめた腕と背中に密着させた胸から直接伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、で、でも嫌なわけじゃないんですよ。アラタさんにギューってしてもらえるだなんてむしろ嬉しいくらいでっ\nですから、その、遠慮はしないで下さい。私でいっぱい気持ち良くなってもらえると……う、嬉しいです",
"speaker": "シエル"
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{
"utterance": "恥ずかしそうに、けれども、これは嘘じゃありません、と必死な気持ちをこめたシエルの言葉に、俺も自然と口の端を緩めてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。俺も、シエルでいっぱい気持ち良くなりたい。だから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんなシエルに、俺の中の想いも膨れあがっていく。また、シエルと一つになりたい。シエルに俺を感じてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "その豊かな胸を優しく揉むと、シエルの口から、小さな喘ぎがこぼれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエルの、大きいよな。凄い気持ちいい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はいっ……お気に召したなら、う、うれしい……ん……です……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "さっき言ったことを示すように、俺の手を決していやがらないシエル。俺はそのまま、水着の上からシエルの膨らみを味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、できたら直接……あ……アラタさんの……んっ……手の感触、か、感じたい、です……っ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "が、それでは満足できなかったらしい、そんなシエルの言葉に、俺は頷いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……綺麗だ、シエルの胸……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ズリ上げた水着の下からこぼれる、シエルの双丘。それは、緊張からかふるふると揺れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "喜んでもらえて、う、嬉しい、です……でも、あ、あんまり見ないで……下さい……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "その頬を赤くし、ぎゅっと目をつむっているシエル。そんな恥じらいの様子が可愛らしく、俺はあえて尋ねてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ恥ずかしい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい……あ、アラタさんでなかったら、ガマンも無理ですっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "それは、俺だからなんとかガマンできるということ。あくまで俺だけを見てくれているシエル。本当に、この女の子はなんて健気なんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、それも気にならないようになろう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なら、思う存分感じて欲しい。俺で気持ち良くしてあげたい。俺は、その胸を直に掴んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "凄い……少ししか力をいれてないのに、指が簡単に沈んでく。シエルの胸、やっぱりとんでもないな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の手のひらでも収まり切らないような豊かな膨らみ。手のひらすべてが埋もれてしまいそうなその感触に、俺は手を動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それにこの弾むような感触……手が止められない……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の握力を押し返そうとする張りのある弾力。その柔らかさと相まって、俺は夢中でその感触を味わった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、んあぁ……アラタさんの手、あ、あったかくて……はぁんっ\n身体が、び、びりびり痺れちゃいます……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "その唇からこぼれる甘い囁きに、俺の身体の奥底がビリビリと震える。それに操られるかのように、俺は左腕をシエルの下半身へと伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあっ!?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "水着の中へと侵入させた指を、俺は真っ直ぐに秘裂へ向かわせる。既にぬるりと湿ったそこに触れた瞬間、シエルはびくんと身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、あっ……あ、アラタ、さん……そこ、はっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ちょっとだけ湿ってる……シエル、濡れ始めてたんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "秘裂に沿って指を優しく前後に動かしながら、シエルの耳元で小さく言う。瞬間、奥の方からとろりとした蜜が滲んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それは、あの……違……くないですけれど……んあんっ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "それに、シエルのここ、もう熱くなってて……ほら、奥の方から少しずつ垂れてきた……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "二本の指でそこを開くと、更に多くの蜜がこぼれてくる。俺は指をその蜜に塗れさせながら、最奥への入り口へと人差し指をあてた。\nそしてゆっくりと、埋没させていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ……ああっ……ゆ、指が入っ……て……は、あ……っ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の指は、少しの抵抗もなく熱い秘洞へと呑み込まれていく。シエルはその感触を、身体を震わせながら耐えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぁ……あん、ああっ……だ、だめですアラタさん……お、奥の方から、ぞくぞくって……ふあぁっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "まだ一度しか俺を受け入れていないシエルの身体。けれど、俺の指によって広がっていく感触に、シエルは自然と喘いでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエルの先端……凄いコリコリになってる……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "同時に、胸の先端もツンと尖っていく。俺の愛撫による刺激に、シエルはその身体を感じさせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなに柔らかいのに先端はツンと尖って、弄りたくなっちゃうに決まってるだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "左手で秘洞の熱さと狭さを味わいつつ、右手は柔らかな乳房を揉みしだく。同時に人差し指と中指の間で、固くなった突起をキュッと摘まんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、あ、はうんっ……つ、つまんじゃだめ、ですっ……びくんって身体……あ、ああっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "柔らかな感触の中央に鎮座する固い感触。それが俺の手を飽きさせることなく動かさせ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、はうっ……だ、だめえっ!ゆ、指が、お腹の中かき回して……ひう、あ、はあんっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "快感にその身を震わせるシエル。そのお腹の中を指でかき回せば、奥からはぐちゅぐちゅと音を立てながら、熱い蜜が垂れてきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエルの中から、どんどん溢れてきてる……\n悪い、シエル。俺ももう、ガマン無理だ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "下半身から聞こえるいやらしい水音と熱さ。上半身から伝わる柔らかさとコリコリした感触。俺の息子は、今にも水着からはみ出してしまいそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はう……か、固いのが、当たってます……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "近くの樹にシエルの両手をつかせ、そのままバックの体勢で俺の肉棒を水着の上から押し当てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪い。俺も興奮してて、もうガチガチで……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "シエルの水着は、すでに溢れた愛液でビショビショに濡れていた。俺は、肉棒を上下に揺らしながら、シエルの熱と感触を味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "水着越しなのに、凄い熱いぞ、シエルの……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それは、シエルが俺を求めているように感じられた。早く入れて欲しい、そう願っているように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい。アラタさんの熱いの、凄く感じます……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "けれど俺は、おあずけをするかのように水着の上からシエルを楽しむ。ガチガチになっているそれを、ぐりぐりと押し当てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ……ぐ、ぐりぐりはダメですっ……あ、ああ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "水着ごと、シエルの中に俺の先端が潜り込みそうになる。熱い柔肉の感触が薄い布地越しに俺の先端を刺激した。\nこの柔らかく吸い付く秘洞の中で、俺の固い肉棒を包ませたい。そんな欲望に、俺の頭の中が白く塗りつぶされていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル……俺、入れたい……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ひゃんっ……は、はい、私も入れて欲しいですっ……ど、どうぞっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の期待に満ちた願いに、シエルもまた甘く濡れた声で返事をくれた。\n俺は脱がすのももどかしいとシエルの水着を横にずらし、露わになったピンク色の入り口に、自分を一気に突き立てた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んううっ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ずぶずぶ、っと一気に沈み込んだ俺に、シエルは少し苦しげな声をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪い、痛いかシエル?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫、です……まだ二回目だから慣れてないだけで……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "まだ二度目の挿入。男を受け入れるのに決して慣れていない未熟なそこは、狭くキツイ。けれども、無数のヒダはしっかりと俺を包み込んでくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ち、ちょっと違和感があるだけですから……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "もう逃がさないとばかりに、俺に吸い付くようにして締め上げてくる快感。その感触に、やはり経験のほとんどない俺は、もう出してしまいそうになる。\nけれど、そんな簡単にこの快感を終わらせたくないと、必死に耐えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうぞ、好きなように動いて下さいっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "にも関わらず浴びせられるシエルの言葉。この快感を知ってしまった今、この魔法の呪文から逃れる術はない。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "あ、ああ、分かった……",
"speaker": "新"
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"utterance": "俺は今にも暴れてしまいそうな自分を懸命に抑えながら、ゆっくりとシエルの中を動き始めた。",
"speaker": "地の文"
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"utterance": "シエルの中、すげえ温かい……それに、キツくて!\nう、く……あぐ……う、ああ!!",
"speaker": "新"
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{
"utterance": "1ミリの隙間すらなく俺を包み込んでいるシエル。それは俺が腰を動かすだけでゾクゾクした痺れを運んでくる。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "はぁ……はぁ……や、やっとアラタさんが……アラタさんが入ってきてくれて……んああ!",
"speaker": "シエル"
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{
"utterance": "同時に耳から侵入してくる甘い声。正直、長く、どころか全然保ってくれそうにない。今すぐにでも暴発してしまいそうだ。\nだからこそ俺は、余裕なんてありませんと、必死にシエルの中を動いていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お腹の中が、アラタさんでいっぱい、に……\nんあぁ……あ、はぁ……あ、アラタさんが、動い、て……ああんっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の腰の動きに合わせるように、その奥から溢れてくるシエルの蜜。俺はそれを潤滑油に、更に激しく腰を動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエルの中、もうぐちゃぐちゃになってる……\n動くたびに、熱い蜜が溢れて……ぬるぬるで、溶けそう……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "熱くトロトロになってきたシエルの体内。その灼熱の快感に、俺の腰は勝手に速度を増していった。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "ああ……ああ……お、音が聞こえちゃいますっ……え、えっちな音が、して……はうっ",
"speaker": "シエル"
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{
"utterance": "ぐっちゃぐっちゃと水音を立てながら、俺達は互いの腰を打ち付け合う。ぱんぱんと身体を叩き付け合い、溢れた蜜が地面へと垂れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさんの熱い、のが……ひぐ……あ、あふぅ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ごめん、シエル……シエル気持ち良すぎて……もっと動きたい……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺に貼り付き、ぎゅっと締め上げてきているシエルのヒダ。無数のそれにしごかれながら、俺は懸命に耐え続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい、どうぞっ。アラタさんの、したいよう、に……あ、はぁん!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そこに追い打ちのようなシエルの言葉。俺は何かに弾かれたかのように、一切の躊躇なく腰の動きを速めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ、ああっ!お、奥に当たって……んあああっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルの最奥。コリっとした少し固い入り口に俺の先端があたる。その度にシエルは大きく身体を反らして、一際強く喘いでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、あふ……あ、当たるたび、に、全身が、し、痺れて……ふあああっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ……シエル、気持ち良すぎる……こんなにぬるぬるなのに、きゅうきゅう締め付けて……も、もう、ガマンできなっ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "トロトロになった膣内を、ただ快感を求めて前後に動く。こみ上げてくる欲望を、俺は自然と受け入れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル……シエル……俺、もう、イクっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "今にも破裂してしまいそうなその欲望に、俺の下半身が自然と震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、ああ……や、あ、アラタ、さん……私もなんかき、きます!\nあ、ああ……あああああ……お、奥の方から、な、波みたいなの、が……ああっ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "一際高く、甘く喘ぐシエル。その身体は快楽に打ち震え、その瞳は快楽に潤んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ、さん!い、いっしょにきて下さい!わ、私、も、もう!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ、一緒に……一緒にいこう!シエル!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ただ感じ続けるシエルに、俺もただ獣となって腰を振る。爆発的に膨れあがったその快感をそのまま受け入れ、俺は一気に自分を引き抜いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うああああああああっ!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "同時に、俺の先端から白い欲望が炸裂する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルもまた、びくんっ、と大きく身体を震わせ、全力で喘いでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……なんだか、あったかいのがいっぱいかかって……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……すげえ……こんなに、出た……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の精液で汚れたシエルの身体をぼんやりと眺めながら、俺は呟いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、シエルの身体よすぎるだろ……ほんとに飛ぶかと思った……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "荒い息を整えながら、けれども達する瞬間の快感、その余韻に浸る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさんから、凄いのがたくさん……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルもまた、ぼーっとした表情で俺を眺めていた。その背にかけられた俺の欲望を拭おうともせず、ただ余韻に浸っている。\nそんなシエルの視線を受けてか、俺の肉棒は、まだ少しも萎えていない。まるで、まだ終わりじゃないとでも語りかけるかのように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私、アラタさんにたくさん汚されちゃいました……凄く、気持ちいい、です……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺達はぼんやりと互いの顔を見つめ合い……そして同時に頷いた。まだ、終わってない、と。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル、いいか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい、大丈夫です。アラタさんの……もっと欲しいですから……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺は、シエルを大きめの岩の上に横たわらせると、その左足を抱えるようにして、自分をあてがう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でもあの、この体勢……い、いっぱい見え過ぎちゃって……あうう……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "大きく開かれた足の間には、わずかに開いた秘裂とその中身がよく見えた。\nピンク色の柔肉と、お漏らしでもしたかのように溢れた蜜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。シエルの全部が見える。思いっきり見てるよ、俺",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そのすべてをじっくりと眺めながら、俺は肉棒を更に固くしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "びしょびしょに濡れたシエルの、恥ずかしいところ……すげえいやらしい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさんが見たいっていうなら……頑張ってガマンします……\nですから、その……また気持ち良くして下さいね……?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルの甘い声で紡がれる欲望に、俺は自分を抑え付けることを諦めた。いや、これは絶対に無理だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。一緒にまた気持ち良くなろう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう言って、俺は再びその中へと自分を突き入れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあああっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "まだ敏感なままなのか、背中を反らし、快感の声で俺を受け入れるシエル。そのキツさは、初めての時からまったく変わっていない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、くうっ……や、やっぱり凄い締め付けだな……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はぁ……あ、ああん……お、大きいのが、お、奥までっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "熱い秘洞の奥の奥まで、俺は一気に自分を進ませた。その衝撃を、シエルは気持ち良さげに受け入れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあ、ああ……や、あ、んっ……こ、声、出ちゃいます、よぉ……っ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そうして、ゆさゆさと腰を揺らすように動かしながら、シエルの感触を存分に味わう。\nやはり隙間無く俺を締め付け続ける秘洞。その内部の無数のヒダが、俺を全方位から細かくしごく。\n蜜で濡れそぼったヒダは、俺を撫でるように擦りあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……あ、熱くてトロトロのシエルが……俺を包んで……んあぁ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あらゆる敏感な場所を同時に責められ、出したばかりのはずの俺は、また湧き上がるその感覚を必死に抑え込んだ。\nここで出したら、この快楽がもう終わってしまう。まだだ。まだ味わっていたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、この体勢、やばいっ!ぞくぞくきてる!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "や、あ、ああんっ……奥、あ、あたってますっ!コンコン響いて……ひぎ、あ、ああっ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺と同様に、シエルもまたこの体位に今まで以上の大きな喘ぎをあげていた。\n深く突き入れ、奥の入り口をコツコツと叩く度、その身体がびくんと揺れて悲鳴にも似た嬌声が響く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "電気の槍みたいなのが、私、突き上げて……あああっ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "うぐ……あ、ああっ……腰、止まらないっ。も、もっと打ち付けたい!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そして俺は、もうただ夢中になって、腰を打ち付けていた。湧き上がる射精感はとっくに限界ギリギリで、少しでも気を抜けばその場で溢れてしまうだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあぁ……あ、頭痺れて……も、もう出る!出したい!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いや、むしろ出したい。この熱いシエルの中に、とにかくすべてを注ぎ込んでしまいたい。俺は息を荒げながら、もはや真っ白になった頭で腰を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シエル!も、もう、イク!イクぞ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はいっ!わ、私も、へ、変になっちゃいそう、です!あん、や、あああっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルもその身体を震わせながら、ただただ喘ぐ。結合部から広がる快感にすべてを任せ、淫靡に水音を響かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ダメ!が、ガマン、できません!もう!もう!あ、あ、あああああ、!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そしてその瞬間、シエルの秘洞が一気に収縮した。その刺激を、俺は耐えることが出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うおおおっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふああああああああっ!!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "びくん、と大きく身体を揺らせて達するシエル。俺も、その熱いものを、シエルの中へと遠慮無く迸らせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あっついのがたくさん、な、中に来てっ……あ、ああん!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "びくびくと痙攣を続けるシエルの秘洞。俺の肉棒もまた、びゅくんびゅくんと震えながら、何度も何度も白い欲望を撃ちだしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ……あ、ああ……ぞくぞく、きてます!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "くう!ほ、本当に搾り取られてるみたい、だっ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "イった衝撃から痙攣を続けるシエルの体内。その動きが、俺から限界以上に吐き出させようと俺を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぐ……うう……うあ……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ああ……アラタさん……すごい……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺は結局、今日二度目だというのにもかかわらず結合部から溢れるほどの量を放ち、ようやく収まった。\nそして、絶頂の余韻か力なく横たわるシエルの中から、そっと抜き出していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "瞬間、挿入していたわずかに上の部分から噴き出した黄色い液体に、俺は思わず声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ほえ……?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルはまだ余韻の中にいるのか、自分の状況を分かっていない。\nとはいえ、このちょろちょろと噴き出している温かな液体の正体は、間違いなくあれだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、シエル?その、えっと、この温かいのって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "当然ながら、女の子のこんな光景、見るのは初めてだ。俺は慌てる自分をどうにか抑えつつ、シエルに声をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふえええええっ!?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そして、シエルは唐突に我に返った。\n自分が今してしまっていることを瞬時に察したんだろう、その頬は真っ赤に染まり、引きつっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ダメ、うそですっ!\nあ、アラタさん!?み、見ないでくださあい!生理現象なんです!わざとじゃないんですー!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そのまま慌てて弁明に走るが、力が入らないのか止めることはできないらしい。俺は目の前のその光景を、ただマジマジと見つめてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これが女の子の……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "れ、冷静に見てないでくださいーっ!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そう心からの叫びをあげるシエルだが、本気で恥じらうシエルの表情の可愛さもあって、結局それが終わるまで、俺は見続けてしまっていた……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうううう……ばっちり見られてしまいました……こんな粗相のシーンを……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "涙目で俺を見上げながら言うシエル。いや、見続けてしまったことは本当に申し訳ないと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさん、ひどいです、きちくです、おにあくま、まおーですっ。見ないでって言ったのに……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "だからこそ、こんな批判も仕方ないとは思う……いや、魔王はお前だからな、シエル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いやその……男と違ってなんか可愛いな、なんて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "とはいえ、こんな感想を抱いてしまうのも、やっぱり仕方ないと思うんだがどうだろう。男がするのとは違った、美少女ならではの可愛さというものが……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううううう……泣きたいのに、アラタさんに可愛いって言われちゃったら、もう喜ぶしかないじゃないですかあ……\nむう……アラタさんの……ずるっこ……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああもう、本当に可愛いなあ、俺のお嫁さんは!",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"新"
] | 09_Sekai | 1408h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "俺達は、また湖を見つめていた。\n裸のまま、互いの心をつなぎ合わせた余韻をしっかりと抱きしめて、寄り添い合いながら見つめている。\nさっきまでよりも心の距離を近づかせて、俺達は、まるで一つの存在になったかのようにピッタリとくっつきながら、ここにいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、アラタさん……その、前からずっと聞きたかったことがあるんです……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "いや、今さらそんな改まることないだろ。なんだって聞けばいい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "急にしんみりとした口調で尋ねてくるシエルに、俺はわざと、いつも通りに気楽な口調で返す。\nけれどシエルは寂しげな空気をまとったまま、俺の顔を見上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もし、元の世界に帰る方法が見つかって、そっちに戻ったら……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "その時点で、さすがに俺にも分かった。シエルが聞きたがっていたことが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "戻ってしまったら……もう、この世界には帰ってこないんですか……?",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "…………どう、だろうな。それが可能だっていうなら、帰ってきたいと思う……けれど、それが出来るか分からないから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でしたら、帰らないで下さい……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "心を搾り出すようなシエルの言葉。その瞳の端には、小さな雫が浮かんでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "帰らないで、このままここにいて下さい……ずっとここに……私のそばにいて下さい!\nアラタさんがいなくなってしまったら……私……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺も、シエルとは離れたくない。ずっと一緒にいたいと思う",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それは紛れもない本心だ。シエルと離れるなんてこと、もう想像すらできない。けれど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "けれど、俺には向こうの世界での生活がちゃんとあるんだ。だから、その後どうするにしても、一度帰らないといけない。待っててくれる人達もいるはずだから\nそれに、灯がいる。灯にも、家族や友人がいて……きっとみんな心配してる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……そう、ですね。アラタさんやアカリさんのことを心配してる人たちもたくさんいるんですよね。そして、戻ってくるのをきっと待ってる……\n私の気持ちだけ押し付けちゃダメですよね……",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "いや、そんなことないさ。むしろ俺は嬉しかったよ。シエルが、そんな風に自分の気持ちを言ってくれたこと。俺にぶつけてくれたこと\nだから、ここに誓うよ。勇者として、ヒーローとして誓う。絶対に違えない\n俺は、必ずここに帰ってくる。どんな手を使っても、どんな奇跡をたぐり寄せても、だ\n当然だろ。ここにはさ、俺の大切なお嫁さんがいるんだ。ここはもう、俺の帰るべき場所なんだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさん……っ",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "俺の誓いに、シエルの顔が笑顔に変わる。希望を見出した子供のように、喜びに満ちた笑顔に変わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、ここには俺を、ヒーローの助けを求めてる人達が大勢いるからな。その願いに応えないわけにはいかないだろ。帰ってこない理由がない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい……本当にそうですね。帰ってこないはずがありません\n私、ずっと待ってますから。ずっとずっと、信じて待ってますから。ちょっとくらい時間かかっても大丈夫です。私は魔王ですから、いつまでだって待ってます",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "大丈夫だ。そんなには待たせない。いや、すぐに帰ってくる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その決意を伝えるように、俺はシエルの身体を強く抱きしめた。\n俺のすべてで、シエルに応えてみせる。かならず帰ってくる。\n俺の想いを受け取ってか、シエルは笑顔のまま、俺にその身体を預けてきた……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"新"
] | 09_Sekai | 1409_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "早いもので、あれから三ヶ月もの時間が経っていた。\nマザーシステムの、新たな管制人格となったシエルによって、システムは問題無く稼働中。\nけれども、勇者と魔王、そして代行者に関するあのシステムだけは、やはりシエルによって終了させられた。これで、新たに魔王が生まれるということはないだろう。\n魔物達は、マザーが消滅と同時にその進行をやめ、そのまま森や山岳地帯などの奥へと消えていった。こちらから干渉でもしないかぎり、まず姿を見せることはない。\n世界は、相も変わらず、平和なままだ。\nそして、俺達は……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさん、いらしてたんですね",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ああ、さっき戻ってきたよ。この子も……うん、元気そうだな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。毎日はしゃぎまくって、アウロラさんが悲鳴をあげてます\n博士さまが、色々と調べたそうな目でチラチラ見るのが、ちょっと怖いですけど",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "あー……博士は多分本気だから、近づけさせないようにしないとな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。でも、ルミネさまとルナさんが、本当に可愛がって下さってるので",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "なら安心だな。いざとなったら、ルナがたたき切ってくれるだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あの日、マザーが消滅したあの時、シエルはその人格の基礎となる部分を自分の身体で受け止めていた。\nさすがに記憶に関する部分はデータが膨大すぎてどうにもならなかったが、それでも、マザーの中枢部分を掬い上げることはできた。\nそしてその人格を、新しく作った身体へと移し、新しい生命を生み出した。\n今度こそは、それぞれ別の存在として仲良く生きていきたい。そう言って、シエルは自分の子供のようにこの子を育てている。\nそして、この子がシエルの子だというのなら、当然ながら俺の子でもあるわけで。\nこの子を不幸にするというのなら、それが誰であれ、ヒーローの存在をしっかりと教えてやろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "みんなに挨拶してきたけど、ソル達は戻ってきてないのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いえ、三日ほど前に一度戻られてましたよ。そのまま一日ほど休んで、またシャインさんと一緒に旅立ちましたが",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "ほんと、自由気ままな奴だなあ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "誰にも縛られることのないあの男と、彼に懐いていた少女の顔を思い浮かべて、俺は笑った。\nソルとシャインは、あれから一月ほど経ったところで旅に出た。なんでも世界を改めて見てみたいらしい。\n今の自分達の価値観で、昔とは違った目で見てみたいんだとか。とはいえ、ちょくちょく戻ってきているあたり、なんだかんだいってこの国が気にいっているみたいだ。\n他のみんなは変わらない。相も変わらず元気で愉快で賑やかで、まさしく平和を体現している。\nそして、俺と灯は、元の世界へと帰っていた。\nマザーシステムによる管理がなくなったことで、逆召喚……いわゆる送還は問題無く行えるようになった。\nむしろ、そのシステムを利用して、比較的自由に行き来できるゲートを博士が作ってしまったのはさすがに驚……かなかったな。なんといっても博士だし。\nとはいえ、向こうの世界の技術なんかを簡単に広めたりしたら色々とバランスが崩壊しかねないので、基本的には俺と灯しか使っていない。\n俺と灯は元の世界へと帰り、けれど週末や長期休みになるとラグナギアへと戻って来る。未だに勇者としても活躍中だ。\nまあ、元の世界の根回しが済んだら、むしろこっちに移り住もうと思っている。\n灯に至っては、俺のいる所が自分のいる所だと言い切っており、一緒に移り住む気満々だ。私は側室でいいからねとか言っているし……いや、いいのかそれ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……平和だな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、シエルに抱かれて眠るその子の頭をそっと撫でた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、とっても平和です",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "シエルも、心から幸せそうな笑顔で、そう答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それでですね、アラタさん。私、この子を育てていたら、本当にもう一人子供が欲しいなって思っちゃいました\n私、アラタさんとの子供が欲しいです!",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "いや、シエル?それ凄い爆弾発言だって分かってるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "どこまでも無邪気なシエルの発言に、俺の方が困ってしまう。シエルは本当にシエルのままだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。でも、私はアラタさんのお嫁さんですし、問題ありませんよね",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "……まあその、それはそう、なんですが……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あまりにもストレートな発言すぎて、俺も笑うことしかできない。その発言は、俺だって幸せすぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさん。ずっとずっと、大好きですから",
"speaker": "シエル"
},
{
"utterance": "そして、完全なまでの敗北。勇者でありヒーローであるはずのこの俺を、ここまで完璧に負かせられる存在なんて、間違いなくシエルだけだ。\nだからまあ、負けたものの義務として、俺もハッキリ宣言しておこうと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、俺も大好きだ、シエル",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "世界は、きっとこれからも、間違いなく平和なままだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"新"
] | 09_Sekai | 1414_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "それじゃあやるぞっ。勇者のためのその1、ギアの特訓だ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "お、おー……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "声が小さいぞ灯、そんなんで勇者が務まると思ってるのか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "お、おぉーー!\n…………はぁ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "数日後、ギアの外装修復が終了した俺達は試しに起動してみようということで草原へと来ていた。\nしかし何故か灯のテンションが低い。\n本当にどうしたんだろう。新しい装備や武器やコスチュームを手に入れたら普通、最高にハイってヤツになるんじゃないだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んじゃ灯、さっそく起動してみてくれ。やり方はわかるか?",
"speaker": "新"
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{
"utterance": "え~~っと、多分……確かこう『動け~』って念じればいいんだよね?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうそう、そんな感じ。考えるな、感じるんだ",
"speaker": "新"
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{
"utterance": "わかった、それじゃあやってみるね。ふー……\n………………",
"speaker": "灯"
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{
"utterance": "灯は綺麗になったペンダント……ギアを握り、目を瞑って静かに集中し始める。\nその静謐な雰囲気に、俺も周りの雑音が消えたような錯覚に陥った。\nそして、徐々に空気が張りつめていく。\nギアも反応し始め、この前と同じように薄く光り始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいぞ灯、上手く起動し始めてる",
"speaker": "新"
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{
"utterance": "うん、わかった……なら……\n………………",
"speaker": "灯"
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{
"utterance": "灯を中心に風がざわつき始め、草がなびく。\n強まっていく風に合わせ、ギアの光もどんどん強くなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の額に薄く汗が浮き出る。しかしそれを拭おうとはせず、気にしたそぶりも見せない。\nそれくらい集中して、真剣だということだろう。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "……ん…………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そして小さく声を出し、ペンダントの光が一際大きくなった時――、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "足元から吹く風がスカートをめくった。そりゃもうばっさぁという感じで。\nというか今もめくれている。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "………………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふむ、白か。\n飾り気のないシンプルなものだが、灯らしいと言えば灯らしい。\nこう、無駄にお洒落で着飾るんじゃなくて素材勝負というか、結構シンプルな服をよく着てる印象がある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ…………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……うん、何と言うか。ドキドキだな!\n昔から知ってる灯の下着を見てもそんなに興奮しないんじゃないかと思ってたけど。\nむしろ幼馴染だからこそのドキドキか、ドキドキなのか。\n斬新というか、新鮮というか。想像通りと言ったら想像通りのものだが。\nいやそんな頻繁に見てるわけじゃないけど。いくらスキンシップが旺盛な灯でもそんなはしたないことはしないし。\nそれでもまあ、見えてしまう時は見えてしまう、ということだな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "当の本人は全く気付いてない様子で、今も風にスカートめくられ放題。その集中力は素晴らしいな、見習いたいくらいだ。\nっていやいや!俺は何をまじまじと見てるんだ。灯がそんなに頑張ってるのに失礼すぎる。\nそれに勇者やヒーローのすることじゃないっ。\n男だけど勇者。ヒーローだけど男だとしてもだ(多少混乱中)。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー灯、集中してるところ悪いけど一つ言っておかないといけないことがある、というか出来た",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……ん……なに、新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "声をかけられても目を瞑ったまま。スカートもめくられたままだ。\nそんな姿を見てると気にせず頑張ってほしいと思うけど……ここはちゃんと言わねば!灯のために!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、俺も男だ。遠まわしに言うと灯も恥ずかしいと思うし、はっきり指摘しよう\nパンツ見えてる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "へぇええっ!?う、うそっ!?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "いやマジで。勇者嘘つかない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ってちょ!新くんっ、もしかしてさっきから!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "すまん、最初からばっちりだった",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なな、なんでそんな冷静にっていうか……!\n見ちゃだめえぇえぇぇえぇぇぇぇぇっっっ!!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "本当に悪い、もっと早く言えばよかったな。ちょっと言いづらくて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "謝るのはいいからっ、あっち向いてて!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "その手があったか!また悪い、気づかなくて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "本当に思いつかなかった。\nそれほどまでに俺の目と意識を釘づけにする灯のパンツ、恐るべし!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぅ……よりによって何で今日なの……特訓だって言うから汚れてもいい地味なのはいてきたのに……\n……こんなことなら前買った可愛いのにすればよかった……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "………………えーっと、灯さん?\nおっと。また意識を刈り取られるところだった、恐るべし!!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃあ今日はこの辺で終わりにしとくか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ごめんね新くん、ちゃんと発動できなくて……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "謝ることじゃないって。俺が無理矢理誘ったんだし、それに途中でいろいろあったしな。集中力が途切れたんだろう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そっ、それは言わないでよ、もう……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あの後何回か試したけど結局最後までギアを発動させることは出来なかった。\nずっと集中し続けるのも疲れるし、別に今すぐ使わないといけないなんてこともないので今日は切り上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "残念そうな、申し訳なさそうな顔をする灯。\nう~ん……確かに俺も、灯が勇者としてギアを使えるようになったら嬉しけれど、そこまで気にする必要ないんだけどなあ。\nなので俺は、下を向いてる頭にぽんと手を乗せて、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁこの前みたいな状況じゃないんだし、絶対に使わないといけないってこともないからな、ゆっくりやっていこう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "言いながらニカッと笑いかける。\n本当に灯が気にする必要なんて全然ないんだから。\nさらにぽんぽんと頭を撫でる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "新くん…………\n……えへへ。ありがと、励ましてくれて",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "気にするな。勇者として当然の行いだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "と灯も笑い返してくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んじゃ腹も減ったし帰って晩飯にしよう。よく修行してよく食べてよく寝る。これも勇者に必要なことだしな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうしよそうしよ。よし、ならお城まで競争だ。とぁー!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "おっとフライングか灯、それは勇者として見逃せない行為だな。逃がすかーっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "と俺達は、二人はしゃぎながら駆け出していく。\nだけどやっぱり、灯はどこか沈んだ顔をしていて。\n帰るまでそれは変わらなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 2303_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "灯か?入っていいぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新くん?私。今だいじょ……ってえ?なんで私ってわかったのっ?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "はっはっはっ。そりゃ勇者として日々鍛えてるからな。灯が部屋から出たところから気づいてたぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それはもう勇者とはちょっと違うような気も……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "まぁ冗談だけど。幼馴染だからな、なんとなくわかるさ\nそれよりほら、中入れよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、うん……それじゃ、おじゃまします",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ということで特訓をしたその日の夜、俺は急な来訪者を部屋に招き入れた。\nおずおずと言った様子で入ってくる灯。普段はもっと気軽に入ってくるのに、本当にどうしたんだろう。\n適当にくつろぐように促すと、灯はベッドの上へ座る。俺はそれと向かい合うようにイスに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで。なんだ、話って",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "えっとね……今日の、特訓のことなんだけどね……その、あの……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯は言おうかどうか迷ってるように口を開いては閉じを繰り返し。\n視線を逸らして言葉を探してるようで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別に慌てる必要ないからな。落ち着いて話してくれればいい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、ありがとう、新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そして一つ息をついてから目を閉じて、それからゆっくりと話し始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……今日さ、ギアの特訓したよね。それで、全然上手くいかなくて……\n………………\nあれって多分、私のせいだと思うの……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯のせい?別にそんなことないだろ。気にしすぎだって\nレイも言ってただろ?灯にも勇者の資格があるって",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ううん、違うの。そういうことじゃなくて……\n……私が勇者に、ヒーローになりたいと思ってないから、ギアが起動しなかったんだと、思う……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "勇者になりたいと思ってない?\n確かに灯が自分から『勇者になりたい』って言ってるのは聞いたことないけど。\nでもそれと『なりたいと思ってない』というのはちょっと違うよな。\n俺は黙って続きを待つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私は……新くんみたいに強くないから……私みたいに弱い人間が、ヒーローになれるはずないから……\n……ギアを使う時にもそう思っちゃって……そんなこと考える私が、勇者になる資格なんてあるはずないって、そう考えちゃって……\nだから、動かなかったんだと、思う……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "初めて聞く灯の気持ち。\n悩みなんてなさそうな、なんて思ってないけど。\n……いつも明るくて、元気で、見ていて楽しい女の子。\n灯は、俺の幼馴染みはそんなことを考えていたのか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……だから、私はいいの。勇者にも、ヒーローにもなれなくて\n新くんが活躍してるところを、見守るだけで充分だから\n……それを、言いに来たんだ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そう言って笑う。\nだけどその笑顔はいつもと全然違って悲しそうに。\n儚げで、今にも消えそうで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺は思わないよ、灯が弱いなんて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だから俺はそう答える、当たり前のことを。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ソルを倒せたのは灯がいたからこそだし\nきっと灯だったら、俺と同じくらい強い勇者にもヒーローにもなれるさ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新くん……それは……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "嬉しそうな、寂しそうな表情で見返されて。\n俺は構わず続きを言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、灯がなりたくないって言うのなら俺はその気持ちを尊重する\n勇者ってのは、ヒーローってのは誰かに無理矢理やらされるものじゃない。そんなの英雄じゃない\nだから灯がやりたくないっていうなら、無理にやらなくていい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……っ…………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "本当にそう思う。\n灯が勇者になる必要なんてない。だって、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これからも俺がヒーローで、灯を、みんなを守るから\nだから灯がそう言うなら、思うなら、背中を見ていてくれ\n俺の雄姿を見守っていてくれ。それだけで俺はヒーローになれるから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "灯がヒーローをしたくないと言うならそれでいい。\n灯が勇者になりたくないと言うならそれでいい。\n俺が灯を守ればいいだけだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "新くん……その台詞って……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁそうだな。あの時と一緒だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺がヒーローを目指すきっかけとなった、あの時と同じ台詞。\n口に出すのも、思い出すのも腹ただしいくらい嫌な。\n自分の無力さを思い知らされた出来事。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……………………\n改めてお礼を言わせて新くん。ありがとう、私を助けてくれて",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "礼なんて言うことじゃないだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "とぶっきらぼうに返してしまう。\n面と向かって言われるのが恥ずかしいわけじゃない、決して。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お礼を言うことだよ。だって私、新くんがいなかったら何も出来ずにただいじめられて……\n新くんがいるから、今こんな風に笑えるんだもん",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そう。灯は昔、かなり酷いいじめを受けていた。\n原因はおそらくだけど、その性格なんだと思う。\n小さい頃の灯は気が弱くてすぐ俺の背中に隠れるような女の子だったから。\n子どもというのは残酷で、そういう対象を見つけると攻撃する。\nまぁ、からかいというか、気を引きたいっていうのもあったんだろうけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……むしろ悪かったな。気付くのが遅れて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "教師から見て見ぬふりをされ、灯の両親にも心配させないように相談もせず、一人で必死に耐えていた。\n結局俺が知ったのはギリギリまで追い詰められてからで。\nその後全力で暴れていじめをやめさせた。だけど俺が気付けなかった間、灯が苦しんだことに変わりはなく。\n思い返すと胸をかきむしられるような怒りに襲われる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "謝らないで、新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そんな俺の気持ちを見透かしてか、無意識のうちに強く握った拳に手を重ねられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "新くんが変わらずにいてくれたこと。それが何より嬉しかったんだから\n助けてくれた時も私の手を握って、『これから俺がヒーローになるから、今度から絶対に守るから心配するな』って……\n『灯は後ろから俺の背中を見てればいい』って。だから私、安心して前を向けるようになったんだ。前を見れば新くんがいるから\nまた、心から笑えるようになったんだ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ああ、その時からだ。俺がヒーローを、人を守る存在を目指すようになったのは",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "口先だけじゃない。本物に、本当のヒーローに。\n例え誰かに笑われてもいい。\n俺がヒーローになることで傷つく人がいなくなるなら、それでいい。そんな風に、心の底から思ったんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな新くんを私はずっと見て来たから。これからも見ていきたい\n新くんがヒーローを続けるなら、活躍するところを全部見たい\nだからもう一回言うね?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "一度目を伏せて。\nまるで重大な告白をするように、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私はヒーローになれなくていいから。だからそこを、新くんの後ろを……\n私だけの特等席にさせて",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "照れくさそうにそう言った。\n小さくはにかみながらの笑顔で。\nもちろん俺はその問いに、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかった。灯がそう言うなら",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺自身も昔を思い出して、改めて誓う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺はこれからもヒーローを目指す。灯が満足してくれるヒーローになる。だから逆に頼む\nずっと見ていてくれ、特等席で",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "真っ直ぐに灯を見つめながら。\n灯も真っ直ぐに見つめ返しながら、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うんっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "嬉しそうに、満足気に。\n力いっぱい、頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 2304_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "灯か?鍵開いてるから勝手に入っていいぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "お邪魔、します……\n……えっと新くん、今大丈夫かな……?相談したいことが、あるんだけど……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "全然大丈夫だ。むしろ大丈夫じゃなくても灯のためなら大丈夫るしな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "日付も変わろうとする夜更け過ぎ、愛する恋人がやってきた。\n夜、二人以外いない部屋、付き合いたての恋人。\n……そういう意味ではあんまり大丈夫じゃないけど……イケる、俺は我慢できるっ。\n二人でベッドの上に座ろうともだ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでどうした相談って?もう私勇者やめる!とか言わないでくれよ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "言わないよそんなの。だって今とっても楽しいもん、新くんと一緒に勇者することが\nでね、相談なんだけど……正確には、相談じゃないんだけど……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "???",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "イマイチ要領を得ないな。相談なんだけど相談じゃない?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "灯、それってどういう――",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "やぁっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "尋ねようとした瞬間、思い切り抱きつかれる。\n昔の俺なら避けただろうが今は違う。\n俺は、真正面から抱きとめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……ぁ……っ……んぅ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "柔らかい灯の、さらに柔らかい二つの膨らみをむにむにと押しつけられる。\nいつもは涼しい顔でしてくるくせに、今日に限っては頬を真っ赤にして、恥ずかしがってるようで……。\n……落ち着け光島新……こんなのはいつものスキンシップじゃないか。そう、いつも通りの、うん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ど、どう……?新くん……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "どうって言われても……いつも通り灯の感触が気持ちいいとしか言いようがないな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そっか……気持ち、いいんだ……\n……な、ならさ……む、むらむらとか……こう、私のこと……お、襲いたくなるとか……そういう気持ちに、ならない……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "お、襲いたくなるって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "正直なってるけど、言えるわけなくて。\n……でも、何で灯はいきなりそんなことを聞いてくるんだ?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかして何かあったのか灯?不安なこととか。それを伝えようと遠まわしに……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "と俺は聞いてみるも……、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……はぁ、そうだよね。新くんはそういう人だよね……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "と盛大にため息をつかれてしまった。\nなんだ?本当に何かあったのか?\n灯は俺の体から離れて、改めて向き直り、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………\nねぇ新くん……私って、魅力ない?女の子として、興奮しない……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "少し寂しげにそう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、興奮……っ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、そんな灯の言葉にまた戸惑い慌ててしまう。\n本当に、なんでそんなことを……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……今日さ、姫さまやアウロラさんたちと話して、聞かれたんだ……私と新くんって、そういうことしてないのかって……\n言われてみれば私たちって、恋人同士になってちゅうもぎゅうもいっぱいしたのに……その先の雰囲気とかあっても、しなくて……\n……だから、私に魅力がないから……新くんもそういう気持ちにならないんじゃないかって、そう思ったの……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "胸も大きくないし……お尻だって小っちゃいし……背だって、中途半端で……\nあはは……自分で言ってて納得してきちゃった……こんな私じゃ、新くんも興奮してくれないよね……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "目の端に涙をためて、声を震わせて。\nスカートをぎゅっと握りしめ、そんな不安を口にする。\nどんどん顔が下に向いていく。\n溜まった涙が、手に落ちそうになって、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなことない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は灯の体を強く抱きしめる。\n安心させるために、涙を止めるために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんな、灯を不安にさせて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "謝るために抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんな、灯にそんなこと言わせて……灯は何も悪くないから……\nむしろ原因は、俺の方にあって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新くんの……方……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうだ。俺の相談も、ちょっと聞いてくれるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……うん。聞かせて?新くんの相談",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯も抱きしめ返してくれる。俺を安心させるために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ちょっと、言うの恥ずかしいんだけどさ。今までは灯のこと、絶対にそういう目で見ないようにしてきたんだ……\n前も言ったけど灯の気持ちには気づいてたから……俺がそういう気持ちになったら、すぐ転んじゃうだろ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "確かに……新くんが『ぱんつ見せろ!』とか言ってきたら見せちゃうね、光を超える速度で。そんな人じゃないから好きになったんだけどさ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "それもどうかと思うけど……まぁそれでだ。いざ恋人同士になってもその癖が抜けなくてズルズルって来たわけで\n……ここからが恥ずかしい話なんだけど。最近は灯に抱きつかれたりするたび、気持ちが強くなってきてるんだ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……え?それって……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうだ……今だって、すごい我慢してるんだぞ?灯を抱きたいって気持ちを\n……でも、それをぶつけたら灯を傷つけて、嫌われるかもしれないから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう告げる。\n俺の欲望を、剥き出しで。\nそんな俺の恥ずかしい告白を聞いた灯は、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な~んだ。良かった、新くんが私をちゃんと女の子として見てくれてて\nそこまで、私を求めてくれてて……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "くすりと、嬉しそうに笑った。\nどちらともなく、お互い体を離してから、見つめ合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しよ?新くん……さっきも言ったけど私、新くんに抱かれたいから……\n新くんと、繋がりたい……通じ合いたい……\n……新くんに、愛されたい……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "潤んだ目で、優しい目で、愛おしい目で言ってくれる。\n俺も、同じように返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……しよう、灯……\n俺も一緒だから。灯を抱きたい、繋がりたい、通じ合いたい……\n……灯を、愛したいから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん、それじゃあ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そして俺たち二人は慎重にゆっくりと、\nより深く、気持ちを確かめ合うために、\n一歩先へと進んでいった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 2312_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "えへへ、やっぱり緊張するね……嬉しいんだけど、こうやって改まると……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺も、かなりドキドキしてる……今から灯を抱くんだって思うと……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ほんとに?新くんも?どきどきしてるの?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "もちろん、こういうことするの初めてだからな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "決して興味がなかったわけじゃなく、ただ単に目指すものがあったからそっちを優先していただけで。\n……時々感じる灯の柔らかさはちゃんと意識していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そっか、新くんも初めてなんだ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……意外だったか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ちょっと、ね……みんなを守る、ヒーローの新くんだもん。女の子にモテたりさ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "全然そんなことなかったぞ?みんな友達って感じで。それに灯以外の子は気にしたことなかったし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それは新くんが気づかなかっただけだよ。まぁそこが魅力なんだけどね、自然に優しいっていうか……私も安心できたし",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "これは褒められてるのか?正直鈍いと言われてるようにしか思えないけど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……でも嬉しい。ということは私たち、初めて同士なんだよね……?\nよかった、私の初めてを、新くんの初めてに捧げられて……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "言いながら愛おしく笑う灯。\n……そうだな。灯が褒めてくれるなら素直に受け取ろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、新くん。キスして、キス……新くんの柔らかくて、強くて、優しい唇で、ちゅって……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そんなのお安いご用だ。むしろさせてくれ。灯の唇の感触、味わわせてくれ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お互いに……んっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の肩に手を置き、唇を合わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……ちゅ……んんっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ん、ん……ちゅ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "むにむにというか、ぷにぷにというか。とにかく柔らかくて……。\n……あぁ。すごい、気持ちいい……。\n唇が、脳がとろけそうだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぅ、んんっ、んぅぅ……ちゅ、んちゅぅ……ちゅっ……んっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "吐息を感じながら一旦体を離して。\n見つめ合いながら、お互い何となく笑い合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……えへ、えへへ……なんか、すごかった……さっきのちゅう……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……うん、すごかった……本気で、KOされるところだった……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "私も、ふわふわして……どうしてかな?今から、しちゃうからかな……いつもよりも、ずっと気持ちよくて……\n……新くん、もう一回……ううん、もっと、ちゅうし、んっ……ちゅ……ちゅっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "言われる前に唇を塞ぐ。\n俺も、もっとしたいから……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……灯……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もっと深く、もっと先へ……もっと奥に……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あふっ……あら、たくっ……んっ……ちゅぷ、ちゅろ……れろ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "舌を口の中に侵入させる。\n別にそういうことを知ってたとかじゃなく。\nただ、もっと感じたくて……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ……っあむぅ……むぅ、新くんの舌……むちゅ……じゅる……ぃ、いい……っ……きもち、いぃよぉ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "んっ……灯の舌も、気持ちいいぞ……んっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そのまま唾液を交換するように舌を混じらせ絡ませる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゅ、じゅず……あらたくん……っ……っあらた、くんっ……ちゅっ、ちゅるっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "どんどん興奮が高まってくる。\n舌でこれだったら……もし触ったら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……灯……そろそろ服、脱がすな……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んっ、ちゅっ……ぅん、いいよ……脱がして……新くんに、脱がしてほしい……\n……新くんに愛してもらえるんだって、思わせて……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……あぁ。灯を愛したいから、それじゃあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "灯にバンザイをしてもらって上着を脱がす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "たった一枚上着がなくなっただけなのに。\n灯との距離がぐっと近くなった気がして。\n魅力が増して、愛したいって気持ちが増して……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もぅ新くん、じっと見過ぎ……さすがに、恥ずかしぃよ……\n……やっぱり私の胸が小さいから……だよね……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あ、あぁ……い、いやすまん……見惚れてただけで……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "渇いた唇と喉を濡らして言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……何か、さらに可愛くなったっていうか……綺麗になったっていうか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふぁ、ふわぁ……あ、ありがとう……\n………………\n……ど、どうしよう新くん、私……何言われてももう……嬉しくて、恥ずかしくて……うれしい……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "くっ……なんて可愛いんだろう、俺の彼女は……。\n今すぐ押し倒したくなる衝動をなんとか抑える。\n……よく我慢出来たな、昔の俺は……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃ、もっと灯に恥ずかしくなって、嬉しくなってもらうからな?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "う、うん……して……新くん……っぁっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ゆっくりと胸に触れる。\nドキドキという心臓の鼓動が、大きさが手の平を介して伝わる。\nうぉぉ……感動というか、何と言うか……。\nそのまま壊れ物を扱うように優しく揉み上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぅっ……んっ……はぁっ……あ、っぁ……っんっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "意識してたけど意識しないようにしてた胸の感触。\n服の上からでもわかる。その柔らかさと暖かさ。\n幸せな感触というのが、一番近い……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っあ……はぁ……んっ……ぁっ、っぁ……んっ……んっ……\n……んぅ……新くんの、手……さわりかた……すっごぃ、やさしくて、きもちよくて……はぅ、やらし、ぃぃ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "っと悪い……がっつき過ぎたか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っん、ううん……違うよ……やらしいのが、いいの……それが気持ち、いいの……だから、だからぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "…あ、あぁ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "結局、気持ちよくていいってこと、だよな……?\n心地よさそうに目を閉じながら、俺の手を受け入れてくれてる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……新くんも、きもちいい?私の胸、小さいけど……さわって、喜んでくれてる……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……柔らかくて、むにむにしてて……すごい気持ちいいぞ\nそれに灯はさっきから小さいって言ってるけど、この大きさがいいっていうか……\n……俺の手にぴったりで……なんか、いい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……なら、よかった……新くんが、満足してくれたな……んっ……あぁ、あっ……\nはっ……あんっ、あっ……はぁっ……あ、ん、あっ……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "どんどん荒い、甘い声になっていく……。\nそんな声を聞くたび、俺もくらくらして。\n……もっと、いっぱい感じさせたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んぁ……っあ……はぁ……私の、胸……むにゅむにゅぅ、って……こえ、でちゃう……とまら、なっ……あっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "手の平で揉んで、挟んで、押して……。\n引っ張って、すくって、つまんで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あっ……んうぅ……あぁっ……ちょ、ちょっと、ま……あっ……って……っぇ……この、ままじゃっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……お、おぉ、悪い……夢中になってた",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んぅ……んっ……っはぁ……も、もう……新くんだけ、ずるい……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ずるいって……まぁ、確かにずるかったかもしれないけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でしょ?私だけ、気持ちよくされて……その……す、すっごく、気持ちよくされそうになって……\n……私だって……新くんのこと、気持ちよくしたいんだから……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "なんて可愛く拗ねたように言う。\nと言われても……と言うことはえっとつまり……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから今度は私の番……私が、新くんのを……\n保健の授業で、習ったけど……こんなおっきくなるんだ……おぉぉ……今、びくって……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "興味津々と言った様子で俺の前、ペニスの前に跪く灯。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……先っぽが濡れてて……ん、これががまん汁ってので……すんすん……はぁ、それでこれが……新くんの匂い……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "観察しながらいろいろ感想を言われる。\n……うむ、何とも恥ずかしい!のはまぁいいとして、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当にいいのか、やってもらって……もちろん俺は嬉しいんだけど",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……うん、全然かまわないよ……私がやりたいんだから……新くんが嬉しいなら、私も嬉しいし……\nじゃあ、させていただきます……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……よろしく頼む",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なんて気合を入れた感じで握る灯。\n小さくすべすべした手の感触がペニスに伝わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ……な、なるほど……こういう感触、なんだ……\n思ったよりも、硬くないっていうか……ぶにぶにしてて……変な、感触……\n……それに……すごい、熱い……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "うっ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "突然きゅっと力を込められ思わず声が出てしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っごめん新くんっ、つい力入れちゃって……痛かったよね?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……いや、大丈夫。その、気持ちよくて出ただけだから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そっか……気持ちよかったんだ、さっきので……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そして考え込むように見つめてから、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それじゃあ、するね……もっと、気持ちよくなって、新くん……私が、するから……\nんっ、しょ……ん、しょ……んっ……ん、んぅ……はぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "手を上下に動かし始める。\nいわゆる手コキってやつで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これで、いいかな……新くん?気持ちいい……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "お、おう……あぁ……気持ち、いいぞ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いかん、どもってしまった。\n人に……灯にやってもらったら気持ちいいだろうとは思っていたけど、明らかに想像以上で……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ほんとに?ほんとにほんと……?私に気をつかってくれてたりとか……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "っしてないしてない……っ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんな余裕ないし……!もちろん男の意地で言わないけど。\nというかその上目使いも卑怯すぎるぞ灯!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よかった……それじゃあ続けていくね……\nもっと速くとかゆっくりとか……強くとか優しくとか……してほしいことがあったら遠慮なく言ってね……ん、しょっと……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "っ……ぁ……ぁぁ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう言って本格的にコスりあげていく。\n根本から持って、皮を伸ばすように動かし。\nカリのところまで行ったら今度は逆におろす、それの繰り返し。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ……はあ、はぁ……ぁ、新くんから、お汁……垂れてきてる……私の手で、感じてくれてるんだ……\n……手まで垂れてきて……ぬちょぬちょってして、ぐちょぐちょってして……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……めちゃくちゃ感じてる……めちゃくちゃ気持ちいいから……\n……っそれも、すごい、いぃ……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ペニスから卑猥な音が立つ。\n灯の手に垂れた我慢汁が潤滑油になって快感が加速して……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……それに新くん、気持ちよさそうな顔して……声も出して、かわいい……♪\n……ならさ……手だけでこれなら、こうしたら……ぺろっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "っ!ちょ、灯……お前……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んちゅ……だめ、だった……?勝手に、舐めちゃ……んれる……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ダ、ダメっていうかその……逆に灯はいいのか……そんなの舐めて、汚いとか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "思うわけないでしょ……?私からしたんだし……ちゅ、それに新くんから言われても、喜んで舐めたよ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "よ、喜んでって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それはまた変な勘違いしそうだ。\n灯がめちゃくちゃえっちな女の子だとか。\n実際そんなわけないんだけど。俺のことを想ってくれてるだけで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……んむぅ、それよりどう?きもち、いいかな……?さっきのちゅうの時……私の舌、きもちいいって言ってくれたから、やってみたんだけど……ぺろ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "もちろん、文句のつけどころがないっていうか……灯の気持ちが伝わってくるっていうか……\n……かなり気持ちいい……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "えへへ、そっか……なら、このまま舌でも、ぺろぺろしていくね……れろっ、ぺろぺろっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "よろしく……うっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ペニス全体は手でシゴかれて、先は舌で刺激される。\nちろちろと尿道をかすめて……っ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "れる、れるれる……んっん……ちゅぱ……っ……先っぽから、またお汁……流れて……ぺろれろっ……\nんっぅ……んぅんぅ……舐めるたび……ぃっぱい出てくる……新くんの、えっちなお汁……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯はまるで我慢汁を止めようとでもするかのように必死に舐める。\nその度に我慢汁は出て、舐められ、出て、舐められを繰り返す。\n反比例して快感はペニスへと蓄積されていく……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ、はぁっ……はぁっ……匂いも……すごく、濃くなってきて……ぁぁ……新くんの……おちんちん……っちゅぷ、れろ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯も興奮してるのか熱に浮かされたような表情。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、灯……もっと激しく。やってもらえるか……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "気付くとそんなことを口にしていた。\nこのままイきたい。灯に最後までしてもらいたくて……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っふぅ、はぅ……う、うん……わかった……もっと激しくだね……?だったら、こうして……\nあむっ……んっ……んじゅ……ちゅちゅ……じゅるっ……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "…………っ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ペニスがぬめりを帯びた熱さに包まれる。\nそれは咥えられたからだとすぐにわかるも、今回は止めることはせず。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぃ、いい……そのまま、最後までやってくれ……もうすぐ俺、イきそうだから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん……っ……っうんっ……っわかった……!ならこのまま、するから……イって……っ\nんっ、ふっ……ふっ……んんっ……じゅぽ……んっ……じゅぼっ……んっ、ふっ……ちゅぽ……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "手の動きが激しくなる。\nちょうどいい強さで握られシゴく速さが上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はむ……ちゅ、じゅ、ぢゅぢゅっ……!ぢゅぞっ……ちゅるっ……ちゅぷ……っ\nじゅぢゅっ……ぢゅるっ、ぢゅ……っ……っはぁっ……ずぽ、じゅぽ……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "口の動きが激しくなる。\n柔らかい唇にしごかれ舌が亀頭を這い回る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むぅ、ふぅ……!口から、あらたくんのおしる……っ……こぼれちゃっ……!じゅるるるッッ!\n……なかにも……っ……いっぱいたまって……じゅっちょ、ぢゅっちょ……じゅぽっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "生暖かい水の感触。\n口内に溜まったツバを飲みこみながら吸われるのがたまらなく気持ちいい……!\n頭を振るたびに水が飛ぶ。顎に我慢汁と灯の涎が垂れる。\n灯の、下品ともいえる姿が……!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ……ん、灯……もうすぐ出そうだから、離れて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んっぐ、んっ、んんっ……!ぐっぽ、じゅっぽ、ぢゅぼっ……!ぢゅぢゅるっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "行為に集中して聞こえないのか、そのままフェラと手コキを続ける。\n……やばい、このままだと口の中に……!\n知ってか知らずか責めてるように一段と激しく……!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はむ、あむっ……っあぁっ、はぁっ……あらたくんのぶるぶる、ふるえてぇ……っ……っあぁっ\nんっ、んっ、んうっ!んんっ、ぅんぅ……!んぅぅっ!ん、んっ、っぅんっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あ、あかりっ……もうっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んぬぅ……!んうふぅ!ふっ、ふぅんっ……!んん~~っ……じゅるるっ、じゅぶっ!\nぐぽっ!ぐっぽっ!じゅる、ぢゅぢゅぢゅっ~~……!じゅるるるるッッッ!\nんんぅ!?んっっ……!ん、ん~っんっ~~……ッッ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "結局間に合わず、快感に勝てずそのまま射精してしまった。\n口の中を満たすくらいの量を出す。\n快感を解放できた満足感と、罪悪感が途端に込み上げるも……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぷはぁっ……!びっくりしちゃった……今のがしゃ、しゃせぇって、言うんだよね……?\n……すごい、あんなにいきおいよく出るんだ……口から外れちゃって全部のめなかったし……ごめんね新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "何故か灯は笑いながら言ってくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、そんなのは別にいいっていうか……むしろ俺の方こそすまん……初めてなのに口の中に、しかもいきなり出して……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "くす……そんなの謝ることじゃないよ……ガマンできないくらい私の口、気持ちよかったってことでしょ……?\nむしろよかった……ちゃんと新くんが満足してくれたみたいで……安心しちゃった……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "愛しさが湧き出てくる。\nこんなに俺を好きでいてくれて、想ってくれて。\n……だから今度は、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "繋がろう……次は二人で一緒に、気持ちよくなろう……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "頬に手を添えながら。\nこの想いに応えたい。\nこの気持ちを伝えたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん。来て、新くん……私のここに、新くんのを入れて……\n二人で一緒に、気持ちよくなろ……\n……はぅぁ……す、すごいよね……この格好……もう、全部見られちゃう……みたいな",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……灯のこと、全部見れるぞ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ベッドに寝転びながら恥ずかしそうにはにかんでる灯を見つめる。\n全てさらけ出す、いわゆる正常位ってやつで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうする?灯が恥ずかしいなら、違う恰好で……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ううん……恥ずかしいけどこのままでいいよ……このままがいい……\n……新くんに、私の全部見せたいし……新くんの全部も見たいから……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯……\n……じゃあ見てくれ、俺の全部……見せてくれ、灯の全部……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……ん、どうぞ……見て、さわって……私を、感じて……\n新くんに、気持ちよくしてもらってる私を……いっぱい……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……わかった、たっぷり感じさせてもらうから……灯も感じてくれ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ブラをずり上げて灯の全てを出させてもらい。\nさらに愛撫も開始。\nあらわになった、生の胸を揉ませてもらう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ……あっ、あっ……あんっ……っああっ……っはんっ\n……ふっぁ……きもち、いいよぉ……あらたくん……わかる……?見てくれてる……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "見てるよ、ちゃんと……灯の、感じてくれてる顔……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っだい、じょうぶ……?私、へんな顔してない……?はぁっ……感じすぎて……だらしない、顔……あんっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "全然……可愛くて綺麗だぞ……もっと、乱れてほしいくらいだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っ~……っそ、そう……?なら、もっと……やって……?もっと、私をえっちに……っあっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "言われるまでもない。\n胸から乳首へ移動、指で挟んですりすりと刺激する。\nするとみるみるうちに硬く勃ち始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っっあんっ!あ、あっ、ああぁ……!それっ、あらたくっ、それぇ……っ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "まるでそれがスイッチのように大きな声が上がる。\n擦るたび、つまむたび、少し力を込めるたび、体がびくんと跳ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぅ……!はわっ!はんっ……!あ、はっ、っあ……っ!んん~ぁっあ!\nっ~っっ……ど、どう?あらたっ~っ……くん?いま私……えっちなかお……してる……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ん、してるぞ……顔だけじゃない、声も、体も……全部、えっちだ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っ……っそぅ、なのぉ……新くんに、さわられるたびに、かんじて……んああぁっ\nかおもっ……声も、体も……きもちも……ぜんぶぅ、えっちになって……っ……あっ、はあっ\n……ぅぅ……せつないよぉ……おなかのおくが、きゅんきゅんして……せつないよ、新くぅん……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "今すぐ挿入したい!\n灯のここに、俺のものを入れたい!\n……そんな欲望を何とか押し込み……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……下着、脱がすな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……うん……うん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "腰を上げてもらい、しゅるりと脱がす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁぁ……うぅぅ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "薄い茂みの下、ぴったりと閉じた灯の部分。\n愛撫のおかげか濡れていて、てらてらと光っている。\n……今からここに……。\nそう思うとごくりと喉が鳴る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あぁぁ……見られてる……私の、あそこ……新くんに……っ\nっさすがに……っ……ちょっとっ……っっ……っはずかし、くて……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "それはそうだよな。\n俺だって正直恥ずかしいし、女の子の灯ならなおさらだ。\nだから俺は、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……灯……んっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん、新くん……ん、ちゅ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "何も恥ずかしがることはないと。今から灯をもらうと。\n安心させるため、宣言するようにキスをする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……落ち着いたか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……うん、少しおちついた……ありがと、新くん……キスされて、違う方向にどきどきしちゃったけど……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "なんて軽く笑ってくれて。どうやら効き目はあったようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃあ、入れるからな……痛いって話だし、無理そうだったら……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "言わないよ、止めてなんて……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そう即答される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……だって、新くんに愛してもらえるんだもん……そんなの言ったらバチが当たっちゃうよ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "むしろバチが当たるのは灯の気持ちに答えなかった俺の方だと思うけど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……じゃあ、新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ、行くぞ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そして俺自身を灯にあてがい、一気に貫く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っっ~~っっ!!つぅ……~~っ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ブチブチと引き裂く暴力的な感覚。\nベッドに流れる純潔の証。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っぁ……ん~~っっ……んくっ……っっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "先端に感じる窮屈さ。\nそれら全てが、灯と通じたと教えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……入った、入ったぞ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っっ~……っわかるよ……私の中で、新くんを……感じる、から……\n……ありがとう、新くん……愛して、くれて……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "目に涙を浮かべながらそう言われる。\n……違う、そうじゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは俺の台詞だ……ありがとう灯、受け入れてくれて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そのまま二人、お互いを感じ合う。\n俺は灯を、灯は俺を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ん、新くん……動かないで、いいの……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ、こうしてるだけでも気持ちいいしな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……ふふ、嘘ばっかり……だって新くんの、私の中でびくびく動きたそうにしてるもん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "うっ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "確かに、入れてるだけで気持ちいいのは本当だ。\nだけどもっと感じたいっていうのもある……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいよ、動いて……ううん、動いてほしいの……新くんに私を、感じてほしい……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯……いやでも……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それに私だって、新くんを感じたいんだ……だからお願い……感じさせて、ね?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうか、何を言ってるんだ俺は。\n灯と俺は対等で、その灯がしてって言ってるんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なら、動くな?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん、うん……ありがと……っ……んっ……んくっ……っぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そして俺は腰を動かし始める。\nもし立場が逆だったとしたら俺も同じことを言うだろう。\nなら気づかう方が、灯の気持ちを無駄にすることになるから……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く、はぁ……きもちいいよ、新くん……私の中、出たり、入ったりして……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……俺も気持ちいいぞ……灯の中ぐにぐにして、俺のを締めつけてくれる……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あは……なら、嬉しい……気に入ってくれたなら……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "と言っても単純な刺激の強さではさっきのフェラと手コキの方がいいかもしれない。\nだけど、ここでは灯の気持ちが直接伝わる。心と心が繋がってるから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねぇ、新くん……もっと、動いて……いぃよ……\n……私もさ、気持ちよくしてもらって……結構濡れてたから……思ったより痛くないから、だから……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……わかった。もっと、だな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もう聞き返さない。\n腰の動きを加速させ、深く突いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はっ……っん……っっ……あ、あっ……っ\nっ……ぁあ……すごい、感じるよ……新くぅん……っあ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……そうか、ならもっと、もっと感じてくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "灯が俺を感じるように、俺も灯を感じられるから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁっ、はぁっぁ……はぁぁっ!あ、んっ、あっぁ!ぁぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "痛みを堪えながらの声が、気持ちよさそうなものに変わる。\n出し入れするたび膣内の愛液の量が増えてるのがわかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ……っあ……!すごっ……んんくっ……あっ!あらたくんがっ……おくまで……あっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ぬちゃぬちゃといやらしい水の音が部屋に響く。\nざわざわとせわしなく灯の膣内が蠢く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っあんっ……はぁぁ、っ新く、ん……あらた、くん……!あ、あ、っあ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯っ……灯っ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "お互いの名前を呼び合う。\n結合部から溶けあうような錯覚に陥る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っあぁ……灯、そろそろ俺……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "快感が溜まってきたというのもある、けど。\n何より灯と一緒に果てたくて……っ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っんくぁっ……っ私も……私も、もぉすぐ……ッイ、イっちゃ……っイっちゃ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "それならと、灯の腰をぐっと掴みラストに向けてスパートをかける。\n奥を突いて壁を擦る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃぅぁ!あぁんっ、あんっ、んあぁんっ!そこ、そこぉ……きもちいぃよぉ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ここか……?ここが、いいんだな……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "お腹の方を刺激すると膣内がきゅっと締まり、俺のモノも刺激される。\n二人の絶頂のために重点的に突いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っっ~~ぁああぁっ!ごつごつって……あらたくんが……あぁっぅ!あうあぅあっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "頭の中が真っ白になっていく。\n考えられるのは、目の前にいる灯のことだけ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ、クる、クルッ……!んぅ~……!っ……キちゃぅあぁっ~~っ!!\nっあ、あっ、あ、あっ!あんっ!ふあ、ああ、ああぁ、あぁ……んああぁっっっ!\n……~~ぁぁああぁぁああぁぁぁっっ~~~っっ……っっ!\nっはぁっ……はぁぁ……っ……はぁ、はぁぁ……\nあった、かぁぃ……あらたくんの……せぇし……くちに、だされたときよりも、もっと……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "はぁ、はぁ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "荒い呼吸を繰り返しながらペニスを引き抜く。\nごぼりと音がしそうな勢いで精液が垂れ落ちた。\n……二回目だというのに、我ながらよく出したもんだな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう灯、大変だったろう……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そして白い精液に混じる赤い血の色を見て。\n初めての痛みに耐えて俺を迎えてくれたことを改めて認識する。\nだけど灯は笑いながら、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふ、ふふ……うれしい……これで私、新くんに身も心も、ささげられたんだよね……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……俺の身も心も、灯のものだ……俺たちは、ずっと一緒",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はぁ……そっかぁ、ずっといっしょかぁ……えへへ、幸せすぎだよ♪",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "痛みなんてなかったように、満足そうに笑う。\n俺と結ばれたことを幸せだと言ってくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "灯……俺も幸せだ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ベッドに寝転がったままの灯に覆いかぶさる。\n幸せをもっと感じたくて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……新くん……ちゅ、ちゅっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "二人抱き合いながら、幸せを感じ合いながら。\n初めての夜の、最後のキスを交わした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 2313h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "う~ん……流石に不味いよな、このままじゃ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "どしたの新くん?何が不味いの?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺の瞳に映る自分の姿を見るかのように近づいてくる灯。\n手を伸ばせばすぐ抱きしめられて、顔を近づければキス出来る距離。\nどこまでも無防備な姿は、俺を信頼してくれてるってことだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あのな、この前えっちしてからな、灯ってずっと同じ生活してるだろ?\n夜は俺の部屋に来て、喋ったり、イチャイチャしたりして、眠って。朝に部屋へ戻るって生活",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん、してるねぇ……え?もしかしてそれが不味いの?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "不味いな。だってどんどん好きになって、ハマって、今もこんな風に俺の腕の中にいて\nこのままだと毎日でも灯を求めてしまいそうになる、灯に溺れそうになる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "本当に困ってしまう。\nこのままじゃ灯を離したくなくなってしまうから。\n一瞬だって視界から逃がしたくないから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……別に私はいいよ。新くんが求めてくれるなら毎日だって、全然♪\nむしろ私はもう新くんに溺れてるから……\n新くんのこと求めてるし、求めてほしいって思ってるもん……言うの恥ずかしいけど",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……っ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っと危ない危ない。\nその言葉を聞いて灯と愛し合いたくなったけど必死に我慢する。\nいくらお互いがお互いを求めてるからと言って、毎日してたら節操がなさすぎる。\nよし、なら今日から出来るだけがんば……、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ねぇ、新くん……そういう話したら私、新くんを感じたくなってきちゃった……\n………………だめ?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫かな……俺……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 2315_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……んっ……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "最初に感じたのは冷たさだった。\n肌に感じる冷たさ。\nどうやらぼくは床に寝転がってるみたいで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……ここ、は……?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "見たこともない、誰もいない、冷たい部屋で目を覚ました。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………うぅ……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "頭が重い。中も、動きも。\n痛む場所を押さえながら辺りを見渡す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……どこ……?ここ……?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "広い部屋に一人。\n心細くなって話しかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だれか、だれかいないの……?\nねぇ、ソ――つっ!?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "何故かわからない。\nその名前を呼ぼうとすると頭に痛みが走った。\nなんで……?理由がわからない……。\n……話しかける?一体誰に?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "待って、その前に……!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ぼ、ぼくは……ぼくは……\n…………ぼくは、だれ?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "自分が誰かもわからなかった。\n必死に思い返そうとするも、思い返そうとする記憶自体が見つからない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで……?どうして……?なんでわからないの……?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "聞いてみるも答えてくれる人は誰もいない。\nただ、今唯一わかることは……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ぼくを。呼んでる……?",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "姿は見えない。\n声も聞こえない。\nだけど、通路の奥から誰かが呼んでる気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……んっ……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "そしてぼくは導かれるように歩いて行って。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……わからない、わからないけど……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "空中に浮かんでるパネルに触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "知ってる、気が……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "瞬間、画面に並んでる文字がすごい速度で流れていく。\n音まで聞こえそうな速さで目の前を通過していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "エラー確認。エラー確認\n魔王、シエル=アルカの生存確認。代行者、ソル=イクリプスの消滅確認\n勇者、ヤマナシアカリおよびコウジマアラタの生存確認。エラー、エラー、エラー\nエラー確認。勇者システム、続行不可能と判定\n…………承認しました。これよりプログラムの実行に移ります",
"speaker": "???"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "何だろう。ソルって名前、聞いたことがある気がする。\n懐かしくて、愛しくて。それで悲しくて……。\n同時に、ぼくの中にたくさんのデータが流れ込んでくるのがわかる。それはまるで、失ったぼくの何かを再生させているみたいで。\n忘れてしまったものを、再び与えてくれているようで。\nそしてぼくの意識は深く、落ちて行った……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……んっ……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "最初に感じたのは冷たさだった。\n肌に感じる冷たさ。\nどうやらぼくは寝転がってるみたいで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……うぅ……\n……ここは……ママの部屋だ……なんで、ぼく……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "冷たい部屋で目を覚ます。\n頭が重い。中も、動きも。\n痛む場所を押さえながら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っっ……!あ、あぁぁ……あぁぁっっ……!\nソルッ……ぁぁ……ッソル……!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "懐かしさと、愛しさと、悲しさを込めて大好きな人を呼ぶ。\nもう届かないことがわかっていても。\n声を震わせながら呼ぶ。目から落ちた水が床を濡らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぁぁ……あぁぁ……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "……悲しい。悲しいけど。\n今はこんなことしてる場合じゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……アラタ……あんただけは、絶対に許さない……!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "憎しみを込めて、怒りを込めて。\nこの思いが少しでも届くように。\n今はもう聞こえる。\nぼくを呼ぶママの声が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今行くよ、ママ……ソル……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "そしてぼくは闇の中に溶けていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"???",
"シャイン"
] | 09_Sekai | 2403_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "新くん入るよ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "扉の外から聞こえた愛しい声を、俺は当然受け入れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんね、明日朝早いのに。今日さ、一緒に寝ていい?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "全然いいぞ。丁度俺も話があったし\nというかどうした?そんな改まって",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "話し合いの結果、行くなら当然早い方がいいということで救出は明日。\n準備を手早く済ませあとは寝るだけといった時、灯がそんな風にやってきた。\n今までは好きな時に来て『一緒に寝ようよ』という感じだったのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやー、新くんの睡眠の邪魔しちゃ悪いとおもってさ。大事な日だし、だから我慢しようと思ったんだけど……\n……でも、シエルちゃんがいない部屋に一人で寝るのは何か嫌でさ……\n寂しいっていうか……認めたくないっていうか……それでつい来ちゃった",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あっ、もちろん新くんにも会いたかったから来たんだよ?ホントだよ?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "なんでもなさそうにそう言うけど。\n顔と声の端からは不安が漏れていて。\n昼はみんながいたから良かったけど、夜になって一人になっていろいろ考えてしまったんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そんなの気にしないって。ほら、とりあえず座ってろ。何か飲み物持ってくるから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "わーい、ありがとー。それじゃあお言葉に甘えさせていただきます",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "二人の定位置となったベッドに座る。\nその間に俺はポットのお湯を使って紅茶を作り、一緒に座る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、美味しいっ。新くんの私への愛情がたっぷり入ってるね",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "当たり前だろ。もう入れ過ぎて零れまくってるくらいだしな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なんて笑い合いながら一緒に飲む。\nよかった、少しは元気になってくれたみたいで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで?新くんの話ってなーに?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ、明日のことでな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "正直今の灯に言おうか言わないでおこうか迷ってたんだけど。\nカップを置いて、灯の空いている手を握る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "明日はシエルとソルの二人と、多分一緒に戦うことになると思う\n当然楽に勝てるような相手じゃない、かなり苦戦すると思う。それくらい今日感じた二人のプレッシャーは凄かった",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん、確かにすごかったねシエルちゃんも、ソルさんも。怖いくらいの迫力だった",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "だろ。そんな二人に俺達もバラバラに戦っちゃダメだ\nだから二人に勝つには俺と灯のコンビネーションが鍵になる\n灯。向こうは一人と一人だけれど、こっちは二人だ。二人でシエルを連れて帰るぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺達は一人じゃない。一人と一人でもない。\n二人だから。だから戦える、勝てる。\nシエルを救える。シエルを救う。\nそう伝える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、そうだね",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "にっこりと笑ってくれて。\n灯もカップを置いて、手を握ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "身も心も一つになった私たちに勝てない相手も、出来ないこともないよね。絶対シエルちゃんを連れて帰ってこよ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の顔に笑顔がともる。\nよし、もう大丈夫だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな、身も心も一つに……\n………………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……やばい。そういえば最近ずっと魔王城で寝泊まりしてて。\nというかイチャイチャはしてたけど、エッチはあれからやってなくて……。\n思わずその言葉に反応してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "?どうしたの新く――っ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……心も……体も。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺の考えに気づいてしまったのか、目の前には耳まで赤くなった灯の顔。\n拒否するような、誘うような上目使い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "握り合った手から体温を感じる。どんどん高くなってるように感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……新くん…………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "何度も味わった唇で俺の名前を呼ぶ。\n声は小さく、でもはっきり耳に届く。\n灯の全てが俺を興奮させる。\n……あぁ、もうこれダメだな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぅ……正直に言うぞ灯。俺は今、すごい抱きたい\n流石にこの状態で我慢するのは無理だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "初めての時のようにはっきり口にする。\n灯が欲しいと。愛したいと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯も同じように、優しく微笑んでくれて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……私も、一緒だから……私も、おんなじ……\n新くんがこんなに近くにいるのに、我慢するなんて無理だよ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "二人の距離が近くなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "灯……んっ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "唇を重ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……ちゅっ……んっ、っちゅ……っん、ん……ちゅぅ……\n……んぅ……ちゅぱ……ちゅ、ちゅぷっ……ん、んっ、んぅぅ……ぅん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "合わせるだけのキスからお互いの唇をついばむように。\nそして舌を絡ませ合って。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……しよ、新くん……?また、いっぱい……深くまで、繋がろ……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……うん、繋がろう灯……奥まで、深く……",
"speaker": "新"
}
] | [
"新",
"灯"
] | 09_Sekai | 2408_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……久しぶり、だね……えっちなことするの……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "だな。キスとか抱きついたりはしてたけど",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……えっと、どうしよっか……どういう風に、したら……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうだな……まずは灯をめちゃくちゃ気持ちよくしたい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "お互いを高め合うためまずは灯から。\n灯にふれてる時点で俺も興奮するだろうけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら大変だ……新くんにしてもらうだけで私、すっごく気持ちよくなっちゃうもん",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "なんて少し似たようなことを言ってくれて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう言われるとやる気が出てくるな。なら頑張るからすごくすっごく気持ちよくなってくれるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "えへへ……すごくすっごく気持ちよくしてくれるのかぁ……どれくらい感じちゃうんだろ、なんだかこわいなぁ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そう冗談めかして笑いながら、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……じゃあ、お願いします……いっぱい気持ちよくして",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯はスカートをゆっくりたくしあげていく。\n恥ずかしそうに。焦らすようにするすると……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい……どうぞ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "大事な場所を隠す下着から白い太ももが伸びる。\nスカートの影とのコントラストが目を引いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり灯って足きれいだな……前から思ってたけど",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ありがと……新くんに褒められてうれしい……♪\nあ、ねぇねぇ……下着は、どうかな……?これ、新しく買ったやつなんだけど……可愛い?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "もちろん可愛いぞ。むしろ灯に似合わないものがない\n色も、灯の髪と同じで。うん、いいな。俺の好きな色だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ぅ、ぅわぁ新くん……その発言ちょっと変態チックで、私的にはストライクすぎだよ……まぁ、らしいけどさ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうか?思ったことを言ったんだけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "灯自身も判断に困ってる反応だな。\n確かに褒め言葉として微妙っぽいか。\nでも灯は喜んでくれたみたいだし、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、さわっていくな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……うん、さわって……私の大事な、新くんを大好きなところ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "久々ということでまずは軽く下着の上から軽くふれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……っぁ……っぁ……ん、ぁぁ……\n……っは……新くんの指が、すりすりって……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "どうだ、気持ちいいか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん……気持ちいいよ、久しぶりの……新くんの指……新くんの、優しい、さわり方……んっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯のここも柔らかくて、気持ちいいぞ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っ……ふぅ、ふっ……んっ……な、なら……もっと、もっとさわって……?はぁっ……ぁっ\nはっ、っ、あっ……あ、ぁ、あぁ……ぁ、ぁ、ぁっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "下着越しに熱がこもっていく。指先に湿り気を感じる。\n灯も興奮してきてくれたみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっふっ……あ、あ、あぁ、あらたく、んっ……そこぉ……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ん、ここがいいのか……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "何回もなぞっているとある一部分に突起を感じる。\n布を押し自己主張をする小さな突起、クリトリスだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そこ……が、ぃいって、言うか……はぅっ……はっ、あっ……!\nひゃっ……ぅゃっぅ……からだ、びりって……!ん、んっぁぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の膝ががくがく揺れる。それほどすごい刺激なのか。\n下着の染みもどんどん広がってきて、これなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……灯、下着脱がしていいか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っはぁ……ぃぃ、よ……脱がして……私の、えっちなとこ……んっ、さわって……っあぁ……\n……っ~……私も、ちょくせつ……新くんのゆびが、欲しいから……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……ん、それじゃあ下させてもらうな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "許可ももらい、濡れ始めてしまった下着をおろすと……、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "………………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "割れ目の部分と下着に愛液の橋が出来た。\n目の前でてらてらと照明を反射する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……え、えへへ……もう、びしょびしょだね……私のあそこ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ここまで濡れてるとは思ってなかったけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嬉しいよ……それだけ感じてくれたってことだろ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん、だよ……新くんがさわった時から……ううん、新くんの前で、下着見せる、その前から……\nお腹の奥が、きゅうぅってして……えっちな水が、流れてるのわかったもん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺も……もうさっきから興奮しっぱなしだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう、なの?私の感じてるところ見て、大事なところさわって……興奮してくれたの……?",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうだ、灯がいやらしすぎてな……\nだからもっと感じて、気持ちよくなってくれ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん……なら新くんのために頑張って、もっとやらしくなるね……がんばらなくても、いっぱい、感じちゃうけど……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "おう、たっぷり感じてくれ。俺ももっと……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "頷いてからゆっくりと膣に指を入れていく。\n何の抵抗もなく全部入る。むしろ引きこまれていくみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぁぁあ……っあ……キ、キたぁ……新くんが……っ……ぁぁ……んっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ぐにぐにと指を掴むように中が騒ぐ。\n上下に揺するたびに愛液が腕を伝い垂れてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ出ちゃう……出ちゃってる……あ、あっ……っああぁ……っ\n……えっちな、声だけじゃなくてぇ……っ……くちゅくちゅって、あぁ……あそこから、えっちな音も……ぉっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……どんどん溢れてくる。こうやって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そのまま円を描いていく。\nペニスほどの長さも太さもないから指で出来ることを。\n中で曲げて壁を優しく擦っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ゃあぁぁ~……中、かきまわされて……やぁぁ……んゃっ……ゃあぁっ……あんっ!\nふっ、ふぅ……んっ~~んっ……あっ、あっ……あ、あ、あっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の口から高い喘ぎ声と涎が漏れる。\n目もとろんと落ちてくる。\nさらに穴の上、灯が反応したところも。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ!ぁ、っああ!そんなはげしっ~っ……あらた、くっ……っんっあぁっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺が灯をこんな風にしてるんだ。\nこんなに乱してるんだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁはぁっ……だめぇ……や、ゃめ……っ~て……新、くんっ……このままだと私、イっちゃうからぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……イってくれよ、そのためにやってるんだ……俺も嬉しいし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っんっは……ちがうのぉ……私、イく時は……新くんと、つながって、イきたくて……\n……それに、次は……私の番……もうたっぷり気持ちよくしてもらったから……今度は私が……したい、の",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……灯……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "正直灯が感じている姿を見て俺もかなり興奮してる。\nズボンをせり上げるくらい膨らんで痛いくらいだ。\nでも灯も気持ちよくしたいし……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なら、してもらえるか……?でも、俺も灯を愛したいから……こういう恰好で……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ぅぅ……うぅぅ……うぅぅぅ…………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "どうした?変な声出して",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ベッドに寝転がりお互いの性器を目の前に、いわゆるシックスナインの形だ。\nふりふりと揺れる綺麗なお尻の向こう、下半身の方からうなっている声が聞こえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、当たり前だよぉ……だって私のあ、あそこが……新くんの、こんな……っ……顔の前に……\nんっ、ぁっ……や、ゃぁ……息が、かかって……んっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺もまだ足りないからな、灯を気持ちよくするの……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう言ってくれるのは、嬉しいけど……で、でも、あんまりしちゃ、ダメだからね……?激しくやられたら、イっちゃうから……\n……今は、私が新くんを……れろ……\nれろ、ぺろ……ぺちゃ……ちろちろ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "舌の暖かさと弾力をペニスに感じる。\nぞくりとした刺激が股間から背中に伝わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んっ……ちゅぱ……ぺろ、れろっ……\n……ふはぁ……久しぶり、新くんの匂い……新くんの味……れろ、れろぺろ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "絶え間なく続く刺激から思うに、丹念にフェラをしてくれてるんだろう。\n……それは嬉しいんだけど、見られるのは恥ずかしくて舐めるのは恥ずかしくないのがちょっとした疑問。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "れぉ……やっぱり、可愛いね、これ……私が舐めるたび、ぴくぴくってして……\n……新くんは強くて、たくましくて、かっこいいのに……ふるふる、ふるえて……ちゅ、れろれろ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯のお気に召したなら、何よりだ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "可愛いって言われるのはちょっとショックだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んぅ……んんぅ……ちゅちゅ、ちゅぱ……ちゅぷ……ぺろぺろ、ぺちゅ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "カリの溝を舐められるたび耐えがたい快感が襲ってくる。\n……とそこで気づいた。さっきよりも灯のソコが濡れていて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっふっ……れろ、ぺろ……ちゅぱ、ちゅぱちゅぱ……ん、んっ……んん、ふぅ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "舐めることで灯も興奮したんだろうか。\nよし。俺も負けてられない、そこに向かって舌を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ、ひゃぅん……!あ、新くん……そんな、いきなりぃ……はんっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "やられっぱなしは、嫌だからな……れろ……ちゃんと灯も気持ちよく……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あぁ……!新くんの、舌が……っ!ゃんっ……あそこ、舐めてぇ……ん、ゃあぁ……あんっ……っ\nっ~~だ、だめぇ……だめぇぇ~……そんなとこ、舐めた……っっ……らぁぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "れろ、灯だって……俺のを舐めてるだろ?おあいこだ……れろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "気にせず愛撫を続けていく。\n舌に唾液をまぶし、灯がしてくれたように舐め上げ、そして転がす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん~~っやぁぁ……!舌、はいってきて、るっ……!あっ、あぅっ、んああぁっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "舐めても舐めても愛液が出て、口だけじゃなくて顔もべたべたで。\n灯はこんな風に俺を愛してくれたんだな……そう思うとより熱が入る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃあぁっ!ああっ!音、立てて、吸っちゃ……!や、やだやだっ……そんな、じゅじゅってっ……!\n……っっ……!っだ、だめだめぇ……私が……新くんをいっぱぃ……っ……かわいがって……あむっ!\nんっん~~っ!ちゅぱ、ぺろっ、れろろぉ……!ちゅぷぷっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯のフェラが再開される。\n俺の愛撫に耐えるためか、さっきよりも激しく……っ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っちゅぱ……ちゅちゅちゅっ……!ちゅじゅ……はぁ……あっ……ぺろれぉ……!\nちゅるちゅるっ……はぁ、すごぃ、濃くなってきた……味も、においも……ちゅ、ちゅ、ちゅっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "こんなに懸命に愛してくれる灯を俺ももっと愛したい。\n気持ちよくなった証を早く出すため、快感をそのまま受ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "れるっ……もうすぐ、だよね……?ちゅる、もうすぐ、なんでしょ……ちゅぱちゅぱぁ……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……れろ、もうすぐ出そうだから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺も灯を高めるのは忘れず、でも要望通り達しないように舐め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っん、ん、んっ……!はぁっ……っちゅぱっ……れろれろぉっ……っちゅろっ……ん~~っ\n……ここっ……ここぉ……ぱくぱく口、開いて……私の舌、ほしそうにして……んぅぺちゃっ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "っっ……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "尿道口をほじくるように責められる。\n痛みにも似た気持ちよさが一気に絶頂へと向かわせる……っ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゅろ……んっ……ぺろれぇろっ、んんんちゅっ……!ちゅぷぁ……!\n……ままぁ、このままぁ……出してもらうからね、新くん……新くんの、あついの、い、っぱい……かけてっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "顔に……わかった、灯がそう言うなら……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "灯が望むなら。\n射精のためペニスに意識を集中させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……ちゅるっ……ちゅるっ、れろっ……ちゅちゅっ……ちゅぱっっ\nっちゅっ、ちゅっる、ちゅぱっ……んぅ~っ、んっ……っれりゅるるっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……っあぁっ。出る、出るぞ……灯っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "れろっ……んんっ、だしてぇ……いっぱぃ、ぴゅぴゅってっ……あらたく、のぉ……せぇし……!\nっちゅろ、ちゅぷ、ちゅろ、っちゅぷっ、ちゅちゅちゅ~~~っっ!\nきゃぁああぁっっl!?はぁぁぁあぁぁぁ………………!\nっん~っん~~……はぁぁぁ~~……あぁぁぁ~~……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "言われた通り灯の顔に射精する。白い快感をたっぷりと。\n灯も少しだけ反応してひくひくと動き、ちろりと一滴垂れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……はぁ……こんなんなんだ……あらたくんの、しゃせぇって……すごぃ、はくりょく……はぁぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "はぁ、ふぅ……ってこの間も見ただろ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……だって、あの時は口のなかだから……よく見えなかったし……ん……\nんっ……すん、すんすん……はぁぁぁ……やっぱり、新くんのにおい、好き……安心する……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "うっ……卑怯だろ、そんな台詞……っ。\nそんなこと言われたら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わあぁ……新くんの、ぴくんって動いて……また、おっきく……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ……もう、灯を愛したくてたまらないんだ\nだから灯、今度は俺に……俺自身で、気持ちよくさせてくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……うん、気持ちよくして……私の中、新くんで全部満たして……\nえへ、新くんの顔……すごい近い……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ベッドの上に座り、裸になって二人抱き合う。\n灯は俺の肩に手を回し、俺は灯の腰に手を回し。\n一番お互いを……、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、感じる。灯の全部、感じられる……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "一番お互いを感じようと……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……私もわかるよ……新くんの目に、私が映ってて……ふふ、こんな風に見えてるんだ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "わかるか……?俺がどんな風に見てるか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "当たり前だよ……私のこと、好きって……たくさん好きって、伝わってくる……\n……じゃあ、新くんはわかる……?私が今、何を想ってるかって……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "あぁ、こうだろ……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んっ……ちゅ……んっ……んぅ、新、くん……っ……ちゅぅ……\nっ……ちゅっ、ちゅっ……ちゅぱ……んぅぅ……っ……あっ、はぁぁ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "軽く触れあうだけのキスを何度も交わす。\n唇を合せるたび愛しい気持ちを送り送られてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "灯……ちゅっ……んっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っん……ちゅっ、新くん……新くんっ……ちゅぷ、ちゅ、ちゅっ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ゆっくりと丹念に、気持ちを交換し合う。\n今から繋がる部分を静かに擦り付けあう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぁ……ぁぁ……んっ……ちゅ、んっ……ぁぁ……っあ……んぅ……\n……ん、よかった……ちゃんと伝わって……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "まぁ俺がしたかっただけってのもあるけどな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふふ、それでいいんだよ……新くんがしたいことが、私のしたいことだから……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "なら灯のしたいことが、俺のしたいことなんだな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だよ……だからさ、新くん……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……あぁ、わかってる……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "二人のしたいことが、二人のしたいこと。\nもう我慢できない。\n俺は灯を、灯は俺を……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……感じ、させて……?新くんを今すぐ……深く、深く……もう、我慢できなぃ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……あぁ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そして俺を灯にあてがい、一気に挿入する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん~~~ッッッ!あぁ~~ぁぁ~ぁぁっ!\nっ~~キた、キたぁ……キたぁっ……!新くんが、私の……~~っ中にっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "入れた瞬間力強く握られる。\n膣のヒダが俺の全てを刺激する。\nどれだけ灯は俺を愛してくれてるんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "灯……わかるだろ、俺のが、中で悦んでるの……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ひゃぁぅ!ぁっ、ぁ、ぁぁぁっ!さ、さっきも、今も、どくんって……!ぁあっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "声が上がる、声を上げる。\nそんな灯を、もっと近くで触れたくて、もっと近くで見たくて、もっと近くで感じさせたくて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぅ~~っうぅ!ちゅぱ、じゅるっ……ちゅちゅ……ぁぁっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ペニスを挿入したまま、今度は舌を絡ませ合う。\n腰を上下に動かし、舌を溶け合わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぁ、ぁあ、ぁぁぁ……っ!あらた、あらたくぅ……っっぁっ……ちゅぱっ……ちゅぷる……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の喘ぎ声が舌を通して伝わる。\nどれだけ感じてくれるかがわかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、ふっ……んうぅ、ふぅぅ……!ちゅる……あぁぁ……また、びくって、びくびくって……っ!\nはぁ、はぁ……っ……さっきの、すご、かったぁ……すごい、やら、しくてぇ……",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "そうか……?どの辺がやらしかった……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "イ、イジワル……ッイジワルゥ……新くん、そんなこと、聞くなんて……\nはぁぁっ!あっ!あ、あっん……!はっん、はっ……はぁぁ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の感じたポイントを聞き、再びそこを攻める。\n無暗に速くではなく、激しく奥に深く入るように意識して。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、はふっ……!ゃぁあぁん!奥にっ……はっ、はっぁ……!おくにぃ、ごつごつってぇ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "こんな感じ、か……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っ~んっ~~っ!そ、そう……っ……こんな、っ~~感じっ!はぁっ、はっ、はんっ!\nやだぁっ!だめぇっ!がつん、がつんっ……ってぇ……突かれるたびぃ……あっ、あぁ、あぁぁっっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "目の前の灯の顔がくしゃくしゃになる。\n苦痛ではなく、我慢できない快楽によって。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ほら、ちゃんとキスも……んぅ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んっ、んっ、んっ……!ちゅっ、っちゅぅ……!んぅぅぅ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "唾液が二人の間につぅーっと落ちる。\nすでにぐちょぐちょの結合部に垂れる。\n新たな潤滑油となって刺激になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っっ……はぁむ、あむっ……むむぅっ……ちゅる……ちゅむ、あむっぅ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……俺、もう出したい……灯の中に、出したい……\nいいか、出して……?灯は、気持ちよくなったか……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "っちゅぅ、なったよ……もう、今すぐ私……イっちゃうくらいに……\nあらたくんにぃ……きもちよく、してもらったもん……だから、あとは新くんがぁ……イ、イ……イくだけぇ……っ",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "わかった……それじゃあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あぁんっ、あん、っああぁっんっ!ふっ、ふぁぁっ……ぁぁぁああっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "最後の時まで動くだけ。\n灯と混じって交わるように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぁぁぁぁああっっ!新くんの、目の中の私っ……こんなに、えっちな顔してぇ!あぁぁっっ!\nしゅごっ……すごっ……~ぃ……!こんなに、新くんを……感じて、はんっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "俺だって、感じてるよ……っ……灯を、全部……\n灯の、目の中の俺……すげぇ、気持ちよさそうで……っ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうだよぉ……新くん、すっごい……しあわせっ……そうにぃっ……!\n私が……私、なんだよね……?新くんを、しあわせにしてるの……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "当たり前だろっ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "持っている灯の腰を俺へ押しつける。\nより深く奥まで、灯に届くように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃぅんっ!あっんっ!あぁっぁ!ぐぅぅって……っ……ふはぁっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……俺も、そうなんだよな……?灯を幸せに……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そっ~~っ……っ!だよぉっ……!新くんを感じて……!新くんに気持ちよくされてぇっ……!\n私……!しあ、わ……っ……~~せっ!ひゃあぁぁんぅ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "言葉と呼応するかのように中が巻き込む。\n灯が俺を絶頂へと導いてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、あぁっ、あぁぁっ、ああぁっ!イ、イき、そうっ!私、イっちゃいそう、新くんっ……!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "……いいよイって、イってくれ……俺も、ほんとすぐイくから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん~~っ!や、やだぁ!やだやだぁっ!こ、ここまでキたら……っ……新くんと、一緒にっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺だってそうだ……灯と一緒に……",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それじゃあ、一緒にイこう。俺たち二人で……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……ぅぅん、うんっ……!あっ、はっ、やっ、ひゃあぁぁんっ!\nはげしくぅ!あらた、くぅんっ……はげ、しくぅっ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "深く奥まで届くようには変わらない。それに速さをプラスする。\n乱暴と思えるくらい激しく、だけど気持ちを込めて……!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぅっ、はっ、はぁっ……!はぁぁぁっ!あうあぅあぁぁ!\nイ、イくッ!イクイクッ!イっちゃぅ、イっちゃぅっぅ!",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "灯の膣がぎちぎちに締まる。痛いくらい締まる。\n俺も、もう……!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "イく、ぞ……イクぞ灯……灯に気持ちよくしてもらった想い、いっぱい出すから……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あぅ、あぅあぅっ!あぁぁぁっ!出してっ~~っ出し、てぇぇっっ!\nっ~~私もっ~~っ……っキッ~~っっ……ああぁぁっっっっ!\nあんっ、あんっ、あはっ!あっ、あ、ああぁ……んゃやぁあぁぁぁあぁぁっっっっっ!!\nんんああぁぁぁああぁぁぁぁ~~~~~~っっ……はぁぁぁぁ~~~~っっ…………",
"speaker": "灯"
},
{
"utterance": "ペニスに力を込め、一滴も残さないように搾り出す。\nそれが灯の、俺の気持ちだから。",
"speaker": "地の文"
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"utterance": "あぁぁっっ!あらたくぅんっ……あらた、くんっっっっ~~~~っっ!\nはぁ……はぁぁ……!ふぁぁ、はぁぁぁ……!",
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"utterance": "はぁ……はぁ、はぁ……はぁっ……っ!",
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{
"utterance": "二人、荒い息をし合う。\n二人で、鼓動を感じ合う。",
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"utterance": "完全なる魔王となったシエルにはそんな攻撃など一切効果なく。\nシエルは通路を走り続けた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"シエル",
"システム"
] | 09_Sekai | 2415_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ソルとの決着もついて、俺達にも平穏な日々が戻っていた。\nでも、ソルという明確な刺客が襲って来たことを考えると、ただのんびり日常を過ごしているわけにもいかないだろう。\nしかし、そもそもわからないことが多すぎる気がする。\n何故、代行者は勇者を倒さなければいけないのか。ただ人類を護るためなら、代行者が魔王と戦えばいい。\nどうして、この世界には魔王が繰り返し生まれ続けてしまうのか?\n魔王を倒さないまま元の世界に帰る方法は本当にないのか?\n二度も召喚されてこの世界、ラグナギアに来たせいで、勇者と魔王、それに代行者ってものに疑問が浮かぶんだよな。\nこれまでの勇者はどういう人たちで、どう魔王と戦ったんだろうか。それを代行者はどう見ていたんだろう。\n……魔王に勇者に代行者、か……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "改めて色々調べた方が良さそうだよな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "まあ、その為にはまず手っ取り早くあいつに聞いてみるのがいいだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おーい、レイ。聞きたいことがあるんだが",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "どうかしましたかマスター?私の3サイズならヒミツですよ",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "それは特に聞きたくない。俺が聞きたいのは歴代の勇者のことだ\nブレイブギアとして一緒に行動して来たレイなら知ってるだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "歴代の勇者……そんなことを聞いたのはマスターが初めてです\nそんなことを知ってどうするんです?",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "勇者と魔王、それから代行者っていう存在に疑問が沸いたんだ\n過去の勇者を知ることで、その疑問を解く手がかりになるかと思ったんだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なるほど。ですが、過去の勇者のことはよく覚えていません。そもそも、私は最初からいたわけではありませんし\nですから、私が誕生する前は他のギアが使われていたはずです",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "そうなのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "まぁそれでも、かなりの年月、稼働しているのは間違いないですが",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "具体的にどれくらい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "女性に年を聞くとは、マスターったらさいてーですねっ♪",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "そうですか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "少なくとも前々回の勇者は30年前って話だから、そのくらい前からは存在しているんだよな。\nしかし、レイからは役に立つような情報は得られそうにないな。\nとなると他にそういうことに詳しそうな人物となると……アウロラと博士だろうか。\n勇者召喚の研究をしていたくらいだから、きっと色々詳しいに違いない。ふたりに話を聞きに行ってみよう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"レイ"
] | 09_Sekai | 3302_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "さあ、それでは次の勇者様についてお教えいたしますね",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "図書室に俺を連れて来た姫さまは、歴代勇者と魔王に関する資料を見せながら怒涛のように語り続けていた。\n次に聞かせてもらう勇者の話で既に10人目になるが、その勢いはとどまることをしらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?この勇者って、もしかして俺と同じ時代の人間なんじゃないのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え、そうなのですか?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、この文献に残されてる服装とかがなんとなくそれっぽいんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ちょっと待ってください!これは……確かに、そのように見えますね!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "さっきの勇者は俺達の時代よりも少し前かなって気がしたけど、この勇者は明らかに同じ時代の人間だな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "すごいです、アラタさま!ここに来て勇者様について新しい発見があるなんて思いませんでした\nああああ……本当にステキ!勇者様のことを、勇者様自身から教えてもらえるなんて",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "あ、あはは。そうか……じゃあ、この勇者についてもっと教えてくれる?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい、もちろんです!アラタさまと同じ時代から来たこの勇者様は……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "最初は姫さまの勢いに気圧されていたものの、勇者のことを語るその表情は夢見る乙女そのもの。\n話を聞いているうち、そのあまりにも可愛らしい表情が段々微笑ましく思えるようになっていた。\nそれに、いくつかの話を聞いているうちに気付いたことがある。\n歴代の勇者はどうもバラバラの年代から召喚されているようで、俺達と同じ時代の人間もいれば、それ以前の人間もいた。\nそれどころか、どう考えても俺達の時代より未来から来た人間もいたようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "――というわけで、この勇者様については終了になります",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ありがとう、姫さま。しかし、歴代の勇者に関連性みたいなものは見受けられないんだな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうですね……。共通点は、アラタさまのいた世界から召喚されたということぐらいでしょうか",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "うう~ん……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "一体勇者ってなんなんだろうか……?話を聞いて何かわかるかと思ったけど、余計にわからなくなってきたぞ。\n勇者同士の関連性もなくて、呼び出される時間も決まっていないなんて、一定の法則すらなさそうだ。\nそれに、どうして魔王は定期的に生まれるかは残されている伝承だけじゃさっぱりわからない。\n代行者についてもそうだ。何も触れられていない文献もあるし、しっかりと残っているものもある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "何かわかるかと思ったけど、謎は深まるばかりだな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ご安心ください、アラタさま。これはまだまだ伝承の一部です\n勇者様の伝承は他にもたくさんありますから、そのすべてをお話いたします!\nそうすれば、何か謎を解く鍵が見付かるかもしれません。さあ、次はこちらの女勇者様のことをお話しますね!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "あ……は、はい。お願いします",
"speaker": "新"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3304_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "今日も、いつものように図書室で姫さまに勇者と魔王の伝承を聞かせてもらっていた。\n今日聞かせてもらっているのは、姫さまが一番好きだという話だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これは『白銀の騎士』という物語で、いつも通り勇者様が召喚されるところから始まるんです\n召喚された勇者様は、清く強く、そして勇ましく活躍されました。まさに英雄の名に恥じぬような方でした",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "すごいな。この世界の勇者になるのにふさわしい存在だったんだ\nでも、どうして白銀の騎士なんだ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それは、その勇者様の纏う鎧はまぶしいほどに白銀に光り輝いていたという話があるからなんです\nこの本の挿絵にも勇者様のお姿が描かれています",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "なるほど、それで白銀の騎士か",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "姫さまが見せてくれた本の中には、確かに真っ白に輝く勇者の姿が描かれていた。\nでも、ひとつ気になることがあった。その勇者の隣に美しい女性の姿が描かれていたからだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫さま、この女の人は?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "この時代のクラウンの王女様です。大変お美しい方で、まるで運命だったように勇者様と恋に落ち、結ばれたそうです\n結ばれたふたりは将来の約束もしたんですよ。ロマンチックですよねえ\nそれと、その王女様は勇者様が戦場に立つ時、常に傍らに寄り添っていたんだそうです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "将来を約束したふたりは力を合わせ、遂に勇者は魔王を打ち倒したそうだ。\nだが、魔王を倒したということは、勇者が元の世界に帰らなければいけないということだ。\n勇者は必ず王女のためにこの世界に戻ってくると約束し、元の世界へと帰って行った……というところで物語は終わっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたし、このお話にでてくる勇者様が、白銀に輝く鎧を纏って戦う姿が特にかっこよくて大好きなんです!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "この勇者が持っていたのって、俺が今持ってるブレイブギアと同じもの?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい、そうですね。アラタさまがお使いのブレイブギアは歴代の勇者様がお持ちになっていたものですから",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "じゃあ、ブレイブギアのフルドライブはこんなに輝くってことか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それが……全力で発動した際に、全身を覆う鎧に変化するだけで、今も昔もブレイブギアにそんな現象は確認されていないんです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "なに!?そうなのか??ああ、でもおとぎ話みたいなもんだしなあ……\nでも、俺もこんなにかっこよく輝くような鎧を身に着けて戦ってみたかったのに",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。わたしもアラタさまなら、この白銀の鎧がとてもよくお似合いになると思うんです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "はは、ありがとう\nそれにしても、この王女様はずいぶん勇ましい人だったんだな。勇者と一緒に戦場に立って戦うだなんて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それが、この王女様については本当に謎の多い方なんです\n歴代のどの王女様を見ても、この方のように前線で戦うような方はいなかったんです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そりゃまあ、普通は王女は城にいるものだろうからなあ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。だから、この王女様は存在しないのではないかとか、本当は王女様ではなかったのではないかと……色々憶測されているんです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "でも、そうするとこの勇者の伝承自体も本当だったのかってことになるよなあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だからわたしは、この王女様も勇者様もちゃんと存在していた方だと思うんです\n白銀に輝く鎧を身に纏う勇者様も、前線で戦う勇ましい王女様も、きっといらっしゃったに違いありません",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そうだよな。こんなにしっかりした物語として残されているんだから……これ、ちょっと読んでみていいかな?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい、もちろんです!あ、こちらの本の方が挿絵も多くてわかりやすいかと思います",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "本当?ありがとう、姫さま",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "薦められた本を手にして読み始める。\nそこに描かれているのは、本当にまっすぐで清く正しく、そしてそれにふさわしい強さを持った勇者だった。\n王女様がこの勇者に恋をしたのもよくわかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "……姫さま、どうかした?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え!い、いいえ、なんでもありません!\nあ、あの……わたし、ずっとこの王女様に憧れていたんです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "憧れて……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。こんなにステキな、優しくて強くてかっこいい勇者様に出会って、そして恋をしてみたいって……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "夢見るような表情を浮かべる姫さまを見ていると、召喚された勇者が俺で良かったんだろうかと思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー。実際に召喚されたのは俺だけど、姫さまの夢を壊したりしてないか?ほら、伝承の勇者と全然違うし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんなことはありません!アラタさまは、まるでおとぎ話に出てくる勇者様みたいです!\n優しくて強くてかっこいい人で、わたし……本当に夢の中にいるみたいで……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "それは褒めすぎだよ姫さま……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさま……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "じっと俺を見つめて頬を染める姫さま。\nそれは勇者に憧れる夢見る少女の表情じゃなかった。\nしっかりと俺を見つめて、ひとりの男として俺に憧れてくれている表情。\nこんな風にまっすぐで純粋で、一途に俺を見てくれる姫さまに俺も惹かれているのは間違いなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、の……わたし……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "じっと見つめあっていると、姫さまは気持ちを抑えきれないとでも言うように俺の身体に抱きついて来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの……あの……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "抱きつく腕の力は強く、しっかりとした意思のようなものが伝わる。\nだけど何を伝えればいいのかわからないようで、ただ黙ってしまっていた。\nそんな姫さまに対して、愛しいって気持ちが大きくなるような気がして……ゆっくりと、その身体を抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ずっと勇者に憧れていた姫さまのこと、話を聞いてよくわかったよ\nいつからか、勇者についてキラキラした目で語る姫さまのことが気になって仕方なかった\nその憧れを壊したくなくて、どうしたら姫さまの想う勇者でいられるかって考えてた",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさま、わたしは……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "でも、いつからかな……姫さまは、勇者としてじゃなくて、光島新として俺を見ててくれたよな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい!わたしは、勇者様としてでなくて、アラタさまご自身を……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ありがとう。その気持ちがとても嬉しくて、俺は……その気持ちを受け止めたいって思うようになってたんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさま……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "目の前の現実が信じられないのか、姫さまは驚いたように俺をじっと見つめていた。\nだから、抱きしめる腕の力を少しだけ強くして、囁くように優しく伝える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫さま……いや、ルミネ。姫としてではなく、俺は一人の女性として君を愛したい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ああ……アラタさま……本当に、わたしで……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "君じゃないと、ダメなんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "じっと見つめて真剣に伝えると、ルミネは瞳に涙を浮かばせながら嬉しそうに微笑んでくれた。\nそして、もう一度強く俺に抱き着いてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたし……わたしも、アラタさまを一人の男性としてお慕いしておりました",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ありがとう、ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いいえ、わたしの方こそありがとうございます、アラタさま",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "嬉しそうに微笑みながら俺を見つめるルミネ。\nそんな姿を見ていると、この微笑みが消えないようにいつまでも守ってあげたいと心から思えた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3309_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ルミネの身体をゆっくりベッドに寝かせ、その上に覆いかぶさる。\n恥ずかしそうにしたルミネは俺を見ていられないのか、目をそらしてしまった。\nだけど、そんなところすら可愛いと思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……愛してる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……アラタさま、わたしもです。あなたを、愛しています",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そのままゆっくり顔を近付けると、ルミネはそっと目を閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そっと唇を重ね、触れ合うだけのキスを繰り返す。\n伝わってくるのは柔らかな唇の感触。その感触を確かめるように何度も唇を重ねながら、優しく頬を撫でる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ん、あ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はあ……あ、ちゅぅ……ん、アラタさまぁ……んっ、んぅ\n好き。好きです……アラタさまが、んん",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "俺もルミネが好きだ……んっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んっ、嬉しい……ん、はぁ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "何度もキスをしていると、ルミネも自分から唇を押し付けてくる。\nそれが嬉しくて、また何度も同じことを繰り返して、お互いに柔らかさを伝えあう。\nこうしているだけで、もっともっとルミネが欲しくなってしまう。\nだけどそれは、こうしてキスしてくれているルミネも一緒に違いない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさま……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "唇を離して見つめると、恥ずかしそうに頬を真っ赤に染めたルミネと視線が重なる。\n俺は、ルミネがようやくこっちを見てくれたのが嬉しくて、微笑みながら何度も頬や耳元、髪を撫でていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんぅ……くすぐったいです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "あんまり可愛いから、たくさんこうしたくなったんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そんなこと言われたら、恥ずかしいです……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "でも、本当のことだよ。俺は、もっとルミネが知りたい……いい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "少しだけ緊張したように、だけどしっかり俺を見つめたままルミネは頷いてくれる。\nその姿を見つめながら、そっとスカートを脱がし始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、う……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "スカートを脱がせるとルミネは恥ずかしそうにまた視線をそらしてしまった。\n俺の方も見ているだけで少し恥ずかしくなってしまう。\nだけど、あまりにも綺麗なその姿に胸の鼓動は速くなって、もっともっとルミネの色んな姿を知りたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、すごく綺麗だ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんな、あ……!アラタさま……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "足の先からゆっくりと撫でていき、太ももへ辿り着かせてそのままゆっくり撫でてやる。\nルミネは手のひらの動きに合わせてびくびく身体を震わせ、頬を染めて時々ちらちらと俺を見つめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んっ!あ……あ、の、くすぐったい……んっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "……じゃあ、こうしたら?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え!あ、ああっ!そ、そっちは、あんっ!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "太ももを撫でていた手のひらを少し動かし、指先を脚の付け根へ移動させて秘部を軽く突いてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ!あ、あっ……!そ、そんなとこダメぇ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "だめ?どうして?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だ、だって!そんなところ……さ、触ったこともないのに!あ、あっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "秘部を軽く突くだけでルミネは顔を真っ赤にし、全身を大きく震わせた。\n誰にも触れられたことのない場所に触れられ、初めての感触に感じているのかと思うと興奮してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "誰も触ったことがないから、俺が触るんだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん……!本当に、全部アラタさまが……は、初めてだから……あんっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "その言葉が嬉しく、そして興奮が増していく。\n何度も指を動かし割れ目を撫で、往復させた指先でクリトリスを探り当てて強く押してみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃん!んぅ!あ、ああぅ!そ、そこ、あ……ヘンな、感じが、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "クリトリスを刺激させる度にルミネは震え、甘い声がどんどん増えていく。\nおまけに、指先にはじんわりと濡れた感触が伝わってきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ……いやぁ、アラタさまぁ……そんなこと、いっぱいダメぇ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "本当に?でも、ほら……こうしたらルミネは",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ひ、ぁあっ!あ、んぁあ!!だ、だめぇ……あっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "指先の動きに合わせてルミネは何度も震え、そして濡れた感触を指先へと広げていく。\nいつの間にか下着はしっとり濡れ、そのせいで指先の滑りをよくし、刺激を伝えやすくなっていた。\n震える身体はまるでもっと刺激を求めているような気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、は……あ、ああっ!アラタさまぁ……か、身体が熱くて、わたし……あっ!\nこんなの、どうしたらいいのか……ぁあっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "怖がらなくても大丈夫だから……俺にもっとルミネのこと、教えてくれるかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、アラタさまにわたしのこと……ん、もっと、知って欲しいです。だから、もっと……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "じゃあ、このまま……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あの、わたし、どうしたら……あ、ん!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "身体を起き上がらせて座らせると、恥ずかしそうに見つめられる。\nそのまま少し脚を撫でると、その感触にもルミネは反応した。\n少しゆっくりと脚を撫で、軽く秘部に触れるとまた身体が反応した。\nその反応が可愛くて、つい繰り返してしまう。数回軽く秘部を突くだけでルミネは震えて甘い声を漏らした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁあ!あ、ああっ、そ、そんなに何度も……あっ!ああぁんっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "可愛いな……もっとしたくなる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そんなことばっかり言われたら、恥ずかしいのにわたし……あ、もっとされたく…んぅ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "真っ赤になって感じる姿を見つめながら、ゆっくりと上着を脱がせて下着だけの姿にしていく。\n恥ずかしさと気持ちよさが混じっているらしいルミネは、抵抗もできずされるがままになっていた。\n下着だけになったルミネは更に恥ずかしそうにし、どうしたらいいのかわからない様子だった。\nそんな姿が可愛らしく、そして晒された素肌はとても綺麗だと思った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、すごく可愛い",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "こ、こんなの、恥ずかしくてたまらないです。でもわたし……全部アラタさまに知って欲しい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、ルミネのことを俺に教えて欲しい。知らないことがないくらい全部教えてくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。アラタさまに全部……見て欲しい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "恥ずかしがりながらもはっきり口にしたルミネ。そんなルミネに俺は口付けると頬に触れ、ゆっくり身体を撫でていく。\n身体のパーツをひとつずつ確かめるように、脚から腹部へ、そして胸元をなぞる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……そ、そんなところも……ああ、でも……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "下着の上からそっと胸に触れると、柔らかさが伝わってくる。その柔らかさを直に確かめるため、ゆっくり下着をずり上げた。\n形のよい乳房が露になると、ルミネの顔が更に真っ赤になっていく。\nルミネはあまりの恥ずかしさに目を開けていられず、目蓋を閉じてじっとしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だから、そのままじっとしていて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……あ、あぁあっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "耳元で囁いてからそっと、乳房に触れる。\n下着の上から触っていたよりもはっきりとした柔らかさが伝わり、思わず頬が緩んでしまう。\nこんなにも柔らかくて、そして何よりも気持ちいい。もっともっとこの感触を知りたいと大きく手を動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、あ……あ、アラタさまの手、大きくてあたたかい……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネの胸は柔らかくて気持ちいい。もっと触りたくなる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いい、です……アラタさまには、わたしの全部に触れて欲しいです。だから、もっと……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "わかったよ、ルミネ。もっと君の全部に触れさせて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふぁあ!あ、ああっ!アラタさまぁ、あ、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "手のひらをゆっくりと何度も動かし、乳房を揉みしだく。\n乳房は柔らかに動き、手のひらの中で形を変えながらその感触を伝えてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、はあ……は、あ……!あ、んっ!また身体が熱くて、んん……奥まで、じんじんしちゃう……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "乳房を揉み続けていると、ルミネの声がどんどん甘くなる。\n伝わる感触と目の前で変わる表情、そして甘い声に俺は気持ちの高ぶりが抑えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさまぁ……あ、ああっ!こんなになるなんて、わたしどうして……あ、んっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネ、大丈夫だから。我慢しないで、もっと声を聞かせて欲しい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "戸惑っている姿すら愛しいと思ってしまう。\n恥じらいも戸惑いも、感じる姿もすべて、俺が初めてなのだと思うと興奮が増してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい。こんなに、奥まで身体が熱くなるなんて……んっ!初めてで……あ、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "何度も乳房を揉みしだき、時々指先で乳首を軽く撫でる。\nルミネはそれにも大きな反応を見せて身体を震わせ、頬は更に赤くなって瞳は潤んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、はあ……アラタさま、好きです。大好きです……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "それに、こうしてルミネのいやらしい姿を見ていると、俺自身も我慢できなくなってしまいそうだった。\nそんな俺の気持ちに気付いているのか、ルミネはまるで誘うように身体を揺らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさまぁ……あ、わたしもっと……触って欲しいです。もっと、アラタさまのこと……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネ……俺も、もう我慢できそうにない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え……我慢……?なにを、我慢できないのですか?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネが欲しい……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そっと囁くように伝えると、その意味をすぐに理解したらしいルミネがもじもじしはじめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……!わ、わたし、あの、うまくできないかもしれないです、でも、あの",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "いいんだよ。俺だって、その……失敗したらごめんな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "情けないことを言っていると思ったのに、ルミネはほんの少し嬉しそうな表情を浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一緒、ですか?アラタさまもわたしと一緒……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そう、一緒だよ。だから、失敗したらごめんって。でも、ルミネが欲しいんだ。いいかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい。わたしに、アラタさまのすべてをください……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "俺の全部も、受け止めてくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ルミネの下着を脱がせてしっかりと腰を抱き寄せ、既に硬くそそり立つ肉棒をさらけ出す。\nすると、ルミネは先ほどまでと違い、その表情を不安げなものに変えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……!あ、あの、アラタさま……そ、それがあの、わ、わたしの中に?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、そうだよ。その、ちょっと怖いかもしれないけど……大丈夫?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "わ、わかりません。でも、アラタさまのことは全部、受け止めたいです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "不安げな表情のままでありながら、健気なことを言ってくれるルミネ。\nそのあまりの健気さにまた鼓動が速くなり、肉棒はそれだけで脈打った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理はして欲しくない。ダメそうだったら、すぐに言って欲しいんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。わかりました……無理は決してしません",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "じゃあ、少しずつ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "不安げな身体をしっかり抱きしめ、濡れた秘部に肉棒を擦り寄せる。\nゆっくりと擦り付けていくと、愛液があふれる秘部で小さく音がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……あ、なんだかヘンな感じが、あっ!さっきと、違う……んっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "秘部に擦り付けられる感触にルミネは不安げに身体を震わせる。\n怖がらせないように、負担をかけないようにと思っているはずなのに、こんな仕種を見ているとすぐに欲しくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、ちょっとだけ力をぬいて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい。わ、わかりました",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "頷き答えるルミネの身体を抱きしめなおし、濡れた秘部に先端を擦り寄せる。\nそして、そのままゆっくりその奥へと肉棒を進ませた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……んっ!!ん、あぁ……アラタさまぁ……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "……っ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "痛いほどに締め付けられる感触に、思わず眉間にしわが寄る。\nルミネの秘部からは破瓜の鮮血が流れ、酷く辛そうな表情で俺に抱き着いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理はしないって……約束だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あ、いや……いやです、このまま奥まで……!ちゃんと、一緒がいいですっ\nだって、この感触も、痛みも……全部アラタさまのもの。だから、このままがいいんです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "辛いはずなのに、瞳に涙を浮かべながらルミネは首を振る。\nそれほどまでに俺を受け入れようとしてくれているのが嬉しくて、その頬をそっと撫でてから更に腰を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、んっ!んぅ、んぁ……あ、アラタさま、あ、また……奥へ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネが俺を受け入れてくれるなら、俺はしっかりと抱きしめる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "嬉しいです……アラタさま、ん!んんっ!!わたしも、ちゃんとアラタさまをっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "強く締め付けるルミネの中に、ゆっくりと肉棒を進ませていきながらその身体を何度も撫でる。\n痛みを少しでも和らげることができるように、負担にならないように。\nそう考えながら、何度も肌を撫でながら肉棒を進ませた。\nゆっくり進んだ肉棒を奥まで届かせ、ルミネの耳元に唇を寄せてそっと囁く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、は……ルミネ、全部入ったよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……あ!奥に、なにか……アラタさまの、あ!あっ、ぜんぶ……本当に!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、そうだよ。ちゃんと、全部入ってる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ひゃん!ん、ああ!あ、アラタさまが、ああ!嬉しい、わたしのなかに全部!あっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "軽く腰を揺らして肉棒の感触をゆっくりルミネに伝えると、ルミネは嬉しそうな表情を浮かべて身体を震わせる。\nその表情を見つめ、二度三度と腰を揺らすと、その度にルミネは震えて抱き着く力を強くする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あっ!本当にふたりで、いっしょになって……わたし、幸せです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、俺もこうしてルミネとひとつになれて幸せだ\nルミネ……もっと、いい?もっと君を感じたい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。わたしも、もっとあなたを感じたいです。もっと深く、ひとつになりたいです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、ふたりでもっとお互いを感じ合おう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "互いの感触を確かめ合うように、しっかりと抱きしめ合い、奥へ更に進ませるように腰を動かす。\n出入りする肉棒が秘部の中で締め付けられる度、愛液のあふれるいやらしい音が響いていく。\nそして、辛そうにしていたルミネの表情は少しずつ柔らかになっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、んぁああ!あ!奥まで、いっぱい……届いて!わ、わたし!あ、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "怖いならやめる……って言いたいけど、もう無理そうだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "い、いいんです。わたしがこうして欲しいって、お願いしたから、だから!\nあ、ふぁあ!もっと、奥まできてください。アラタさまで、いっぱいになりたいんですっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、わかったよ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ひあああっ!!あ、ああっ!アラタさまぁっ!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "可愛らしく告げられた言葉に背中がぞくりと震えた。\n俺はしっかりとルミネの身体を抱きしめ直すと、今までよりも大きく腰を揺らして肉棒を何度も奥深い場所へと届かせる。\n奥まで届く度に秘部内はひくつき、肉棒を締め付ける力を強くした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、は、ああ!あ、あっ!アラタさま、アラタさま!あ、奥……あん!ん、ああ!気持ち、よくて!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、俺も一緒だよ。だから……もっと!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふぁあ!あん!一緒、あっ!アラタさまと一緒、なんですね!わたし、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "肉棒を締め付け、愛液の量を増やしながらルミネが大きな声をあげる。\n秘部内で締め付けられる度に肉棒は脈打ち、先端からはカウパーが溢れて中を満たしていく。\n何度も何度も腰を動かし、肉壁を擦って刺激を与え続ける度、ルミネの反応は大きくなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、んぁあ!あ、ああっ!アラタさまぁ、あっ!奥が、なんだか、ヘンなんです!わたし、なんだかあっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "んんっ!俺ももうすぐ……!大丈夫だから、そのまま受け止めて……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ!あっ!このまま、アラタさまを受け入れ……あ、ふぁあ!奥から!あ、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "びくびくとルミネの全身が震えていた。\n俺は絶頂が近付いているのだと気付き、しっかり身体を抱きしめて勢いよく腰を突き上げる。\n強くなる締め付けに逆らうよう、何度も何度も突き上げては引き抜いてを繰り返す。\nそして何度目か、最奥まで肉棒を突き立てた瞬間、びくびくと大きくルミネが震えて肉棒を強く締め付けてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、わたし……わたし、だめ!あ、あっ!アラタさま、ふ……あぁあぁああっ!!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "……く!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その締め付けの強さに耐え切れず、秘部の中で肉棒を脈打たせながら俺も全身を震わせる。\nそしてそのまま、肉棒から勢いよく精液を吐き出してルミネの中いっぱいに注ぎこむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……!中がいっぱい……熱い、の……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "はあ、はあ……ルミネ……!愛してる、ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "嬉しい、アラタさま……わたしも、あなたを心から愛しています",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ……一緒だよ、ルミネ。すべてを受け止めてくれて、ありがとう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさまも……わたしにすべてをくださって、ありがとう。わたし、とても幸せです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "最初に言っただろ、そんなのは俺も一緒だよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……はい!ふたりで一緒です",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "幸せそうな笑みを浮かべて俺を見つめるルミネ。\nそんな笑みを見つめていると、胸が熱くなるようだった。この笑みをずっと見ていたいと、守りたいと心から思えた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3312h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "翌朝の朝食は、ちょうどルミネも一緒だった。\nデートに誘うなら今がいいタイミングかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、ちょっといいかな?忙しいならまた後でもいいけど",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "どうしたんですか、アラタさま。今からは執務がありますけど、午後からなら空いていますよ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "あ、じゃあえっと手短に……あのさ、えっと……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "改めてデートに誘おうと思うと、照れくさくなるもんだな。\nでも、ちゃんとデートに誘わないと。みんなにも散々からかわれたし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、ルミネと一緒に出掛けたいなと思ってさ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "お出掛けですか?それなら、アカリさんやシエルさま……あ、お姉さまを誘ってみんなでも楽しそうですね",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ!い、いや、そういうんじゃないんだ!!あの、ふたりだけでさ……デートできたらって思って",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "で、デート……ですか!!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、そうなんだ。俺達、ふたりだけで出掛けたことがなかったなあと思って",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふ、ふあああああ……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "俺の提案を聞くと、ルミネは耳まで真っ赤になってしまった。\nそしてすぐにぶんぶんと首を縦に振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい!はい!行きます!!デート、すぐ行きましょう!デートしたいです!アラタさまとデート!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっと待って落ち着いて!あの、ほら!今から執務があるってさっき言っただろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……は!そ、そうでした!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "だから、ちゃんとルミネが丸一日休みの日に、思いっきりデートしようと思うんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そうですね。それがいいと思います……ちょっと、浮かれすぎてしまいました",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "いや、今までこういう話をして来なかった俺のせいだよ。だから、デートの日は思いっきり楽しんで欲しいんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさま……!はい、わたしもアラタさまとたくさん楽しみたいです\nでも、丸一日お休みの日はもう少し先ですから……今から楽しみにしてますね",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そうか。じゃあ、その日までに何か色々考えたいけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "早とちりにしょんぼりするルミネの頭を撫でて、なんだか申し訳ない気持ちになる。\nそれに、ルミネの目は今すぐにでもデートに行きたい!と言っているようだった。\nちゃんと恋人同士になったんだから、こういう話を前からしておくべきだったんだよな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、やっぱり予定変更!今日の午後、ルミネの予定さえよければ街に行こう!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え?え、でも、丸一日……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "いいんだよ。今までデートして来なかったんだから、何回しても足りないくらいだ\nそれに、短時間だけでもルミネと一緒にいたいし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……はい!わたしもアラタさまと少しでも一緒にいたいです!\nこうなったら、午後の予定はなんとしてでも空くように頑張りますね!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "それは嬉しいけど、無理とかはしないでくれよ。ルミネの身体が何よりも大事なんだから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ありがとうございます、アラタさま。でも大丈夫です。アラタさまとのデートのためですから",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "わかったよ。じゃあ、俺も楽しみにしてるから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "こんなに喜んでくれるなら、もっと早く誘ってあげればよかったな……なんで気付かなかったんだろう。\n俺もルミネと出掛けるのが楽しみだし、今日の午後と休みの日のデート、めいっぱい楽しまないとな。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3316_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あれから一週間。俺達は時間を作るべく必死に仕事を片付けまくり、その結果、遂に待ちに待ったデートの日を掴み取った。\n俺は、以前に行った湖に二人きりで行こうと決めていた。今日は二人でめいっぱい遊んで泳ぐつもりだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいお天気でよかったですね、アラタさま",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、そうだな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それに、今日は本当にふたりだけですし",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "微笑みを浮かべて俺を見つめる水着姿のルミネはとても魅力的だった。\nまじまじ見るのも失礼かと思って、あんまり見ないようにしてるんだけど……。\n肌の露出が多いせいか、ついついあの夜のことを思い出してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "えっと……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でも、それは俺だけじゃないらしい。\nルミネもちらちらと俺を見ては顔を真っ赤にしている。きっと同じことを思い出しているんだろう。\nお互いに目をそらしては困ったように視線をさまよわせる。\nだけど、せっかくのデートがこれじゃあダメだよな。\n心の中でひっそりと気合いを入れて、ルミネの手を強く握る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、せっかく来たんだから泳ごう!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ!は、はい!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "手を握りながら言うとルミネも笑顔で頷いてくれる。\nふたり一緒に湖の中へと入っていくと、冷たい水が気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か、ルミネ?冷たくない?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい、大丈夫です。ひんやりしてて気持ちいい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、俺もだ。よし!ふたりでいっぱい遊ぼう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうですね、そうしましょう!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "しばらくは、湖の中に入ってふたりで水遊びを楽しんだり、軽く泳いでみたりした。\n湖の水は澄んでとても綺麗で、なんだかすごく贅沢な時間を過ごしている気持ちになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は~。それにしても本当にいいとこだなあ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうですね。以前来た時にとても楽しかったから、アラタさまと一緒に来れて嬉しいです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "俺もすごく楽しくて、ルミネと来れたのが嬉しいよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うふふふ……一緒なんですね、わたしもっと嬉しくなってしまいます……あ!アラタさま、あっちにも……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ん?あっちに何か……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "きゃあああっ!!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネ!?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "別の場所に移動しようとした瞬間、ルミネは足を滑らせて転んでしまい尻餅をつくような状態になった。\n慌てて駆け寄ると、ルミネは恥ずかしそうに真っ赤になって立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫、ですから……!あの、ちょっと転んだだけなので……は、恥ずかしい……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "本当に?どこか痛んだりはしてないか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "このくらいなら平気で……んっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "立ち上がったルミネは恥ずかしさのせいか、足早に歩き出そうとした。\nだが、すぐに足を止めて眉間にしわを寄せる。もしかしたら、足を挫いてしまったのかも。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめだ、無理はするな!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "きゃっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "痛そうな表情をしたルミネを抱き上げると驚いたように見つめられる。\n落とさないようにしっかり身体を支えていると、ルミネは慌てたように身体を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダメだ、ルミネ。じっとしてないと危ないから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でも、あ、あの、わたしは大丈夫ですから。ここまでしていただかなくても……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "大丈夫じゃないよ。足、挫いたんだろ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……そうです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "じっと見つめながら言うと、ルミネはようやく素直に頷いた。\nその事実にホッとして、しっかりと身体を抱き直してやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネに怪我をさせたなんてわかったら、ルナや王様に怒られちゃうからな\nそれに……痛い思いをさせるなんて、俺が耐えられない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……アラタさま……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "何も心配しなくていいから、じっとして落ちないようにしっかり掴まってくれるかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "返事をしてから俺に掴まるルミネの身体を抱き上げたまま、湖からあがる。\nどこかで休んだ方がいいだろうと周りを見つめ、ちょうどいい木陰があることに気が付いた。あの場所がいいだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少しじっとして。痛むなら、ちゃんと教えてくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "木陰にルミネの身体をおろし、そのまま足首の様子を見る。\n足首にそっと触れながら、痛みがないかを確かめるが腫れもないようだし大したことはなさそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫みたいだね",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。少し痛むけど、休めばすぐに平気になると思います",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "わかった。応急処置をしておくから、しばらく一緒に休もう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "足首に応急処置をし、ふたりで木陰に並んで座る。\n時々、ルミネの足に視線を向けると応急処置の跡が気になって仕方なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま、どうかしたんですか?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "自分がいたのに、ルミネにこんな怪我をさせて申し訳ないと思ってさ……ごめんな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そ、そんな!わたしの不注意が原因なのですから、謝らないでください。わたしの方こそ、心配かけてごめんなさい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "お互いに申し訳なさそうな顔をして頭を下げる。\nそして、顔を上げた瞬間目が合い、ふたりで一緒に笑い出してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……一緒に謝ってしまいましたね",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ははっ……ふたりで謝ってちゃしょうがないよな。謝るのはこれで終わりにしよう\nせっかく来たんだ、ルミネの足が大丈夫そうならもう一度湖に入ろう。今度は、しっかり手を握ってね",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。わたし、アラタさまに掴まって離れません",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "一日中湖で遊び倒し、すっかり日も暮れていた。\n遊びすぎたせいで体力も使い切って、随分疲れてしまった。\nルミネは疲れた様子で俺の膝の上に寄りかかるように座って、俺はそんなルミネを抱きしめながら湖のほとりに足をつけて座る。\n湖面には大きく美しい月が映り込み、きらきらと輝いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "綺麗ですね……夜の湖がこんなに綺麗なんて知りませんでした。とても幻想的で、なんだか胸がソワソワします",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、そうだな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もたれかかるルミネの髪を撫で、湖面を見つめ続ける。\nとても静かで、神秘的で、このまま時が止まってしまうんじゃないかと錯覚する。\n何もない、音もほとんど聞こえない空間で、俺達だけでふたりきり……。\nそう意識すると、胸の鼓動が速くなって、密着しているルミネの柔らかさが気になってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま……わたし、このままずっとふたりで……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "顔を上げたルミネは更に身体を密着させ、熱い瞳で俺を見つめる。\n触れ合う肌の感触、熱い瞳、そしてルミネの声……その全てが、俺の全身を刺激していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……好きだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あっ!ん、アラタさまぁ、あの、あ……っ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "もう、我慢の限界だった。\nこれだけ近くにルミネがいて、じっとしているなんて俺には無理だ。\nそっと手を動かして柔らかな胸を揉み、そして既に反応を始めている肉棒を押し付ける。\n伝わる感触に気付くとルミネはもじもじするが、その姿が余計に俺を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こうしてルミネに触れていたら、我慢できなくなったんだ。もっとルミネを感じたい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もう……アラタさまのえっち",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "仕方ないよ。好きな子とこんな風に一緒にいたら、そうなるものなんだから……いいかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "わたしも、もっとアラタさまを感じたいです。だから、このまま……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ありがとう、ルミネ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "囁くように答えてから、そっと頬に口付ける。\nするとルミネは耳まで真っ赤になってしまった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3319_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "膝に座っているルミネの肌をゆっくり撫でる。\n恥ずかしそうに赤くなる頬にそっと口付けながら、ゆっくりと全身を撫でていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……アラタさま、ちょっとくすぐったいです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "くすぐったいだけ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "も、もう……そんな風に言わないでください",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "わざと意地悪に聞くと赤い頬が更に赤くなる。\nその答えだけで、ただくすぐったいだけじゃないとすぐにわかる。そう思うと、もっとルミネに触れたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、可愛い……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……んっ!アラタさま、あ……あ、ふぁあ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "手のひらを何度も動かすとルミネが何度も身体を反応させる。\nその反応がもっと見たくて、ゆっくりと腹部や胸元、脚の付け根や腕を撫でていく。\nルミネの肌は白くキレイで、それが月の下で更に映えるような気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ゆっくりと水着の上から胸を揉む。\n柔らかな感触を楽しみながら手のひらを動かし続けると、ルミネの身体が何度も小さく震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、アラタさま……あ、あの……こ、こんな場所で……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "だめ?恥ずかしいならやめるけど",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あの、それは……恥ずかしいけど、だめじゃないです。もっと、触ってもらいたいです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "真っ赤になったルミネは困ったように小さな声で答えた。\nその姿もたまらなく魅力的で、もっとルミネに触れたくなる。\nその思いのままゆっくり手を動かし胸を揉み続けると、膝の上に座っているルミネがまた反応した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はあ……は、あ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "恥ずかしさを必死に隠したような顔。\nもっと見たいのに中々素直になってくれず、けれどその表情すらも興奮を高めて仕方ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今はふたりだけだし、もっと声を出しても大丈夫",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい。あ……んっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "俺の言葉でようやく素直になったのか、ルミネが小さく何度も声を漏らし始める。\nその甘い声をもっと聞きたくて、何度も手のひらを動かして胸の柔らかさを確かめ、軽く腰を突き上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ふぁあ……あ、アラタさまぁ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネの反応が可愛くて、身体が反応しちゃうんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "囁くように言いながら手のひらを何度も動かす。\n水着の感触がもどかしいけれど、それでもそのまま胸を揉んで、指先で乳首を探り当てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁあっ!んっ……あ、ああっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "指先で乳首を何度も擦りながら胸を揉み続ける。\n下から持ち上げて軽く揺らして、手のひらいっぱいに包み込んで揉みしだく。\n何度も柔らかな感触を受け止めるうち、ルミネの呼吸は荒くなり声もどんどん甘くなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、うれしい……わたし、アラタさまにもっと触って欲しくて……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "大胆な言葉に小さく笑みを浮かべる。\nもっとなんて言われると、遠慮ができなくなる……なんて考えながら、水着の上部分をそっとずらした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ!あ、そんな……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "もっといいんだよね?こんなに柔らかくて気持ちいいから、直接触りたいんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "も、もう……そんなこと言われたら……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうな表情をするけど、決して俺を拒絶しない。\nそれどころか、言葉には出さないけれど、もっとして欲しいとおねだりしているように見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう、ルミネ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、んっ!ん、んああ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "頬や耳元に軽く口付けて、ゆっくり胸を揉みしだく。\n直接伝わる柔らかな感触に思わず頬は緩み、そのまま何度も手のひらを動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、はあ……あ。アラタさまの手、あたたかい……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネの胸は柔らかくて気持ちいいよ。それに、少しドキドキしてる?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん……だって、アラタさまがこうして触ってくれているのが嬉しくて……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "じゃあ、もっとしてあげるから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふぁ、あぁっ!あ……ん、んんっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "手のひらを動かして何度も胸を揉みしだく。\n柔らかい感触とルミネの反応を楽しみ、強弱をつけながら胸を揉み続けて乳首を指先で摘む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここも気持ちいい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……あ、あっ!あ、そんなにくりくりしちゃ……あんっ!",
"speaker": "ルミネ"
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{
"utterance": "摘んだ乳首を指先で何度も刺激すると、ルミネの反応は更に大きくなる。\n刺激を受けた乳首は硬くなり、もっと触って欲しいと主張しているように思えた。\nだから何度も摘み上げ、扱くように刺激を与え続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁあ、ああっ!は、んっ……アラタさまぁ、あ、は……おっぱい、気持ちよくて……んっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "うん。ルミネが気持ち良さそうだから、俺も嬉しいよ。それに、もうこれだけじゃ我慢が……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あっ!アラタさまの、おっきくなって……あんっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そう言いながら腰を突き上げ、肉棒をお尻に擦り付ける。\n感触に気付いたルミネは身体を震わせ、恥ずかしそうに少し視線を向ける。\nその表情を見つめて微笑みを浮かべ、耳元に唇を近付けて囁く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、一緒に気持ちよくなろうか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさまと一緒に……?あ、あの、どうやって……ですか",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "何も心配しなくていいから、俺の言う通りにして",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい……あ、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "膝に乗せたルミネの身体を少し持ち上げ、そのまま身体を横にしてルミネをその上に乗せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃ!あ、あ、あの……あの、アラタさま!こ、こんなのって、あの、あの!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "すでに勃起している肉棒を取り出しルミネの前に晒すと恥ずかしそうな声が聞こえた。\nそれにしても、目の前にルミネの可愛いお尻が揺れてるっていうのはいい眺めだな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふたりで気持ちよくなるなら、これが一番かなと思ってさ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あの、でも、わたしこんなのどうすればよいのか……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、そうかそれじゃあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あの、アラタさま一体なにをされるおつもりなのです……あ、あっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "慌てた様子のルミネを見つめて小さく微笑み、水着に手をかけてゆっくり脱がしていく。\n水着を脱がして秘部を晒すと、ルミネのソコは既に愛液でぐっしょりと濡れていた。\nおまけに脱がされた恥ずかしさにも感じているのか、まるで俺を誘うようにひくついている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネのここ、可愛いな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "い、いや……そんなにじっと見ないでください",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "でも、こんなに可愛いと目が離せなくなる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "小さく笑みを浮かべながら、ひくつく秘部に指を這わせてゆっくりと往復させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、ひゃあ!あ、ああ、んっ!そ、そんなに……触っちゃ、あぁあっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "気持ちいい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、は、い!ふぁあ、あ……はあ、気持ちよく、なります……あ、んっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "指先を動かし割れ目をなぞる度にルミネの身体は反応し、愛液はどんどんあふれ出す。\n聞こえる声とその反応、ひくつく秘部を見ていると俺自身の身体も反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……俺のも触って",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え!え、あ……は、はい……わ、わかりました",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "少しおびえた様子でルミネの手が動き出した。\nそっと触れられた瞬間、肉棒はその感触を受け止めてビクンと脈打つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃ!あ……あ……い、今、びくってなりましたよ。だ、大丈夫なんですか",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "心配しなくていいから、そのまま触ってみて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "不安げにゆっくりとルミネの手が動く。\n根元から先端へと伝っていく感触にまた肉棒が脈打ち、先端から透明の汁があふれ出した。\nその様子をルミネはじっと見つめているのか、肉棒には時々ルミネの吐息がかかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、あ……男の人のって、こんな風に……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "好きに、触っていいから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え!?あ、あ、あの、わたしはその、そういうつもりでは!あの!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "いいんだよ。俺の全部はルミネのものなんだから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、アラタさまぁ……わたしの全部も、アラタさまの……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "嬉しそうな声が聞こえ、秘部がまたひくついた。言葉にも反応してくれているのだと嬉しくなって、また濡れた秘部を撫でる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃん!!あああっ!そこ、あんまり触ら……れ、ひあ!あ、あっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ん……ひくひくして可愛い",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、ふあああ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "目の前でひくつく様子にたまらなくなり、唇を近付けて軽く口付ける。\nそれだけでルミネは大きく反応し、また秘部から愛液があふれ出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ、ん……はあ、は……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あああっ!あ、ふぁあ、あ……そんなに何度も、あ、ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "舌先を動かして秘部を何度も舐め、時々指先でクリトリスを突いてみる。\n刺激を与える度にルミネは震えて声を漏らし、触れるだけの肉棒に微妙な感触が伝わってきた。\nでも、正直これだけじゃ物足りない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んんっ。ルミネも、舐めてくれるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "え?え、あの、あ、アラタさまのを、ですか?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "そう。そうしたら、もっと気持ちよくなれるから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ……あ、の。はい、わかりました……\nん、んんっ……ん、ちゅう……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "言われた通りに素直にルミネは肉棒を舐め始める。\nもどかしい、少しくすぐったいような感触に肉棒が脈打ち、その度に先端から汁があふれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、は……あ、んむ。びくびくして、ん……アラタさま",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネがしてくれるから、気持ちいいんだよ……んっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんな、ああ……嬉しい、アラタさま。んんぅ、わたしも気持ちよくて……はあ、はあ、あっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "舌先を動かし、手のひらや指先を使ってお互いを刺激していく。\nゆっくり何度も伝わる感触に全身が反応し、無意識に腰も動き出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んっ。ちゅ……ちゅう、はあ、は……アラタさまの、こんなに……んっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "はあ、ルミネも……ここ、すごくエッチだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、んぅ!ん、だって、アラタさまとこうしていたら、わたし……とても、ヘンな気持ちになって……はあ、はあ\nああ……こんなこと、とても恥ずかしいのに。あ、んっんっ……止められなくて……あ、んむ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "気付けばルミネも腰を揺らし、俺の身体に胸を押し付けながら肉棒を舐めていた。\nお互いの身体を全身で感じて、何度も刺激しあう。\n聞こえるいやらしい音と声、伝わる感触に何度も肉棒は反応して汁はどんどんあふれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ、んっ!は、んむ……ん、んっ。アラタさまぁ、アラタさま……好き、大好きぃ\nん、ちゅぅ……ちゅ、は、ふ……んむ、んっ!いっぱい、もっと……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネの奉仕は激しくなり、気付けば時に肉棒は吸い上げられ、それが止まるかと思うと先端を舐められていたりする。\n必死になっているらしいルミネは自分がしていることに気付いていないらしい。\n何度も腰を揺らして胸を押し付け、全身で俺を感じようとしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……はあ、あ……それ、すごい気持ちいい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んっ、んっ……は、ふ。う、あ……あ、わたしもとても気持ちよくて、もう……んっ!\nもっと、したくなってしまって……んんっ!ちゅ、ふ……はあ、はあ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "舌先が動く度に腰が揺れる。\nルミネの秘部を刺激しようとするけれど、与えられる刺激につい敏感になってしまう。\n腰を揺らしながら何度も舌先を動かして秘部を舐め、あふれる愛液をすくって音を立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!アラタさま、ふぁああっ!あ、んっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネ可愛い……ん、もっと声聞かせて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ん、あっ!あ、はあ、はあ……アラタさまも、もっとたくさん……んっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "びくびくと肉棒が脈打つ。\n伝わる感触に背中がぞくぞく震えるのがわかった。\n俺の腰の動きに合わせるようにルミネは舌先を動かし肉棒を咥え、強く吸い上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!ん、あぁ……あ、はあ、はあ……んっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "強く吸い上げられた瞬間、全身が大きく震え、その刺激に耐え切れず肉棒は大きく脈打ち、そして……。\nルミネの顔目掛けて勢いよく精液をあふれさせてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃっ!あ、ああ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ご、ごめん、ルミネ……我慢できなくて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "顔いっぱいに、アラタさまのが……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "顔いっぱいに精液を受け止めたらしいルミネは驚いているようで、申し訳なさでいっぱいになる。\nだが、すぐに肉棒の根元や先端を軽く撫でられてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "る、ルミネ、なにを……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だって、こんなにたくさん……アラタさまが気持ちよくなってくださったからですよね?",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "それは、そうだけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "とっても嬉しいんです。わたし、アラタさまを気持ちよくできたんだって思ったら……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "何度も先端を弄られ、根元を軽く扱かれるとすぐに肉棒が反応してしまう。\nそれに、俺の肉棒を弄るルミネの秘部はひくひくして、今すぐにでも入れて欲しいと言っているように思えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさまぁ……わたし、あの、その……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうにしているルミネが何を求めているのかはすぐにわかった。\nだからゆっくり身体を起こし、その向きを入れ替える。\nルミネの身体を寝かせてその上に覆いかぶさり、強く手を握る。\nうっとりした表情のルミネも、俺の手を強く握り返した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……好きだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。わたしもアラタさまのことが大好きです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、同じだ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……んん",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ゆっくり顔を近付けるとルミネは黙って目を閉じた。\nその唇に何度も口付け、頬や目元にも唇を落としていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んんっ……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "口付けるだけでルミネの身体は小さく震え、その表情や声にまた興奮が高まっていく。\n唇を重ねたまま、硬くなった肉棒を濡れた秘部へ擦り付けるとルミネの声が少しずつ甘くなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んぁ……あ、ああっ……!はあ、は……あっ!アラタさま、あんっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "肉棒を擦り付ける度にルミネの反応は大きくなり、秘部からはとろとろと愛液があふれ出す。\n待ちきれないようにひくつく秘部の感触に背中を震わせ、また何度も口付けを繰り返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はあ……は、あ、これじゃいやです……んっ!ちゃんと、中に……あっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ。俺ももう、これだけじゃ我慢できない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "待ちきれない様子のルミネに小さく笑みを浮かべると、少し腰を浮かせる。\nそしてそのまま、ルミネの中へゆっくりと肉棒を進ませていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……んっ!ん、んっ!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "肉棒を進ませていくと、ルミネが少し辛そうな表情を浮かべる。\n俺を受け入れるのはまだ二度目だ。辛くて当然かもしれない。\nだからゆっくりと慎重に、肉棒をその先へ進ませた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、ああ……奥へ、ゆっくり…!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ちゃんと、俺のがわかるかい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい。アラタさまのが、わたしの中へ進んでくるのが……わかります",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "まるで答えるように、ルミネの中がひくついた。\n進んでいく肉棒がそれに合わせて締め付けられ、中で脈動しまた俺を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "このまま、もっと……んっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "伝わる感触と刺激に、たまらず腰を大きく動かし強く手を握った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!ふぁあ、あっ!いきなり、そんな……あ、あぁっ!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ごめん、でも……ルミネの中が、気持ちよくて!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はあ、は、あっ!あ、あっ、あんっ!嬉し……い、アラタさまっ!あ、あん!あ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "腰を大きく前後に揺らし、内側へと何度も届かせて深い部分を先端で擦る。\n奥まで届く度にルミネは大きく震え、内側の締め付けを強くして俺を離してくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま!あ、ふぁああっ!奥、いっぱいにこんな、あ、んっ!気持ちよくて、わたし、あ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "俺もだよ……また、ふたりで一緒に……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "は、はい!もっと、気持ちよく……あ、んぁああ!アラタさまと一緒がいい、ふぁあ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "奥まで届く肉棒を強く締め付け、俺の動きに合わせるようにしながらルミネが腰を揺らす。\nそして、握り合う手のひらの力は互いに強くなり、まるで全身でお互いを欲しているようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま、あ、ああっ!好き、好きです!あ、ふぁあっ!わたし、あ、あっん!\nこんなに好きで、あ、ふぁあっ!こうしているのが幸せで……ああっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、好きだよルミネ。好きだ……んっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もっと感じたい。もっと奥まで届かせたい。乱れるルミネを見つめていたい。\n愛し合う度に欲張りになって、何度も何度も奥へ肉棒を突き上げながら唇を重ねる。\n触れ合う口付けはすぐに舌先を絡めた濃厚なものになり、それに合わせるように腰の動きが激しくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、ひあぁ!あ、ああっん、ん、う!こんな、何度もいっぱい……来ちゃ、あああっ!\nあ、おなか……いっぱいになって、あんっ!アラタさまのおっきくて、あっ、あんっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "締め付けられる感触が強くなり、愛液がどんどん増える。\nルミネは全身を震わせて俺を受け入れ、また強く手を握った。\nさっきイッたばかりのせいか、すぐにまた全身が震え、締め付けられる強さに耐えられなくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……!ルミネ、もう……!",
"speaker": "新"
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{
"utterance": "わたしも、あああ!もう、あ……アラタさま、一緒に……あ!ふぁああっ!!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "何度目か奥まで肉棒を届かせた瞬間、声をあげながらルミネが強く手を握った。\n途端に中で強く肉棒が締め付けられ、本当に耐えられなくなってしまう。\n奥へ届かせた肉棒を引き抜くように腰を引くと、そのまま勢いよくルミネの身体いっぱいに精液があふれ出す。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "ふぁ、あぁあああっ!あ、あ、アラタさまぁあ……!!",
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{
"utterance": "そしてルミネは全身で精液を受け止めながら、大きく身体を震わせながら絶頂を迎えてしまう。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "あ、ああ……こんな、身体いっぱいにアラタさまのが……あ、あ……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "はあ、はあ……",
"speaker": "新"
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{
"utterance": "絶頂を迎えたルミネの手を強く握って呼吸を整える。力なく握り返される手のひらの感触に思わず笑みが浮かんだ。\nだが、ルミネは俺を見つめて少し不満げな表情になる。",
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},
{
"utterance": "……ルミネ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "も、もう……どうせなら、中に出してくださればよかったのに……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "いや、さすがに前もそうだったし……どうかなって思ったんだけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だって、アラタさまのものは全部欲しいです。だから中が良かったのに",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "可愛いことを言うルミネに嬉しくなってしまう。\nでも、精液でどろどろになってる姿も嬉しいなんてことも思ってしまうわけで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、アラタさまと一緒に気持ちよくなれて幸せです。アラタさま……大好き",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、俺もルミネが大好きだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "微笑みながら見つめるルミネの表情に、またしたくなってしまったけれど……さすがに我慢だな。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3320h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "激しく愛し合い、俺もルミネもとても幸せな気持ちに満ちていた。\n隣に座るルミネを抱き寄せると、満足そうに寄り添って俺を見つめてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま……は……っくしゅんっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ごめんなさい、わたしったら。ああうぅ……恥ずかしい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "謝ることはないよ、俺の不注意だ。こんなに遠くまで出て来て、いつまでも湖の側にいると風邪をひいてしまう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そんな……それなら、アラタさまのお身体も心配です",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "お互いに心配しあって顔を見合わせていると、どちらともなく笑みが漏れた。\n思わずそのままくすくすと笑いあう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そろそろ帰ろうか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうですね。もうちょっと、ふたりきりが良かったですけど",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "それは同じ気持ちだよ。また時間を作ってデートしよう",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "すっかり遅くなってしまった帰り道。\n周りは暗く夜道では何が起こるかわからない。俺がしっかりルミネを守らないといけない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "夜は何が起こるかわからないから、俺から絶対に離れないようにしてくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい!わかりました、アラタさまっ",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "嬉しそうに頷き答えるなり、ルミネは身体全体で俺の腕に抱き着いてくる。\nその嬉しそうな表情と、伝わる柔らかな感触に思わず笑みがこぼれてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おいおい、ルミネ。これじゃあ、何かあってもすぐに対応できないぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でも、アラタさまが絶対に離れないようにしてくれって言いました!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "うん。確かに言ったな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だから、いーっぱいぎゅうってして離れないんです",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "まったく……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "少し苦笑するものの、こうしてルミネがくっついてくれるのは嬉しくてたまらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかった。じゃあ、俺から離れずに歩いてくれよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もちろんです。わたし、ずっとアラタさまから離れません",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "微笑みを浮かべるルミネと一緒に、ふたりでゆっくり歩きながら王城へ向かった。\n少し帰るのは遅くなるかもしれないけど……初めてのデートなんだから、このくらいはいいよな。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3321_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "まったく……休めって言ったはずなんだけどなあ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は扉の前に立つ人物の姿に、苦笑しながらそう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、入っていいよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "すまなそうな顔で俺を見上げるその少女を、部屋の中へと迎え入れる。\nルミネは魔王城で勇者の真実を知った時、あまりにも大きなショックを受けていた。\nでも、昼間のルミネは一見するといつも通りで、それが強がっているように見えたのが気になった。だから少しでも立ち直るための時間をとってほしかったんだが……。\nいや、だからこそ、なのかもな。そうだからこそ、一人でいられなかったのか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "明日は遂に最終決戦になるかもしれないんですね",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "部屋にあがったルミネは、ベッドの上に座ると、俺を見上げながら尋ねてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。魔王城からシステム中枢に辿り着ければそうなるだろうな。決して油断はできない\nだから、ルミネも絶対に無茶をしないでくれよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうですね。わたしも決して無茶はいたしません。アラタさまと一緒にいます",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、俺から離れないようにしてくれよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "今もルミネは、一見いつも通り話をしている。\nでも、どこか強がっているように思えてならない。もしかしたら、胸に何か抱えているものがあるのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……何かあるなら、ちゃんと俺に話して欲しい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさま、急になんですか?何かなんて、そんなものわたしは……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ルミネのことにはなんでも気付けているつもりだよ。だから、隠さないで欲しい\n思っていることがあるなら、ちゃんと教えてくれないか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "最初こそルミネは微笑みながら俺に答えていた。\nけど、俺が真剣な顔をして見つめると、そっと目をそらす。それだけで、何かあるのだとすぐにわかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタさまは決戦が終わったら、どうされるのですか?他の勇者様と同じように元の世界に帰ってしまわれるのですか?\nでも、元の世界に帰ってしまわれれば、もう二度とラグナギアへは戻って来られないのではありませんか……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "それは……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "元の世界に帰ってからラグナギアに戻って来た勇者様は今までにはいません。だから、アラタさまも……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "話しながらルミネの目に涙が溜まり始めていた。\nきっと、それをずっと考えていたけれど、俺の負担になってはいけないと我慢していたのだろう。\nだけど、俺が話して欲しいと言ったばかりに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今は、アラタさまが元の世界に帰る方法を探しています。でも、それで永遠に会えなくなってしまうのは絶対に嫌です!\nでも……アラタさまをこの世界に引き留め続けるわけにはいかないこともわかっているんです\nだって、巻き込んでしまったのはわたし達なのですから\nでも、そう考えると、わたしはもうどうすればいいのかわからなくなってしまうんです……!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "悲しげにうつむいてしまうルミネ。\n俺は、ルミネにこんな顔をさせたいわけじゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ、こっちを向いてくれないか……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でも、アラタさま……わたしは本当にどうすればいいのかわからなくて……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ちゃんとこっちを向いて、俺の話を聞いて欲しい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うつむいたままのルミネの頬を撫で、そっと上を向かせる。\n目元に溜まった涙を拭い、真剣にルミネを見つめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺はルミネを愛してる。だから、そんな風に悲しんでいる顔は見たくないんだ\nそれに、自分の愛する人を悲しませて何がヒーローだ。俺は絶対にすべてをあきらめない\n以前の勇者の話と同じだよ。二者択一、どちらかを選ばなければいけない話",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "はい。あの時の勇者様は、一方だけを選んで涙を流されました",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "あれと同じだよ。愛する人を悲しませて元の世界に帰るのか、愛する人のために帰るのを諦めるのか\nでも、そんなもんはどっちもクソくらえだ!だから、俺はどっちも諦めない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "じゃあ、アラタさまはもしかして……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ!本当のヒーローなら選択はひとつ!愛する人のことは手放さないし、元の世界に帰ることも諦めない!\nどちらかを切り捨てるなんてことは始めから考えていないさ\n俺はルミネを悲しませたりはしないし、こんなふざけたシステムなんか打ち破ってみせる!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……アラタさまっ!",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の言葉を聞いたルミネは、いきなり抱きつき身体を擦り寄せて唇を重ねた。\n突然の口付けに驚き、一瞬動きが止まってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "だけど、その唇の感触、漏れる吐息、抱きつく身体……ルミネのすべてからその喜びが伝わってくるような気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルミネ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "伝わるルミネの気持ちごと包み込むように、しっかりとその身体を抱きしめる。\nそのまま、何度も唇を重ねあう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んん……",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "触れ合うだけの優しい口付け。\nだけど、それだけで互いの気持ちが伝わり合うような気がした。\nこの気持ちを、伝わる全てを、ルミネを守り続けたいと心から思えた。\n何度も唇を重ねてからゆっくりと離すと、目の前には満面の笑みのルミネがいる。\nそれは俺の大好きな表情だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタさま、愛しています",
"speaker": "ルミネ"
},
{
"utterance": "ああ、俺もルミネを愛してる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "互いに微笑みを浮かべ、どちらともなく唇を近付ける。\nそして俺達はまた、何度も口付けを繰り返した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"ルミネ"
] | 09_Sekai | 3410_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "終わった。\n草の上に倒れ、もう動かないソルの身体が少しずつ崩れるように小さな光のカケラになって、微かな風に吹かれては舞い上がる。\nそして、空に届く間も無く消えていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺はソルの最後を見届けた。\n倒れた草に残された形だけが、この世界にソルがいた証だった――。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ、アラターッ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラの声に、我に返る。\n駆けて来る姿が近づくと、怒っているような顔が見えた。\n楽勝だと言ったほどには、楽にいかなかった自覚はある。ダメージは軽くない。\nそれでも、目の前で立ち止まったアウロラに、笑みを見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "勝ったぞ。ちょっとキツかったけどな\nて、え?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは、俺の両腕を掴むと頭の天辺から爪先まで、穴の開きそうなほど、眺め回した。\nそして、ふっと息をつく。\n怒ったような表情がゆるんで、きれいなエルフの顔に戻った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "良かった",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "何が?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタも、ギアも、酷いダメージは受けてないから",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ありがとな、心配してくれて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラの顔に笑みが浮かぶ。\nその笑みに、俺も笑顔で応えた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4301_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ソルは……消えたのね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ああ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ソルは消えた。でも。\n俺の視線が向かう先を、アウロラの目が追う。\n草の上に残った窪み。その脚の部分にギアが落ちていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シャイン……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "壊れてないな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "言ってから、気付く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シャインも大丈夫だよな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラに振ったが、返事が無い。\n研究室にいるときよりも、よっぽど深刻な顔をしたエルフがそこにいた。\n分からない、と言って、アウロラはギアの横に腰を落とす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "シャイン、聞こえる?シャイン!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "応答は無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかして、ソルがいなくなったから機能停止とか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それは、壊れたって言うの!レイを見る限り、勇者がいなくても消えたりしないし\nそりゃ、敵のギアだから、動かれて攻撃されても困るんだけど",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "封印するのか?レイみたいに",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "封印できるか分からないし、できるとしても、この状態じゃ無理よ\n正常な動作が保証されない状態で封印したら、何が起こるか分からないでしょ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "……なら壊すのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうであってほしくない。そんな願いと共に俺は口にした。\n無抵抗な相手、いくらギアとはいえシャインという人格を持ってる。\nそれを壊すなんて答えを、出来ることなら選んでほしくない。\nアウロラは真剣に悩んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "敵だけど貴重なギアだし。持ち帰って調べたいことも一杯あるけど\nでも、稼働すると敵だし……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "マスターのソルが消えたのに、まだ俺達を攻撃するのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "するかも。可能性だから、攻撃しないかもしれない",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そうか。また敵になると決まったワケじゃないんだな\nもし攻撃してくるなら、そのときは俺がどうにかする。だから、持って帰ろうぜ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうね。そのときは任せるから",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃ、決定だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺はギアを拾い上げると、しっかりと握り締めた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4302_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "その晩、アウロラは一人、森の中を歩いていた。\n苦しくて、苦しくて、息が詰まりそうで、自分の部屋の窓を開けても、まだ苦しくて。\nたまらなくて、城を出て森に来た。それでも、苦しさは変わらない。\n里から来た使者の言葉と態度に、胸を塞がれてしまったのだろう。\n自分が里を出て来た時と、何も変わっていないエルフ。\n変わってほしいと願っても相手にされず、変えるためのきっかけを求めて飛び出した。\nでも、そのきっかけも手に出来ないまま使者の姿に憤ったところで、自分のプライドが邪魔をして、役に立つような言葉一つも口に出来ない。\nエルフのプライド。嫌いでたまらないものが自分の中にある、認めたくない事実。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "エルフだから……あたしがエルフだから",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして、森の中を彷徨って、少し開けた場所に来て、力尽きたように座り込む。\n闇に呑まれかかるアウロラの心には、もう何も映らない。暗い森も、夜の空も。\nそして、近寄る気配も分からなかった。\nただ、草を踏み分けて来る足音は聞こえる。警戒する必要の無い、聞き慣れた足音。\nその足音は、アウロラの真後ろで立ち止まると、背中合わせに座った。\n森の夜風に冷え切ったアウロラの背に、温もりが伝わる。\n見なくても聞かなくても、それが誰か、エルフの優れた感覚で分かっていた。\n背中合わせに座っているだけの時間が、流れる。\n伝わる温もりに暖められて、少しだけ、アウロラに力が戻った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんた、何しに来たのよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラが城を出るとこ見かけてな、ついて来た",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ちょっと心配になっただけだ。気にすんな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新の明るい声に闇が薄らぐ。\nするとアウロラの息苦しさも、いくらか和らいだようだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4307_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あんた、何しに来たのよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラらしい声に安心する。\n俺は苦笑しながら正直に答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラが城を出るとこ見かけたんで、付いて来た",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ちょっと心配になっただけだ。気にすんな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "板のように硬かったアウロラの体が、背中越しにほんの少しだけ柔らかくなった気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "心配することなんて無いわよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そうだな。でもまあこれは俺の性分だ。助けてって言ってる人がいるなら、必ず駆け付ける\n助けを求めてるのが誰だって関係ない。人間だって、エルフだって……\nもちろん、アウロラだってな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ちょっと、誰も助けてなんて言ってない。そこ勘違いしないでよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そうだな。アウロラは言わない、そんなことは。それが、アウロラって女の子だ\nだけどそれでも、俺には聞こえたんだよ。お前の心が、そう言ってるのが",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "日が暮れて城に戻ってきたとき、跳ね橋の上でアウロラとすれ違った。\n俺がいることにも気付かないアウロラの思い詰めた顔を見たとき、その声が聞こえた。\n微かな、消えてしまいそうな声だったが、確かに聞こえた。誰か助けて、と。悔しそうに歪んだその顔が、瞳が、助けを求めていた。\nそんな俺の言葉に、アウロラは口をつぐむ。それは、確かな肯定。自分の心を認めた行為。\nそのまましばし逡巡し、やがて、その心を言葉として迸らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんた、見てたでしょ、昨日も今日も。エルフの振舞いが、どれだけ酷いか\nでも、あれがエルフなのよ。そして、あたしも同じ。エルフだわ\nエルフなんて助ける値打ちが無い。そう、あたしを助ける必要なんて、あるわけ無いのよ\n助けたって、感謝もしない、お礼もしない。当たり前としか思わないんだから\nそれでも助けるの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "吐き出すように言うアウロラに、俺は頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、助けるよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "自信満々で答える。\nでも、アウロラは首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうして?なぜ、そんな事が言えるのよ?ヒーローは、バカなの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "確かに、バカだ。大バカだろう。それは認めておこう。\nでも、それはそれ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺は、感謝とか、お礼が欲しくて、ヒーローやってるワケじゃない\n助けが必要なヤツを放っておけないだけなんだ\n俺は信じてる。エルフっていう種族を\nきっとその心の中では、俺達に助けを求めてるって",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "嘘っ。あいつが、助けて、なんて思うもんですか",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんなことはないさ\nアウロラとみんなが城に帰ったあと、俺は、ずっとあいつについてった\n手助けはさせてもらえなかったけれど、それでも俺は後ろについて、ずっと見ていたんだ\n行く先どこでも断られてさ、それでも止めない。普通なら嫌になるだろ\nそれが何十回断られても、折れないで、次の店へ行くんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "単に、プライドのためよ。任された仕事をやり遂げたいだけ。失敗は恥なのよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "違うさ。自分のためだったら、それこそ途中で諦める。自分の依頼に応えようとしない人間達がバカなんだ、そう決めつけて\nけれど、折れない。諦めない。それは自分のためじゃないから。エルフの里のためにやってるんだ。みんなのために",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……そうかしら?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ああ。分かってるんだよ。ここで必要なものを手に入れないと、里が危ない、って\nだから精一杯、いや、それ以上に頑張ってる。必死になっている\nただ、要領は悪いよな。それは、あいつが一番分かってるだろ\nそれでも、ああいうやり方以外できないんだ。変えられないものがあるんだ\nそれがきっと、エルフとしての生き方",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "生き方なんて、変えられるわ。あたしは、変え――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラの声が途切れる。そして俯いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "エルフの里とクラウンの間には、他の国があるんだろ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは、俯いたまま頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なのに、ここに来た。もっと近い国があるはずなのに、このクラウンに来た。それは多分、アウロラがいる国だからだと思う\nアウロラが暮らしてる人間の国。エルフが人間と、人間がエルフとうまくやってる国\nそんなクラウンだったら、自分達を助けてくれるって信じて、来たんじゃないのかな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "まさか",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "言っただろ、俺はエルフを信じてる。だってさ、アウロラもエルフじゃないか\nだから信じてる。アウロラがエルフだから。きっと、アウロラと同じ想いを持てるはずだから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "だったら、助けなきゃいけないだろ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラの背が小刻みに震えた。俺の場所からその顔は見えない。けれど、どんな顔をしているのかは簡単に分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "助けて……お父様とお母様を、里のみんなを、エルフを、助けて……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺は、思い切り強く頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、任せろ。なんてったって俺はヒーローなんだぜ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "だから、みんなの“助けて”には、必ず応えてみせる!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラが、笑い声をもらす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、あんた、どんだけバカなのよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺も笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ははは、確かにバカかもな\nでも、それでアウロラを助けられるなら、バカでもいいさ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ほんと、バカよね……ヒーローなのに",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ヒーローだから、だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "今のアウロラの表情も、手に取るように分かる。だから俺も、はっきり笑う。アウロラと同じように。\n夜の森が、真昼のように明るく見えた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4308_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "疲れた……。\n湖の向こうって、あんなに広かったか?おまけに、魔物はちゃんと出るし。\n数は少なかったものの、自称側近クラスがいたから、ちょっと派手なヤツを使った。\nブレイブギアの回復力があっても、城に帰って来たときには、クタクタになっていた。\nとにかく、自分の部屋に戻って休みたい。\nそれなのに、ただでさえ長い城の廊下が、メチャクチャ長い気がして嫌になる。\nそれでも、誰かの手を借りたいという怠け心を叱咤して歩いて行く。\nようやく研究室の前まで辿りついたとき、中からアウロラが出て来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ、お帰りなさい――どうしたの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "いや……どうもしてない……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう言ってる端から、身体がよろける。だがここは踏ん張るしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だ……ちょっと長い行程だったからさ、膝が笑ってるだけだよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "疲れてるのね、マッサージしてみる?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんなアウロラの思いがけない提案に、俺は驚いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ええ。エルフの里直伝のマッサージ、効くわよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ありがたい。じゃあ、研究室で――",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺達は研究室に入った。が、博士の姿がない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "博士は?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "実験に使う道具を買いに行ったわ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そっか。じゃ、そこの長椅子で……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だめよ。ちゃんと寝ないと、マッサージしにくいから\nアラタの部屋でいいでしょ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺はアウロラの言うまま、自分の部屋に入った。アウロラが続いて上がり込む。\nそして、言われるまま、ベッドにうつ伏せになった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃ、お手柔らかに頼むぜ。痛いのは好きじゃないんで",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あら、難しい注文ね。痛くないマッサージなんて、存在しないか、効かないかよ\nでも、気を付けるから、痛過ぎるなら言ってね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "わかった",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "じゃあ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラはベッドに上がると膝立ちする。そして、脚を開いて跨るように、両膝で俺の腰を挟んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これは……男の人と、ベッドに上がって、こんな格好してるあたしって、まるで――\nいえ、そんな邪なことじゃ無いのよ、これは。絶対に、違うから\n疲れたアラタを、癒すためのマッサージ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "えーと……まだ、でしょうか……?覚悟決めて待たせていただいてるのですが……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ははは、いい心掛けね\n何を妄想してるの、ルミネじゃあるまいし。あたしが、バカみたいじゃない\nただのマッサージごときで――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "何か小声で言っていたらしいアウロラだが、何か決意でもしたかのように深呼吸する音が聞こえると、その手が俺の両肩を掴んだ。\nそして、細い指先が、肩の筋肉を突き刺すように、めり込んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぅうあっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "不覚にも、声を洩らした。でも、下手な魔物の一撃より、強烈だ。\nそして、華奢なエルフの体のどこに、こんな力があるのかと思うくらいの強さで、筋肉が揉みほぐされる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "酷い……まるで石だわ。毎日トレーニングしてるのに",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "柔軟性もあるはず、なんだが――っ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラの指が横に動くと、新たな痛みに遭遇する。声は堪えたが、涙がにじみ出た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ストレッチングとか、リラクゼーションはしてるの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "たまに。でも、このとこ――っっ、忙しいんで、やってない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そのせいよ。まったく……肩もだけど、首も――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "痛さで声も出ない。でも、アウロラの指は情け容赦なく、マッサージを続ける。\n首が終わると、背中、そして腰。\n今度は、脚のマッサージよ、と言って、アウロラは身体の向きを変えた。\nちらっと、その後ろ姿をみた瞬間、首の動きが軽いのに驚く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだこりゃ!首も肩もメチャクチャ軽いぞ!さすが、エルフの里の直伝だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "振り向いたアウロラが、笑顔で言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう。じゃ、ここからが本番よ。脚の力を抜いて",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ああ。――っうぅぅ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アキレス腱の少し上を揉まれた瞬間、目から火花。笑って誤魔化す余裕も無い。\nでも、真剣にやってるアウロラに文句は言えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "力を抜いて!痛いだけだし、筋を痛めるのよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "わかっ……た",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アキレス腱からふくらはぎ、膝の周囲、それから足首と土踏まずまで、まんべんなくマッサージすると、アウロラは息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぅ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ありがとう。マジ楽になった",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "まだ、終わってないわ。上半身の仕上げをしないと",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "言いながら、アウロラはまた、身体の向きを変える。\nそして、肩を掴んで揉み始めた。前屈みになって垂れた髪が、顔に当たる。\nくすぐったいんだが、いい香りがする。揉み方も今度は痛くなくて、気持ちいい。\nが、そのまま寝落ちしそうな気持良さが、不意に途切れた。\nアウロラの動きが止まってる。\n首を回して見上げると、アウロラの顔に疲れが見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一休みさせて。あと少しなんだけど……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "言うなり、力を抜いたのか、アウロラは俺の背中に座り込む。\n柔らかな尻が、俺の背中に密着した。\nもちろん、その間に俺の服とかアウロラの下着とかあるわけだけれども……超ヤバイ。\n妄想が、暴走モードに突入してしまう。年頃の男子には、これを止めることが出来無い。\nどうしよう、どうしよう、どうしよう。\nアウロラの、柔らかい尻どころか、両脇を太腿で挟まれて、吐息が耳にかかる。\n俺の体の一部が、当然の反応を示した。\nせめて接触面積を減らそうと、動いてみても、事態は改善しない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラ、ちょっと……どいて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "まさか、あたしが重いって言うなら、怒るわよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "重くないっ、アウロラ全然重くないから――",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その、アウロラの……体がさ、くっついてて……それは、嫌じゃないんだ。でも、その、心臓が、バクバクしてて……苦しいから……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラの顔が、さっと赤くなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ばか……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その表情も可愛くて、その上、困ったように身体を振るからたまらない。\nもう、腰がベッドから持ち上がりそうなほどに反応してしまっている。\nうつ伏せだから、かろうじて冷静を装えているが、それも、もう、限界だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう大分楽になったから、マッサージ、終わりでいいぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でも、後少しで終わるから――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "本当に、これ以上は無理だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "頼むっ!今日のところは終わりにしてくれ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "困ったような顔になったアウロラに、頭を下げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願いだ。俺を助けると思って――",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラはため息をついた。でも、俺の上からどいてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃ、今日のマッサージは、お終い――あら、起きないの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ごめん、今は起きられない……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "このまま寝たい。マジ、疲れてる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは大きく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃ、お休みなさい。明かり、消しとくわ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは明かりを消すと、俺の部屋から出て行った。そして、研究室からも出て行く。\nその気配が遥か先へ消え去って、ようやく俺は、ため息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぅ……俺、これからどんな顔をして、アウロラに会えばいいんだか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "せっかく親切でマッサージしてくれたのに、あんな気持ちになるとは不覚も不覚。\n仲間に対して、そして女性に対して、余りに失礼だ。\n彼女とか恋人とかが相手なら、いいのかも知れないが……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラって、仲間だよなぁ……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "灯や、姫さま、ルナ、シエルと同じというか、違うというか。\nただ、このところ、アウロラといる時間が長いような気がする。\nもちろん、研究とか調査とかなんだけど、いつもアウロラから声を掛けられている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、仕事だし、俺が手伝うのは仲間としても当然だし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "でも、一緒に作業しているときのアウロラは、楽しそうな顔をしていることが多い。\n前みたいな、ツンツンした態度も無くなってる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかして、俺のこと……なんてあるわけないよな。でも……嫌われてはいない……よなあ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう考えると、ほっとする。悪い気もしない。\n途端に瞼が重くなって、俺は静かに目を閉じた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4312_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "どうにか、アウロラを部屋まで連れ帰って、ベッドに寝かせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃ、お休み",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう言って部屋を出ようとした瞬間、アウロラが身体を起こす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まっ……て。こっち……きて",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "えっ?おい、大丈夫なのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いいから……ここ、ここへきて",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ろれつの回らないまま、手でベッドの縁をポンポン叩く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はやくぅ、はやく……きてぇ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "まったく。拗ねた子供みたいな、わがままだ。でも、悪い気はしない。\n俺はそんなアウロラに苦笑を浮かべながら、ベッドサイドへ近づいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ、ここに、すわるの",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "酔っ払いに逆らっても仕方無いから、言われたままに座る。\nすると、アウロラは嬉しそうな顔をしてにじり寄り、俺の膝の上に腰掛けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、の……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "慌てる俺にかまわず、アウロラは俺に抱きつくと、頬をすり寄せてくる。\n火照ってるほっぺたは、いまにも融けそうなほど柔らかかった。\n横目に映るその顔は、とても幸せそうで、見てる俺も幸せな気分になる。\nでも、膝の上の腰と太腿の感触とか、首もとから漂ってくる甘い香りとか、まして押し付けられてる胸のふくらみとか、かなり危ないレベルだった。\n自分自身との激しい戦いを心の中で繰り広げてはいるけれど、ズバリ言って劣勢だ。これはさすがに本気でヤバイ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ア、アウロラ、このままだと……いろいろまずいから、降りてくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "むぅ~、やぁだっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "が、そんな俺の懇願に対し、アウロラは駄々をこねるように、かえって強く抱きついてきた。\n突き放す、なんて出来ないから、理性を総動員して必死にこらえる。\nけれど、それも時間の問題だ。このままだと……うん考えたくないことに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "頼むっ、アウロラ……って、あれっ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "静かな寝息が耳許をかすめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "寝ちゃった……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "さっきまでの駄々っ子ぶりも、普段の強気なところも、影を潜めてしまったらしい。\nただ素直で、優しい寝顔が、俺の腕の中にある。\nずっとこのまま、見つめていたい。ただ、抱き締めていたい。それだけでいい――。\nそんな想いが俺を満たすと、何かしたい気持ちが自然と消えた。\nそっと、緑色の髪を撫でる。\nああ、そうだ。これは、とても大切なものなんだ。俺にとって、とても大切なもの。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、アウロラをそっとベッドに寝かせると、静かに部屋を出て行った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あれ、アウロラ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "翌朝、トレーニングを終えて広間に来た俺は、待ち構えていたアウロラに掴まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ……昨日のこと、忘れて欲しいの。あの、その、あたしの部屋での……こと\nお願いだから",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは、その顔を真っ赤にしながら俺に詰め寄ってくる。うん、まあ気持ちは分かる。いつもとまるで違ったあの姿は、本人にとっては恥ずかしいよな。\n俺もヒーローとして……いや、男として、できることなら忘れるべきだ。それが優しさ、気遣いというものだろう。\nだが、残念なことにそれは不可能というものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー……悪い。それ無理だ。あんな可愛いアウロラ、記憶に深く刻み込まれすぎてて、忘れられそうにない。むしろ気を抜くとすぐに浮かんできて困ってる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ばっ、ばっ、ばか!アラタのバカ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは、顔を真っ赤にして、その場から逃げるように立ち去った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……まあ、そうなるよなあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん、アウロラの気持ちは分かってるぞ。分かってるんだが……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も男ってことなんだろうなあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺はつかれたように溜息をついた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4314_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あれから3日ほどが過ぎた。広間でバカと言われた俺は、その後、アウロラに会うことが出来ていなかった。\nあの直後に、王様から隣国へ魔物退治に行ってほしいと依頼されたのと、出先で更に、その隣の国の魔物退治も引き受けてしまったからだ。\nようやく帰ってきた俺は、とりあえずアウロラの顔を見ておきたい、そう思って、まず研究室へと顔を出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うっす、戻ったぞー",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "元気そうだな。ブレイブギアの調子はどうだ?",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "ああ、絶好調だよ。絶好調過ぎて、レイがはしゃぎ過ぎだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それは使用上の支障にはならんだろ。うるさいだけで――",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "んで、アウロラは……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは研究室の隅にいて、何かしている。\nこの前までは、俺の姿を見ると飛んできたのに、今は、しらんぷりだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "飲み会の後、何かあったのか?",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "いや、何かってほどのことは……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ま、それはそれとして、アラタに一つ、頼みたいことがある\n帰って来て早々で、申し訳無いが",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "なんだ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "新しいギアの実験なんだが、さすがに研究室内では出来ないレベルなんでな、外でやることになった。で、その手伝いと護衛を兼ねて、アウロラ嬢に付いて行ってほしい",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "そりゃ、いいけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、またアウロラを見る。\nでも、アウロラは、こっちを見ようとしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるべく人気の無い場所、王都から離れた場所でやってほしい。それから実験の項目が多いので、日帰りは無理だから、野営の用意をして行ってくれ",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "わかった。でも、アウロラは……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もう一度、アウロラを見る。今度は、ちらっと俺を見るが、すぐに、そっぽを向いてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だ。これはアウロラ嬢の仕事だからな。分かってるさ",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "俺は頷くと、キャンプ道具を取りに自分の部屋へ向かった。\n王都から出て、街道から外れた森の手前の草原で、実験の場所を決める。\n実験室を出てから、ずっと会話らしい会話も無しに来たが、博士の言う通りちゃんと仕事だと分かっていたらしい。アウロラから、実験に対する様々な指示が飛んでくる。\nその指示通りに、新しいギアや実験の道具を出して実験を始める頃には、俺達の間の気まずい空気は消えていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"アーベン"
] | 09_Sekai | 4315_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "気まずい空気が消えたせいか、実験は予想より順調に進んだ。\nそれでも王都を出たのが遅かったから、実験が終了するころには日が西に傾いていた。\n夜の移動は危険だから、野営することにする。\n天候の悪化も考えて、森へ移動して、少し開けた場所を野営場所に決めた。\n日が落ちる前にテントを張って、簡単な食事を用意する。\n間食する間も惜しんで実験していたせいか、二人とも空腹で、たちまち完食してしまった。\nその後片付けも終わって、俺達は調理に使った焚火を囲む。\n森の中は静かで、薪のはぜる音だけが大きく響いていた。人の生活という気配がまるでない森の中。ここには今、俺とアウロラしかいない。\n静寂に包まれたこんな場所で、二人きりでいることを、俺はようやく意識する。\n揺れる炎に照らされたアウロラの顔は、美しいというよりも神秘的で、自然と目を奪われてしまう。\n綺麗なことは知っていた。けれどなんだろう。こんなにも綺麗だっただろうか。ここまで神秘的な綺麗さを持っていただろうか。\n俺は、ただ無言でその顔を見つめていた。意識して黙っていたわけじゃない。けれど、言葉が出ない。俺は、ただアウロラを見つめていた。\n沈黙は、それからしばらく続いた。そして、突然、破られる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、変なこと、しないわよね?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "は?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いきなりの質問に、俺はびっくりして聞き返していた。\n今度は、アウロラの方がパニくった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、あのっ、それ、違う、違うの!疑ってるとか、一緒にいるのがイヤとか、そういうのじゃなくてっ\nあの、その、アラタがイヤなんじゃなくて、アラタならいいから……って、なに言ってるの、あたしっ!ごめん、忘れて、なんでもないから――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "不器用だな、と思う。その不器用なところまで可愛くて、たまらない。俺は自然と口元を緩めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "安心してくれ。大切な人を悲しませるなんて、ヒーローどころか男として失格だ\nだから、そんなことはしない。アウロラを悲しませるようなことは、決してしないよ。大切だからこそ、約束する",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは目を見開いて、俺を見た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それって……あたしのこと――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺は、アウロラに笑みを返す。それでいいと思った。多分それこそが、俺の今の本心だろうから……。\nそのとき、森の奥の方から、魔物らしき雄叫びと、獣の咆哮が響いて来た。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4316_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "っぅう――!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "何が起きたか理解するより早く、目の前の魔物が襲いかかって来る。\n無我夢中で、右手を前へ突き出した。攻撃にはならない。防ぐしか出来ない。\n魔物は力任せに、俺を押しつぶそうとする。\n背中の痛みに邪魔されて、気合いが散る。その背中に、魔物と違う気配が迫った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラ……ヤバっ……!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "視野の隅に、見覚えのある小さな光が見えた。アウロラの弓だ。俺の後ろの獣を狙っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この獣が!動くなっ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラ!やめろぉっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "気力を振り絞っての叫びに、アウロラが慌てて弓の構えを解いた。獣からも、俺を狙っていた荒々しい気配が霧散する。\nそして俺は、再び気合いを入れ直した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うりゃぁあああああっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "魔物を一気に押し返し、立ち上がると右手の拳をぶち込む。\nそれに耐えることももちろんできず、魔物の体は、粉々に砕け散った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4319_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "つぅうう……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "魔物は吹き飛ばしたが、なけなしの力は尽きた。右腕の装甲が勝手に解ける。\nどうにか立ち上がりはしたものの、それも一瞬。俺はまた地面にへたり込んだ。\n情けないザマだが、背中の痛みがハンパ無い。\nブレイブギアの発動中でも、意識していないところは無防備同然なんだと思い知る。\nこれからは、少しは気を付けないとな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ!アラタ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "駆け寄って来るアウロラの目が、警戒するようにさっと獣の様子を窺った。\n獣は、まだ魔物がいたあたりに向かって、威嚇の声を上げている。\n俺は、もう一回力を振り絞ると立ち上がる。よろける体を、アウロラが支えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫?あの獣、追い払わないと――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "大丈夫だ。一人でいい",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、ゆっくりとアウロラの手を払って、攻撃の意思はないと示すように、両手を広げて獣に近寄る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "驚かせて悪かった。ブレイブギアが何かなんて、お前には分からないものな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "獣は警戒したまま、俺の匂いを嗅いだ。俺は、動かずに待つ。\nすると今度は獣の方から俺に近付き、周囲を回ると背後で立ち止まった。\nそして、背中の傷を舐め出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぅおっ、痛っ、たたっ、たい……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ダイレクトに傷をいじられて、俺の顔が歪む。でも、痛みは少しづつ薄れてきた。\n荒い痛みが取れたところで、獣は俺から離れた。\nそして、姿を消そうと下草の茂みに近付くと、茂みから小さな獣が二匹、転がり出た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "子供……魔物から、子供を守るために必死だったのね。それを、あたしったら――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "まとわりつく二匹の子供を連れて、獣は森の奥へと去って行く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラだって、一生懸命だったんだろ。俺を守ろうとして",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ええ。アラタが襲われてると思って……アラタは、子供がいるのに気付いてたのね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "いや、全然",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "苦笑を浮かべて答える俺に、アウロラは唖然としたように尋ねてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、なぜ、あの獣を守ろうとしたの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "……なんとなく、かな。妙に必死な感じがして……護らなきゃいけない感じがした。だから、護るって決めた",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "自分が死ぬかも知れないのに、傷ついてまで、護る必要なんてあるの?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ある。俺が自分で決めたんだ。ヒーローになるって決めたとき、それも一緒に決めた\nみんなを護るのが勇者の務めだろ。みんなってのは、人間だけじゃない\nたとえ、護る相手から石を投げられたって、一回護るって決めた相手は最後まで護り抜く\nそりゃ、俺だって人間だから、裏切られたら悲しいさ。でも、この間も言ったろ\n俺は、感謝とか、お礼が欲しくて、ヒーローやってるんじゃないって",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そうだったわね。それがヒーロー、それがアラタ、なのね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは、優しい顔をして頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ヒーローって、素敵ね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "お、わかってくれたか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "少しだけ、ね。さ、早く戻って傷を手当てしないと",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラに腕を取られた俺は、その感触にかなり幸せな気分になりながら、野営の場所へと戻っていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4320_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "野営の場所に戻って、アウロラに傷の手当てをしてもらう。\n手当が終わったときには、すっかり日も暮れて、あたり一面の闇だった。\n日が沈んだときに騒いでいた鳥達も寝静まったのか、また、焚火のパチパチと爆ぜる音だけが響く。\nその焚火の前で、俺とアウロラは、並んで座っていた。\n向かい合わせに座ってたとき以上に、二人きりだってことを意識する。\nアウロラもそうなのか、思い詰めたような顔で、俺を見た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ、ヒーローとして誰かを助けるために、護るために、自分を犠牲にしてでもやり抜くアラタのこと、信じているし、素敵だって思うの――でも\nもしアラタに何かあったら、アラタがいなくなってしまったら――\n考えるだけでも怖い……そんなこと、あってほしくない。だから、無茶はしないで",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "それはきっと、アウロラの本心。ようやく素直な言葉が聞けた。\nだから、俺も素直に言う。俺の本心を、アウロラに向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラ、俺にとってさ、ヒーローを目指すっていうのは絶対なんだ。それは俺が俺であるっていうのと同じ意味で……\nもしやめてしまったら、俺はもう俺じゃなくなる。だから、悪い。俺はこれからも無茶をする\n心配してくれるのは本当に嬉しい。心配させるのを本当に悪いと思う。でも、これだけは無理なんだ\nだから……だから俺が、いつでも必ず、無事に帰って来られるようにしてほしい\nアウロラ……俺の、ヒロインになってくれ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それって……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺は、アウロラの目を見据える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒーローにはさ、ヒロインが必要なんだよ。何があっても必ず帰って来るために\nヒロインが待ってるその場所にこそ、ヒーローは帰って来るんだ。そして――\n最後はめでたし、めでたし。ハッピーエンド。二人は末永く幸せに暮らしました、だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは、ちょっと怒って、ちょっと泣いて、半分くらい笑ってる顔になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんとなく分かるけど……もっと普通の、分かりやすい言葉で言って",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんなアウロラの、女の子としての要望に、俺はちょっと反省して、言い直す。\nただ俺の想いを、真っ直ぐに、分かりやすい言葉で放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺は、アウロラが好きだ。俺の大切な人になってくれ。俺の帰るべき場所に――\n俺の、たったひとつの、お願いだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは飛び切りの笑みを浮かべて頷いた。\nその顔が、俺に近付く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "目を閉じて、近寄せられる唇に、俺は唇を重ねた。\n柔らかで甘い感触に、頭がクラクラする。\n思わず、息継ぎするみたいに、唇を離した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "微かに開いた目が、その中断を責める。\n俺は、もう迷わずに、強く深く、口づけした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4321_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ね、ねえ、アラタ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは俺の前に立ち、真っ直ぐに俺を見つめてくる。その顔はほのかに赤らみ、瞳は潤んでいた。\n短いスカートの裾をきゅっと握り、やはり羞恥のせいなのか、体は小さく震えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしは、あたしのすべてをあなたに見せたい……あなたに見て欲しい……\nあなたのすべてを欲しいと願っている以上、あたしのすべてを見せなくちゃいけないと思うから……\nアラタは、見てくれる……?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "真っ直ぐに俺を見つめたまま訪ねてくるアウロラ。迷う必要なんてまったくない。俺は躊躇なく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然だ。俺はアウロラのすべてが欲しいと思ってる。だから、見たい。アウロラの全部を",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん……ありがとう。そ、それじゃあ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラはその体を震えさせたまま、そのスカートをそっとめくり上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまりその……近くで見ないで、ね……恥ずかしいの……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "清潔な白い布地。そして、赤いリボンが可愛らしさを加えている。\n可愛い、というよりは美人、という感じのするアウロラに対して、この下着はちょっと意外だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "けれど、それがダメ、なんてわけじゃない。俺の視線は、その逆三角形を描く布地と、そこから伸びる長い脚に、完全に吸い寄せられてしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……なによその返事。むしろ近づいてきてるじゃない……だから、恥ずかしいのよ……っ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "わ、悪いっ。でもその、こんな綺麗なの見させられてガマンしろとか、無理だろ\n初めて会った時から思ってたけどさ……\nアウロラ、お前って本当に可愛いよな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なあ!?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "言った瞬間、アウロラの顔が今まで見たことないものに変わった。その口から、本気で信じられない、といった叫びがこぼれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、かかか可愛い?あ、あたしが?ど、どこ見て言ってるのよ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "全部だが何か?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "これは紛れもない俺の本心だ。嘘偽りのない本音。むしろ、このアウロラの姿を見てそう思わない奴がどこにいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前の顔も、身体も、このちょっといやらしいくせに可愛らしさを持った下着の趣味だとかも含んで全部だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "じ、冗談よね?あたし、そんな風に言ってもらったことなんてないし……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "むしろ、言われてたのをこの調子で全部はね除けてたんじゃないかと思う。\nアウロラは、外見も能力も全部一級品なのに、自分に対する自信がちょっとなさ過ぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、本気だ。その、もっと本気で言っていいなら、このまま顔を埋めてしまいたいくらいに目が離せない",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だから俺は、何度でも褒めよう。俺の本心を、少しくらい引かれることになったとしても全部さらけ出したいと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばか……顔とかはその、変態チックだからダメだけど……触るくらいなら……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんな俺の欲望に、アウロラは真っ赤になりながらも、その先を許してくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタだもんね……うん、いいわよ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺のためだけに、その体を差し出してくれる。俺の中で、本当に何か……ガラスの容器みたいなものが割れる音がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "恥じらいに緊張しきったその体に、俺はそっと手を伸ばした。\n今まで抑え込んできた思いが、理性という名の容器が割れたことで、一気に噴き出してしまっている。\n触れたことのない、女性の体。それも、一番好きな、心から綺麗だと思う女性の体に、今触れられる。\nカラカラになったノドを、どうにか唾を嚥下することで潤しながら、俺はそっと、その体に触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄い……こんな熱い……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "女性にとって一番大切で、一番恥ずかしい箇所。白い下着によって隠されたその場所を、俺は布地の上からそっと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それにふにふにして……これがアウロラの……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "少し力をいれただけで、そこは左右に小さく開き、下着ごと俺の指先を受け入れる。熱さと柔らかさとが同時に伝わり、俺は感動に海に沈みかけていた。\nこれが、女の子……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまり乱暴にはしないでね……?その、見せるのも触らせるのも初めてだから、ちょっと怖い……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "あ、ああ……えっと、これくらい?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その感触に暴走寸前になってしまっていた自分に気づき、俺は慌てて指先から力を抜く。\nアウロラも気持ちよくなってくれますように。そんな気持ちをこめて、俺は指を前後に動かした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ、う、うん……なんかぞくってきて……うん、い、いい感じかも……\nあ……うく……ん、んんっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラの口からこぼれる甘い呻き。アウロラがこんな声を出すなんて、正直想像もしたことがなかった。\nけれど、今、アウロラは俺の指先で感じて、こんな声を出してくれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……湿ってきた……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そして気がつけば、下着の一部分の色が変わっていた。わずかな湿り気が指先に感じられる。\nそれは、アウロラの体の中から、そういったものが湧き始めているということだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "女の子って、こんな風に濡れるのか……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、あたし、感じちゃってるのかな……?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "どうやら自分で触れたこともないらしい。この状況を今一つ理解しきれていないアウロラの言葉に、俺はつい苦笑を浮かべてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだか不思議な感じが背筋走ってて……お腹の方が、むずむずってするの……\nアラタの指が、不快じゃない……もっと、もっと触ってほしいって思っちゃってる……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そう言っている間も、俺は指の動きを止めていない。できるだけゆっくりと、懸命に自分を抑えながらだが、動かし続けている。\nその指先が与えている刺激に、アウロラは確かに今までにない感覚を抱いているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。今のアウロラの顔、なんだか気持ちよさそうだ。俺もその……興奮してきてる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "恥じらいだけでないもので赤く染まったその顔に、俺も興奮が収まらない。\nアウロラが俺で感じてくれている。これだけで、俺は下半身がガチガチになっていくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……でもその前に、お願い、アラタ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして、更にその先へ行ってみようと考えた俺のその前で、アウロラは小さく言うと、そっと目を閉じた。\nそれが求めるものが何かくらい、俺にも分かる。アウロラとのキス。俺は興奮で真っ白になりかけた頭を振って落ち着かせると、その両肩にそっと手を置いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして、小さな桃色の唇へと、そっとついばむように俺の唇を重ねる。\nその柔らかさに驚きながら、俺はアウロラを求め続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、うむ……ん、ちゅ……んむぅ……ちゅる……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ここまでやってしまって本当に大丈夫だろうか。そんな不安はあったが、既に自分を抑えられそうになかった俺は、舌で唇をこじあけ、そっと中へと差し入れた。\nアウロラは一瞬驚きに体を固めたものの、抵抗はせず、俺を受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……じゅ……んん……ちゅぷ……ん……んむ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "互いの舌と舌をそっと絡め合い、味わっていく。\n二人とも稚拙な動きだったとは思うものの、それでも、その心地よさを求めて唇を重ね続けていった。\nそうして、後ろ髪を引かれながらもどうにか唇を離せば、二人とももう止められそうにないほどに昂ぶっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラの胸……凄いな……こんな柔らかいものなんだ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "背後にあった樹にアウロラを寄りかからせるようにしながら、俺は右手をアウロラの胸へと運ぶ。\n俺の手いっぱいに広がる張りのある膨らみ。服の上からなのにもかかわらず、この柔らかさ。俺はゆっくりとその手を動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……アラタの手、大きいのね……\nその、ね……あんまり強くはしないで、ね……?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その大きさと張りから、つい力いっぱい揉みしだきたくなってくる。けれどそれをどうにか堪え、俺は柔らかな果実の感触を堪能する。\n左手で愛撫を続ける下半身は、もう下着越しにも分かるほどヌルヌルとした蜜が染み出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、分かってるよ。でも、上も下もその、どっちも未知の感触で……\n触ってると、とめられなくなる……クセになるぞ、これ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "灯とのおふざけなんかで触れてしまったことはある。けれどこれはもう次元が違った。\nこの豊かな感触は、俺の手を心から幸せにしてくれる。指を動かせば動かしただけ形を変え、けれどすぐに戻ろうとする。そして指先から伝わる温もり。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "褒めてくれてるのよね?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "もちろん。だからその、少しだけ、な",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の手は、もはや自分の意思では止まってくれそうにない。だからこそ、少しだけ強くさせてもらう。\n女性らしいその膨らみを、俺は存分に味わい始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あぁ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして、アウロラも俺の手に慣れてきているのか、甘い喘ぎをこぼし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あぁ……ん、んむ……ふぁ、ああ……き、気持ち、いい……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その中心部にある物体がツン、と尖り、手のひらを適度に刺激してくれる。柔らかさと固さの両立。なんてずるい物体だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "先端とか、ちょっと突き出てきてるな……感じてるか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "う、うん……感じちゃってると思う。アラタの手、魔法とかかかってないわよね……んあぁっ……頭の奥まで、震えちゃいそう……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "むしろ、魔法がかかっているのはアウロラの声だと思う。その気持ち良さげな声を聞いているだけで、俺の興奮は際限なく高まっていく。\n歌で漁船を引き寄せる魔物でもあるまいし、なんて淫靡な魔法だろう。\nこの体をもっと見たい。そして直接触れてみたい。そんな欲望が頭の中で囁き、俺は躊躇なく白旗を揚げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ……あ、アラタ?ダメとは言わないから、脱がせる前に一言言ってよっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ズリ上げた服の下から、二つの山がこぼれ出る。反動でフルフルと揺れるその光景に、俺は一瞬見とれてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、ごめん。その、触ってたら突発的に見たくなってさ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "いやらしくも気持ち良さげで、その上綺麗。これが女性の……いや、アウロラの体なんだと思ったら、自然と目が吸い寄せられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラの、綺麗だな……滑らかそうで、ピンクの先端はおいしそうで……\nうん、本当に綺麗だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "滑らかな白い肌。その中央でツンと上向く桃色の尖塔。ただ、綺麗、という言葉しか出てこない。ずっと見ていても決して飽きたりしないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……そんな食い入るように見て……\nこのスケベ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そう言うアウロラの口調は、けれど怒っているようには聞こえなかった。恥ずかしい。そんな思いに溢れた言葉は、男にとって危険すぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この胸をじっくり見ちゃいけないなら、スケベで充分だ\nそもそもアウロラだって、こんなに尖らせてるじゃないか。感じてくれてるんだろ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その乳房をたっぷりと味わいながら、指の股で乳首を摘まむ。コリっとした固い感触と共に、アウロラは体を振るわせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "下の方だって、どんどん広がってるし",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そしてこちらも洪水状態と言っていいだろう。下着越しに広がる蜜は俺の指へとまとわりつき、ちょっとでもこの布をずらせば、たちまちこぼれていってしまうだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……し、仕方ないじゃない。アラタの手、き、気持ちいいんだもん……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんなアウロラの懇願を受けて、俺は手の動きを更に強く、大きくする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああんっ!\nあ、や、だめっ……いきなりそんな強く……んあぁっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "びくん、と大きく体を震わせてアウロラが鳴いた。\n手のひら全体を使って揉みしだく俺の動きに、アウロラは素直に快感の声をこぼしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この胸の感触も、股間の熱さも、どっちも凄いな……胸とか、一日中触っても飽きないぞ、絶対に",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "上と下、どちらからも熱いアウロラの体温が指先へと伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い……どんなに力をいれても、すぐに押し返される",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "マシュマロのようだ、と言い出したのは本当に誰なのかと思う。だけど、それ以上の言葉は俺にもまったく思いつかない。ただただ、いじり続けていたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぁ、ああ……ん、あ、ああんっ……や、やあ、つまんじゃだめっ!び、敏感すぎて……はううっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その先端を指先でつまみ引っ張れば、それだけで下半身の蜜が量を増した。そのまま左右に捻ると、喘ぎ声が激しさを増す。\n俺は下着の裾からそっと指をいれると、そのまま秘裂へと向かわせる。\n淡い叢の感触をかき分けながら、秘裂の中に指を埋めさせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、ああ、あぐ……ん……はああんっ!あ、や、だめ、指が、かき分けてきて……っ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "秘裂の中を前後に蠢く指の動きに、アウロラの表情がだんだんと柔らかくなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あらた……お願い……も、もう平気だから……だから、あのその……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "けれど、そんな刺激の中で言われたその言葉に、俺は指の動きを止めてしまう。\nそれは当然、俺も願っていること。このまま最後までいってしまいたい。そういうこと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいのか……?俺、今本気で興奮してるから、絶対止まらないぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん……むしろ止まっちゃやだ……い、いっぱいね、愛して……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "一度だけ。本当に一度だけ、全力で自分を抑制しながら確認を取る。けれどアウロラは少しも否定することなく、逆に俺を求めてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃ俺は、もう本気でアウロラのこと愛するから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラのすべてを俺のものにする。俺の中で確定した瞬間だった。\n俺は柔らかな草むらの上へと、そっとアウロラの体を横たえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この体勢、絶対見えちゃうわよね……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "横になりながらも形の崩れない胸。大きく開かれた足の間にある、淫靡に濡れたシミ。それを見ているだけで荒くなる鼻息を必死に抑える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どこがだ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……あたしの、一番恥ずかしいところ……こ、こんなに大きく足開いてだとか……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに視線を逸らしながら言うアウロラの姿に、俺は興奮しっぱなしだ。\nアウロラの言う通り、この白い布地を脱がせてしまえば、そこにはアウロラの女性の部分がある。一番恥ずかしいその場所が、すべて明らかになってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、凄い興奮する。アウロラの一番見せてほしいところが目の前にあるとか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それで……これからどうする、の?あたしのデータベースだと、もう食べられちゃうんだと思ってるんだけど……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺はアウロラにはっきり頷いてみせた。耳まで赤くなりながら、それでも必死に頷いてくれたアウロラは、あまりに愛しすぎる。\nだから俺は、その邪魔な下着を一気にズリ下ろした。\n髪と同じ、明るい緑色の淡い叢。それは綺麗に閉じた叢から滲み出てくる蜜によって濡れ、肌へと貼り付いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄い綺麗だな、アウロラのここ。ちゃんと手入れしてるんだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そのいやらしい光景に見とれながら言うと、アウロラは恥じらいに満ちた目で俺を見上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、当然じゃないっ。いつ、どんな感じで見られちゃったりするかも分からないし……実際、アラタには今見られてるし……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "間違いなく、俺以外の誰も見たことのないはずの場所。その中にある入り口に、俺はこれから自分を埋めるんだ。そう考えると、そこへの興味が止まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中、見せてみて",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺はアウロラの答えを聞くのももどかしく、その秘裂を左右に開いた。\n薄い桃色の肉壁が顔を見せ、大量の蜜が地面へと向かって垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあっ。あ、あんまり大きくは広げないで下さいい!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "うわぁ、綺麗な色だ……それに、こんなぐちゃぐちゃに濡れてたんだな。下着越しでも凄かったけど",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "話には聞いていたけど、本当にこんな濡れるんだ。その濡れたピンク色の肉壁を、俺はじっと眺めてしまう。\nそれだけで興奮してしまうのか、ジワジワと蜜の量が増していくのがよく分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あのね……出来たら、もう……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして、じれたようにせがんでくるアウロラ。俺はハッと我に返ると、慌てて自分のズボンへと手をかける。\nそして、もはや破裂しそうに膨れあがったそれを、そっとアウロラへとあてがう。早く入れたい。ここがどんな場所なのかを知りたい。\n確認するようにアウロラの目を見れば、小さく、恥ずかしそうに頷いてくれた。俺はもう待てない、とばかりに一気に腰を突き出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんうっ!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ぶつんっ、と何かを引き裂く感触と共に、俺のものがアウロラの奥へと入り込んだ。赤い液体が隙間からこぼれ、ツーっと下に垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫か、アウロラ。思ったより血が出てるみたいだぞ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "う、うん、平気……痛いけど……はぁ……これくらいならガマンできる……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そう言うものの、その表情はやっぱり痛みに歪んでいた。それでもガマンしようとしてくれていることがたまらなく嬉しい。\n熱いアウロラの肉に包まれた俺は、その狭さと気持ち良さに、ただ翻弄されていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それより……アラタは、どう?あたしの、初めての味は",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "あ、ああ。正直、凄い、としか出ない……うあぁ!こ、こんなキツイのに……もうトロトロになってて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺を包み込んでいる無数のヒダが、動いてもいないのに俺に貼り付き、アウロラの呼吸に合わせて細かく動く。\nまったく経験のない俺にとっては、それだけで信じられない拷問だ。今にも出してしまいそうで、まったく余裕がない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあっ!か、絡みつくっ!む、無理、だっ。ガマン無理!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ふふ……気に入ってくれたなら……ん……よかった……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラの中がこんなにも気持ちいいものだなんて。ある程度の想像はしていたけれど、ここまでだなんて思いもしなかった。\nたまらなく気持ちいいけれど、気持ちいいことが辛い。こんなのは初めてだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動きたいなら、いいわよ……?ガマン、できるから",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ、ゆっくりな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "このままじゃあ耐えられない。だったらむしろ、動いて一気に達したい。俺はそう考えると、余りに幸せな拷問器具の中を、ゆっくりと前後させ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……あ、アラタが……分かる……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "まだちょっと固さの残るアウロラの中。そこはあまりに狭く、そして心地いい。懸命に耐えながら動く俺の顔を見ながら、アウロラも熱い吐息を吐いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……あ、ああ……痛いのと一緒に、ぞくぞくって甘い感覚が、背筋走って……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "痛みよりも気持ち良さの方が勝っているのか、俺の動きに合わせるように、アウロラは背筋を震わせ、甘く鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……や、あ。身体の奥の方から……不思議な感覚、が……\nんうう!あ、や、はぁん!な、なんか、身体、が……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "しとどに濡れたその中は、どうにか俺を受け入れてくれる。キュッと締め付け続けるそこを動くのは、今の俺には余りに刺激的過ぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……悪い、アウロラ……俺、もう無理だ……\nお前の、良すぎる!こんなの、さっきまで童貞だった俺にガマンしろとか、不可能だろ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もう根元にまでこみ上げてきているそれをただ耐える。まだまだこの心地よさを味わいたいけれど、そんなのはどう足掻いても無理だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあぁ……あ、あああ……も、もうダメ、だ……さっきから何かがドクドク溢れて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "体の奥から何かがこみ上げてきて、俺の股間へと集まっていく。溢れるそれは今にも爆発しそうで……むしろ爆発させろと囁いてきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あたしも、よ……アラタが動くと、お腹の中がめくれるみたいで……んああ!か、快感が背中走って……!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "初めてなのにかかわらず、アウロラは感じてくれていた。甘く濡れたその声に、俺の動きが自然と速まっていってしまう。\nそれが自分の終わりを早めるものだと分かっていても、もう止められそうにない。\nアウロラの中をもっと感じたい。そして果てたい。俺はアウロラの奥へと向けて腰を打ち付けていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきから、変なのがすぐそこまで来てて……あ、や、やあ!い、いっちゃうっ!もうガマンとか、無理!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "全身を小刻みに震わせ、俺を感じ続けるアウロラ。俺はその中を無理やりに動き、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう限界だ!アウロラ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ひぎ、ん、あ、ああ……ぞくぞくが、も、もう……あ、ああ……あはぁ!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "う、くうう!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "達する寸前に、引き抜いた。爆発したかのように噴き出した白い精液が、その滑らかな肌へと降りかかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああああああっ!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そしてアウロラも、足先をピン、と反らせながら絶頂へと達していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やぁ……あ、熱いのが、いっぱいかかって……あ、凄い……アラタのあっつい……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "痙攣しながらドクドクと吐き出し続けていくそれを、アウロラはただ呆然と眺めていた。\n俺も、俺の欲望がアウロラを汚していく光景を、まるで夢でも見ているような心地でずっと見下ろしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……ふふ。アラタったら、こんなにたくさん出してくれちゃって\nそんなにあたしの身体、良かった?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "徹底的に吐き出し、どうにか収まった俺の爆発。アウロラは、白に塗れた自分の姿を見て、どこか楽しそうに笑っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……ふう……はぁ……良すぎて、死ぬかと思った……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "搾り取られる、だとか言うけれど、その意味がやっと分かった。本当に、死ぬまで動かしてしまいかねない。\nはっきり言って、こんな気持ちいいものを俺は知らない。またしたい。俺の中では、早速そんな願望が生まれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、そうなんだ。あたしもね、アラタのそれ……すっごく良かった\nお互いこんなに良かったんだし……また、しましょうね",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "心から嬉しそうに言ってくれるアウロラ。その笑顔が、また俺を興奮させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、またしような。今度はもう少し別の箇所を使って……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "次はもっともっと違った感じ方が出来たらと思う。\nいや、今度こそ、もっとアウロラを感じさせたい。アウロラの体のすべてを感じたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……変な行為はやめてよ、ほんと……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんなアウロラの言葉に、俺に楽しげな笑みで返していた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4322h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "俺とアウロラの一日は、シャインを中心に回るようになった。\n日中は、魔物の出現も減って少しはヒマになった俺が主に面倒を見て、朝と夜はアウロラが世話をする。その間も、可能な限り俺は二人のそばにいるようにした。\n昼間は、城の庭園で遊んだり、図書館で本を読んだり、散歩に連れ出したりする。\n前は四六時中一緒にいたがったアウロラも、研究作業を進める為には一人の方が効率的だと悟ったらしい。\nシャインを研究室に連れて行くのは、シャインについての調査を行うときだけだった。\nなんせ、シャインが研究室にいると、それを口実に博士が逃げ出す。\nアウロラもその辺が分かっているから、俺が魔物退治に出かけるときとかは、自分の部屋に戻ってシャインを見ながらデータ整理なんかをするようにしている。\nシャイン中心世界は、夜になっても変わらない。\nアウロラの部屋には、シャインのために入れてもらった簡易ベッドがある。\nしかし、シャインは使わない。シャインは『ママと寝る』のがお気に入りだ。\nその結果、簡易ベッドは俺の寝床になった。\nまぁ、たまに、アウロラが簡易ベッドを使うこともあるけれど(俺と一緒に)。\nそういう時も、シャインが起きる前にアウロラは自分のベッドに戻る。\nそして、朝が来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "パパ、起きてよ。朝だよ!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もう、パパっ。朝のお散歩、行く約束だよ!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "……ああ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もう、ねぼすけなんだから!ねぼすけのヒーローなんていないよ!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "痛いところを突かれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すまん……起きる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "少し寝不足かも知れないが、起きて着替える。\nシャインは、まだ寝てるアウロラの頬にキスした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ママ、行ってくるねー。帰ってきたら、起きてね",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "さ、行くか",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "うん",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "俺とシャインは手をつないで、早朝の散歩に出発した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"シャイン"
] | 09_Sekai | 4328_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "夜になってシャインの熱はいくらか下がった。\n苦しそうな呻き声も減って、俺達はようやくひと息つくことにした。\nとりあえず今はシャインを静かに寝かせておいてやりたい。俺達は今だけあえて隣の客室へと移動する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで、落ち着くよな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の楽観的な見通しに、けれどアウロラは眉間にしわを寄せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうならいいんだけど……熱が下がっても、意識が戻っても、もし……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは、深刻な顔をして、俺を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "また敵になってしまったら、敵に戻るのを止められなかったら、どうすればいいの?\nシャインは、アラタを殺そうとするし……そうなったら、アラタだって戦うでしょ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "否定は出来ない。俺を殺すために牙を剥くシャイン。確かに、俺一人を守るならどうにでもなる。けれど、もしその力が周囲にも広がるのなら……その時俺は……。\n黙ってる俺に、その気持ちを察してか、アウロラのため息が聞こえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "戦えば、アラタか、シャインか、どっちかが……あたし、そんなの嫌\nアラタやシャインのいない世界で、生きることなんて……無理、絶対無理!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは思い詰めた顔をして、続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタとシャインがいて、あたしがいて……それが、とっても大事なの",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ああ、分かってるよ、アウロラの気持ちは。でもな\nシャインの記憶が戻ったからって、必ず俺達の敵になるって決まった訳じゃない\nそれに、もし、シャインが敵になったとしても、俺には出来ないことがある\nシャインを倒すとか、俺が倒されるとか――アウロラに悲しい思いをさせるとか\nだから、ちょっと大変そうだが、シャインは俺が取り戻す。俺が俺であるために――\nそしてなにより、父親として",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アラタ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "必ず、取り戻す。俺とアウロラの大事な娘だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の気持ちのすべてを乗せての言葉。アウロラはそれを正面から受け止めてくれて、そして小さく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタはヒーローだもの。きっと、シャインを守ってくれるって、分かってるわ\nでも、怖いの。怖くてたまらない……アラタ、あたしを助けて……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは俺に抱き付く、と言うより、しがみついてきた。その体は小さく震えていた。\n冷たい水に手を浸けてたせいか、いつもより冷たく感じるその身体を俺は抱きしめる。\n俺の、一番大事なもの。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "助けるよ。アウロラも、シャインも",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラは深く息を吐くと、顔を上げ、キスして来た。\n今、アウロラに必要なもの。アウロラが求めているもの。\n俺は、キスしながら、なお強くアウロラを抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4334_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "なあ、本当に無理はしないでいいんだぞ?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "で、でも、やってもらえたら嬉しいんでしょ……?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは、ベッドに腰かけた俺の上に覆い被さるような体勢で、その大きな二つの膨らみを下着越しとはいえさらけ出していた。\n今からしようとしてくれていることは、本音を言うとめちゃくちゃやってほしい。アウロラの胸で、なんていったら、気持ち良すぎてどうなってしまうのか。\nだけど、その恥じらいっぷりからすると、内面では相当な戦いが繰り広げられてるんじゃないだろうか。羞恥心と俺への愛とで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そりゃまあ……でも経験あるわけじゃないから、どこまで気持ちいいのかも分からないしさ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だとすれば、俺の勝手で無理にやらせるのも申し訳無い。だから言ってみたんだが、アウロラは羞恥を思い切り顔に貼り付けながらも、その首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だったら、すっごく気持ちいいかもしれないわよね。ほ、ほら、せっかくね、こんな胸持ってる子が彼女になったわけでしょ\nなら、使わせないと勿体なくない……?あたしは、あたしの持ってるもの全部を使って、アラタを気持ち良くさせたい……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ここまで女の子に言わせて断るとかさすがにないだろう。男がやっていいことじゃない。だから俺は、素直になることにした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……分かった。なら頼むよ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "実のところ、その胸への期待からとっくにはち切れそうになってる肉棒を、アウロラの前へと披露した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ……な、なにこれ……おっきぃ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "えーと……俺の息子さんです……。前の時、見てなかったか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "こ、こんな目の前じゃなかったし、あの時は、アラタと繋がることでいっぱいいっぱいで……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "入れるとき、しっかりと見られていたとは思うけど、確かに今のこれは、あの時よりも遥かに大きいように思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……熱くて……カッチカチ、なのね……これがあたしの中に入ってたんだ……信じられない",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは、大きく反り返った俺を見て、呆然と呟いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが相手じゃあ、本当に頑張らないとダメね……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "それでも、逃げたりしないで俺を喜ばせる方向に気持ちを持っていってくれるあたり、俺の恋人は本当に最高だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず挟んでみたけど……どう……?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ズリ上げられたブラの下から、その豊満な膨らみが惜しげもなくさらけ出される。しかも、その中心には俺の肉棒がしっかりと挟まれていた。\n柔らかな乳房が俺の竿の部分にしっかりと貼り付き、その温かさを伝えてくれている。こうしているだけでも、興奮で出してしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……正直気持ちいい。アウロラの大きな肉がピッタリ貼り付いて……これでしごかれたらどうなるのか、ちょっと期待してる",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "事実、俺の肉棒は、挟まれる前より更に大きくなっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そう。期待してくれてるんだ……\nなら、いくわね……ん……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "大きくなった俺に、ちょっと照れくさそうな顔を見せながら、アウロラはゆっくりと体を前後に動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……く……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "アウロラの大きな柔肉が俺にピッタリと貼り付き、上下にしごいていく。ゾクゾクとした刺激が、下半身から背筋を駆け上っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあ……思ってた以上に、これ、凄い……ふかふかのおっぱいが、俺の全体を包むみたいに……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "温かくて柔らかくて大きくて……天国にいるっていうのは、まさしくこういう気持ちなんじゃないだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、そっか、気持ちいいんだ……じゃあ、もうちょっと頑張る",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そんな俺の反応に、アウロラはちょっと困ったように笑ってくれる。そして、更に動きを速めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、っしょ……ん……っしょ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "う……あ、あぐ……アウロラの、凄い柔らかくて……す、吸い付いて、くる……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ピッタリと竿に吸い付き、俺を前後に包み込むアウロラの凶器。先端のピンク色の突起は固く尖って、今感じていることを教えてくれていた。\n当然俺も、その心地よさに体を震わせ、すべてを任せる。その先端から、先走りが漏れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタの……凄い脈打って……うん、もっともっと気持ち良くしてあげる……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "それを見てなのか、アウロラはそっと俯くと、俺の先端をそっと口に咥えてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "温かな吐息が、俺の敏感な先端部分を刺激する。瞬間、びくん、と俺の体が跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぁ……あぐ……アウロラの口の中、あったかくて……ああ……舌が……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "竿を巨大な乳房でしごかれながら、先端部分をアウロラの口が犯していく。\n小さな口で咥えながら、その舌先で更に責めあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あむ……れろ……ん、ん……んちゅ……\nはぁ……んむ……ちゅぷ……あん……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "あ……やばっ、こ、腰が浮いて……ううっ!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もっとだ。もっとたくさん咥えて、嘗めてほしい。俺はそれを求めるように腰を突き出してしまう。\nそれを理解してくれたのか、アウロラは頭を動かしながら、口で先端をしごき始めた。\n胸と口、二つの快感で責められ、俺は体を震わせていた。根元の部分へと、大きな固まりが集中していくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やばいアウロラ!お、俺、もう!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んむ……ちゅ……れろ……あむ……んん……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "今にも爆発してしまいそうな快感の中、分かっているのか、アウロラの愛撫は止まらない。鈴口を舌先でこじ開けられ、熱い吐息を注ぎ込まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……あむ……ちゅぷ……ああ……ちゅぱ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "汗で湿った乳房が吸い付くように竿を締め上げ、その全体をしごき続ける。\nこみ上げてくる欲望は、すべてをこのまま出してしまえと俺に囁いてくる。\n俺は必死に堪えようとするものの、体はそれを望んではくれなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、ほんとに、もうっ!!\nうあああああっ!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "思い切り圧縮されていたその欲望が、アウロラの口の中へと、勢いよく注ぎ込まれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん!?\nん、んー!!んむう!?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ドックドックと溢れるそれはアウロラの口では収まり切らず、そのまま胸の方へとこぼれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、止まらないっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺の意思を無視して放たれ続けるそれを、けれどアウロラは懸命に受け止めようとしてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んく……ん……んうっ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして苦しげに、けれど愛おしそうに、できるだけの量を呑み込んでくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぷはぁ……っ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "苦しそうに息をしながら、俺の肉棒をアウロラが解放する。名残惜しかったけれど、これは仕方ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……マジで、凄かった……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "凄かった、じゃないわよっ。いきなり、あんな凄いのたくさん……\nも、もう……出すならそう言ってくれなきゃ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "すまんっ。気持ち良すぎてガマンできなかった",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "なんといっても、一気に俺の堤防を破壊してしまうほどの快感だった。アウロラに奉仕をされている。それだけで俺は、思い切り感じてしまうのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう……だ、だったら……次はあたしの番、よね……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラは、仕方ないとばかりに俺を見つめると、そのままちょっと恥ずかしそうに言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラのここ……もう濡れてるぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ベッドの上で、後ろからアウロラを抱きしめる。右手は胸に、そして左手はその股間へと。\nけれど、今日初めて触れたその場所は、既に思い切り濡れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうう……い、言わないで……恥ずかしいんだから……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "いやでもさ、これって俺のをしながら感じてくれてたってことだよな……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺に対する奉仕だけで濡れてしまうとか。しかもこの濡れっぷりは相当だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから言わないでって……もう、そうよ……仕方ないじゃない。アラタのなんだもん……\nアラタが感じてくれてるって思ったら、あたしもその、うずいちゃって……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その言い方は本気でずるいだろう。だったら俺も、存分に可愛がってあげないといけない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほんと、アウロラって可愛いよな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は後ろから微笑みかけるように言うと、その秘裂をいじめ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "下着の上からちょっと指を押し込んだだけで、アウロラは体をビクンと震わせた。同時に、少し開いた秘裂の中から、大量の蜜がこぼれ出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……や、だめ……そ、そこなぞっちゃ……っ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そのまま上下になぞっていくと、秘裂の先端部分にある小さな膨らみを見つける。\nまだ剥かれていない、けれど敏感な豆。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぷっくりしてきてる?下着の上からでもつまめるくらいだ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "充血し、膨らみ始めたそれを、俺はそっと二本の指でつまんでみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃうっ!あ、だ、だめっ……か、からだが震えて……!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "が、途端にアウロラの体が弓のように反れる。そして、熱く甘い声を奏で始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあ、はぁ……あ、ああ……ん、くぅ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラ、濡れやすいのかな。なんか凄いシミが広がって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "奥から次々に湧き出してくるそれに、下着はすでにぐしょぐしょになり、ねっとりとしたものが俺の指にも絡んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だって……んあぁ……そ、そんなとこ弄られたら……んああ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺は下着をそっと横にずらすと、秘裂へと直接指を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃんっ!あ、ゆ、指はだめっ……あ、あ、あああっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ぴちゃ、っと小さな水音を立て、俺の指が秘裂に埋もれる。同時にこぼれた蜜は、そのままシーツに染みを作り始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……奥の方から溢れてきた……もうこんな熱くなって……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "んぁ……あ、ああんっ……だめ、も、もっと優しく……あ、はぁん!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして熱く濡れそぼった楕円形のその中を、俺はちょっと強めにいじり続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ……ぞくぞく来てる……ふぁ……ああ……こんな……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "気持ち良さげな声をあげ、アウロラはただ鳴き続ける。その体を俺へともたれかけさせ、ただ俺の指からの刺激に、体を投げ出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタの指……んくっ……ま、魔法みたい……ああ!て、抵抗できな、い……ああっ",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺は秘裂の最下層へと指を滑らせると、そこにある入り口の周りをくるくると弄らせる。そして、先日開いたばかりのその中に、ゆっくりと指を埋めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラの中、指一本なのにきっつきつだ……それに、こんなぐちゅぐちゅ音立てて……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "きゅーっ、と締め付けてくるアウロラの秘洞。大量の蜜を溜め込んだそこは、指を動かす度に、いやらしい水音をたてていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ、吸い付いて……こんな中に入れたら、すぐ出ちゃうぞ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あ、ああ……んああぁ!や、やあ、そこ押しちゃだ、だめ……あ、はう!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "指の第一関節くらいまでを埋め、そこでちょっと指を曲げてみる。ザラッとした感じの場所に触れた瞬間、アウロラは大きく天井を見上げ、鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、あ、ああああ……く、くるっ!な、波みたいなのが……あ、や、やあんっ!\nも、もうっ……あ、あひ……んあ、あ、ふあぁ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "細い体が小刻みに揺れ、その長い脚がピンと伸びる。そしてそのまま、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああああああああ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラの体が跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……はぁ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "なんか、思いっきり跳ねたけど、大丈夫か……?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "どこかボーッとした表情で、ただ真っ直ぐに股間を眺めているアウロラ。まだイッた余韻から目覚められないようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……すごかった……な、なんか一気に電気みたいなのが、はじけて……\nもう……だめ……アラタのほしい……よぉ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そして、その感覚から初めての時を思い出したのか、ねだってくる。\n可愛い恋人にねだられたというのなら、それを断るバカはいないだろう。俺は任せておけ、と頷いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、ねえ、本当にこんな格好でやるの……?",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "耳まで真っ赤になりながら、助けを求めるように尋ねてくるアウロラ。残念ながら、これは決定事項だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダメか?後ろから抱きしめられて俺としては凄く良さげなんだけど……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ベッドの上で四つんばいにさせたアウロラに覆い被さるように、俺は後ろから抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダメってことはないんだけど……やっぱり、アラタの顔が見えないの、怖い……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "大丈夫だ。その分、こうやってしっかり抱きしめてるから",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "そう言いながら、俺は出したばかりの息子をまた取り出す。後ろから見る扇情的な光景のせいか、すでに前回同様の固さを取り戻していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……ぎゅーってお願い、ね……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "俺はアウロラの体を背中からしっかり固定すると、俺のそれを、入り口へとあてがった。\n俺はゆっくりと、アウロラの中へと腰を突き出していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁ……っ。は、はいって、くる……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "ズブズブとアウロラの中へと沈んでいく俺の肉棒が、早速快感に悲鳴をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うく……アウロラの中、す、凄いな……あう……この締め付けっ\nトロトロなのに……うあぁ……す、吸い付いて、生きてるみたい、だっ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "熱く濡れそぼったそこは俺の肉棒をたやすく呑み込み、けれどピッタリと吸い付いてくる。\n無数のヒダが、別の生き物のように俺へと貼り付き、キュッと締め付けてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……アラタのおっきいのが、お腹いっぱいに……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "秘洞をいっぱいに占有している俺を感じて、甘い吐息をこぼすアウロラ。その色っぽさに、肉棒が更に固く、大きくなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ……な、中でまた少しおっきくなったぁ……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その声に、明らかな気持ち良さを感じた俺は、ゆっくりと腰を動かし始めた。まだ二度目ではあるけれど、挿入時の苦痛はもう大丈夫そうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あふ……い、いいよぉこれ……あ、あはぁん……アラタが、お腹の中で動いてる……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラを存分に感じようと、俺のすべてでアウロラのお腹の中を擦りあげる。同時に、アウロラのすべてが、俺をしごいてきた。その快感に、俺も声をあげてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、だめっ、激しっ……あ、あたしまだ敏感、で……ん、はぁ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "さっきイってしまった直後のためか、まだゆるやかな動きにもかかわらず、アウロラは大きく喘いでいた。\nゆっくり、けれど奥の方まで届かせようと押し込めば、コリっとした感触の何かに突き当たる。瞬間、アウロラがその背を弓なりに反らして喘ぎ始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、奥まで届いて……あふ……ん、あ、ああ……だめっ、かき回しちゃ……あああ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "その声に誘われるように、俺は少しずつ腰の動きを速めていった。ぐちゅぐちゅと水音が響き始め、周囲にいやらしい響きを撒き散らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……動く度に、俺に絡んで……し、搾られる……っ!\n俺の全部を一気にしごいて……う、うああ!ぞくぞくきて!や、やっぱり無理!もう!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だが、動けば動く程アウロラが俺を締め付け痺れさせる。快感は震えとなって俺を刺激し、少しずつ俺の思考を塗りつぶしていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……はぁ、んん……だめえ!奥の入り口、あ、当たって……んぐ、あ、あああ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "最も深い場所にあるその入り口を、コツコツと軽く刺激しながら、でも激しく腰を振る。その快感からかアウロラは、全身を震わせ鳴き続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、だめ!も、もう!お願い、ゆ、ゆっくりっ。でないと、あ、ああ!\nお腹の中、が、全部震えて……ふあぁ!ああ、や、あ、あああああああ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "更にきゅうっと締まるアウロラの秘洞に、先ほど大量に出したはずの俺の精が、再び集まり始める。\nこの熱い胎内に注ぎ込んでやりたい。この中で果てたい。そんな欲望が湧き上がり、俺に更に激しく動くよう命令していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アウロラ!な、中に出すからっ!中に出したい!も、もう無理!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ただただ快楽を求めて動き続ける俺。懸命にその弓を引き絞りながら、俺はアウロラを責め続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、うん、うん!な、中がいい、あたし、も……ちょうだい!い、いっぱい、おねがい!!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そしてアウロラもそれを求める。俺はこれが最後と更に激しく腰を振り、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ひぎ、あ、あう……ん、あ、あ、あ、あ、ああああ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "そしてアウロラの最奥へと改めて突き入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あああああああああああ!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "う、あああああああああああ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺とアウロラ、二人が同時に解き放つ。おもいっきり収縮し、痙攣しているアウロラの秘洞。その最奥へと引き絞った精液を撃ち放っている俺。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……たくさん出てる、出てるよぉ!\nどっくんどっくんって……あ、あ、あ、お腹の中の入り口に、びゅーってかかって……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "一番深い場所にあるそこへと、俺の白い欲望が何度も何度も放出される。アウロラはそれを胎内で受け止めながら、更に快感に打ち震えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くう……アウロラの、思いっきりしまって……全部呑み込んでく……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "一滴も残させないとでもいうように、きゅっきゅと締まるアウロラのそこに、俺は自分のすべてを注ぎ込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっついの……き、気持ちいい……!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "アウロラはそれを、快感の中ですべて呑み込んでいった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さ、さすがにもう出ない……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "それから数分ほどして、ようやくすべてを出し切った俺は、ゆっくりとアウロラの中から自分を抜いた。\n注ぎ込んだ大量の精液が、収まり切らないとばかりに、太ももを伝って垂れてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はぁ……こぼれちゃってる……\nこんなにいっぱい出されちゃうなんて……ああ……すごくいい……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "自分の中からこぼれ落ちていく刺激にすら、アウロラは感じていた。そして、開いたワレメの中から垂れてくるその光景に、俺は思わず見入ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……こぼれ落ちてくの……すげえエロイな……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "あのぉ……なんだか凄い人ごとっぽく聞こえたんですけどぉ……\nこんなにたくさん、あたしの中に出しちゃって……出来ちゃっても知らないからね……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "あー、いや、その……ほんと気持ちよかったもんでついノリと勢いで……\nアウロラも気持ちよさそうだったしさあ……",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "もう、このけだものさんは……",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに俺をジト目で睨むアウロラ。俺はそんなアウロラに、ただこれしか言い返せなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、その時はちゃんと責任とりますんで……",
"speaker": "新"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4335h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ママ!お願いだから、勇者の排除は止めて!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "シャインは叫んでいた。二つの感情に挟まれ苦しみながらも、それでも叫んでいた。\nギアとしての自分でなく、一人の少女として叫んでいた。ただ当たり前のように湧き上がるその感情を声にして。\nアウロラの体が吹き飛ばされたあの瞬間、シャインは理解してしまった。\n自分は、知ってしまったのだと。あの温かな世界と時間と人達を。だからこそ、もう断ち切れない。あの日だまりの中で笑っていたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタも、アウロラも、世界の敵になんて絶対にならないよ!一緒にすごして、ぼくは分かったの!ぼくたちは、仲良く暮らしていける!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "シャイン、それはあくまでも、あなた個人の意見、願望でしかありません。世界は一部の個体によって動いているのではないのです",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "それでも!それでも可能性はあるよ!だって、アラタたちみたいな人がいるんだって分かった!みんな優しかった!\nそれなら、きっと他の人たちだって!話し合って、協力しあえば!お願い!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "私も、同じ事を考えた時期があります。遙か昔……遠い記憶の彼方の話ではありますが……\nですが、無理でした。人は力を得ると変わっていく。他者を蹴落とし、更に上へと行こうとする……だからこそ、すべての人を平等に……\n同一の敵の存在によって、同じ立場におかねばならないのです。そのために、この勇者システムは必要。システムを動かし続けるためにも、コウジマアラタの排除は必須です\n一人になり、寄り添う者を求めたあなたの感情は理解できます。ですが、安心なさい。あなたのための寄り添う者、マスターを、ソルを再生成しましょう",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "違うよ……ママ。ソルのことは大好きだけど、それはもう、ソルじゃない。同じ形をした別の何かだよっ\nぼくがほしいのは、そんな器じゃない!\nぼくは……ぼくを愛してくれて、ぼくを受け入れてくれる人達と一緒にいたい……そんな人達を信じたいの!\nソルがいなくなっちゃって、悲しかった。悔しかった!だからもう、あんな気持ちになりたくない!パパもママも、みんなも失いたくない!\nパパたちにも、ママ……マザーにも、誰にも戦ってほしくない!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "シャイン……あなたは私の生み出した娘の一人。だからこそ、母として、あなたの気持ちは理解してあげたい。ですが、不可能です",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "ママ!!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "私は、世界を、その世界に生きるもの達を守る役目を担う存在。娘の願いよりも、その使命を優先しなければなりません\nさあ、私に委ねなさい。あなたの中にあるデータを元に、ソルを再生成しましょう\nあなたに勇者は必要ない。あなたはこれからもマスターであるソルに寄り添い、ソルと共に、この世界を見守っていけばいいのです",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "やだ……やだよ!絶対やだ!!ぼくはもう……パパたちとなんて戦えない!!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "……ならば、仕方ありません……やりたくはありませんが、データを強制収容します",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "床に立つシャインの周囲を、青白い光の壁が囲う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ママ!お願い、分かって!ぼくの話を聞いて!昔とは違うよ!今だったら……!",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "代行者用ギアの、格納準備を終了。シャイン、あなたの格納を開始します",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "マザーシステム本体に設けられたドアが開く。シャインを囲んだ光の壁は浮き上がり、その開口部に向かって移動した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ママ!お願い!お願いだから――",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "光の壁が開口部から中に入ると、ドアが閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "格納を終了。データの収容準備に入ります",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "光の壁がシャインに密着すると、意識を浸食する。\nもう、シャインには為す術が無い。何も出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。パパ、ママ……",
"speaker": "シャイン"
},
{
"utterance": "必死で思い浮かべるアラタとアウロラの顔が、次第に薄らぎ、闇に消えた。その頬に、一筋の涙をこぼしながら。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"マザーシステム",
"シャイン"
] | 09_Sekai | 4337_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "博士の激闘は続いていた。その侵入を執拗に防ごうとする端末に対し、俺では何をしているのかも分からない速度で入力を続けている。\nかなりの苦戦を強いられているらしいが、その口元に楽しげなニヤリ笑いが浮かんでいるあたり、さすが博士と言うべきか。\nこの状況で、俺達の役に立つデータは何か、必要な情報はどこにあるのか――\nそんな、博士の悪戦苦闘は数時間にも及んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ、とりあえず、二つ、肝心な事が分かった。その一は、マザーシステムが、世界を司るシステムだという事だ。その二は――\n魔王城を含む、マザーシステムのマップだ。これで、本体のある場所へ行ける",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "シャインは、そこにいるのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "行けば分かる。実証あるのみだ。それにマップを見る限り、他にそれらしい場所は無いからな",
"speaker": "アーベン"
},
{
"utterance": "分かった。出発だ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "マップを書き写したノートを持って、博士と俺は、マザーシステム本体に向かう通路に踏み出した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"アーベン"
] | 09_Sekai | 4339_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "勇者と代行者が激しく戦っているその脇で、エルフと人間が端末の操作を始めたことに、マザーシステムは気付いていた。\n自らと直接繋がったその端末には、あらゆる制限が存在しない。しかも最大級のアクセス権を持ち、最大深度の情報にまで触れることができる。\nしかも、エルフと人間が入力している言葉から、その目的がマザーシステム自身にとって有害であり、排除すべきだと判断出来た。\nマザーシステムは、防衛システムを起動する。\n遠距離魔法の光の矢が一斉に、エルフと人間に向けて放たれた。だがその矢は、彼らの手前ですべて消し飛ぶ。そこには今までで最弱の魔王が立っていた。\nいや、最弱ではあるが、マザーシステムにとって一番危険な魔王が立っていた。\nしかも、自らの意思で立ち向かおうとしたことで、完全に魔王としての自分を受け入れている。それがシエルに、魔王としての力を使う鍵を外させていた。\nその力を使うことが出来るのなら、魔王は自在にあらゆる魔法が使用できる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ソル、端末を操作しているエルフと人間を排除しなさい。殺しても構いません",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "了解です。マザー",
"speaker": "ソル"
},
{
"utterance": "ソルは、新への攻撃をいきなり止めると、アウロラ達の方へ走り出した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ソル",
"マザーシステム"
] | 09_Sekai | 4344_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "破壊に夢中なソルの背後に、近付いていく。不意打ちは嫌いだが、この際やむを得ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヤァっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "渾身の一撃をソルの背に、首の付け根にブチ込む。俺の拳と、半分壊れた機械との間で、ぐしゃっと、潰れる感覚がした。\nでも、その潰れた部分が、反発するように盛り上がると、ソルの身体が跳ね返るように振り返った。その衝撃に、俺は弾き飛ばされる。\nすかさず飛び掛かってくるソルを、間一髪で避ける。でも、カウンターを入れるより速く繰り出される蹴りは避けられず、左腕の装甲で受け止めるしかなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "マスター、左腕の防御力70%ダウン。回復には90秒かかります、その間は左腕で受けないで下さい!",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "分かった、悪いが回復の方頼む!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "だが言ってる俺が、続けての蹴りによろけてしまう。そこに、遠慮無い一撃が入った。一瞬、息が止まる。でも、ソルの攻撃は止まない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "全身のダメージ上昇中。危険領域入ります!このままではダメージの新記録達成ですよ、おめでとうございます、マスター",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "嬉しくない記録だな!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "無駄口を叩いてる間にも、ソルの攻撃を喰らう。大ピンチ、て、ヤツだな、まったく。\n笑えない、が、笑うしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "レイ、俺がお前を受け取ったときのこと、覚えてるよな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "どうしましたか、マスター?現実逃避するくらいでしたら、いっそのこと自爆でもして花を咲かせる方がいいかと",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "誰が現実逃避なんかするかって。ヒーローってのは、絶対に諦めちゃいけないんだ。だからこそ……こんな時こそ余裕を見せるのさ\nあの時言っただろ、ヒーローってのは……たとえどんなピンチに落ちようとも……ノリと気合いと根性で、なんとかするもんなんだってな!\nうおりゃああああああああああああああああああああ!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "すべての防御をすてて、俺は拳を握りしめる。\n痛いのはガマンしろ。飛びそうになりそうな意識は繋ぎ止めろ。足が動かないなら無理に動かせ。\nノリと気合いと根性ですべてを呑み込み、俺は必殺の右拳を、ソルへと叩きこむ。\nその身体が、壁へと吹き飛んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すべてガマンして、ただ気合いでの一撃とか、とんでもないですね、このマスターは……",
"speaker": "レイ"
},
{
"utterance": "うおりゃぁぁぁぁっ!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、当然この機会を見逃さない。再び身体を起こそうとしているソルの元へと、一気に飛び込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで、決める!!",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "右手の拳に全力を込めて、ソルの体に打ち込む。生身を貫く不快な感覚は、その向こうの壁に当たって、止まった。\n手を引くと、ソルの体は何を言うこともなく、そのまま床に崩れ落ちた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あいつとお前が別人ってのは分かってるつもりだが、それでもこれだけは言っておくぞ\nシャインのことは、任せとけ",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "無数の光になって消えていくソル。その口許に、一瞬、笑みが浮かんだように見えたのは、きっと俺の気のせいだったろう……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"レイ"
] | 09_Sekai | 4348_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "終わった。俺は荒い息を必死に整えながら、改めてマザーシステムを見上げた。\n暴走したソルは倒したが……マザーシステムは見るだけで分かる。破損箇所が酷すぎる。これじゃあ、もう……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、ソルは消えたが、また作って、俺を排除するって言うんなら、二、三日後にしてくれないか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "……本来なら、そうするべき、なのでしょうね……世界のためにも……\nですが、残念ながら、それはもう無理のよう、です……",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "ソルによる破壊と、俺とソルの戦いの余波。やはり、マザーシステムへのダメージは、思っていた以上に深いみたいだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……悪い。時間、かけすぎちまったみたいだな……\nもう、ダメなのか?",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "ええ……私はもう、無理、でしょう……ですが……世界は、終わらせません……\n本当に……口惜しいかぎりではありますが……この先は、あの子に託します……\n……あなたと共にいた研究者に、伝えなさい……\n『シエル』。私の……管理者権限……パスワード……\n決して……ほろぼさせ……ない………………",
"speaker": "マザーシステム"
},
{
"utterance": "その言葉を残して、マザーは何も話さなくなった。だが、まだかろうじて動いているみたいだ。\nけれども、俺達の知っている、あのマザーシステムは、もう死んでしまったのかもしれない……。\n……本当はあんたも願ってたんだろうな。誰も犠牲にならない、誰も苦しまない、誰かを信じていればいい、そんな結末を。\nあんたがなんで、そんなパスワードにしたのかは分からないが……それでもそこに感じるよ。あんたの願いを。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……だからさ、あんたが本気でこの世界を守ろうとしていたことだけは、ちゃんと憶えておくよ\nもう少しやり方が違っていたら、きっとあんたも、ヒーローだ\n……じゃあな",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "俺は、寂しげなマザーに背を向けると、このラストステージを後にした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"新",
"マザーシステム"
] | 09_Sekai | 4349_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "マザーシステムの部屋を出たアウロラ達は、魔王城から出ると城門の外まで出て、駐屯していた兵士達と合流した。\nアーベンは、事情を聞いて加勢を志願する兵士達をなだめ、待つよう説得した。そして、皆が、石造りの橋の向こうに建つ城門の、その向こうに覗く魔王城の正門を見守る。\nその一番前に立つアウロラは、祈るように、シャインを胸に抱く腕を堅く組んでいた。\n午後の陽が、西に傾いて行くにつれ、その表情に不安の色が広がる。\n信じる気持ちと、生身で傷つく事もあるヒーローの実の姿を知っているからこその恐怖が、アウロラの胸の内でせめぎ合う。\nその瞳に溢れそうになる涙を堪えているのは、シャインがいるからだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "帰ってくる。必ず、帰ってくるわ。あいつ、ホントにバカだから。世界一のバカだから\nシャインのパパはね、世界一のパパだから、帰ってくるわ。シャインのために――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "待つ者達が疲れて座ったり、寝転んだりしても、アウロラは立ち続けた。\nやがて西に傾いた日が山の端にかかり、夕映えの光がアウロラの髪を茜色に染めたとき、魔王城の正門の暗がりの中に、その姿が現れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アラタ――",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "よろけるように歩く、その姿に向かってアウロラは走った。そして、城門を出たところで力尽きたように倒れかけるアラタに飛びつくと、その体を受け止める。\nもはや踏ん張る力すらないのだろう。その体は、受け止めたアウロラの体ごと、地面へと崩れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どれだけ無茶したのよ。馬鹿、馬鹿、馬鹿!",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "涙が溢れ出るまま、アウロラは新の肩に顔を埋める。そこにある確かな温もりを全力で受け止めながら、ただひたすらに声をかける。\nそして……。\nそして、落日の色に輝く髪を、新は撫でた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ただいま",
"speaker": "新"
},
{
"utterance": "その言葉に、アウロラの顔が上がると、そこに笑みが浮かぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おかえり……おかえりなさい",
"speaker": "アウロラ"
},
{
"utterance": "涙と笑みに濡れた言葉で、アウロラはしっかりと口にする。\n新の帰ってくる場所として、全力でその姿を受け入れる。\nヒロインの待つその場所に、確かにヒーローは帰ってきた。\n抱き合う二人に最後の輝きを投げ、日はゆっくりと沈んでいく。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"アウロラ",
"新"
] | 09_Sekai | 4350_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "愛用の腕時計がアラームを鳴らしている。\n召喚時、身につけていたおかげで異世界から持ち込むことのできた数少ない品だ。ソーラー電池式だったおかげで、三年経った今でもなんの問題もなく使えている。\n目覚まし時計、なんてものは当り前で存在しないこの世界。朝の五分を黒胡椒と引き換えにしてでも欲しい俺としては、マジ助かっている。\n今日は入学式だ。俺自身が関係しているわけじゃあないが、遅刻はまずい。頑張って起きるとしよう……。\nと目を開いたら、フロウラさんのロイヤルスマイル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "………………………おはよう",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "はい、お早うございます♪",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "えーと、ここで何をしてらっしゃる?",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ユウキさまの寝顔を堪能していました。何か、朝の準備でお手伝いできることがあればと",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "朝起きたらこの守りたくなるような最高の笑顔。これはいい。むしろ素晴らしい。ほんと、最高の目覚めを演出してくれる。\nただ問題は……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゃんとさ、施錠してたと思うんだけど、俺……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "はい。ですので、先日フランさまから習った、ぴっきんぐ、という技術で",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "お前ほんとに王女か!!",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "今は、ユウキさまの所有物です",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "本当にもう……まったくもってもうだぞ、この王女はっ。\nこっちがどれだけ必死に自分を抑えてると思ってる。こんな欠点0の美少女相手だぞ、本当に辛いんだからな。\nこれが本気で俺への好意、というならマジ遠慮しないんだが……フロウラのこれはむしろ謝罪だからな。さすがにそれを理由には抱けません。\nリムすらもとりあえずは自重してくれたのになあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、手伝いは大丈夫だから、フロウラも部屋に戻って支度しなさい",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あの、私でしたら大丈夫ですよ。素直に言っていただければ",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "素直って、何を言えと?",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "その……男性は朝が辛い、とお兄さまが……",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "恥じらうように顔を赤らめ、その視線をずらすフロウラ。それが行き着く先は、まさか、と思ったもののやっぱりお約束で……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。今日もマイサンはすこぶる元気でいらっしゃる",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "鎮めるために、きっと私の手が必要だ、と教えてもらったのですけれど……お、お使いになります、か……?",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "とりあえず、ハイレンのバカを後で張り倒すことだけは確定した……\nお使いになりませんので、どうぞお部屋にお戻り下さい",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あの、本当に遠慮は必要ありませんよ……?",
"speaker": "フロウラ"
},
{
"utterance": "いえ、本当に間に合ってますので",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "俺は半ば強引に、フロウラを部屋から追い出すのに成功した。\n日本にいた頃には、こんな展開あり得るわけがない、なんて作者をこき下ろしてたもんだが……いやあ、まさか自分に本当に訪れるとは。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くそ、本当にハイレンの奴。妹に何を教えてやがる。よりにもよって、フロウラの手と口でだなんて……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "……………………ちょっと勿体なかったかも、なんて思ってないやい。\nとりあえず、今日は一人で通学することにしよう。なんていうか、色々怖いです。俺の周囲の女の子。\n据え膳食わぬは、なんて言うけども、そこに恥じらいって必要だよな、やっぱり。いや、恥じらってはいるんだけれど、覚悟決めすぎ?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーむ。俺って実は、かなりなへたれ化してるんだろうか……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "だとしたらかなりショックである。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"悠樹",
"フロウラ"
] | 10_Runabout | 0110_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "学園前についたところで、そこにいた人物の姿に俺は首をかしげてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "フラン姉、こんなところで何やってんだ?別に学園関係者じゃないよな",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "え?……って、ユウ!?な、なんでここに!?",
"speaker": "フラン"
},
{
"utterance": "珍しく本心からの驚きを見せるその姿に、俺の中で嫌な予感が一気に膨らむ。\nこの人、昨日からちょっと行動不審すぎるだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんでもなにも、俺はここの生徒なんだが",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あー……そ、そうよねえ、うん。ここにいて当然だもんねえ、知ってた知ってたー。うふふふふー",
"speaker": "フラン"
},
{
"utterance": "うんうん、理解してくれて何よりだ。で?いったい何を企んでる",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "むむー。何よ、その物言いは。まるであたしがよからぬことを考えてるみたいに聞こえるわよ",
"speaker": "フラン"
},
{
"utterance": "そう聞こえてるなら俺の語学力は正しいってことだな。事実そう言ってるんだよ\nたった今の自分の態度振り返ってみろ。フラン姉だったら得意のニヤリ顔で、ほーらお姉さんに話してごらんなさい、男のままでいたかったら……とか言ってるだろが",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "えーと………………………………………………ニヤリ……",
"speaker": "フラン"
},
{
"utterance": "そうそう、その顔",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "うん、そうね。確かに言ってるわ。言わなきゃあたしじゃないじゃないっ\n付け加えるなら、聞かれたからって素直に答えるのも、あたしじゃないわよね",
"speaker": "フラン"
},
{
"utterance": "うわっ、開き直った!",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "そうね、あえて言うなら……\nがんばんなさい、ユウ♪",
"speaker": "フラン"
},
{
"utterance": "そう言いながら、満面の笑みを浮かべるフラン姉。そして、顔を顰める俺を前に、ダッシュで走り去っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……冗談抜きに何やらかしていったんだ、あの歩く活火山は……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "消え去っていく背中を唖然と眺めながら、俺はただ呟いていた……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"フラン",
"悠樹"
] | 10_Runabout | 0111_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "放課後、悩みに悩み抜いた結果まだ悩んでる俺は、こうしてとある教室の前を行ったり来たりしていた。\n悩みというのは簡単。アイカ先輩に、兄の最後についてを話すべきか、だったりする。\nアイカ先輩が兄であるランザ部隊長を尊敬してくれているのなら、あの人の最後を、あの人のしてくれたことを、しっかりと話しておくべきだと思った。\nけれど、貴族社会というのは実に複雑怪奇で発酵の上腐りきった社会である。兄妹だから仲がいい、なんていう常識はありえない。\n今時一般家庭ですら、家族の間に殺意が平然と飛び交うのだから、貴族の間なら尚更だろう。もし、自分が後継者になれたことをありがたく思っているのなら……。\n教えることが必ずしもいいことになるとは限らない。いらない波風を立たせることにもなるだろう。しかも、俺の正体もばらした上で、というオマケ付きだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーむ……俺個人としては、やっぱり知っていてほしいんだよなあ、あの最後を……\nとはいえ、それがキッカケで色々悩ませたりしちゃうのは本意でもないし……\nけど、話すということは、あの美貌にもう一度会えるというわけでもあり……お近づきになれちゃったりするととってもハッピー\nだが、それで機嫌を損ねたりしちゃったら、それこそ逆に嫌われかねないしなあ",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "一か八か挑むべきか、もう少し確実な情報を求めて引き下がるべきか。\n素直にヘタれるか……それともフラグブレイカーへの一歩を踏むか……なんという究極の選択!これもすべて、アイカ先輩が美人なせいだ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういや、アイカ先輩まだいるのか?",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "すっかり失念してたが、とっくに帰ってるって可能性もあったんだよな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんだけ時間潰して、もう既にいませーんとかだったりしたら……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "結構、あいつ何やってんだ?って感じの素敵視線もいただいてたし、俺、大敗北になりかねない?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、まだ残ってるのかだけコッソリ確かめてみるか……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "俺はドアへと歩み寄ると、中に残っている人達に気づかれないよう、そっと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら?",
"speaker": "アイカ"
},
{
"utterance": "はい!?",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "瞬間、スッとドアが開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……ユウキさん?どうかなさりましたの?",
"speaker": "アイカ"
},
{
"utterance": "ど、どういうタイミングで出てくるんじゃ、この人は!\nくっ。ハッキリ俺だと認識されてしまった以上は、ここで逃げ出すわけにもいかん。ということは……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、その……け、今朝のお礼を言いたかったので……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ここは素直に正面からアタックあるのみ。変に逃げればただの不審者だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、そのためにわざわざ?律儀ですのね",
"speaker": "アイカ"
},
{
"utterance": "クスクスと、可愛らしく笑うアイカ先輩。うわ、この人美人なくせに可愛いぞ。フロウラとはまたベクトルの違った可愛い美人って感じか?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、美人に受けた恩は意地でも返せ、そうでない人に受けた恩は可能なら返せ、が我が家の家訓になる予定なので",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "予定、ですのね。つまりあなたが残す、と",
"speaker": "アイカ"
},
{
"utterance": "ええ。そしてもちろん、アイカ先輩は意地でも返す方です",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ふふ。そう言っていただけるのは嬉しいですわね、ありがとうございます\nお礼のお言葉、確かにいただきました。これでもうお気になさらず",
"speaker": "アイカ"
},
{
"utterance": "アイカ先輩、五大貴族の長女なのに全然偉ぶらないな。これは、このまま特攻かけて、ランザ部隊長のことを聞き出す方がいいかもだな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、もしよろしければ何かお手伝いできることとかありませんか。お礼だけでは何も返せてませんし",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あら、そこまで気にしていただくことではありませんわよ。そもそも、私が出なくても問題なかったでしょうし",
"speaker": "アイカ"
},
{
"utterance": "いえいえ、そんなことは。それに、ここで引き下がっては意地でも返せという家訓に背くことになっちゃいますし",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "強引な俺の言葉に、アイカ先輩は口元に細い指をあて、わずかに考える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう、ですわね。今から少しお時間ありますかしら?",
"speaker": "アイカ"
},
{
"utterance": "あ、はい。特に予定はないので……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "でしたら、少し付き合っていただけません?一人ではちょっと寂しいと思っていましたの",
"speaker": "アイカ"
}
] | [
"悠樹",
"アイカ"
] | 10_Runabout | 0120_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "開いた口が塞がらない、というのはこういうことを言うのでしょうね",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "礼拝が始まり、集まっていた人達は皆神殿の中へと入っていった。\n本当ならマイネ先輩も参加する予定だったらしいが、さすがの状況に、俺が呼び止めるとここに残ってくれた。\nスキャナとニケは、空気を読んでくれているのか、あえて何も言わずに隣に座っている。\nフラン姉も、俺を心配してか、礼拝を他の人に任せてここにいてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アイカ先輩、笑ってくれてましたけど、本心じゃないですよね",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ええ。全然吹っ切れていないでしょうに……あんな強がりを。まったく……\nですが、安心しました。あの子は、迷ってはしまったけれど、見誤らなかった\n切り捨てていいものを、分かっていた",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "そう言って、誇らしげなマイネ先輩は、やっぱりいい人だ。というか、アイカ先輩の事を好きすぎるんじゃないか、この人。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "マイネ先輩。アイカ先輩は、なぜあんなにあの泉にこだわっていたんですか?\nその、お兄さんが関係あるみたいでしたけれど……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あのバカの発言から考えれば、それくらいは分かるしまず間違いないだろう。とはいえ、アイカ先輩の未来をしばるとは思えないんだよな、あのランザ部隊長が。\nマイネ先輩は、俺の質問に悲しげな顔を浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ランザ様の……あの子のお兄様の遺したものだったから、です",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "……そのお兄さんが、求めたんですか?あの泉を戻すために、バ……ラード先輩の力を借りるように",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "まさか。ランザ様は、自らの夢に妹を巻き込むような方じゃありませんよ\nランザ様は、常に未来を求めていました。魔との戦いも、終わった後が大事だと。終わった後に人々が笑えないようなら、たとえ戦いに勝ったとしても負けなのだと\n誰しもが今を生き延びることに必死だった時代に、あの方だけは未来のために動いていました",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "確かに、そうだったな。勝つんじゃなくて、勝って生き残ろう。そうしてこれからの時代を見よう。あの人は檄を飛ばす時、常にそう言っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですが、笑うためには、そのための何かがいると……だから、そんな場所を作りたい。その象徴に、この泉は出来る。いえ、してみせる。そう言い続けて……\n最後の戦場に向かう時も、アイカに笑顔と共に言っていました。必ず戻るから、そうしたら一緒にこの泉を、みんなの笑顔の元に、未来の象徴にしよう、と",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "だけど、戻ってこなかった……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "マイネ先輩が、悔しげに頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そしてアイカは、ランザ様の想いを引き継ぐことにしました。ランザ様の想いと共に、自分がこの場所に笑顔を取り戻してみせる、と\n最後の笑顔に応えること。それがアイカの……ランザ様に対する手向けなんでしょうね……",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "……そういうこと、ですか……ランザ部隊長の……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "え?確かにランザ様は部隊長でしたが、なぜそのことを……?",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "マイネ先輩が訝しげに尋ねてきていたようだが、俺の耳には届いていなかった。\n思い出す。俺も、思い出す。あの人が残してくれた最後の笑顔を。その後を託した、あの後ろ姿を。\nランザ部隊長と、その部下達の、未来に向かう心強い背中を。\n傷だらけになりながら、最後まで俺達と共に戦い、この世界を救った男の笑顔を。\n未来か……そうだよな。俺もスキャナもハイレンもフラン姉も、みんな魔王を倒すことに必死だった。倒せば世界は救われるんだって、そう思ってた。\nだけど実際のところ、そんなことはなくって……魔王を倒した瞬間に、権力者達は、自分の利益のために周囲を食いつぶし始めた。\n魔王を倒した後のことを、俺達はみな、他の人達に押し付けていたんだ。\nもしあの時、その未来を俺も見ていることができたなら、スキャナとだってあんな風には……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺は甘かったなあ……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あの時俺達が託されたものっていうのは、俺達が思っていた以上に重いもの、だったんだな……。\nそれを考えずに、他人に押し付けて逃げた俺と……その想いの尊さも分からずに脅迫材料に使うバカ、か……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………なんだろうな……笑いたいのに……自分を笑ってやりたいのに、笑えないわ……ほんと……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "なあランザ部隊長。あんたこそさ、生き残らないといけなかったよ。生き残って、それで一言でも言ってくれたなら、いくらだって力を貸したのに。\nいや、きっと今だって言いたいだろうな。妹を助けるために、みんなに笑顔になってもらうために、きっと言いたいよな。\nブチン。\nそしてその時、俺は聞いた。その音を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃあっ",
"speaker": "マイネ"
},
{
"utterance": "同時に、妙に可愛らしい悲鳴も聞こえた。\n俺はいったいどんな顔をしていたのだろう。分からない。ただ、目の前にいたスキャナとニケが顔を青ざめさせ、フラン姉すらもが引きつっていた。\nそう、俺は確かに聞いたのだ。その音を。\n自分自身の中で、何かが切れた、その音を。\n自分自身に対する、その音を。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"悠樹",
"マイネ"
] | 10_Runabout | 0127_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あのあと、トロンも誘ってみるかと部屋に行ってみたが、見事にいなかった。多分ナンパにでも行ったんだろう。あいつ、女好きだし。\nというわけで、俺達は二人きりのまま、こうして街に出ていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せっかくの休みだっていうのに、みんな大変だなあ",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "珍しいよね、ここまでみんなの用事重なっちゃうのって",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "だよなあ。ま、そういう時もあるってことにしておこう",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "そう言い切って歩く俺の裾を、不意にスキャナが掴んだ。振り返れば、申し訳なさそうな顔で俺を見上げている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やっぱり……私と二人だと、まだダメ、かな……?",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "いや。別にそんなことはないぞ。言ったと思うけどな、少なくともお前のことは、ちゃんと友人だって思ってる。友人と遊びに行くのを嫌がりはしないさ\nただまあ、あの賑やかな連中だからさ、いなくなるとギャップがな",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あー、確かにそうだね。すごく寂しさ感じる\nでも、ありがとうねユウキ。友人としてでも、私のこと受け入れてくれて……",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "……思うことはあるけどさ、あれをお前一人の責任だなんて言うつもりもないよ",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "俺は言うと、スキャナの頭に軽く手を乗せた。その顔がたちまち愛らしい笑顔に変わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うんっ。ごめんね、立ち止まらせて。デートの続き、しよっ",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "改めて言っておくが、これはルビィの友達を見るための行動だぞ?デートとは違うからな",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "分かってますよー。だけど、二人きりでデートっぽいし。友人同士だけど、私がそう思っちゃうのはいいよね",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "言って、えへ、と可愛く笑うスキャナ。ああくそ、俺はどうしてこうもこいつの笑顔に弱いんだ。全部可愛すぎるこいつが悪い。そうしておこう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……ごめんね",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "スキャナは小さな声で謝ると、そのまま強引に腕を組んできた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "前の時はニケもいたけど……今日は二人っきりで\n嫌なら離れるけど……",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "ま、それなりの役得はちゃんともらってるからな",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "見て分かる通りにスキャナの胸は小さい。フロウラと比べると殆ど公開処刑な感じで小さい。\nそれでも、ちゃんと女の子をしているそれは、スキャナが思い切り抱きしめている分、俺の腕にギュッと押し付けられている。\nその感触と温もりは、充分以上に捨てがたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからまあ、その分の料金と思えば安いもんだ",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "うんっ",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "その可愛らしい容姿を満面の笑顔に変えて、更に強く俺の腕を抱きしめるスキャナ。\n男っていうのは、どうしてこうも可愛い女の子の笑顔に弱いのか。あとおっぱい。\nそして俺達は、街の中を歩いていく。すれ違う男達がやたらと羨ましそうな視線を投げてきたが、どうだ羨ましいだろう、という顔で応えてやった。\nまあ、スキャナと一緒にいるときは当然のことだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ユウキ、ユウキ、ほら、この服凄い綺麗",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "うん、そうだなー。確かに綺麗だなー。でも綺麗すぎてスキャナには似合わないなー",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "あうっ。わ、分かってますよーだ\nでも、覚悟しておいてよ。こういう大人びた服の似合う素敵なレディになって、ユウキのこと、もう一回落とすから",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "無駄な努力はやめておきなさい。私、未来見えます。ごめんなさい",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ぐぬぬぅ~",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "正直に言えば、お前は美人系なんかにならなくていいんだよ。今のままで充分可愛いし、それがお前なんだから。\n俺は心の中でそんなことを呟くが、あえて言葉にはしてやらない。\nむしろ、自分で気づけ。なんたって、旅の途中で何度も言ったことなんだから。\nそうして俺達は街中を歩き回る。ルビィとその友達に会うために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういえばユウキ",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "ん?なんだ?",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ルビィさんとお友達って、どこにいるの?",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "俺は、自らのバカさ加減を思い知った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、とりあえずだなあ……ルビィの店、行ってみようか……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "……そうだね、あはは……",
"speaker": "スキャナ"
},
{
"utterance": "俺達は、ごまかすかのように、路地内を歩き始めるのだった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"悠樹",
"スキャナ"
] | 10_Runabout | 0202_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "へえ、弁論大会かあ。なんか面白そうな名前だね",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "うーん、面白くなるかは正直微妙な気がするなあ",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "夜。トロンに誘われた俺は、こうして露天風呂へとつかりながら、今日決めた行事についてを説明していた。\nにしても、まさかの男同士の風呂映像とか、何かおかしな気はするがそれは忘れよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "つまるところはさ、『自分がみんなに伝えたいことを、自分の言葉で発表する』ってことでいいとは思うんだけど\nあんまり堅苦しいこと語られても眠くなるだけだと思うんだよなあ。教育とは何か!とかいきなり語られてもわけわからんだろ",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ああ、それはそうだねえ。でもさ、語りたいことなんてみんなバラバラだろうし、結構面白い話とか出てくるんじゃないかなあ\nたとえば、女体の素晴らしさについて!!とかさ",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "お前、マジ天才じゃね?それなら間違いなく最後まで聞いてられる自信あるわ俺\nでもなるほどな。そういうことを語る場になる可能性もあるんだな……それなら面白い弁論なんかも出て来そうだ",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "弁論、というか、主張大会、みたいなイメージにしちゃえば、トロンとかルビィみたいなのが色々やらかしてくれそうな気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、どうやって競い合わせるんだい?",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "まあ、生徒数からいえば数百人いるからな。そんなの全員分聞いてなんていられないし、まずは予選としてクラス選抜ってとこか\nで、勝ち残った代表が全員の前で読んで、決選投票。俺の学校だと、そんな感じだったと思う",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "なるほどね。後はまあ、賞品だよね。それ次第でみんなの盛り上がりも変わるだろうし",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "うーん……スキャナの勝利のキスを頬に、とかどうだ?",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "うん。すっごく盛り上がると思うけど、男として最低の烙印押されるからやめた方がいいと思うなあ、僕は。ユッキは、知らない男にスキャナ様がキスしてもいいの?",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "スキャナがトロンにキスかあ。\n……………………。\n…………。\n……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "てめえ、ぶっころーす!!",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "ストップ!ストーップユッキ!想像力逞しすぎるよ!",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "そ、そうか、俺の想像だったか、よかった……",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "……ユッキってなんだかんだいって、スキャナ様のこと独占したがってるよねえ",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "……うーむ。やっぱり完全には吹っ切れてないってことなんだろうなあ……いかんいかん。真面目に吹っ切らないと",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "まあ、二人の間に何があったのかは聞かないけどさ、相当色々あったみたいだし\nでもまあ、僕が見る限りは、吹っ切れなさそうだけどねえ",
"speaker": "トロン"
},
{
"utterance": "……そんなことは絶対にない…………と思う",
"speaker": "悠樹"
},
{
"utterance": "そう言う俺を見るトロンの顔は、実に楽しそうだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"悠樹",
"トロン"
] | 10_Runabout | 0210_converted.jsonl |